煩悩と狗は追いかけ去らず

さか【傘路さか】

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 誰かに縛られるような気がするから、予定を作るのが好きだ。

 案として出された時間を受け入れて、その通りに家に通う。自然と次の予定を言い出されるから、途切れることもなかった。

 白夜の自宅に行くと、美味しい食事が待っている。餌付け、という言葉が存在するように、幸せに腹が満たされれば、相手の言葉のささくれも忘れてしまうものだった。

 今日はブラッシングをやり直したい、という彼の提案で、新しいブラシが購入されている。ブラシの包装を剥いた彼は、丁寧に除菌用のウエットティッシュで拭い、じゃん、と持ち上げる。

 腹いっぱいになった俺は、犬の姿に形を変え、白夜の太腿の上で膨れた腹をさらけ出した。

 俺に慣れつつある白夜は、共演予定の柴犬と時間が合うときには動物プロダクション内で顔を合わせているらしい。俺との時ほどではないが、少しずつ距離を縮められているそうだ。撮影については、もう心配ないだろう。

 互いにそれを分かっている筈なのに、誘い続けて、誘われ続けているのは何ともむず痒い。

「触れるようになって犬の顔を気にするようになったけど、シロの君、アイドルみたいな可愛さだよね」

『動物プロダクションではまあまあ人気犬だぞ。作り物みたいなあざとさだって、この姿じゃ武器だ』

 動物の自然な可愛らしさの方が俺にとっては好ましいが、愛玩犬の整えられた可愛さを欲しがる人間は一定数いる。更に、中身が俺なのだからカメラマンの意図も理解できるし、いちばん自分が可愛く撮られる角度も計算できる。

 それらの計算に基づいて、胸のふかふかで真白い毛を見せ、目を瞬かせて小首を傾げると、ほう、と白夜は溜息を漏らした。

「見事なものだね。僕たちって、似たような仕事をしていたんだ」

 柔らかいブラシで、胸の毛が梳かれる。もぞもぞしてくすぐったいが、慣れないことをやっている視線の真剣さに、黙って思うようにやらせた。

 大きな掌で固定されると、適度に力が掛かって逆に心地よい。

『今度は俺と映画に出るかもな』

「いいね、それ。いつかやろう」

 最初は試し試しだったが、そのうち勝手を掴んできた。

 毛の絡まりを指で解き、ブラシで少しずつ整える。指先は器用にくるくると動いて、元々、そこまで汚れていない毛を更に艶めかせた。

 ついでとばかりに撫でる指先の力加減も、わるくない。

『あ──……』

 長々と気の抜けた声を上げると、蕩けた目元と視線が合う。虹彩の色は薄く、光が溢れた室内ではちかちかと光を乱反射させる。姿形も相俟って、常に光を纏っているような男だ。

 こんなに光が強ければ、陰も濃いのだろう。

「今日はさ、コーヒー断ちしてたんだよ。香水も付けなかった」

 なんで、と問おうとして、自分が匂いが混ざる、と言ったのを思い出す。近くにあった彼の手首に鼻先を擦り付け、生来の匂いしかないことに鼻を鳴らす。

『そっか。匂いがシンプルでいいな』

「やっぱり、鼻がいいと匂いに敏感なんだね」

 その匂いが、毛を撫でる度に俺の躯に染み付く。何度も、何度も毛を撫で擦られて、もうこれ以上は要らないのに、彼の匂いを含まされる。

 意識すると、一気に匂いの洪水に溺れた。

『鼻は利くか……、ら…………』

 ふと、記憶が掘り起こされた。今日、伝えなければ、と思っていたことだ。

『あのさ。杞憂だったらいいんだけど……』

「聡い君が、伝えなきゃ、と考えている言葉が杞憂だとは思わないよ」

 促すように黙る口元を見て、ぽとり、と前脚を腹に落とした。今日、彼の家へ来るまでの道筋で起きた事を思い起こす。

『白夜の家に行く道中で、いつもおんなじ女性に会うんだ。髪型が違ったり、服装の印象も毎回違うけど、匂いが同じ。その人、ずっと携帯をしっかり握っててさ。ちらっと見た画面、カメラのアプリなんだよ』

 覗き込む目元が、見開かれた。何らかの可能性に思い至ったような表情だ。

『だから、あの女性はこの周辺で何かをずっと撮って回ってる。一度ならいいけど、こんなに何度も会うと、すごく気になってさ。対象が白夜じゃない可能性の方が高いけど、でも、そんな人間が付近を頻繁にうろついてる、ってことは頭に入れておいてほしい』

