【本編完結済】神子は二度、姿を現す

江多之折

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1章【始まりと記憶】

1.放逐されたその先に

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長い時間を走り続けた馬車がようやく止まり、うつらうつらとしていた意識が一気に覚めた。

「お客さん、到着だよ。」
「ありがとうございます!こんなに遠くまで運んで頂けて助かりました!」

事前に決めていた料金より少し多めの貨幣を握らせ、「いやいやコッチも仕事だから気にしなくていいよ」と言いつつ嬉しそうに手を振る御者にこちらも笑顔で手を振って別れた。

馬車の離れる音に背を向けると、大きな石造りの城が視界いっぱいに広がる。

「よし。頑張ろ…」

15歳の誕生日を迎えて1ヶ月、子爵家から放逐されて自分で食い扶持を稼いで生きるようにと通告されたのも1ヶ月前。貴族という立場で就ける仕事は限られていて、祈るような気持ちで王城の使用人に応募したら運良く採用されて今この場に立っている。


子爵家の三男として生まれた身。家督は継げず、跡取りのスペアにもなれず、家同士の繋がりの為に嫁に出す娘を産みたかった両親は三人目も男が産まれて落胆したと何度も聞かされ育てられた。
そんな子供を大事にするはずも無く、両親に大事にされない子供を使用人も大事にすることは無かった。

「すみません、ユークリッド・ロズウェルです。こちらの紹介状を…」
「新しい使用人か。使用人専用の入口は向こうだ。その紹介状もそこの門番に渡すといい。そんなに小さいうちから出家とは大変だな」
「はは…これでも成人していまして。ありがとうございます」

大きな正門を守る兵士に話しかければ、意外にも気さくに返事をしてくれてホッとしてお礼を言って使用人専用の出入り口に向かった。

ここアルデナール王国では15歳から成人とみなされ、独り立ちが認められる。ユークリッドはロズウェル子爵領で生まれ、肩身が狭いながらも最低限の教育を受け、家族とはほとんど関わる事なく育ち、独り立ちと言えば聞こえがいいが…追い出されたと言った方が正しい。

ロズウェル子爵家は貴族の中では身分は低いが歴史の長い由緒正しい家系なので王城で働く事が認められたのだ。そこは有難いとユークリッドは最後まで目も合わせてもらえなかった両親に感謝の念を送る。

「おや、随分小さな…失礼。成人はしているかな?」

使用人入口の門番も気さくそうな人が立っていた。放たれた第一声に口元が引き攣りそうになるが、かろうじて堪えて笑顔を作ったまま紹介状を手渡す。

「あぁ。ロズウェル子爵の所の三男か…こんなに遠くまでご苦労だったね。侍従頭が案内すると言っていたな…真っ直ぐ行って、応接室に通してもらうといい。道が分からなければ都度聞いて」
「はい!ありがとうございます!」

同情的な視線にも慣れたものだ。王城で勤めているのはほとんどが貴族の出なので門番も漏れなく貴族だ。さり気ない立ち居振る舞いがそれを証明している。

目の前の門番も子爵家の使用人達より身分は遥かに高いのに、使用人達より随分と親切にしてくれる。

(…粗暴で有名な兄達には感謝しないと)

兄達に比べるとあまりにも無害なユークリッドは社交界での印象は良い方だ。…社交に出る事は滅多になかったので他の貴族に会った経験は少ないが。

生まれながらの性格か、はたまた環境がそうさせたのかユークリッドは大人しいと評価をされる事が多い。癖の強い栗色の髪と柔らかな印象を与える少し垂れた目尻に緑の瞳、そして成人を疑われる小柄な体型もあって周りを油断させてしまうようだ。

王城を巡回している親切な騎士に案内されて応接室に通され、ソファに腰掛けるよう勧められたので背筋を伸ばしてじっと待機をしていたらそう待つことも無く応接室の扉が上品に叩かれた。

「お待たせしました。侍従頭のクリストファー・レヴァンと申します。ユークリッド・ロズウェル様ですね?」
「はい!この度は紹介状を送って頂きまして、深く感謝致します!」
「元気があってよろしいですね」

侍従頭のクリストファーは元気に返事をするユークリッドの若々しさを感じ取り、なんとも微笑ましいと頷いた。にこりと細められた目元に皺が入る。

レヴァン家といえば侯爵家だと記憶しているが、やはり対応は優しい。柔らかなその表情に少し安心したユークリッドの肩から力が抜けたのを確認したクリストファーも「まずは城を簡単に案内しましょう」と移動を促す。



