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徒歩でワンドに入ったところでタクシーを拾った。ごましお頭の中年の運転手に観光スポットをリクエストし、そこまで乗せてもらった。
ぶらぶらとあたりを散策する。
半球の天井が吹き飛んでしまったような建物を見つけた。ガイドらしい女がその建物について団体客に説明しているのが聞こえてくる。なんでも、昔の闘技場のあとらしい。人と人とが戦ったとのことだ。力比べのために。人間同士の腕力勝負は少々解せない。頭を使って兵器を開発し、その点で争った方が人間らしい気がする。百メートルを九秒で走ることができたって、二、三百メートルも走れば馬の方が速いだろう。人の価値は頭脳にこそあるのではないか…、と、なぜだか小難しいことを考えてしまった。
次に、大きな時計塔に出くわした。やはりガイドがいる。時計塔は一時間ごとに鐘を鳴らすらしい。なんのための装置だろうと考える。これが作られる以前から、時を知るすべはあったはずだ。シンボル的な意味しか感じ得ない。巨大なオブジェであるようにしか思えない…、と、不思議とつまらないことを考えてしまった。後藤ライジの脳みそは、どうやらずいぶんと暇を持て余しているらしい。
あちこちうろうろして、中央公園と呼ばれる円形の広場に至った頃には夕方になっていた。
広場の中心には、ライオンの像が水を吐き出している噴水がある。噴水を囲う石製の縁に腰を下ろし、煙草に火をつけた。煙を吐き出す。二度、三度と繰り返し吸って吐いた。
「おいっ」と、高い声がした。
同じく縁に座っていた人物が、右方で勢い良く腰を上げた。
その人物は、たたっと走って正面にまでおいでなすった。
左右二つに編んだ金髪。ブルーの瞳。女だ。幼い顔立ちをしているが、少女と呼ぶほどでもない。つりあがっている眉からして、気が強そうに見える。
「煙がこちらにまでくるじゃろうが。うっとうしくてかなわん。やめんか」女は両手を腰に当て、上からとがめるように言ってくる。
「ここは禁煙なのかあ?」ライジは煙草の煙をぷかりとただよわせた。
女は宙に浮いた煙のかたまりを右手でもって、ぶんぶんと払う。
「やめろと言っておろうに。って、おいっ、地面に煙草を捨てるなっ…、はっ」女は文字通り、はっとした顔をした。「い、いかん。大きな声を出してしまった。というか、大きな声を出させるでない」
「でけぇ声を出すとまずいのかぁ?」
「目立つじゃろうが」
「目だったらまずいのかぁ?」
「まずいのじゃ」
「あ、そう」
「やめろと言うにっ」
ライジがくわえた新しい煙草を、女が取り上げた。眉根にしわを寄せている。
「わかったよ」
ライジは折れ、女から煙草を返してもらった。
ソフトパックに煙草を戻し、それを病衣の胸ポケットにおさめる。
女は「ふん」と鼻を鳴らすと、元いた場所に戻った。
やや間があってから、女は少しずつ近づいてきた。
石製の縁の上で尻を滑らせつつ、そのうちすぐ隣にまでやって来た。
「の、のう」と、声をかけてくる。おそるおそるといった口調だ「正直に申せ。ばれてはおらんかの?」
なんのことかわからないので、ライジは「なにが?」と問うた。
「わらわのことがじゃ。ばれてはおらんかの?
