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ACT.9
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📺冒頭:ニュース速報
『本日、政府は“非生活必需布製品課税法案”、通称「タイツ税法案」を閣議決定。
今後、化学繊維製の着圧衣類、特にタイツやゼンタイ素材に対し、1着あたり月額3,000円の課税を行う方針です。』
教室中が、静まり返った。
スマホを見ていた女子生徒たちが、次々に顔を青ざめさせる。
脚に意識が集まり、スカートの下の布地が“重く”感じられるようになっていた。
「これは……嫌がらせよ」
マリアが、足を組みながらラメ入りのタイツを爪で軽く弾いた。
音もなく沈んだその布は、どこか怯えているようにも見えた。
🧾放課後:購買部の告知
「本日より、タイツ類の販売価格は全て3,000円アップとなります。申し訳ありません」
購買部のガラス越し、黒タイツの在庫は既に“購入予約済”の札が貼られていた。
値札を見て、1年生の女子がぽつりと言った。
「……タイツ履くのって、金持ちだけなの?」
スイはその背中を見つめていた。
羞恥と金額が、直結してしまった社会。
脚を隠すだけで、罰金を取られるような世の中。
静かに、唇を結んだ。
👗夜──イエローの決断
マリアの家。
鏡の前で、黄色のグロスラメタイツを履いたまま、座っている。
テーブルの上には、“未払い通知書”。
「毎月15,000円……5色分揃えるだけで。もう、パパにも言えない」
だが、脱ごうとしない。
指をタイツの腰元にかけても、スッと引き下ろせない。
脱ぐ=敗北、ではない。ただ、脱げない。それだけだった。
「この脚、見られて生きてきたんだもん。
課金されたくらいで、隠したくなるわけないじゃない……!」
💬昼の生徒会放送:タイツ投票制導入
『来週月曜より、女子生徒による“タイツ継続投票”を実施します。
校内でのタイツ着用を続けたい者は署名を、
廃止を望む者は生脚同盟に参加登録を。
多数決により、来月からの校則が決定されます。』
ナツミの叫びが教室に響く。
「なにそれ!? 脚で選挙させるの!?
これってさ、“見せる勇気”を“恥の料金”で測ろうとしてるじゃん!」
👠日曜日──静かな行進
その日、ユヅキたちはスカートの下にタイツを履いたまま街を歩いた。
何も言わず、音楽も流さず、ただ歩く。
羞恥も、法律も、世論も、越えるために。
すれ違う人々が二度見する。
「今どきまだタイツ?」「課金してまで履く意味ある?」
でも、誰ひとり視線に怯まなかった。
「意味?知らねぇよ。履いてなきゃ、落ち着かねぇだけだよ」
ユヅキの赤いタイツは、夕陽を受けて燃えていた。
💥月曜:投票の朝
校舎前に設置された仮設ブース。
“履く”か“脱ぐ”か、票を入れる透明ボックスが並んでいる。
教師たちは静観。男子たちは興味本位。
だが、女子たちは震えていた。
脚を晒すのか。タイツを貫くのか。
その選択が、“私らしさ”を計る物差しにされていた。
🔵スイのスピーチ
マイクを握ったスイが、校舎の階段に立つ。
青タイツの脚がスカートの下で真っ直ぐ伸びていた。
「羞恥は、見られることで始まるものじゃない。
脱げと言われたときに、初めて生まれるものです。」
「私たちは、強制されても履き続けてきました。
でも今日、私は“脱がない”と、自分で選びます。
それが、ゼンタイじゃなくても、誇れる生き方だから」
拍手はなかった。
だけど、次々に女子生徒たちが“履く”票を投じていく。
🌇結果──票は割れた
●履く:213票
●脱ぐ:198票
僅差だった。
でも、勝った。
「……でもまだ、半分は“脱ぎたかった”んだよね」
ナツミの声に、マリアが応える。