────ざわり。



「…?」


どこか感じる違和感は、これで何度目の事か。

城を案内してもらっている最中、ユークリッドは胸のざわめきを複数回感じていた。そんな細かい変化に気が付いているクリストファーも「長旅で体調を崩しましたか?」と気遣ってくれるがユークリッド自身、体調面は万全と言っていい状態だ。

「大きな城ですから疲れてしまいましたね。ここ…三階はあまり使っていませんが、掃除は欠かせないのでよく出入りする事になるでしょう。まずこちらが客室で…」

重そうなドアをゆっくりと開いて客室に入るクリストファーに続いてユークリッドも足を踏み入れる。
王城にある客室ともあり、広々としていて備え付けられている家具もとても素材の良いものだとひと目で分かった。

「素敵な、部屋ですね」
「……ロズウェル様、やはり体調を崩したのでは?顔色が」

動悸が激しい。一刻も早く逃げ出すべきだと頭の奥で警告を示す鐘が鳴り響く。

これから働いて、毎日、この客室も掃除しに来る筈。なのに全身が嫌だ嫌だと訴えている。

「……すみません。少し、風に当たってもいいですか?
「それは構いません。窓はあちら…」 

こんなに高い所に立つのが初めてだからかもしれない。子爵家も三階建てではあったが、木造で、天井ももっと低かった。こんなに高い位置ではなかった。

窓を開け、風を迎え入れる。花の香りがふわりと花をくすぐった。

「良い景色ですね」

窓からは広い庭が見える。色とりどりの花が植えられ、庭師がとても熱心に整えているのだろう洗練されていて美しい。

「……貴方は…」






─────神子様、尊い神子様。




ゾワッと全身の毛が逆立つような感覚がユークリッドを襲った。



──────良い景色ですね。



この景色に、背中を向けて言い放った。



──────お待たせしましたっ………父上、いらっしゃったのですか



幼い子供の弾んだ声。その後に続く、■■■■■■


記憶がぐにゃりと捻れるように、拒絶するように歪ませる。



─────お前らの思い通りになんかしてやらねぇよ、ばーか



あの瞬間に感じた、歓喜。心からの安堵。




(そうだ。異世界転移から半年で、俺はこの世から去った────)









(……………って、思い出しちゃったよ。なんなら前前世から思い出しちゃったよ。あれ?異世界転移だから死んでなかったか、んじゃ前世でいいか。いやそんな問題じゃないわ。まじでー。)


子爵家の三男として生きてきたユークリッドと前世の記憶が混雑して、心の中なのに早口で捲し立てるという芸当に走る。今まで話したこともない口調が自然と浮かぶ事にも驚いたが、何故だかしっくりくる。


そして現状を思い出し、ユークリッドは心の底から嫌悪した。転移した世界に転生したのだ。しかも大嫌いなこの城が職場だ。

貴族の就職って早過ぎない?いや侍従見習いだから早めに仕込んでるだけか。なんて自問自答まで入る始末。


(はい、元転移者で日本人でした。子爵家三男、ユークリッド15歳でーす。今日は城の侍従見習いとして城に来て、軽く城の中の案内を受けてまして。んで三階を案内されてる時にですよ、「良い景色ですね」なんてのほほんと窓の外を見てたら色々思い出した。ここ、俺が死んだ客室じゃん。)


案内中に感じていた違和感の正体に自暴自棄にもなる。こんな記憶ならいっそ思い出さなくて良かった。

そこまで考えたところでハッとして案内をしていた侍従頭を振り向くと、彼も目を見開いてユークリッドを見てた。


(確か、あの時に居た王子の年齢は現在26歳…あれから16年か。即転生しちゃってたわ。)


ここまで心の中で騒がしくしていたが、職場を案内されている途中だったと思い出して慌てて姿勢を正す。

「あ…つい景色に見とれちゃいました。申し訳ありません。案内の続きをお願いしていいですか?」
「え、ああ、そうですね。私もこの景色は気に入っていてつい止まってしまいました。」

続きを、と部屋を出ていく侍従頭の後ろについて歩く。前世の記憶が覚えている。この人は王子付きの侍従だったはずだと。死ぬ瞬間もこの部屋に居た筈だ。

新人の案内してるって事は今は違うのだろうか?まさか前世の記憶を頼りに質問する訳にもいかず、ユークリッドは悶々としつつ侍従頭の背中を追う。

(16年もあれば年も取るか。年を取るって言っても今は40代くらい?侍従頭って言ってたから出世したのかな?)

