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帰国
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それからも穏やかな日々が過ぎ、サマンサとの交流も続いていた。
「あなたの家へばかり押しかけるのは失礼にあたりますから、今度はわたくしの家へ来てちょうだい」
相変わらずツンとした様子であったが、一歩ずつ友人への道を歩めているようで、グレイスは嬉しかった。
レイモンドの方もグレイスに恥をかかせまいと社交に精を出し、大勢の中二人で踊りを楽しむ余裕もでてきた。
実に順風満帆な日々を送る中、ある日国王陛下から話があると夫婦揃って王宮へ呼び出された。グレイスたちを前にして、国王は難しい顔をして切り出す。
「実はな、イングリスがおまえたち二人を舞踏会に招待しているのだ」
「招待?」
レイモンドが訝しげに眉根を寄せた。
「私の妻にあんな仕打ちをしておきながら、よく招待など言える」
「レイモンド様」
自分は大丈夫だからと言うように声をかければ、彼は不満のある顔をしながらも黙った。
国王はその様子を見て、しみじみと述べる。
「ティルダとバートラムが言っていたが、本当に良い夫婦になったのだな」
「陛下。からかわないでいただきたい」
「からかってなどおらんよ。おまえたち夫婦の絆が十分強いのだと知り、安心したのだ。いいか、レイモンド。そしてグレイス。その仲の良さをイングリスの者たちに見せつけてやるといい。やつらもそれで納得するだろう」
何やら含みのある言い方に、単に舞踏会に招待するわけではないと悟った。
「まだ、グレイスのことを諦めていない様子なのですか」
「どうだろうな。王太子が近々結婚するという話は出ているそうだが、具体的な話はまだ何も伝わってこない。先に子どもができたことで、どう国民に伝えるか迷っているのだろう」
しかし、と国王は続けた。
「事が明らかになるのも時間の問題だろう。足掻いたところで、泥沼化するだけ。ならばいっそ腹を括るしかないと彼らも本当はわかっているはずだ。おまえたちが行って、さらに後押しすればいい」
「行くことはすでに決まっているのですね」
「断ってもいいが、おまえはグレイスを攫うようにこちらへ連れてきたのだろう? 後からあることないこと噂されるよりも、はっきりと伝えてこい。向こうの王太子よりも自分の方が幸せにしてやれると思ったから攫ってきた、とな」
「どのみち攫ったことになっていますが……」
「いいじゃないか。私もティルダも、おまえたちの愛の逃避行を応援した身だ。堂々と王太子に喧嘩を売ってこい」
一国の王としてそんな激励をかけていいのかとグレイスは思ったが、国王もまたティルダと同じようにレイモンドの幸せを願っているのだろう。
「レイモンド様。陛下のおっしゃるとおり、一緒に参加いたしましょう」
「しかし……」
グレイスは毅然と微笑んでみせる。
「わたしのことならば大丈夫です。いろいろと放り出す形でこちらへ来てしまったので、いつかは一度帰らなければならないと思っていました。全く不安がないと言えば嘘になりますが、わたしにはレイモンド様がいますもの」
「グレイス……あぁ、そうだな。俺も、貴女がいてくれれば何より心強いよ」
こうしてグレイスはレイモンドと共にイングリス王国へ帰国することになった。
◇
「お姉様!」
「パトリシア!」
列車から降りてちょうど、妹のパトリシアと兄のマーティンが迎えに来ていた。パトリシアが感極まった様子でグレイスに抱き着いてくる。
「久しぶり姉様! 元気だった?」
「ええ、とっても」
グレイスが兄のマーティンにも笑いかければ、兄は目を細めて「お帰り」と言ってくれた。
「いや、もうグレイスはあちらの人間になったのだから、こう告げるのは違うかな?」
兄がレイモンドに気遣ってそう言い直すと、彼は「構いませんよ」と義兄に微笑した。
「グレイスの帰る場所がいくつもあるのは安心できる」
レイモンドはパトリシアの抱擁から解放されたグレイスの隣へ来ると、いつもそうしているように自然な仕草で妻の腰に手を添えた。グレイスもまた彼の方を見上げて、優しい微笑を返す。
そんな二人の様子を見たパトリシアたちは、互いに顔を見合わせ、肩を竦めた。
「どうやらすっかり仲良くなったみたいだな」
「ええ。おかげさまで」
「ぜひ詳しく聞かせてほしいわ。えっと、こっちにいる間どこに――」
「私が以前暮らしていた屋敷に滞在するつもりだ」
実家の侯爵家へ帰るつもりはなかった。結婚したとはいえ、父がどういった対応をするか不安だったから。