「ばれてたらどうすんだ」
「とりあえず、いちもくさんに逃げるじゃろう」
「逃げずに済んでよかったな。俺はおまえのことなんざ知らねぇよ」
「わらわに対しておまえじゃと? 無礼な。が、まあいい。他人の言動にいちいちめくじらを立てていたのではきりがないからの。それより、わらわについて、ほんとうに、見当すらつかぬか? ひょっとして、おまえはよそ者なのか?」
「ご名答」
「ふむ。ならば、わらわのことを知らずとも無理はない。にしても、妙な恰好をしておるな。おまえの国では、それが普通なのか?」
「いいだろ、んなこた。ほっとけよ。で、おまえは誰なんだよ」
「ふん、聞きたいか」女は得意げに言うと、内緒話をするつもりか、右手でついたてをこしらえた。「聞いておどろけ」と、ささやいてくる。「わらわこそはシエル王国の第三王女、ナタリア・ヴァン・フォールであるぞっ」
「ほぅ、王女様。ナタリア・ヴァン・フォール様」
「あ、おまえ、嘘だと思っておるな?」
「現時点では確かめようがねぇからな」
とはいえ、言われてみれば、気品がただよっているように映る。しかし、着ている服はきらびやかなものではない。藍色の、至極地味なワンピースである。首回りに余裕がある。肩の布がずり落ちそうだ。
「王女様がなんでこんなところにいるんだ?」
女はそこで、うつむいた。
「わらわは明日、結婚するのじゃ…」唐突にそう言われた。
「おめでとう」と言うしかない。
「馬鹿を言うな。めでたいなら、こんなところで思い悩んでいたりせぬわ」
「思い悩んでんのか?」
「思い悩んでおる」
「そりゃまたどうして?」
「家柄だけの男との婚姻などごめんこうむる。たとえ、お母様の言いつけだとしてもじゃ」
「それでなんだ? 宮殿から飛び出してきたってところか」
「そうじゃ。ばっちり変装をしてな。服については、仲のいい給仕に無理を言って協力をしてもらった。髪も編んでもらった。そうやすやすとは見破られまい」
「家柄だけの男かなんだか知らねぇけど、いいじゃねぇか。一緒になっちまえよ。結婚ってのは幸せの象徴だろ?」
「なんたるいい加減な物言いかっ」
「一般論だよ」
「だとしてもじゃな」
「他に好きな男でもいるのか?」
「えっ」
「いるのか?」
「な、なにを根拠にそんなことを」
「なんとなく、そんな気がしてよ。いるのか?」
「…笑わぬか?」
「言ってみろよ」
「おまえの言う通りじゃ。わらわには好いている男がおる…」
「誰のことが好きなんだ?」
「…笑わぬか?」
「だから、笑ったりしねぇよ」
「庭師の男じゃ…」夕暮れにあっても、女が、ナタリア・ヴァン…、長い、ナタリアが、ほおを赤く染めたのがわかった。「週に一度訪れては、庭の手入れをしよる。わらわはその男に声をかけることが楽しみで楽しみで…。良いのじゃ。額に汗して働く姿がまず良い。くったくのない笑顔を向けてくれるのもまた良い。そういったところを、わらわは好いて…、こ、ここまで話せば、もう充分じゃろうが」
「ああ。話はわかったよ」
沈黙、沈黙。
特に感想もないのでライジは黙っていた。
「の、のう」
「なんだよ」
「なにか、案はないかの?」
「なんの?」
「だから、わらわが明日、結婚しないですむような妙案じゃ」
「なんで、んなこと俺に訊くんだよ」
「偶然ながらも、こうして出会った仲ではないか」
「俺に意見を求めんだったら答えは言った通りだ。めんどくせぇ。結婚しちまえよ」
「嫌だと言っておろうにっ」
「だからっつって、逃げてどうすんだ。そうしたところで、なにも解決しねぇだろうが」
目を伏せたナタリア。
長いまつげが大きな瞳を隠す。
「そうかもしれぬ。それでも、わらわは嫌なのじゃ…」
ライジは前を見ていた。
ゆきかう人々の目をはばかることなく、男と女がキスを続けている。
「ああいうことは、オトコとオナゴであれば、常日頃からするものなのか?」
「そう珍しい光景でもないわな」
「なげかわしい。はじらいというものが欠けておる」
