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隠し部屋*
ロゼリアは待てを強いられていたクラウディオと共に屋敷へ帰り、彼やイルダに甲斐甲斐しく世話されて寝床に入ると、ようやく肩の力を抜くことができた。自分でも思った以上に気を張っていたようだ。
「しばらく、気の済むまで休むといい」
そう言ってクラウディオに寝かしつけられて、すぐに眠りに落ちていた。
(――ん……)
目を覚ますと、ロゼリア一人だった。
寝ぼけ眼を擦りながら寝台から下りると、マントルピースの上に置かれた、可愛らしい妖精や可憐な花の彫刻が施されたアクセサリー箱が何となく目に留まり、近寄って箱の中身を開けてみる。
(鍵……)
そういえば寝室と隣接する形で扉があった。
白い壁と同化するように存在しているので今まで入ってみようと思わなかったが(クラウディオに抱かれることが多く気にする暇がなかったのもあるが)、もしかしてと思って鍵を差し込んでみると、ガチャリと開いた。
そっと扉を開けると、書き物机に座って何か作業していたクラウディオが驚いたように顔を上げた。
「ロゼリア……どうやってここに入った」
「鍵があったから……入ってはいけないのならば、すぐに出るけれど」
「いや、いい。ただ驚いただけだ」
「……以前本で、秘密の部屋に行く鍵は大事な宝箱に仕舞っておく、っていう場面を読んだことがあるの」
ロゼリアが何度も読んだ絵本の一場面だ。
部屋の改築に精を出していたお姫様を驚かせようと、悪い魔法使いが内緒で隠し部屋を作り、鍵をお姫様が大事にしていた宝箱の中に隠しておいた。
その宝箱にも、女の子がときめきそうな装飾が施されていたのだ。先ほどロゼリアが見たような妖精や花など……。
(もしかして……)
クラウディオもあの絵本を読んで、それで同じことをしたのだろうか。
ロゼリアがあの絵本を好きだと知っているから、喜ばせたくて……。
クラウディオはロゼリアの視線にふっと微笑むだけで何も言わなかったが、ロゼリアは間違っていない気がした。
くすぐったい気持ちで部屋の中を見渡す。小さな書斎のようで、書き物机と仮眠用の小さな寝台があるくらいで他には取り立てて目立ったものはない。
こちらの部屋から廊下へ出られる扉があり、クラウディオはそこから入ったのだろう。
「もう少しで終わるから、あちらの部屋でまだ休んでいていいぞ」
「……ここで待っていてはだめ?」
クラウディオは少し間を置いて答える。
「わかった。そこの寝台で休んでいるといい」
許可を得て、ロゼリアは小さな寝台に上がった。毛布の中に身体を滑り込ませ、書き物をしているクラウディオの方をしばらくじっと見ていると、彼がちらりと視線をやった。
「寒くないか?」
「大丈夫。ずっとここで寝ていたの?」
怪我の治療を受けている間、クラウディオは別室で寝ていた。ロゼリアとしては少々不満であり、不思議でもあった。
「ああ。……安静に、するべきだと思ったから……」
会話がまた途切れ、ロゼリアは飽きずにクラウディオの顔を眺め続けた。気のせいか、彼は少し、落ち着かないように見えた。
「本当に、寒くないか?」
「ええ。……この毛布、あなたの匂いがして落ち着く」
クラウディオが椅子を引き、こちらへやってきた。
「そんなこと言うと、襲うぞ」
「いいわ」
眉根を寄せて、クラウディオは毛布を剥ぎ取った。ロゼリアは腕を伸ばして彼を迎え入れる。大きな身体に抱きしめられて、この上ない安心感を覚えた。