「その方がいいだろう。父は今、すごく荒れていてね……」
とりあえず場所を移して話そうと兄が言い、四人はレイモンドの屋敷へ移動した。
◇
レイモンドの屋敷は使用人の手入れによって、以前訪れた時と変わらず綺麗で、立派だった。彼はさらに使用人たちにてきぱきと指示し、グレイスたちを客間へ案内する。
(懐かしいわ。この部屋でレイモンド様と結婚の話をしたのよね……)
もうずいぶん昔のことに思え、グレイスは感慨深く思った。
しかし今は思い出に浸っている時ではない。
「お兄様。キャンベル公爵は、リアナ様とジェイク様の存在を公表していないの?」
「いや、近く公表する予定だ。ゴシップ専門を扱っている新聞社なんかはもうすでに出しているんだが……日頃から低俗な記事ばかり出しているせいで、どうせ本当の話じゃないだろうってあまり広まっていないかな。大手のところは、恐らく陛下たちが差し止めしているはずだ。……だが、それもそろそろ限界だろう」
キャンベル公爵はリアナを正式に公爵家の養女とし、王太子妃として迎えるよう議会に圧力をかけているという。
「議会も概ね認めている。問題は国王夫妻が……アンドリュー殿下が認めてくださらないことだな」
「あの浮気王子、いつまでもふらふらしていないで、いい加減諦めろって感じよね」
久しぶりにパトリシアの辛辣な言葉を聞かされる。……だが、グレイスも同じ気持ちだった。
(まだ認めていないなんて……)
父親である本人が否定すればするほど、リアナとジェイクの地位も揺らぐというのに……。
どうしてここまで頑なな態度を取るのか、グレイスにはさっぱり理解できなかった。
「それだけ、まだグレイスに未練があるということだな」
話を聞いていたレイモンドがぽつりと零す。
「そうかしら……。単に父親になることから逃げているだけな気がするわ」
「それもあるだろうが、貴女は人たらしの才能があるから」
「ええ?」
「わかる。お姉様って慈悲深い方だから、その優しさで救われたら、もう他の人じゃダメって感じになってしまうのよ」
「パトリシアまで……よくわからないことを言わないで」
グレイスが困っていれば、兄が助け舟を出すように話をまとめた。
「いずれにせよ、アンドリュー殿下の優柔不断な性格をキャンベル公爵は危険だと見なすだろう。グレイスたちが舞踏会に出席する前に……いや、当日にリアナとご子息の存在を発表する可能性が高い」
そしてその言葉通り、舞踏会当日にリアナとジェイクの存在が大手の新聞で大きく報じられたのだった。
「あなたの家へばかり押しかけるのは失礼にあたりますから、今度はわたくしの家へ来てちょうだい」
相変わらずツンとした様子であったが、一歩ずつ友人への道を歩めているようで、グレイスは嬉しかった。
レイモンドの方もグレイスに恥をかかせまいと社交に精を出し、大勢の中二人で踊りを楽しむ余裕もでてきた。
実に順風満帆な日々を送る中、ある日国王陛下から話があると夫婦揃って王宮へ呼び出された。グレイスたちを前にして、国王は難しい顔をして切り出す。
「実はな、イングリスがおまえたち二人を舞踏会に招待しているのだ」
「招待?」
レイモンドが訝しげに眉根を寄せた。
「私の妻にあんな仕打ちをしておきながら、よく招待など言える」
「レイモンド様」
自分は大丈夫だからと言うように声をかければ、彼は不満のある顔をしながらも黙った。
国王はその様子を見て、しみじみと述べる。
「ティルダとバートラムが言っていたが、本当に良い夫婦になったのだな」
「陛下。からかわないでいただきたい」
「からかってなどおらんよ。おまえたち夫婦の絆が十分強いのだと知り、安心したのだ。いいか、レイモンド。そしてグレイス。その仲の良さをイングリスの者たちに見せつけてやるといい。やつらもそれで納得するだろう」
何やら含みのある言い方に、単に舞踏会に招待するわけではないと悟った。
「まだ、グレイスのことを諦めていない様子なのですか」
「どうだろうな。王太子が近々結婚するという話は出ているそうだが、具体的な話はまだ何も伝わってこない。先に子どもができたことで、どう国民に伝えるか迷っているのだろう」
しかし、と国王は続けた。
「事が明らかになるのも時間の問題だろう。足掻いたところで、泥沼化するだけ。ならばいっそ腹を括るしかないと彼らも本当はわかっているはずだ。おまえたちが行って、さらに後押しすればいい」
「行くことはすでに決まっているのですね」
「断ってもいいが、おまえはグレイスを攫うようにこちらへ連れてきたのだろう? 後からあることないこと噂されるよりも、はっきりと伝えてこい。向こうの王太子よりも自分の方が幸せにしてやれると思ったから攫ってきた、とな」