 特に、彼女の臭いが酷く鼻につく。だが、自分の主観でしかないそれを、彼に伝えるのは憚られた。

「うん。……僕は、杞憂とは言いづらいと思うよ。このあたり、芸能人がすごく住んでる、って地域でもないし。マネージャー経由で、事務所には伝えておくね」

 その返事に、俺はちんまりした胸をほっと撫で下ろした。褒めるように両手でわしわしとやられ、やめろ、やめろ、と短い脚で抵抗する。

 端正な顔が近付いてくると、短い鼻の横に唇が押し付けられた。

『…………おい、人間の俺の姿を忘れたのか』

「忘れてないよ。友くんが気にしてくれているのが、嬉しくなっちゃってね」

 頬を押し付けられ、すりすりと弄ばれる。言い返す気力も無くされるがままになっていると、彼は、ぽつり、と低い声でつぶやいた。

「僕、結構そういった人を引き寄せがちというか、問題を起こしがちなんだ。頻繁に住むところも変えてるし、この家も、そろそろ限界かなあ、とは思っていたんだよね」

『そっか……』

 気の毒さにしょんぼりと目を伏せ、近くにある顔に抵抗する動きを止めた。こうやって彼が擦り寄って気持ちが浮上するのなら、それでもいいと思ったのだ。

「それに。今はほら、友くんが来ても鳴けないけど、ちゃんとペット可のところだったらキャンキャンやっても大丈夫だしね。そういうところもいいかなって」

『いや……。ちゃんと鳴かずにいるけど……?』

 信用がないのか、と思って釈明するが、白夜はにたりと愉しそうに唇を歪めた。

「啼かせるくらいのこと、できないでしょう?」

『…………犬の俺の身体は弱いぞ』

「人なら強いよ。それに、追い詰めても『キャンキャン鳴くぞ』って脅されて退かされるの、困ってたんだよね」

『困ってるのはその脅しを持ち出さざるを得ない俺のほうだ』

 ブラッシングはどこへやら、俺の腹をもにもにやって、ただ触れ合いを楽しみ始める。犬に慣れてくれることは仕事内容としては喜ばしいはずなのに、あまりにも近すぎた。ちゅ、ちゅ、とやることもハードルが下がってしまったようで、美麗な顔立ちは見飽きるくらいずっと近くにある。