「ずっと一人で寝ていて、寂しかったの……。あなたは、寂しくなかった?」
クラウディオは言葉で答えず、ロゼリアの頬や目元に口づけして同じ気持ちであることを伝えた。
「一緒に寝ていたら、貴女に無理をさせそうだから別の部屋で寝ていたんだ」
「別に襲ってくれてもよかったのに」
「……医者から止められていた。待つことも、大事だと」
クラウディオはロゼリアの首筋に顔を埋め、彼女の匂いで肺を満たすように呼吸をした。
「俺だって苦しかった」
ロゼリアは微笑み、自分から彼の唇に口づけした。クラウディオも舌を捻じ込んできて、二人は何度も舌を絡ませてどちらのものかわからぬ唾液を嚥下した。
息が弾んでくると、顔を離し、お互いの瞳の色に溺れたように見つめ合った。やがてクラウディオが荒い息で前を寛げ怒張をロゼリアの蜜壺に突き刺した。
「あ、んっ――」
何度も自分の中を蹂躙してきた肉杭を久しぶりに咥えさせられ、眩暈がするほどの愉悦を覚えた。耐え切れず、びくびく震えてロゼリアは達してしまう。
「あぁ、きつい……」
クラウディオも、ロゼリアの締めつけに我慢できず、精を吐き出した。興奮が収まらない様子で腰を動かし続け、またすぐに硬くなる。二人分の重みでぎしぎしと寝台を軋ませながら、クラウディオはロゼリアを貪り続ける。
「はぁ、んっ……あっ、あぁっ、んっ――……」
肉棒が蜜襞を擦る度、声が止められない。久しぶりだからだろうか。最奥に当てた状態で揺すられると、頭がおかしくなりそうなほど気持ちよかった。
衣服を着たまま二人は夢中で抱き合い、何度も共に快楽を得ようと身体を揺らし続けた。
「はぁ……はぁ……」
さすがに立て続けに果てて、ロゼリアは少し疲れてしまった。
ぐったりと寝台に横たわっていると、クラウディオが頬ずりしてくる。もう疲れたか、と無言で問われている気がして、小さく首を振る。
「もっと……」
ロゼリアの求めに応えようと、クラウディオは起き上がり、汗ばんだ自分の服をまず脱いだ。次いでロゼリアの夜着を脱がせようとリボンを解いていく。
すでに何度か射精して余裕を取り戻したお陰か、ロゼリアの上下する胸に、ほっそりとくびれた腰、白く柔らかそうな太股までじっくり視線を落としていく。そして壊れ物に触れるように優しい手つきで触れて、唇を押し当ててきた。
処女を抱くような丁寧な愛撫に、彼に快楽の全てを教え込まれたロゼリアはもどかしくてたまらない。でも、クラウディオが自分を大事にしてくれていることも伝わってきて、黙ってその甘美な拷問に耐え続ける。
だがやはりしっとりと汗ばんだ肌を大きな掌で撫でられると、期待してしまう。
「ん……んっ……」
クラウディオはロゼリアの小さな足を持ち上げ、その爪先まで可愛いと口づけする。彼女はそこで我慢できなくなり、起き上がって彼に抱き着いた。
「もう、いれていい……?」
「ああ……」
彼の男根は硬く勃ち上がっていた。ロゼリアは優しく手で添えると、自分の蜜口に押し当て、ゆっくりと呑み込んでいく。
「はぁ、っ……いっぱい、咥えちゃうから、支えて、クラウディオ……」
「咥えれば、いいじゃないか」
「だめ、おかしくなっちゃ、あ、んっ――」
腰を落とされて、ずぶずぶっと串刺しにされる。
「ふ、ぅ……はぁ、はぁ……ひどい」
「我慢、できなかったんだ」