石造りの廊下に敷かれた絨毯の上を歩いて進む。
先程までは何も感じていなかったのにこれを毎日綺麗に手入れするのかと少しうんざりしそうになったあたり、前世の記憶が現世のユークリッドを大きく侵食してると言える。

全て思い出すまでは胸のざわめきこそあれ、こんなに豪華な城で務めるのかと感動さえしていたのに。

ひと通り案内され、侍従頭と一日の流れなど話しながら歩いていると上等な絨毯が敷かれて足音の立たない廊下の先から凛々しい成人男性の声がユークリッドの耳に届いた。

「クリス、ここに居たのか。侍従の配置で少し相談が…」
「殿下。」

侍従頭の前方で声がするが、子供と見間違えられるユークリッドの身体はクリストファーの背中に完全に隠れている。これから使用人として生きる以上、城内で会う人物は身分が高い方が多いだろうとユークリッドはそのまま後ろで待機することにした。

「申し訳ありません、本日より侍従見習いがひとり入りますので、城の案内をしておりました。」
「侍従見習い?……あぁ、後ろに居たのか。」

ひょい、と侍従頭さんの後ろを覗き込んできた相手を見て緊張が走る。


(殿下…アレクシス王子か!)


ユークリッドの前世の記憶では10歳では天使のようなふわふわの金髪に大きな青い目が16年も経つととんでもないイケメン王子に育っていた。目元も切れ長でバランスがよく、どこか影のある雰囲気でミステリアスという印象がピッタリ当てはまる。

知っている顔の成長した姿につい不躾に凝視してしまったとユークリッドは慌てて頭を下げて礼の姿勢をとる。


「………あぁ、いい。顔を上げて。名は?」
「御前を失礼します、侍従見習いのユークリッド・ロズウェルと申します。」
「ユークリッドか。悪いがクリスに用事だ。案内は他の者に任せていいか」
「いえ、丁度終わりでしたのでロズウェルは使用人棟へ。一人で戻れなかったら近くにいる使用人に道を聞きなさい」
「はい、失礼します。」


温厚そうな振る舞いが幼い頃の王子を思い起こす。しかしユークリッドは貴族として一応教育を受けてきた。感情を表に出すまいと無表情で礼をして、背を向けると静かに立ち去った。

「……似てるな」
「…えぇ。」

ポツリと、小さな背中を見ながら零した二人の呟きはユークリッドには届かなかった。







─────次の日。

朝から侍従頭に呼ばれて向かったユークリッドはあまりの事に驚いた表情を隠す事も忘れて狼狽えた。

「間違いですよね?」
「いいや。元々殿下の所に侍従を増やそうと話をしていてね、見習いだが逆に一から仕込めるからと直々の指名だ。」
「む、むりですっ私は昨日来たばかりで右も左も…」
「一から全て仕込まれればいい」

疲れた顔をしたクリストファーが「とにかく決定だから、殿下の執務室へ案内する」とユークリッドをやや強引に連れ立った。

昨日の丁寧な態度はどこへやら、理由を聞くが大した答えを得ることも出来ず、諦めたユークリッドは家名と名前ならどちらで呼ばれたいかなど簡単なやり取りだけ済ませて執務室へと急いだ。





「来たか。こちらへ」



装飾のついた豪華な扉をクリストファーがノックすると、すぐに返事が来て音を立てずにゆっくりと扉が開かれた。やはりクリストファーは立ち居振る舞いが綺麗だ。

ユークリッドとは昨日再会…今世では初対面のアレクシス殿下が部屋の奥にある窓に設置された遮光性の高いカーテンから僅かに漏れる光に照らされ、キラキラと輝く髪とは対象に青白いと感じる顔でこちらを見ていた。


(体調でも崩してるのか…痩せてるというより、痩せこけてるな)


あの頃の、輝くような笑顔で話しかけていた幼い頃の王子の面影は顔の造形にだけ残されたな…と無表情の仮面の下で他人事のように考えるユークリッドに手招きするアレクシス。