とまで言うと、ナタリアはまた、沈んだ顔をする。
望まない結婚を迫られているナタリアは、多少ならず不憫に思える。
とはいえ、話を聞くに、それはもう、しかたのないことだろう。
だとしても、このまま置いていくのは気が引ける。
他人にかまいたがるのは悪い癖だ。
自分はわりかし不便にできているらしいと改めて知る。
ライジは諦観にも似た思いで吐息をついた。
「行ってみたいところは?」と、尋ねた
「えっ」ナタリアが目を大きくした。
「だから、行ってみたいところは? ろくすっぽ、宮殿の外にゃ出たことねぇんだろ?」
「それはその通りじゃが…」
「どこでもいい。もうちょっとだけつきあってやるよ」
「良いのか?」
「おまえが望むなら」
「望む望む、望んでおる。くるしゅうない。大いにつきあうがよい」
「決まりだ。どこがいい?」
「そうじゃな…。よしっ、わらわはレストランにいってみたいぞっ」
ぶらぶらとあたりを散策する。
半球の天井が吹き飛んでしまったような建物を見つけた。ガイドらしい女がその建物について団体客に説明しているのが聞こえてくる。なんでも、昔の闘技場のあとらしい。人と人とが戦ったとのことだ。力比べのために。人間同士の腕力勝負は少々解せない。頭を使って兵器を開発し、その点で争った方が人間らしい気がする。百メートルを九秒で走ることができたって、二、三百メートルも走れば馬の方が速いだろう。人の価値は頭脳にこそあるのではないか…、と、なぜだか小難しいことを考えてしまった。
次に、大きな時計塔に出くわした。やはりガイドがいる。時計塔は一時間ごとに鐘を鳴らすらしい。なんのための装置だろうと考える。これが作られる以前から、時を知るすべはあったはずだ。シンボル的な意味しか感じ得ない。巨大なオブジェであるようにしか思えない…、と、不思議とつまらないことを考えてしまった。後藤ライジの脳みそは、どうやらずいぶんと暇を持て余しているらしい。
あちこちうろうろして、中央公園と呼ばれる円形の広場に至った頃には夕方になっていた。
広場の中心には、ライオンの像が水を吐き出している噴水がある。噴水を囲う石製の縁に腰を下ろし、煙草に火をつけた。煙を吐き出す。二度、三度と繰り返し吸って吐いた。
「おいっ」と、高い声がした。
同じく縁に座っていた人物が、右方で勢い良く腰を上げた。
その人物は、たたっと走って正面にまでおいでなすった。
左右二つに編んだ金髪。ブルーの瞳。女だ。幼い顔立ちをしているが、少女と呼ぶほどでもない。つりあがっている眉からして、気が強そうに見える。
「煙がこちらにまでくるじゃろうが。うっとうしくてかなわん。やめんか」女は両手を腰に当て、上からとがめるように言ってくる。
「ここは禁煙なのかあ?」ライジは煙草の煙をぷかりとただよわせた。
女は宙に浮いた煙のかたまりを右手でもって、ぶんぶんと払う。
「やめろと言っておろうに。って、おいっ、地面に煙草を捨てるなっ…、はっ」女は文字通り、はっとした顔をした。「い、いかん。大きな声を出してしまった。というか、大きな声を出させるでない」
「でけぇ声を出すとまずいのかぁ?」
「目立つじゃろうが」
「目だったらまずいのかぁ?」
「まずいのじゃ」
「あ、そう」
「やめろと言うにっ」
ライジがくわえた新しい煙草を、女が取り上げた。眉根にしわを寄せている。
「わかったよ」
ライジは折れ、女から煙草を返してもらった。
ソフトパックに煙草を戻し、それを病衣の胸ポケットにおさめる。
女は「ふん」と鼻を鳴らすと、元いた場所に戻った。
やや間があってから、女は少しずつ近づいてきた。
石製の縁の上で尻を滑らせつつ、そのうちすぐ隣にまでやって来た。
「の、のう」と、声をかけてくる。おそるおそるといった口調だ「正直に申せ。ばれてはおらんかの?」
なんのことかわからないので、ライジは「なにが?」と問うた。
「わらわのことがじゃ。ばれてはおらんかの?