ロゼリアは恨めしげな目でクラウディオを見つめながらも頬に手を添えて、口づけを交わす。彼に腰を引き寄せられ、汗ばんだ肌を押し付ける。胸が押しつぶされ、尖った胸の飾りがクラウディオの肌で擦られると、お腹の奥が疼いて彼のものを締めつけてしまう。
「ふぅ、んっ……んっ」
(気持ちいい……)
ちゅぱちゅぱと上と下の口で淫音を鳴らしながらロゼリアは腰を揺らしていた。もっと彼と深く繋がりあいたい。気持ちよくなりたい。
(あ、だめ、わたしだけじゃなくて……)
「クラウディオ……きもちいい?」
彼にも同じ気持ちになってほしい。幸せになってほしい。
「あぁ……っ、絞り、取られそうだ……っ」
「もっと、たくさん、動いた方がいい?」
どうしたらクラウディオが快感を得られるかと、ロゼリアは前後に腰を動かしたり、一生懸命持ち上げてみる。
(あぁ、でも、これ、わたしが、気持ちよくなってしまう……)
次第にロゼリア自身が高みに昇ろうとしていることに気づいたのか、クラウディオが笑みを浮かべる。
「いきたいなら、いけばいい」
「んっ、だめ……あっ、あなたに、気持ちよくなってほしい、ひ、ぁっ……」
今までロゼリアの好きにさせていたクラウディオが突然荒々しく腰を突き上げ始めたので、ロゼリアはもう自分が気持ちよくなることしか考えられなくなった。
よがり声を上げるロゼリアをさらに狂わせようと、クラウディオは少し腰をだらけさせ、ちょうど顔の前で大きく揺れる二つの乳房にむしゃぶりついた。
「はぁっ、ぁっ、ふぅ……あっ、あぁ、んっ――」
大きく仰け反りながらロゼリアは肢体を震わせた。
「はぁ……はぁ……ぁ……」
顔を天井に晒したまま、恍惚とした表情で達した余韻に浸っていたが、やがてゆっくりと力尽きたようにクラウディオの方に倒れ込んだ。しっかりと抱きとめられて、呼吸が整うまで何も言わず動かないでいてくれる。
「ごめん、なさい……」
落ち着いたロゼリアが顔を見てそう謝ると、クラウディオは優しい表情で目を細めた。
「謝らなくていい」
落ち込むロゼリアをあやすようにまた口づけし、後ろを向くよう言った。一度腰を持ち上げて繋がりを解くと、愛液と精液がとろりと零れてシーツに染みを作った。
(クラウディオのと、はなれちゃった……)
ぴったりと合わさっていた自分の身体から何かが欠けてしまったような気持ちになる。
「そんな顔をするな」
自身の膝の上に座らせると、クラウディオはすぐにロゼリアに肉棒を咥えさせた。
「ぁ、あぁ……」
見えないことと、幾度も悦楽を味わった身体のせいでまたすぐに果てそうになる。
別にそれでも構わないとクラウディオは言ってくれるだろうが、今度こそ彼を気持ちよく、せめて一緒に溺れたいロゼリアはぐっとお腹に力を込めてやり過ごす。膣内も締めつけることになり、クラウディオが呻いた。
「ロゼリア、さっきより、きつい……はぁ、食いちぎられそうだ」
「あ、だめ、まだ、いっちゃ……いっしょに、いきたい」
「ああ、だから、まだ、我慢してくれ」
首筋にクラウディオの息がかかるだけで、ロゼリアはぞくぞくしてしまう。我慢するのはとても無理難題に思えたが、彼の言葉に応えたかった。
「背中は本当に、もう大丈夫か」
「んっ、大丈夫、だから……もう、気にしないで」
クラウディオを守るために負った傷だ。
「貴女に怪我を負わせた人間のことは、殺しても、殺し足りないくらい憎い……。だが、俺のために貴女が背負った傷だと思うと、とても愛おしく思う……」
顔が見えないからか、いつになく情熱的な台詞をクラウディオは口にした。
