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第1話 外された男
しおりを挟むなーんもない人生だったと思う。
才能がある訳でもない、顔が良かったわけでもない。
運動が出来たわけでもない 勉強も平均。
平凡。言うなれば平凡。それはそれは恐ろしいまでの平凡。
それが俺の人生だったと思います。
「うんうん!それでそれで?」
え?あ、えっと。あとは、とくに何も無いです。はい。
「えー、なんか他にないの?恋人とかいなかったの?!」
あー。好きな人はいました、けど別に告白とかはしてませんよ?だって振られたりしたら嫌じゃないですか。
「ふぅーん。 つまんな!笑」
ほっとけ馬鹿野郎この野郎。しかしこの天使テンション高いなおい。
んでもって可愛いなおい!すっごく可愛い幼女だなおい!
こっちまでテンション上がって来ちゃったよ。
気になるな 気になるな お名前お年が気になるな!
けど、もっと気になるのは
「どこなのここ」
最初俺は夢を見ているのだと思ってた。
だって天使っぽい幼女が真っ白な空間で俺の人生について聞いてくるんだよ?どー考えても夢だよね。早く覚めろ夢!
いや醒めないでください。もっと幼女と喋らせてください!
と、思ってた。
最初は思ってた。けど、これはいつもの夢と違うことがわかった。
まず長い!馬鹿じゃないのいつまで寝てんの俺、かれこれこの空間に数時間はいるよ?!
起きたら会社に大遅刻とかやめろよ?!そうなったら困るからさっきからいろいろ夢から覚めようと悪戦苦闘してんだよ!
大声出したり、思いっきりほっぺたつねったり、してるんだよ!幼女が笑っていました。嬉しいです。じゃなくて!
つぎにリアル!馬鹿じゃないのどこまでリアルなのこの夢、体を動かす感覚とか 痛みとかすっげーリアルだよ?!
ほっぺたつねったらいてぇんだよ?!どーなってんだよこれがホラー系の夢じゃなくて良かったよホントに!
幼女がこちらを見て微笑んでいます。本当に良かったです。じゃなくて!
「ここ?ここは天界だよ」
へぇー。そうなんだ天界かぁ。 うん夢だな。間違いない。
いやまて、まさか
「もしかして俺、死んだからここにいるのか?」
まって、目の前の幼女が考え込んでる。やだ怖い。嘘、俺死んだの?
マジで?寝てる間に心臓止まっちゃった感じ?しっかりしろよ俺の心臓!捧げてんじゃねーぞ勝手に!
「うーんとね、死んだわけじゃないの。むしろ逆、あなたは生とか死とか、そういうのを超越した存在になったの。いや、なってしまったの。ツイてるね!」
いや、ツイてるね!じゃねえよ。可愛いけど
「死んだわけじゃないんだ、良かったよ。で、どーやったらここから出られるんだ?」
キョロキョロ周りを見渡す。一面真っ白。ひっろ。
「いやー、その事なんだけどね・・・」
溜める。勿体ぶる幼女。さっさと言えよこの野郎。けど可愛い。ニヤニヤしながらのぞき込んでくる
「戻れないの、元の世界には」
うんうん、可愛いな。
え?
「戻れない?これ夢じゃないの?醒めれるやつじゃないのこれ?」
「うんそうだよ。これ夢じゃないよ。醒めれるやつじゃないよこれ」
ほー・・・ 一気にホラーめいてきましたわ。やめろよ?可愛い幼女が急に恐ろしくなるの。マジで泣くからやめろよ?
幼女がどこからか持ってきた眼鏡を掛けて、突然現れた黒板の前に立ってこちらを見ている。
仲間にしますか?家族にします。
「何がなんだか分からないと思うから、私がぜーんぶ教えてあげるね!だからあなたはここに座って?」
学校にあるような机と椅子があらわれる。ここは素直に座ろう。面白い、聞こうじゃないか。
「まず、あなたがいた世界。つまり現世があって、その上に天界。その下に地獄があるの」
黒板に大きく平仮名でげんせ、その上にてんかい、そして下にじごく。一生懸命書いてる。背伸びしてる。
「で、いま私たちがいるのはここね?」
てんかい、と書かれた所をぐるっと囲む。背伸びしてる。やべぇ
「わかった?」
いやまて、嘘だろこれで終わりかよ黒板要らねえよこんなの
「うん、分かんない。まず、なんで俺はここにいるの?」
「あなたの魂は、宝くじで言う一等を当てたの!」
おめでとー!と幼女が叫ぶ。黒板にもおめでとー!と書いてる。要らないよなその黒板。
「一等を当てたのか、それは良かった。で、一等の賞品はなんなんだ?」
ニヤニヤしながらこっちに近づいてくる。
「そ、れ、は!」
幼女が近づいてくる、もう目と鼻の先まできてる。
近い!これほどまでに異性と接近したことは無い!悲しい!幼女を異性扱いしてしまう僕悲しい!
「好きなように自分を作り替えて、理想の世界に転生させてあげるというものだよー!!!」
声デケェ!いい匂いすげぇ!!抱きしめたいやべぇ!!!
まって、この幼女いま何と
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