煩悩と狗は追いかけ去らず

さか【傘路さか】

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 白夜とは、最寄りの駅で待ち合わせをした。

 パタパタとシャツを動かし、暑さに項垂れながら待っていると、しばらくして駆け寄ってくる人影がある。

 リネンのシャツとカーゴパンツ。目元はサングラス、口元はマスクで覆われていたが、体格と髪色で白夜だと分かる。

 俺を見つけて走ってくる姿は確かにイヌ科のようで、花苗から言い出さなければ気づかなかったことを恥じた。

「ごめんね。待たせて」

「いや、待ってない。飲み物ある?」

 首を振る白夜に、買ったばかりの麦茶のペットボトルを手渡す。この暑さなら欲しいだろう、と買い求めたものだった。ペットボトルを受け取った白夜は、それを首筋に当てて手で扇ぐ。

 少し身体が冷えると、蓋を開け、マスクを下ろして口に運んでいた。

「渡したい物、ってこれ、じゃないよね?」

「飲みもの渡したいからって、わざわざ呼び出すかよ」

 これ、と手に持っていた小さな袋を差し出す。会う口実に連絡したあとで買い求めたのだが、ずっと立ち寄ろうか迷っていた店の袋だ。

 白夜は両手で袋を受け取ると、中身を覗き込んだ。

「コーヒー豆?」

「プロダクションの近くに専門店があってさ。苦いの好きな人向けのブレンドを選んで貰った。ケーキの礼に」

 彼は紙袋の取っ手に腕を通した。腕を伸ばし、俺の頭をわしわしと撫でる。

「嬉しいな。ありがと」

「どういたしまして」

 行くか、と促すと、二人連れ立って歩き出す。近くにあの特徴を覚えた香水の臭いはしなかったが、今日たまたま香水をつけていないかもしれない。

 耳と鼻をせいいっぱい働かせながら、白夜の隣を歩いた。

「…………今日、なにかあったの?」

「え?」

「たまたま店に寄って、会おうと思ってくれたのかもしれないけど。それにしては────何か、緊張してる?」

 言い当てられてしまったのは意外だった。思い起こせば、彼はずっと俺のことを見ているし、仕草や行動の癖を覚えられてしまったのかもしれない。

 俺は慌てて首を振る。

「たまたまだよ。友達と話してて、思い付いたから」

「そう。何の話をしていたの?」

「白夜の守り神の────」

 ふと、鼻先に臭いが届いた。あの女性が近くにいるのだ。

 俺は足を止める。もう自宅は突き止められているかもしれないが、このままご丁寧に案内する訳にもいかなかった。

 近くの花壇に視線を向け、ポケットから携帯電話を取り出す。メッセージ作成のための画面を呼び出して、白夜の服の裾を引いて覗き込ませた。

「なに?」

 急なことにも関わらず、白夜は俺が促すまま自然に画面を覗き込んだ。勘がいいのも、違和感を口にしないのも助かった。

『このまえはなしたひと ちかくにいる かめらのひと においした』

「…………ああ、そっか」

 脚を止めると、臭いの元が背後にあることが分かる。指先を動かして、更にメッセージを綴った。

『このまま まわりみちして えきにもどって おれがあのひと ひきとめる』

 携帯電話を仕舞うと、相手が言葉を発する前に身体を反転させた。

 一気にトップスピードまで足を踏み込み、臭いの元に向けて駆ける。背後で声がしたような気がしたが、耳に入れなかった。

 一つの人影を視界に捕らえる。

 上はジャージで下はジーンズ、そしてキャップ。一見、男女が分からないような服装。

 けれど、あの臭いがする。手には、携帯電話が握られていた。

「────……っ」

 その女性の前に立ち塞がって、息を吐く。今日はメイクのない目元が見開かれたのが見えた。

「すみません。最近、この辺うろうろしてますよね。『──』日と『──』日と『──』日、あと、そうだ『──』日も」

 喉が緊張で動いたのが見えた。逃げようと身体を動かす先に脚を踏み込んで、逃さないように身体で遮る。

 その時、カメラの画面が見えた。画面の右下には、前回撮った写真のサムネイルがある。映っていたのは、白夜の浮き上がるような白いシャツと、薄い髪色だった。

「────なに撮ってるんですか」

 低く。あえて脅すように語気を強めた。

 目の前の鮮やかに塗られていない唇が、色を失うのが見えた。開かれていた唇は、何を言うこともなく、きゅっと引き結ばれる。

 その人の脚が踏み込まれるのが見えた。

 殴られるような動作に見えて、咄嗟に身を引く。すると、小柄な体格を利用して肩の脇を擦り抜けた。逃がすことも考えた。だが、この脅しで効かない相手ならまた繰り返す。

 腕を振り回し、ジャージの裾を掴んだ。

 藻掻く腕と、揉み合いになる。落ち着かせようと声を掛けるのだが、その人も諦めずに逃れようとする。傷付けていいのならやりようもあるが、一族の中でさえ、法を逃れつつ飼い主を守ることに苦心する昨今だ。