ロゼリアはそんな彼の顔をぜひとも目に焼きつけておきたかったが、その前に背中に次々と口づけが落とされたので振り返ることができなくなってしまった。
「はぁ、クラウ、ディオ……」
「貴女はどこもかしこも華奢で、綺麗だ……俺に何度穢されても、絶対に穢れない……だから、手に入れたくなる……俺だけの番にしたい……」
彼の大きな掌が乳房を揉みしだき、蕾を引っ張るように摘まんでは、押しつぶしてきた。
動くのを我慢したいのに勝手に動いてしまい、いやらしく撫で回していた手が下へと下りて花芽を弄り始めると、ロゼリアは後ろへ大きく仰け反った。
「まって、クラウディオ」
「ロゼリア、気持ちよくなれ」
「や、ぁ……っ、あっ、ほんとにいっちゃ、あ、ぁっ、だめ、だめっ」
「いい、いけ」
ロゼリアは従順な飼い犬のように潮を吹いて絶頂した。
身体を拘束されたまま、びくびくと震え続ける。恥ずかしいのに、たまらなく気持ちよくて、自分は本当に淫乱になってしまったのだと自覚する。
「可愛い、ロゼリア」
めったに言わない言葉を耳元で囁かれ、ロゼリアは上気させた頬をさらに桃色に染めた。ぎゅっと抱きしめられたのち、一緒に寝台に沈んで、顔中に口づけを落とされる。
くすぐったくて、クラウディオも犬のようだと笑みを零すと、彼は起き上がり、ロゼリアの脚を大きく開かせた。ぬちゅりと肉棒を焦らすように擦りつけられ、クラウディオの腕を掴んだ。
「一緒にいきたい。いいか?」
熱に浮かされたような表情で愛しい人を見上げ、こくんと頷く。
「ええ。いっぱい突いて……」
ロゼリアが両膝を抱えて挿入を促すと、クラウディオは雄芯をゆっくりと花床に埋めてきた。亀頭の部分が中をくぐるだけで背中が反り、身を引きそうになる。心は彼を望んでいるというのに。
枕を掴んで耐えようとする前にクラウディオがロゼリアの両腕を掴んで、抽挿を速めてくる。
「はぁっ、あっ、ぁっ、……ふ、あぁ、んっ……」
自分の腕に乳房が挟まれてふるふると揺れている。クラウディオの注がれる視線に羞恥心が掻き立てられ、興奮も増した。
何度も快感を得てしまったせいで体力はもう限界に近い。理性も残っておらず、半分泣きながらクラウディオの雄茎を締めつけていた。クラウディオも息が上がってきて、さらに腰を激しく突いてくる。
「はぁっ、いいか、ロゼリア……っ」
「あ、うんっ、きもち、いい……っ、はぁっ、クラウ、ディオ、ぎゅって、して」
ロゼリアは手を握りしめてくれるだけでよかったのだが、クラウディオはがばりと覆い被さってきてついでに激しく口も貪られた。
「んっ、んぅ……」
「ロゼリア、一生、離さない……っく、一生、俺の……っ」
「んぅ、っ……ぁ、あっ、クラウディオっ、もういっちゃ、いっしょに、いって」
「あぁ、一緒に、いく」
激しい揺さぶりに、ロゼリアは彼の腰に手足を絡めて必死にしがみつく。互いにもう何も考えられず、一緒に堕ちていくことだけを願っていた。
「っく、出る――」
「あぁっ――……」
大きく震えるロゼリアの身体をクラウディオが強く抱きしめた。飛びそうな意識の中で、彼と初めて会った時の光景が浮かぶ。
自分を見つめる灰色がかった青い瞳。ロゼリアの犬になって、いつか自分を破滅に導く男は今、自分の腕の中にいる。これからも命を握り続けられる。
一生、彼から逃げることはできないのだ。
そう思うと、ロゼリアは泣きそうになった。
「ロゼリア……」
静かに涙を流すロゼリアにクラウディオが名前を呟く。彼女は微笑んで、顔を寄せた。
