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楽しそう!やってみよっと
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「ねえねえ、なにやってるの?」
「お、ユイちゃん!えへへ、これはね…」
今日もユイは元気にみんなと話している。いつもの光景だ。本当に、私とは大違い。
私は滝島ツグミ。クラスに一人はいるような所詮陰キャラというやつだ。当然のことながら友達は無いに等しい。
しかし彼女ーー三ノ輪ユイだけは中学のころから私と仲良くしてくれた。彼女は私と違って、明るくて、気さく
で、クラスの人気者だった。本当に、私なんかと釣り合わないほどに…
「ツグミーーーーっ、おっはよう☆今日も清々しい朝だね☆ 」
「おはよう、ユイ。今日も元気だね。」
ツグミは?を膨らまして今日も素っ気ない!なんて叫んでいるけど気にしない。
「そうだ!聞いて聞いて!」
ユイはハッとした表情でこちらを見た。
「これ!見て見て!さっきカズハちゃんに教えてもらったアプリなの!ツグミもやってみない?」
ユイはスマホの画面を突きつけてそう言った。
「"シークレットアイドルLOVE"…?何これ」
「アイドルのイケメンと恋ができるゲームなんだって!こういうのやったことないけど、絵がとっても私のタイプ
だし、おもしろそうだし!ね、ツグミもやってみない?」
やっぱり恋愛ゲームか。なるほど、ユイも人並みに彼氏とか欲しかったんだ。そんなこと聞いたことなかったか
ら、知らなかった。でも…
「私はいいよ。イケメンとか、彼氏とかどうでもイイし。それにそれはスマホのゲームでしょう。私スマホじゃな
いから、やりたくてもできないよ。」
そう。私の親が頭が硬すぎるため、スマホなんてただの遊び道具だろう!なんて言って持たせてくれないのだ。
「そっかあ。ごめんね、忘れてた。じゃあ、私のスマホでやる??」
「…………」
こいつは人の話を聞いていなかったのか。私は真顔のまま無言で席を立った。
「あぁーーーー、ごめんって!嘘だよう・そ!もぉぉ~本気にしないでよ~」
全く、笑えない冗談だ。私はそのまままた席に着いた。
「あぁ~~~~~~~!また選択肢間違えたぁぁぁ」
あれから数日後。どうやらユイはすっかりそのゲームにハマってしまったらしい。友達がユイしかいない私にとっ
ては、ゲームに彼女を取られたみたいで、少し寂しかったが、そのこと以外ではちゃんと私の相手もしてくれるの
で、別に不満はなかった。
「あぁ、全然好感度が上がらないよぉ。もう何度もやってるのに。もうダイヤがないよぉ。課金しようかな。ね
え、ツグミはどう思う?」
ダイヤとは、ゲームをプレイするにあたっての通貨のようなものらしい。それで何か物を買って、キャラクターに
あげると好感度が上がる、というシステムらしい。詳しいことはわからないが、そのほかにガチャ、というものが
回せるらしい。
「自分がそうしたいならすればいいんじゃない。ていうか私に聞かないでよ。」
ユイはうぅぅ~んと少し唸った後、意を決したように立ち上がった。
「よし!私課金する!今月のおこづかい全部つぎこむ!愛しのスバルくんのために!」
ーーこのとき私が止めていれば、未来は変わったのだろうか。あの、最悪な事態を引き起こさずに済んだのだろうか-------
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。続きますが、多分のろのろ更新です。by作者
「お、ユイちゃん!えへへ、これはね…」
今日もユイは元気にみんなと話している。いつもの光景だ。本当に、私とは大違い。
私は滝島ツグミ。クラスに一人はいるような所詮陰キャラというやつだ。当然のことながら友達は無いに等しい。
しかし彼女ーー三ノ輪ユイだけは中学のころから私と仲良くしてくれた。彼女は私と違って、明るくて、気さく
で、クラスの人気者だった。本当に、私なんかと釣り合わないほどに…
「ツグミーーーーっ、おっはよう☆今日も清々しい朝だね☆ 」
「おはよう、ユイ。今日も元気だね。」
ツグミは?を膨らまして今日も素っ気ない!なんて叫んでいるけど気にしない。
「そうだ!聞いて聞いて!」
ユイはハッとした表情でこちらを見た。
「これ!見て見て!さっきカズハちゃんに教えてもらったアプリなの!ツグミもやってみない?」
ユイはスマホの画面を突きつけてそう言った。
「"シークレットアイドルLOVE"…?何これ」
「アイドルのイケメンと恋ができるゲームなんだって!こういうのやったことないけど、絵がとっても私のタイプ
だし、おもしろそうだし!ね、ツグミもやってみない?」
やっぱり恋愛ゲームか。なるほど、ユイも人並みに彼氏とか欲しかったんだ。そんなこと聞いたことなかったか
ら、知らなかった。でも…
「私はいいよ。イケメンとか、彼氏とかどうでもイイし。それにそれはスマホのゲームでしょう。私スマホじゃな
いから、やりたくてもできないよ。」
そう。私の親が頭が硬すぎるため、スマホなんてただの遊び道具だろう!なんて言って持たせてくれないのだ。
「そっかあ。ごめんね、忘れてた。じゃあ、私のスマホでやる??」
「…………」
こいつは人の話を聞いていなかったのか。私は真顔のまま無言で席を立った。
「あぁーーーー、ごめんって!嘘だよう・そ!もぉぉ~本気にしないでよ~」
全く、笑えない冗談だ。私はそのまままた席に着いた。
「あぁ~~~~~~~!また選択肢間違えたぁぁぁ」
あれから数日後。どうやらユイはすっかりそのゲームにハマってしまったらしい。友達がユイしかいない私にとっ
ては、ゲームに彼女を取られたみたいで、少し寂しかったが、そのこと以外ではちゃんと私の相手もしてくれるの
で、別に不満はなかった。
「あぁ、全然好感度が上がらないよぉ。もう何度もやってるのに。もうダイヤがないよぉ。課金しようかな。ね
え、ツグミはどう思う?」
ダイヤとは、ゲームをプレイするにあたっての通貨のようなものらしい。それで何か物を買って、キャラクターに
あげると好感度が上がる、というシステムらしい。詳しいことはわからないが、そのほかにガチャ、というものが
回せるらしい。
「自分がそうしたいならすればいいんじゃない。ていうか私に聞かないでよ。」
ユイはうぅぅ~んと少し唸った後、意を決したように立ち上がった。
「よし!私課金する!今月のおこづかい全部つぎこむ!愛しのスバルくんのために!」
ーーこのとき私が止めていれば、未来は変わったのだろうか。あの、最悪な事態を引き起こさずに済んだのだろうか-------
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