「どのみち攫ったことになっていますが……」
「いいじゃないか。私もティルダも、おまえたちの愛の逃避行を応援した身だ。堂々と王太子に喧嘩を売ってこい」
一国の王としてそんな激励をかけていいのかとグレイスは思ったが、国王もまたティルダと同じようにレイモンドの幸せを願っているのだろう。
「レイモンド様。陛下のおっしゃるとおり、一緒に参加いたしましょう」
「しかし……」
グレイスは毅然と微笑んでみせる。
「わたしのことならば大丈夫です。いろいろと放り出す形でこちらへ来てしまったので、いつかは一度帰らなければならないと思っていました。全く不安がないと言えば嘘になりますが、わたしにはレイモンド様がいますもの」
「グレイス……あぁ、そうだな。俺も、貴女がいてくれれば何より心強いよ」
こうしてグレイスはレイモンドと共にイングリス王国へ帰国することになった。
◇
「お姉様!」
「パトリシア!」
列車から降りてちょうど、妹のパトリシアと兄のマーティンが迎えに来ていた。パトリシアが感極まった様子でグレイスに抱き着いてくる。
「久しぶり姉様! 元気だった?」
「ええ、とっても」
グレイスが兄のマーティンにも笑いかければ、兄は目を細めて「お帰り」と言ってくれた。
「いや、もうグレイスはあちらの人間になったのだから、こう告げるのは違うかな?」
兄がレイモンドに気遣ってそう言い直すと、彼は「構いませんよ」と義兄に微笑した。
「グレイスの帰る場所がいくつもあるのは安心できる」
レイモンドはパトリシアの抱擁から解放されたグレイスの隣へ来ると、いつもそうしているように自然な仕草で妻の腰に手を添えた。グレイスもまた彼の方を見上げて、優しい微笑を返す。
そんな二人の様子を見たパトリシアたちは、互いに顔を見合わせ、肩を竦めた。
「どうやらすっかり仲良くなったみたいだな」
「ええ。おかげさまで」
「ぜひ詳しく聞かせてほしいわ。えっと、こっちにいる間どこに――」
「私が以前暮らしていた屋敷に滞在するつもりだ」
実家の侯爵家へ帰るつもりはなかった。結婚したとはいえ、父がどういった対応をするか不安だったから。
「その方がいいだろう。父は今、すごく荒れていてね……」
とりあえず場所を移して話そうと兄が言い、四人はレイモンドの屋敷へ移動した。
◇
レイモンドの屋敷は使用人の手入れによって、以前訪れた時と変わらず綺麗で、立派だった。彼はさらに使用人たちにてきぱきと指示し、グレイスたちを客間へ案内する。
(懐かしいわ。この部屋でレイモンド様と結婚の話をしたのよね……)
もうずいぶん昔のことに思え、グレイスは感慨深く思った。
しかし今は思い出に浸っている時ではない。
「お兄様。キャンベル公爵は、リアナ様とジェイク様の存在を公表していないの?」
「いや、近く公表する予定だ。ゴシップ専門を扱っている新聞社なんかはもうすでに出しているんだが……日頃から低俗な記事ばかり出しているせいで、どうせ本当の話じゃないだろうってあまり広まっていないかな。大手のところは、恐らく陛下たちが差し止めしているはずだ。……だが、それもそろそろ限界だろう」
キャンベル公爵はリアナを正式に公爵家の養女とし、王太子妃として迎えるよう議会に圧力をかけているという。
「議会も概ね認めている。問題は国王夫妻が……アンドリュー殿下が認めてくださらないことだな」
「あの浮気王子、いつまでもふらふらしていないで、いい加減諦めろって感じよね」
久しぶりにパトリシアの辛辣な言葉を聞かされる。……だが、グレイスも同じ気持ちだった。
(まだ認めていないなんて……)
父親である本人が否定すればするほど、リアナとジェイクの地位も揺らぐというのに……。
どうしてここまで頑なな態度を取るのか、グレイスにはさっぱり理解できなかった。
「それだけ、まだグレイスに未練があるということだな」
話を聞いていたレイモンドがぽつりと零す。
「そうかしら……。単に父親になることから逃げているだけな気がするわ」
「それもあるだろうが、貴女は人たらしの才能があるから」
「ええ?」
「わかる。お姉様って慈悲深い方だから、その優しさで救われたら、もう他の人じゃダメって感じになってしまうのよ」
「パトリシアまで……よくわからないことを言わないで」
グレイスが困っていれば、兄が助け舟を出すように話をまとめた。
「いずれにせよ、アンドリュー殿下の優柔不断な性格をキャンベル公爵は危険だと見なすだろう。グレイスたちが舞踏会に出席する前に……いや、当日にリアナとご子息の存在を発表する可能性が高い」
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