「クラウディオ……好きよ。大好き……」
愛している、という言葉では言い表すことができないほど、想っている。
「俺も、もう貴女なしでは生きていけない」
「ふふ……じゃあ、一緒ね」
ああ、とクラウディオが優しく微笑んだ。
「婚約指輪の宝石は貴女が生きるために使ってしまったから、今度こそ結婚指輪を貴女の指に嵌める」
ロゼリアは楽しみだと笑みを返した。
「しばらく、気の済むまで休むといい」
そう言ってクラウディオに寝かしつけられて、すぐに眠りに落ちていた。
(――ん……)
目を覚ますと、ロゼリア一人だった。
寝ぼけ眼を擦りながら寝台から下りると、マントルピースの上に置かれた、可愛らしい妖精や可憐な花の彫刻が施されたアクセサリー箱が何となく目に留まり、近寄って箱の中身を開けてみる。
(鍵……)
そういえば寝室と隣接する形で扉があった。
白い壁と同化するように存在しているので今まで入ってみようと思わなかったが(クラウディオに抱かれることが多く気にする暇がなかったのもあるが)、もしかしてと思って鍵を差し込んでみると、ガチャリと開いた。
そっと扉を開けると、書き物机に座って何か作業していたクラウディオが驚いたように顔を上げた。
「ロゼリア……どうやってここに入った」
「鍵があったから……入ってはいけないのならば、すぐに出るけれど」
「いや、いい。ただ驚いただけだ」
「……以前本で、秘密の部屋に行く鍵は大事な宝箱に仕舞っておく、っていう場面を読んだことがあるの」
ロゼリアが何度も読んだ絵本の一場面だ。
部屋の改築に精を出していたお姫様を驚かせようと、悪い魔法使いが内緒で隠し部屋を作り、鍵をお姫様が大事にしていた宝箱の中に隠しておいた。
その宝箱にも、女の子がときめきそうな装飾が施されていたのだ。先ほどロゼリアが見たような妖精や花など……。
(もしかして……)
クラウディオもあの絵本を読んで、それで同じことをしたのだろうか。
ロゼリアがあの絵本を好きだと知っているから、喜ばせたくて……。
クラウディオはロゼリアの視線にふっと微笑むだけで何も言わなかったが、ロゼリアは間違っていない気がした。
くすぐったい気持ちで部屋の中を見渡す。小さな書斎のようで、書き物机と仮眠用の小さな寝台があるくらいで他には取り立てて目立ったものはない。
こちらの部屋から廊下へ出られる扉があり、クラウディオはそこから入ったのだろう。
「もう少しで終わるから、あちらの部屋でまだ休んでいていいぞ」
「……ここで待っていてはだめ?」
クラウディオは少し間を置いて答える。
「わかった。そこの寝台で休んでいるといい」
許可を得て、ロゼリアは小さな寝台に上がった。毛布の中に身体を滑り込ませ、書き物をしているクラウディオの方をしばらくじっと見ていると、彼がちらりと視線をやった。
「寒くないか?」
「大丈夫。ずっとここで寝ていたの?」
怪我の治療を受けている間、クラウディオは別室で寝ていた。ロゼリアとしては少々不満であり、不思議でもあった。
「ああ。……安静に、するべきだと思ったから……」
会話がまた途切れ、ロゼリアは飽きずにクラウディオの顔を眺め続けた。気のせいか、彼は少し、落ち着かないように見えた。
「本当に、寒くないか?」
「ええ。……この毛布、あなたの匂いがして落ち着く」
クラウディオが椅子を引き、こちらへやってきた。
「そんなこと言うと、襲うぞ」
「いいわ」
眉根を寄せて、クラウディオは毛布を剥ぎ取った。ロゼリアは腕を伸ばして彼を迎え入れる。大きな身体に抱きしめられて、この上ない安心感を覚えた。
