全身戦隊ゼンタイジャー

まとらまじゅつ

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ACT.FINAL

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 新学期。布の風、香る春。

 春の制服。桜と靴音。
 けれどこの学校の春は**「布の音」が混ざる。**

 女子生徒たちの脚は、全員“義務として”タイツを履いていた。
 黒、ネイビー、グレー、そして一部はカラー。
 スカートから覗く脚線は、規則であり、文化であり、誇りだった。

 そして、ゼンタイ部の布も――続いていた。

 🆕入部希望殺到!?脚で語る面接会

「ゼンタイ部、見学希望者、今日だけで11人だって」

 部室のドアの向こう、ざわつきと笑い声。
 1年生たちが緊張した顔で布を見つめている。

「布越しに表情が見えないのが、逆に落ち着くって……」
「脚に自信なくても包んでくれるのがいい……って」
「布の中で“自分になれる”って、そう言ってた……」

 2年になったナツミは、緑のタイツの膝を抱えて笑った。
 「新しいゼンタイジャー、できちゃうかもね」

 🚫そして、ただ一人の“拒否者”

 その日、唯一布を履いていなかった新入生がいた。

 佐倉うるは。
 制服の下、脚には何も纏っていなかった。
 素足。

「なんでみんな、そんなもの履くの……? 
 脚って、見せるためのもんでしょ?」

 彼女は言った。タイツを見下すように。

「タイツで誤魔化して、隠して、それで“本当の自分”って言えるわけ?」

 😢「布は、“見せない”ためにあるんだよ」

 それを聞いて、マリアがふわりと微笑んだ。
 春でも光沢のあるイエロータイツに包まれた脚を、揃えて一歩前に出る。

「見せたいから履くんじゃない。
 “見せたくない日”にも歩けるように、布を履くの」

 その声に、うるはは言葉を失った。
 ゼンタイ部の5人は、全員、脚を揃えて向き直る。
 赤・青・緑・黄・黒。
 かつてのゼンタイジャーが、新たな“布の伝道者”として立ち上がる。

 🪞“布の部屋”──体験ゼンタイブース

 歓迎会で用意された、ゼンタイ部の体験ブース。
 中は布で覆われ、試着室には無数の色とサイズのゼンタイスーツ。
 うるはは試しに、黒のタイツだけを持って、鏡の前に立つ。

 脚に滑り込むナイロンの音。
 肌を包み、締めつけ、整えていく。

「……苦しいはずなのに、落ち着く……なにこれ……」

 その瞬間、うるはの“脚”が、世界と繋がった。

 📢入部希望、脚で語る

 その日の午後、うるはは制服のまま、黒タイツを履いた姿で部室を訪れた。
 スカートから伸びる布脚。
 拒否していたはずの“隠された脚”が、今は自分を守るように在る。

「……まだ全部わかったわけじゃない。
 でも……この布で、歩いてみたいと思った」

 ナツミがそっと、彼女のタイツの膝に手を置いた。

「それが、ゼンタイのはじまりだよ」

 🎓卒業生からの手紙──脚は受け継がれる

 その夜、部室のロッカーに置かれていた一通の封筒。
 卒業したスイからだった。

「ゼンタイを履いたまま、大人になった私です。
 まだ布を脱いでません。
 会社にも、脚線のポリシー、持ち込んでます。
 見せない自由と、包む強さ。
 それが、ゼンタイで得たすべてでした。」

 読み終えたナツミは、そっと膝の上のタイツを撫でた。
 新しいゼンタイ部の1年生たちが、もう明日の布を選んでいる。

 🌅そして脚は歩き出す

 桜の花びらが舞う放課後。
 校門を出る女子生徒たちの脚には、さまざまな色のタイツ。
 その中に、かつて拒否者だったうるはの姿。

 黒いタイツの脚で、一歩ずつ、前へ歩いていた。
 スカートは揺れ、タイツは光を吸い込む。
 布の中にあるのは、まだ見せたくない、でも確かに在る“自分”。
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