「ばれてたらどうすんだ」
「とりあえず、いちもくさんに逃げるじゃろう」
「逃げずに済んでよかったな。俺はおまえのことなんざ知らねぇよ」
「わらわに対しておまえじゃと? 無礼な。が、まあいい。他人の言動にいちいちめくじらを立てていたのではきりがないからの。それより、わらわについて、ほんとうに、見当すらつかぬか? ひょっとして、おまえはよそ者なのか?」
「ご名答」
「ふむ。ならば、わらわのことを知らずとも無理はない。にしても、妙な恰好をしておるな。おまえの国では、それが普通なのか?」
「いいだろ、んなこた。ほっとけよ。で、おまえは誰なんだよ」
「ふん、聞きたいか」女は得意げに言うと、内緒話をするつもりか、右手でついたてをこしらえた。「聞いておどろけ」と、ささやいてくる。「わらわこそはシエル王国の第三王女、ナタリア・ヴァン・フォールであるぞっ」
「ほぅ、王女様。ナタリア・ヴァン・フォール様」
「あ、おまえ、嘘だと思っておるな?」
「現時点では確かめようがねぇからな」
とはいえ、言われてみれば、気品がただよっているように映る。しかし、着ている服はきらびやかなものではない。藍色の、至極地味なワンピースである。首回りに余裕がある。肩の布がずり落ちそうだ。
「王女様がなんでこんなところにいるんだ?」
女はそこで、うつむいた。
「わらわは明日、結婚するのじゃ…」唐突にそう言われた。
「おめでとう」と言うしかない。
「馬鹿を言うな。めでたいなら、こんなところで思い悩んでいたりせぬわ」
「思い悩んでんのか?」
「思い悩んでおる」
「そりゃまたどうして?」
「家柄だけの男との婚姻などごめんこうむる。たとえ、お母様の言いつけだとしてもじゃ」
「それでなんだ? 宮殿から飛び出してきたってところか」
「そうじゃ。ばっちり変装をしてな。服については、仲のいい給仕に無理を言って協力をしてもらった。髪も編んでもらった。そうやすやすとは見破られまい」
「家柄だけの男かなんだか知らねぇけど、いいじゃねぇか。一緒になっちまえよ。結婚ってのは幸せの象徴だろ?」
「なんたるいい加減な物言いかっ」
「一般論だよ」
「だとしてもじゃな」
「他に好きな男でもいるのか?」
「えっ」
「いるのか?」
「な、なにを根拠にそんなことを」
「なんとなく、そんな気がしてよ。いるのか?」
「…笑わぬか?」
「言ってみろよ」
「おまえの言う通りじゃ。わらわには好いている男がおる…」
「誰のことが好きなんだ?」
「…笑わぬか?」
「だから、笑ったりしねぇよ」
「庭師の男じゃ…」夕暮れにあっても、女が、ナタリア・ヴァン…、長い、ナタリアが、ほおを赤く染めたのがわかった。「週に一度訪れては、庭の手入れをしよる。わらわはその男に声をかけることが楽しみで楽しみで…。良いのじゃ。額に汗して働く姿がまず良い。くったくのない笑顔を向けてくれるのもまた良い。そういったところを、わらわは好いて…、こ、ここまで話せば、もう充分じゃろうが」
「ああ。話はわかったよ」
沈黙、沈黙。
特に感想もないのでライジは黙っていた。
「の、のう」
「なんだよ」
「なにか、案はないかの?」
「なんの?」
「だから、わらわが明日、結婚しないですむような妙案じゃ」
「なんで、んなこと俺に訊くんだよ」
「偶然ながらも、こうして出会った仲ではないか」
「俺に意見を求めんだったら答えは言った通りだ。めんどくせぇ。結婚しちまえよ」
「嫌だと言っておろうにっ」
「だからっつって、逃げてどうすんだ。そうしたところで、なにも解決しねぇだろうが」
目を伏せたナタリア。
長いまつげが大きな瞳を隠す。
「そうかもしれぬ。それでも、わらわは嫌なのじゃ…」
ライジは前を見ていた。
ゆきかう人々の目をはばかることなく、男と女がキスを続けている。
「ああいうことは、オトコとオナゴであれば、常日頃からするものなのか?」
「そう珍しい光景でもないわな」
「なげかわしい。はじらいというものが欠けておる」
とまで言うと、ナタリアはまた、沈んだ顔をする。
望まない結婚を迫られているナタリアは、多少ならず不憫に思える。
とはいえ、話を聞くに、それはもう、しかたのないことだろう。
だとしても、このまま置いていくのは気が引ける。
他人にかまいたがるのは悪い癖だ。
自分はわりかし不便にできているらしいと改めて知る。
ライジは諦観にも似た思いで吐息をついた。
「行ってみたいところは?」と、尋ねた
「えっ」ナタリアが目を大きくした。
「だから、行ってみたいところは? ろくすっぽ、宮殿の外にゃ出たことねぇんだろ?」
「それはその通りじゃが…」
「どこでもいい。もうちょっとだけつきあってやるよ」
「良いのか?」
「おまえが望むなら」
「望む望む、望んでおる。くるしゅうない。大いにつきあうがよい」
「決まりだ。どこがいい?」
「そうじゃな…。よしっ、わらわはレストランにいってみたいぞっ」
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