「ずっと一人で寝ていて、寂しかったの……。あなたは、寂しくなかった?」
クラウディオは言葉で答えず、ロゼリアの頬や目元に口づけして同じ気持ちであることを伝えた。
「一緒に寝ていたら、貴女に無理をさせそうだから別の部屋で寝ていたんだ」
「別に襲ってくれてもよかったのに」
「……医者から止められていた。待つことも、大事だと」
クラウディオはロゼリアの首筋に顔を埋め、彼女の匂いで肺を満たすように呼吸をした。
「俺だって苦しかった」
ロゼリアは微笑み、自分から彼の唇に口づけした。クラウディオも舌を捻じ込んできて、二人は何度も舌を絡ませてどちらのものかわからぬ唾液を嚥下した。
息が弾んでくると、顔を離し、お互いの瞳の色に溺れたように見つめ合った。やがてクラウディオが荒い息で前を寛げ怒張をロゼリアの蜜壺に突き刺した。
「あ、んっ――」
何度も自分の中を蹂躙してきた肉杭を久しぶりに咥えさせられ、眩暈がするほどの愉悦を覚えた。耐え切れず、びくびく震えてロゼリアは達してしまう。
「あぁ、きつい……」
クラウディオも、ロゼリアの締めつけに我慢できず、精を吐き出した。興奮が収まらない様子で腰を動かし続け、またすぐに硬くなる。二人分の重みでぎしぎしと寝台を軋ませながら、クラウディオはロゼリアを貪り続ける。
「はぁ、んっ……あっ、あぁっ、んっ――……」
肉棒が蜜襞を擦る度、声が止められない。久しぶりだからだろうか。最奥に当てた状態で揺すられると、頭がおかしくなりそうなほど気持ちよかった。
衣服を着たまま二人は夢中で抱き合い、何度も共に快楽を得ようと身体を揺らし続けた。
「はぁ……はぁ……」
さすがに立て続けに果てて、ロゼリアは少し疲れてしまった。
ぐったりと寝台に横たわっていると、クラウディオが頬ずりしてくる。もう疲れたか、と無言で問われている気がして、小さく首を振る。
「もっと……」
ロゼリアの求めに応えようと、クラウディオは起き上がり、汗ばんだ自分の服をまず脱いだ。次いでロゼリアの夜着を脱がせようとリボンを解いていく。
すでに何度か射精して余裕を取り戻したお陰か、ロゼリアの上下する胸に、ほっそりとくびれた腰、白く柔らかそうな太股までじっくり視線を落としていく。そして壊れ物に触れるように優しい手つきで触れて、唇を押し当ててきた。
処女を抱くような丁寧な愛撫に、彼に快楽の全てを教え込まれたロゼリアはもどかしくてたまらない。でも、クラウディオが自分を大事にしてくれていることも伝わってきて、黙ってその甘美な拷問に耐え続ける。
だがやはりしっとりと汗ばんだ肌を大きな掌で撫でられると、期待してしまう。
「ん……んっ……」
クラウディオはロゼリアの小さな足を持ち上げ、その爪先まで可愛いと口づけする。彼女はそこで我慢できなくなり、起き上がって彼に抱き着いた。
「もう、いれていい……?」
「ああ……」
彼の男根は硬く勃ち上がっていた。ロゼリアは優しく手で添えると、自分の蜜口に押し当て、ゆっくりと呑み込んでいく。
「はぁ、っ……いっぱい、咥えちゃうから、支えて、クラウディオ……」
「咥えれば、いいじゃないか」
「だめ、おかしくなっちゃ、あ、んっ――」
腰を落とされて、ずぶずぶっと串刺しにされる。
「ふ、ぅ……はぁ、はぁ……ひどい」
「我慢、できなかったんだ」