 心臓が落ち着かなすぎて、今日は早めに切り上げることにした。近くにある顔を蹴り飛ばして腕から逃れると、ドアノブにジャンプして扉を開ける。

 家主が逃がさない為にドアを開けてくれないものだから、こうやってリビングを出ることにも慣れてきた。脱衣所に駆け込み、人に戻って服を引っ掴む。

 パンツを穿いた、ところで脱衣所の扉が開いた。

「はぁ!?」

「あ、パンツ見ちゃった」

「いや。なに?」

「泊まっていくなら服貸そうと思って」

 彼は、脱衣所の棚に置いてある服を手渡してきた。目を白黒させる俺に、平然と、じゃあ、と脱衣所を出て行こうとする。

 待てまて、とその襟首を引っ掴んだ。

「なんで泊まっていくこと前提なんだよ。触れ合いタイムは終わっただろ」

「人の友くんとの触れ合いタイムがまだだなぁ」

「ねえよ」

「開催してよ」

 冷蔵庫にケーキを買ってあるんだ、と言葉を重ねられると、ぴくんと耳も動くものだ。美味しい食事は終えていたものの、デザートはまだだ。

 つい、鼻をひくつかせてしまう。唾が湧いて、ごくんと飲んだ。

「ケーキ……」

「そのパジャマ着てくれたら食べさせたげる。美味しいよ。『────』の……」

 彼が挙げた店名は、有名店も有名店だが、味に比例するように値が張る店でもある。何個あるのか確認すると、全部で六個もあるという。

「好きなだけ食べていいよ」

 ダメ押しは強烈だった。

 手渡されたパジャマを被ると、僅かにだが白夜の匂いが残っている。匂いの薄さから洗ってはいる筈だが、最近まで使われていた物のようだ。

 人に貸す服というのは、あまり使っていないものを貸すのではないだろうか。俺が裾に鼻先を押し当てると、白夜は意味深な笑みだけを残してキッチンに入っていった。

 横幅は同じくらいだが、思っていた通り裾が余る。床についた裾を引きずりながら、彼がケーキを持ってきてくれるであろうリビングに入った。

 テーブルに皿と、ケーキの入った箱が置かれる。

 白夜は俺のパジャマ姿を見ると、余っている裾を引っ張った。

「あれ? 身長以外の体格はそんなに変わらないと思ってたけどな」

「嫌味か。手足が短いのは犬にも反映されてるのかもな。……あっちは可愛いけど」

 こっちはなあ、と解放された裾を折ると、彼はきょとんと目を開く。

「こっちも可愛いと思うけど」

「褒めても何も出ないぞ」

「…………? 褒めてるんじゃなくて、本当に」

 本心から不思議そうに見つめられる。からかっているような表情ではなかった。

「俺の顔は、可愛い、じゃないだろ」

「僕は、愛らしいと思っているよ。使い方は合ってる」

 はい、とケーキ箱の側面が開かれ、色とりどりのケーキが目に入る。へらりと口元が緩み、きょろきょろと視線がケーキから別のケーキへと行き来した。

 真剣に選ぶ時間が過ぎた頃、くすり、と笑い声が耳に届く。

「ね。使い方、合ってるでしょう」

「…………ケーキを目の前にしたら誰だってこうなるだろ!」

 しぶしぶ二つ選び、皿に移す。

「いちばん食べなさそうなの、どれ?」

「………………」

「はは。じゃあ、お皿にあるやつ、少しずつ分けっこしようか」

 白夜は自分の皿を出さず、立ち上がって飲み物を取りに行った。お湯を入れたカップに、ティーバッグが入っている。

 色が湯に染み出すと、ゆっくり引き上げた。コーヒーが好きだからそっちを飲みたいだろうに、今日は匂いの控えめな紅茶だ。気遣われているんだろうか。

 俺はフォークをケーキの生地に差し入れ、割って口に運ぶ。ふんわりとしたチーズ味がほろほろと口の中で溶けた。

「う……まい……」

 美味しさに、はあ、と溜め息を吐く。

 隣を見ると、彼は自分のフォークを持ち上げたりはしない。視線が合うと、あ、と口を開いた。

 明らかに、あーん、を求められている。

 ぎゅっと眉を寄せ、そろそろと生地を載せたフォークを差し出す。甘ったるい生地は開いた口に消えた。

「ありがとう」

 ぽん、と頭を撫でられる。

 犬に対してこれは反則だった。飼い主が願いを伝え、犬が叶え、そして飼い主に褒められる。俺達が、主従を定めるために繰り返す行為だ。

 そう云う形につくられた俺達にとって、飼い主から命令と褒美を与えられるのは至上の喜びだった。

 唇をわななかせ、こみ上げる悦びを胸のうちに押し込める。

「…………まだ食う?」

「友くんが飽きたとき、僕にくれたらいいよ」

 もう一度フォークで生地を割り、口に含む。自身の咀嚼が終わると、俺は次の一かけを白夜に差し出した。

 俺が食べさせようとしていることを不思議がっているが、差し出されたものは素直に受け取っている。

 自然と距離は近くなり、太腿を寄せるように腰掛けていた。肩もすぐ当たるほど近く、フォークを差し出せば見慣れない顔立ちが近寄ってくる。

「性格が優しい……のはいつもなんだけど、今日は行動も優しいね」

 はっと手を止めて、皿を見下ろす。俺が好きで食べるつもりだったケーキは、半分くらいが彼の腹に収まっていた。

 頬に熱が灯って、ゆっくりと視線が下がる。

「犬だから。褒められると、叶えてあげたくなる」

「友くんは犬だから、って言い訳するけど、誰かの好意を返したいって思う感情は、君の性格もあると思うよ」

 俺の性格の形成に、一族としての特性があることは否定できない。けれど、それだけでもないのだ、と彼は言う。

「君は真面目で、優しくて。……でも、真っ直ぐすぎて、悪い人に騙されないか心配だな」

「白夜みたいな?」

「そうだね、僕みたいな」

 すんなりと肯定する言葉に、肩すかしを食らったように頬を掻く。黙り込む彼を見ようと顔を上げると、待ち構えていたように肩を抱かれた。

 すっぽり包み込むように、両腕が回される。

「騙されて、知らないうちに飼い主を決めないでね」

「……飼い主は、互いの合意が要るし、魂を染めるのだって大変────」

 問い返されればまた慌てることになる言葉だ、と口を噤む。けれど、言葉はしっかりと彼の聡い耳に届いてしまったようだ。

「魂を染める……、のは、飼い主になる条件?」

 しかも、勘がいい。俺は視線を彷徨わせて、こくり、と一度だけ頷いた。突き詰めて尋ねないでくれ、という願いも空しく、彼は言葉の尻尾を捕らえる。

「それって、何をすると魂が染まるの?」

 ぐう、と喉から音が鳴った。

「…………人が、恋人になるときと同じ」

 抱き込まれて、顔はすぐ傍にある。白夜が声を発すると、耳の隣で空気が震えた。

「告白?」

「……じゃ、なくて」

「キス」

「それも、ちがう」

 嘘をつけない性を恨めしく思った。相手が絡め取る前提で言葉を発するとき、逃げる術を持たない。

「じゃあ、セックスか」

 顔を真っ赤にして、泣きそうになっている俺を覗き込むと、彼は正解を確信する。きゅ、と抱き込む力が強くなった。

 子犬のようにぶるぶると震え、白夜の腕に捕らわれ続ける。

「俺たちは、人のように生殖しない。飼い主に魂を染めてもらって、魂を分けて殖える。だから、飼い主を選ぶのだって、軽くないんだ。だって……」

「そっか。君にとって飼い主は、伴侶で、子どもの親になる相手なのか」

 いくつも名前が付く関係を、ただ一人に定めることになる。俺たちにとって飼い主とは、一番たいせつな存在を指す言葉の全てを兼ねる。

 くく、と近くで喉が鳴った。

「やっぱり。いいなあ……、飼い主」

 恍惚と呟かれる言葉は、どこか奥深くを覗き込んでいるようだ。力が緩んだのをいいことに、その腕を身体から離す。

 ケーキは美味しかったし、貸してもらったベッドは心地良かった。けれど、普段よりもじっとりと接触しながら近くに居続ける白夜が怖くて、そして目が離せなくて仕方なかった。




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