「それでも、履いた方が負けなかった。
それだけで、今は十分」
『本日、政府は“非生活必需布製品課税法案”、通称「タイツ税法案」を閣議決定。
今後、化学繊維製の着圧衣類、特にタイツやゼンタイ素材に対し、1着あたり月額3,000円の課税を行う方針です。』
教室中が、静まり返った。
スマホを見ていた女子生徒たちが、次々に顔を青ざめさせる。
脚に意識が集まり、スカートの下の布地が“重く”感じられるようになっていた。
「これは……嫌がらせよ」
マリアが、足を組みながらラメ入りのタイツを爪で軽く弾いた。
音もなく沈んだその布は、どこか怯えているようにも見えた。
🧾放課後:購買部の告知
「本日より、タイツ類の販売価格は全て3,000円アップとなります。申し訳ありません」
購買部のガラス越し、黒タイツの在庫は既に“購入予約済”の札が貼られていた。
値札を見て、1年生の女子がぽつりと言った。
「……タイツ履くのって、金持ちだけなの?」
スイはその背中を見つめていた。
羞恥と金額が、直結してしまった社会。
脚を隠すだけで、罰金を取られるような世の中。
静かに、唇を結んだ。
👗夜──イエローの決断
マリアの家。
鏡の前で、黄色のグロスラメタイツを履いたまま、座っている。
テーブルの上には、“未払い通知書”。
「毎月15,000円……5色分揃えるだけで。もう、パパにも言えない」
だが、脱ごうとしない。
指をタイツの腰元にかけても、スッと引き下ろせない。
脱ぐ=敗北、ではない。ただ、脱げない。それだけだった。
「この脚、見られて生きてきたんだもん。
課金されたくらいで、隠したくなるわけないじゃない……!」
💬昼の生徒会放送:タイツ投票制導入
『来週月曜より、女子生徒による“タイツ継続投票”を実施します。
校内でのタイツ着用を続けたい者は署名を、
廃止を望む者は生脚同盟に参加登録を。
多数決により、来月からの校則が決定されます。』
ナツミの叫びが教室に響く。
「なにそれ!? 脚で選挙させるの!?
これってさ、“見せる勇気”を“恥の料金”で測ろうとしてるじゃん!」
👠日曜日──静かな行進
その日、ユヅキたちはスカートの下にタイツを履いたまま街を歩いた。
何も言わず、音楽も流さず、ただ歩く。
羞恥も、法律も、世論も、越えるために。
すれ違う人々が二度見する。
「今どきまだタイツ?」「課金してまで履く意味ある?」
でも、誰ひとり視線に怯まなかった。
「意味?知らねぇよ。履いてなきゃ、落ち着かねぇだけだよ」
ユヅキの赤いタイツは、夕陽を受けて燃えていた。
💥月曜:投票の朝
校舎前に設置された仮設ブース。
“履く”か“脱ぐ”か、票を入れる透明ボックスが並んでいる。
教師たちは静観。男子たちは興味本位。
だが、女子たちは震えていた。
脚を晒すのか。タイツを貫くのか。
その選択が、“私らしさ”を計る物差しにされていた。
🔵スイのスピーチ
マイクを握ったスイが、校舎の階段に立つ。
青タイツの脚がスカートの下で真っ直ぐ伸びていた。
「羞恥は、見られることで始まるものじゃない。
脱げと言われたときに、初めて生まれるものです。」
「私たちは、強制されても履き続けてきました。
でも今日、私は“脱がない”と、自分で選びます。
それが、ゼンタイじゃなくても、誇れる生き方だから」
拍手はなかった。
だけど、次々に女子生徒たちが“履く”票を投じていく。
🌇結果──票は割れた
●履く:213票
●脱ぐ:198票
僅差だった。
でも、勝った。
「……でもまだ、半分は“脱ぎたかった”んだよね」
ナツミの声に、マリアが応える。
「それでも、履いた方が負けなかった。
それだけで、今は十分」
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