ロゼリアは恨めしげな目でクラウディオを見つめながらも頬に手を添えて、口づけを交わす。彼に腰を引き寄せられ、汗ばんだ肌を押し付ける。胸が押しつぶされ、尖った胸の飾りがクラウディオの肌で擦られると、お腹の奥が疼いて彼のものを締めつけてしまう。
「ふぅ、んっ……んっ」
(気持ちいい……)
ちゅぱちゅぱと上と下の口で淫音を鳴らしながらロゼリアは腰を揺らしていた。もっと彼と深く繋がりあいたい。気持ちよくなりたい。
(あ、だめ、わたしだけじゃなくて……)
「クラウディオ……きもちいい?」
彼にも同じ気持ちになってほしい。幸せになってほしい。
「あぁ……っ、絞り、取られそうだ……っ」
「もっと、たくさん、動いた方がいい?」
どうしたらクラウディオが快感を得られるかと、ロゼリアは前後に腰を動かしたり、一生懸命持ち上げてみる。
(あぁ、でも、これ、わたしが、気持ちよくなってしまう……)
次第にロゼリア自身が高みに昇ろうとしていることに気づいたのか、クラウディオが笑みを浮かべる。
「いきたいなら、いけばいい」
「んっ、だめ……あっ、あなたに、気持ちよくなってほしい、ひ、ぁっ……」
今までロゼリアの好きにさせていたクラウディオが突然荒々しく腰を突き上げ始めたので、ロゼリアはもう自分が気持ちよくなることしか考えられなくなった。
よがり声を上げるロゼリアをさらに狂わせようと、クラウディオは少し腰をだらけさせ、ちょうど顔の前で大きく揺れる二つの乳房にむしゃぶりついた。
「はぁっ、ぁっ、ふぅ……あっ、あぁ、んっ――」
大きく仰け反りながらロゼリアは肢体を震わせた。
「はぁ……はぁ……ぁ……」
顔を天井に晒したまま、恍惚とした表情で達した余韻に浸っていたが、やがてゆっくりと力尽きたようにクラウディオの方に倒れ込んだ。しっかりと抱きとめられて、呼吸が整うまで何も言わず動かないでいてくれる。
「ごめん、なさい……」
落ち着いたロゼリアが顔を見てそう謝ると、クラウディオは優しい表情で目を細めた。
「謝らなくていい」
落ち込むロゼリアをあやすようにまた口づけし、後ろを向くよう言った。一度腰を持ち上げて繋がりを解くと、愛液と精液がとろりと零れてシーツに染みを作った。
(クラウディオのと、はなれちゃった……)
ぴったりと合わさっていた自分の身体から何かが欠けてしまったような気持ちになる。
「そんな顔をするな」
自身の膝の上に座らせると、クラウディオはすぐにロゼリアに肉棒を咥えさせた。
「ぁ、あぁ……」
見えないことと、幾度も悦楽を味わった身体のせいでまたすぐに果てそうになる。
別にそれでも構わないとクラウディオは言ってくれるだろうが、今度こそ彼を気持ちよく、せめて一緒に溺れたいロゼリアはぐっとお腹に力を込めてやり過ごす。膣内も締めつけることになり、クラウディオが呻いた。
「ロゼリア、さっきより、きつい……はぁ、食いちぎられそうだ」
「あ、だめ、まだ、いっちゃ……いっしょに、いきたい」
「ああ、だから、まだ、我慢してくれ」
首筋にクラウディオの息がかかるだけで、ロゼリアはぞくぞくしてしまう。我慢するのはとても無理難題に思えたが、彼の言葉に応えたかった。
「背中は本当に、もう大丈夫か」
「んっ、大丈夫、だから……もう、気にしないで」
クラウディオを守るために負った傷だ。
「貴女に怪我を負わせた人間のことは、殺しても、殺し足りないくらい憎い……。だが、俺のために貴女が背負った傷だと思うと、とても愛おしく思う……」
顔が見えないからか、いつになく情熱的な台詞をクラウディオは口にした。