 ぶん、と腕が振られ、その腕を自身の腕で受け止める。その時にあえて振りかぶられた手の甲を叩くように力を込めた。カシャン、と音がする。

 拾おうとする手の前に、自らの足を差し入れる。シューズでガードされたような形になり、その人は拾うのを諦めたようだった。

 腕を引いて、逃走経路を提供する。相手は意図したとおりに身を翻し、夜闇に駆け去っていった。

 遠ざかっていく背を見送り、道路を見下ろす。

「拾得物か……面倒」

 はあ、と落とさせた携帯電話を拾い上げる。上手くいくとは思っていなかったが、あまりにも予想通りに動く相手だった。

 俺が割れた画面を見下ろしていると、背後から声が掛かる。

「凄いね。終わった?」

「駅に行け、って言っただろ。こっから離れるぞ」

 周囲に監視カメラがないことを確認し、彼の背を押して早足で歩き出した。白夜は指示されていた通りに駅に向かわなかったようだ。

 俺の体術を褒めるあたり、こっそり見ていたのだろう。

「それ、どうするの? 携帯」

「うちの一族に渡して然るべき措置を頼む。大ごとにしない代わりに、近付くなよ、ってかなり強く脅して貰う」

「へえ。一族、ってそういう事できるんだ」

「飼い主を守るためには、綺麗事を言ってられないこともあるから」

 携帯電話の中身を確認すると、俺が家に行くようになる前からの盗撮画像がずらりと並んでいた。白夜のマンションに入る直前の画像もある。

 げ、と予想通りながら、俺はがっかりと肩を落とした。

「今日、家に帰らない方がいいな」

「うわ。これは引っ越し確定か。安住の地は遠いなあ」

 口調は軽いものの、がっかりしている様子が伝わってきた。俺だって、明日引っ越し、ともなれば落ち込む。

「今日、取りに帰るものがないなら、このまま俺の家に来たら?」

 電源オフでも位置情報を示せる機種ではないことを確認し、携帯電話の電源を落とす。カバーもなく、位置情報タグも見当たらない。

 電源を点ければ位置情報は拾えてしまうから、次に起動するのはバレてもいい場所で、だ。

「いいの?」

「うん。俺の家の周りは一族の人が多いし、安全だと思う」

 付近には一族の人間が所有するマンションがいくつかあり、そちらはセキュリティをがちがちに固めた、飼い主を守るための物件だ。一族同士も手助けできる範囲で互いに守りあう体制が整っている。

 彼が飼い主であったのなら、是非そちらに引っ越してもらいたい所だった。

「────付いてくる様子ないな」

 臭いを確認するが、それもない。付近でタクシーを拾い、俺の家の住所を告げた。タクシーが走り出すと、息を吐いて座席に凭れる。

 ぽんぽん、と肩が叩かれた。

「お疲れ様」

「本当だよ。荒事なんて俺らでもそんなにないんだぞ」

 白夜も同じように力を抜く。

 彼も緊張していたようだ。確かに、ストーカーと友人が一戦交えるだなんて、見ている方もはらはらする。

 道中、当然ながら追ってくる車はなかった。

 俺の自宅付近に着くと、タクシーから降りる。料金はさらりと白夜が支払っていた。はんぶん渡そうとも思ったが、面倒がるだろう、と思ってやめる。

「ありがとな。腹減ってるなら簡単なメシは出すから」

「あー……食べてきたけど、確かにお腹空いちゃうかも」

 帰宅の道中も周囲を確認しながら歩き、自宅に着いた時にはほっと胸を撫で下ろした。追ってくる筈はないと分かっているのだが、万が一を捨てきれない。

 先に家に上がって、軽く片付けてから白夜を呼び込む。

 ひとり暮らしらしい狭い部屋だが、ペット可らしく壁は厚いし、風呂とトイレが分かれているのは上等だ。親族経由で借りた部屋だが、この地域自体の利便性もよく気に入っている。白夜の部屋と比べれば、片付いてはいるものの物と色は多い。