来いという事だろうと大人しく歩み寄り、二メートル程前で止まって片手を胸の前に置き、頭を下に向けて礼の姿勢をとった。

配属先には納得がいかないが、ユークリッドは自らの立場を心に言い聞かせているので抗議しようとは思っていなかった。

 

じっと待機していると伏せた緑の瞳が映す視界にシンプルながらも豪奢な靴の先が目に入ってきた。それが扉の所で控えているクリストファーのものではない事だけはユークリッドにも分かる。

いきなり警戒もなく近距離に来るとは予想もしないユークリッドが驚く間もなく、小柄な身体を包み込むようにぎゅっと抱き締められた。

「………キミ、なんだろう?」
「なっもうバレっ………あ」

前世を思い出してから幼い王子の記憶ばかり辿っていたユークリッドは、「キミ」が誰を指しているか瞬時に理解してしまい、アッサリとボロを出したと気付いた時にはもう全てが手遅れだった。

今世で貴族として育ったユークリッドの記憶は不敬な事は出来ないと戸惑い、前世の記憶は激しい拒否感に胸を焼く。

結果、石のように固まってしまったユークリッドを抱き締めるアレクシスは縋るように声を震わせて言葉を続けた。


「……死ぬ時の言葉を、覚えているか」


その言葉にハッとする。

死ぬ間際の記憶は、しっかりと覚えている。とうとう出し抜いてやったと心の底から嘲笑い、安堵したあの瞬間まで。



(…そうか。同じ部屋に居たもんな。)



ユークリッドはどう返したものかと悩んだ。王族というだけでとんでもない威圧感を感じるのに、前世の自分は立場的に因縁の相手とも言える存在だ。これで嘘を言おうものならバレた瞬間に不敬罪だなんだで殺されるのではなかろうかと。

…まぁ、この世界が大嫌いで自分の命を散らしたのだ。その記憶のせいか今世の自分の命さえ軽く感じ始めたユークリッドは。再び目を伏せて考えた。


(おかしいな。子爵家三男として普通に今世を生きてたのに。城への怨念のせいか)


異世界転移でこの世界に来て、ありふれた設定通りにチート能力を持っていた。それがこの世界にない光の魔法…傷や病を治す癒しの魔法だった。


その能力が判明するなりあっという間に王族に確保されて、二十四時間の監視付きで軟禁されて。神子様と呼ばれて王侯貴族の治癒だけの為に生きてくだけの人生。神子という名の家畜か、道具。


(しまいには王族の人間と婚姻をーとか、俺の意志なんかなーんにもいらないってさ。反抗すればするほど自由はなくなって、大人しく言うこと聞けば聞くほど調子に乗って、雁字搦めにされる為にこの世界に来たのか俺は。)


今でも、転生した今でも思い出せば涙が滲む。寡黙な父親と世話焼きで口うるさいけど優しい母親。平凡だけど幸せな家庭に生まれて、育った事。


前の世界でただ普通に生きていければそれで良かった。異世界なんて望んでない。


(何回か死んで転生したら、そのうち帰れるかな。うん、そう考えれば死ぬのも悪くない選択肢に思えてきた。

お前らに二度も俺の人生くれてやるかよ。育ててくれた子爵家の家族には悪いと思う。でも別に会話するような仲でもなかったし罪悪感はそんなにないや。)


考えていたら薄ら笑いになって、王子の顔は固くなった。




「んなもん覚えてるかよ。言っとくけど光魔法のチートはもう無いから。残念だったな。」




こんなところに仕事に入るとか、なんの因果か。

不敬だと言って殺されるか、死ぬか、この憎悪を前にしたら些細なことだ。

自暴自棄になったユークリッドがわざと煽るように言えば、王子の顔が歪みに歪んだ。それは怒りでなく、傷ついてるように。

思いもよらない反応に少し驚いてると、見る見る王子の瞳に水が溜まり、ぼろぼろと零れ落ちた。

「え…」
「…すまな…かった」

アレクシス王子はユークリッドを強く強く抱き締めて、涙を流し、許しを乞うた。




ユークリッドには…命を絶つ前の一人の男子高校生には、幼い王子が何を想い、神子の部屋に来ていたのかなど少しも考えていなかった。見えていなかった。

もう幼くない王子の涙を、凍り付いたように動かない自分の肩で受け止めるしか出来なかった。


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