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電車内の怪異
四
しおりを挟む「助けてくれ!!助けてくれ、誰か!!!!」
助けを呼ぶ声に、再びピクリと体がはねた。
助けたいけど…体が動かない。
「電車に───」
息も荒く男性は叫ぶ。
「電車に乗せてくれ!!俺はまだ生きてる、生きてるんだ」
『……生存者を確認』
流れるアナウンス。
『然るべき対処をとらせていただきます。ご乗車のお客様は関与いたしませんようお願い申し上げます』
何かが起ころうとしてる。
それだけは確かだった。
がやがやと騒がしくなる外。
だがやはり、此処からは確認できない。
見ることのできるのは私達が居る車両内と開く扉の向こう、そして窓から見える景色。
男の姿も、車掌の姿も確認できない。
何が起きてるのかさっぱりで、耳をすまさなくても大勢の足音が確認できる。
ぼそぼそと話していて何を言ってるのかわからないが、男性がしきりに声を張り上げ助けを求めていた。
「沙耶、ちょっと見えるところまで行ってみる。此処でまってて」
「ちょ……匠?!」
止めてくれと手を更に握り締めた。
好奇心か正義感か……。
匠は恐怖よりもそれらが勝ったらしい。
「確認した方がいいだろ、今後何が起こるかわからない」
もっともな理由をつけて私の手をふりほどいて、匠は声の聞こえる方向に……隣の車両に行こうとする。
「見てくるだけ、降りたらヤバいだろ?」
「…………うん」
ゆっくり頷いた。
「…………私も行く」
こんな得体の知らないところで一人にされるのは御免だ。
人は寝てるけど、まるで放置された人形のような錯覚をしてしまう。
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