 白夜は俺の部屋を興味深く見渡している。冷蔵庫から麦茶を取り出して氷を入れ、マグカップに注いだ。

 狭いソファへ腰掛けるよう勧め、麦茶を小さなテーブルに置く。

「狭くて悪い」

 ソファに座ろうとすれば、ほぼ隣だ。仕方ないことだが、近くに腰掛けて喉を潤した。すぐにカップは空になって、机の上に逃がす。

「あのさ」

 白夜の腕が伸び、同じように空になったマグカップが机に置かれた。コトリ、という音にびくりと肩を震わせる。

 空いた掌は、俺の手に重なる。

「さっきからずっと、飼い主っぽく扱われてる気がしたんだけど、自惚れていいの?」

 ばくばくと胸が鳴った。指先は、逃がさないように、祈りを込めるように覆い被さって離れない。

 今日の俺は、飼い主を守るという特性を遺憾なく発揮しすぎていた。彼を飼い主に定めていることが、口調にも表れてしまっていただろう。

 俺が黙りこくっていると、肩を掴まれ、彼の方を向かされた。にこり、と赤い唇が笑んだのが見える。

 唇が開いたと思ったら、距離を詰められ、唇に噛みつかれた。

「────ッ、ふ」

 押し付けてくる身体を手のひらで押し返そうとするが、抵抗しようと思う度に力が抜けていく。

 滑り込もうとする舌を遮るように口を閉じると、べろ、と唇を舐められた。

 身を引き、口元を押さえる。

「お前な……!?」

「そっか、受け入れてくれるのか。じゃあ……」

 腰に手が回され、全身で抱き寄せられる。ぎりぎりまで顔を近づけると、鼻先がぶつかった。

「こう言えばいいの? 『僕を受け入れて』」

 藻掻いていた手足が、力を失う。

 彼は思った通りの結果を満足そうに笑うと、ちゅ、と額に軽くキスをした。命令に従った犬を、褒めるようだった。

「僕をきみの飼い主にして。恋人にも、そして伴侶にも」

「………………」

 黙りこくる俺に、顔を覗き込んで返事を促される。唇を震わせ、諦めに息を吐いた。

 彼の巣に入った時点で、俺は逃げる術を失っていたらしい。

「じゃなきゃ、無理やり魂を染めちゃおっか」

「な──!」

 この人間ならやりかねない。

 あぁ、と負け犬は遠吠えすら叶わず、情けなく声を漏らす。ぼす、と白夜の肩に寄り掛かると、ひくく声を出した。

「……犬にとっての飼い主って、重いんだぞ」

「君にとっていちばん重い存在になりたいんだよ」

 俺の背を抱いて、ぽんぽんと叩かれる。息を吸い込むと、今日の白夜も他の臭いは混ざっていなかった。

 この腕の中がいちばん好きだ。息をする度、彼の匂いでいっぱいになる。

 腕を伸ばして、その背を抱き返した。

「拾って、くれ」

「喜んで」

 ぎゅう、と力が篭もる。頬に、こめかみに、と、ちゅっちゅとやられ、居心地の悪さに唸った。

 ご機嫌な声は、そこかしこで跳ね回っている。

 抵抗せず好きなようにやらせていると、もぞもぞと服の下に手が入り、慌てて上から叩いた。

「…………な!? な、っに、を!」

「だって、必要なんでしょ。魂を染めるの」

 かっと頬を染めると、それをいいことに指先が背を撫でた。暴れるべきか、受け入れるべきか迷って、染められる誘惑の甘美さに足踏みする。

 俺を見ていた白夜は、更に駄目押しした。

「僕だけの犬になりたくない?」

 きゅう、と胸が引き絞られる。潤したばかりの喉はからからに渇いて、あ、と戸惑いが濁った声で漏れた。

 追い詰める手は止まない。

「きっちり君に首輪を掛けてあげる。僕は、君だけの飼い主になってあげられる。だから、その代わり────」

 欲望はストレートに言葉に溢れ出している。耳元に唇を寄せ、低い声が耳朶を震わせた。波は皮膚の浅いところを滑っていく。

 ぞくぞくと身体の芯が熱を帯びる。

「君は、飼い主に服従しないとね。──できる?」

 視線が交わった。逆らって、勝てないと分かる強い瞳だった。

 犬が腹を見せて寝転がるように、俺は静かに降伏した。

「……できる」

 改めて指先が背を伝い、ぞくぞくした感覚を伝えてくる。深いスキンシップに身を委ねていると、耳元に声を吹き込まれる。

「いい子だ」




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