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第1章
02(裏) グリード・グランベルク
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貴族の家に産まれ、貴族として生きてきた俺はずっと、家から出ることを許されなかった。
そんなある日、新しく雇われた家政婦のレンファおばさんは俺に言ったんだ。
「外はすごいよ、ここにはない景色が見られるんだ」
そして、窓からここら辺で特に高い山、ジャッカスマウンテンを指差しこういった。
「あの山から見る景色は、本当にすごいんだ」
それからその景色についてレンファおばさんはいっぱい語って聞かせた。
「僕、あそこに行きたい!」
「それはできないよ、坊ちゃんはこの家の跡取りになるために、お勉強をしないといけないんだ」
「お勉強なんて嫌だよ。僕は世界中を旅して、いろんな景色を見るんだ。それでね、悪いモンスターをいっぱいやっつけるんだよ!」
「そうかい……」
と言うと、レンファおばさんは悲しそうな顔をした。
〇△〇
レンファおばさんが死んだ。
5年間家政婦をしていたレンファおばさんに、俺はいろんな景色について聞いた。地図や本も買ってもらった。
レンファおばさんは死の寸前、俺に言った。
「坊ちゃん、冒険者になりなさい。きっと、あなたはすごい冒険者になれる」
「僕が……? なれるのかな……」
「なれるさ、絶対に。だから……」
僕の中で何かが吹っ切れた。
「父さん! 俺は家を出て、冒険者になる!」
「お前が冒険者にずっと成りたがっていたのは知っていた……。いつかそう言うんじゃないかって」
「じゃ、じゃあ!?」
「うむ、よかろう……。ただし! 二度と家に帰らない覚悟は出来ているだろうな?」
「……はい!」
「この家に恥じないような、立派な冒険者になれ!」
「はい!」
「よし、行ってこい!」
父さんは泣いていた。
〇△〇
斯くして、冒険者グリード・グランベルクの旅は始まった。
そして2年後、彼は超勇者グリード・グランベルクの名を世界に轟かせる事となる。
〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇
超勇者様の過去を02(裏)という形で彼視点で語ってもらいました。
こういうキャラの裏話みたいなのもたまに入れていくので、よろしくお願いします。
そんなある日、新しく雇われた家政婦のレンファおばさんは俺に言ったんだ。
「外はすごいよ、ここにはない景色が見られるんだ」
そして、窓からここら辺で特に高い山、ジャッカスマウンテンを指差しこういった。
「あの山から見る景色は、本当にすごいんだ」
それからその景色についてレンファおばさんはいっぱい語って聞かせた。
「僕、あそこに行きたい!」
「それはできないよ、坊ちゃんはこの家の跡取りになるために、お勉強をしないといけないんだ」
「お勉強なんて嫌だよ。僕は世界中を旅して、いろんな景色を見るんだ。それでね、悪いモンスターをいっぱいやっつけるんだよ!」
「そうかい……」
と言うと、レンファおばさんは悲しそうな顔をした。
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レンファおばさんが死んだ。
5年間家政婦をしていたレンファおばさんに、俺はいろんな景色について聞いた。地図や本も買ってもらった。
レンファおばさんは死の寸前、俺に言った。
「坊ちゃん、冒険者になりなさい。きっと、あなたはすごい冒険者になれる」
「僕が……? なれるのかな……」
「なれるさ、絶対に。だから……」
僕の中で何かが吹っ切れた。
「父さん! 俺は家を出て、冒険者になる!」
「お前が冒険者にずっと成りたがっていたのは知っていた……。いつかそう言うんじゃないかって」
「じゃ、じゃあ!?」
「うむ、よかろう……。ただし! 二度と家に帰らない覚悟は出来ているだろうな?」
「……はい!」
「この家に恥じないような、立派な冒険者になれ!」
「はい!」
「よし、行ってこい!」
父さんは泣いていた。
〇△〇
斯くして、冒険者グリード・グランベルクの旅は始まった。
そして2年後、彼は超勇者グリード・グランベルクの名を世界に轟かせる事となる。
〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇 〇△〇
超勇者様の過去を02(裏)という形で彼視点で語ってもらいました。
こういうキャラの裏話みたいなのもたまに入れていくので、よろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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