ロゼリアはそんな彼の顔をぜひとも目に焼きつけておきたかったが、その前に背中に次々と口づけが落とされたので振り返ることができなくなってしまった。
「はぁ、クラウ、ディオ……」
「貴女はどこもかしこも華奢で、綺麗だ……俺に何度穢されても、絶対に穢れない……だから、手に入れたくなる……俺だけの番にしたい……」
彼の大きな掌が乳房を揉みしだき、蕾を引っ張るように摘まんでは、押しつぶしてきた。
動くのを我慢したいのに勝手に動いてしまい、いやらしく撫で回していた手が下へと下りて花芽を弄り始めると、ロゼリアは後ろへ大きく仰け反った。
「まって、クラウディオ」
「ロゼリア、気持ちよくなれ」
「や、ぁ……っ、あっ、ほんとにいっちゃ、あ、ぁっ、だめ、だめっ」
「いい、いけ」
ロゼリアは従順な飼い犬のように潮を吹いて絶頂した。
身体を拘束されたまま、びくびくと震え続ける。恥ずかしいのに、たまらなく気持ちよくて、自分は本当に淫乱になってしまったのだと自覚する。
「可愛い、ロゼリア」
めったに言わない言葉を耳元で囁かれ、ロゼリアは上気させた頬をさらに桃色に染めた。ぎゅっと抱きしめられたのち、一緒に寝台に沈んで、顔中に口づけを落とされる。
くすぐったくて、クラウディオも犬のようだと笑みを零すと、彼は起き上がり、ロゼリアの脚を大きく開かせた。ぬちゅりと肉棒を焦らすように擦りつけられ、クラウディオの腕を掴んだ。
「一緒にいきたい。いいか?」
熱に浮かされたような表情で愛しい人を見上げ、こくんと頷く。
「ええ。いっぱい突いて……」
ロゼリアが両膝を抱えて挿入を促すと、クラウディオは雄芯をゆっくりと花床に埋めてきた。亀頭の部分が中をくぐるだけで背中が反り、身を引きそうになる。心は彼を望んでいるというのに。
枕を掴んで耐えようとする前にクラウディオがロゼリアの両腕を掴んで、抽挿を速めてくる。
「はぁっ、あっ、ぁっ、……ふ、あぁ、んっ……」
自分の腕に乳房が挟まれてふるふると揺れている。クラウディオの注がれる視線に羞恥心が掻き立てられ、興奮も増した。
何度も快感を得てしまったせいで体力はもう限界に近い。理性も残っておらず、半分泣きながらクラウディオの雄茎を締めつけていた。クラウディオも息が上がってきて、さらに腰を激しく突いてくる。
「はぁっ、いいか、ロゼリア……っ」
「あ、うんっ、きもち、いい……っ、はぁっ、クラウ、ディオ、ぎゅって、して」
ロゼリアは手を握りしめてくれるだけでよかったのだが、クラウディオはがばりと覆い被さってきてついでに激しく口も貪られた。
「んっ、んぅ……」
「ロゼリア、一生、離さない……っく、一生、俺の……っ」
「んぅ、っ……ぁ、あっ、クラウディオっ、もういっちゃ、いっしょに、いって」
「あぁ、一緒に、いく」
激しい揺さぶりに、ロゼリアは彼の腰に手足を絡めて必死にしがみつく。互いにもう何も考えられず、一緒に堕ちていくことだけを願っていた。
「っく、出る――」
「あぁっ――……」
大きく震えるロゼリアの身体をクラウディオが強く抱きしめた。飛びそうな意識の中で、彼と初めて会った時の光景が浮かぶ。
自分を見つめる灰色がかった青い瞳。ロゼリアの犬になって、いつか自分を破滅に導く男は今、自分の腕の中にいる。これからも命を握り続けられる。
一生、彼から逃げることはできないのだ。
そう思うと、ロゼリアは泣きそうになった。
「ロゼリア……」
静かに涙を流すロゼリアにクラウディオが名前を呟く。彼女は微笑んで、顔を寄せた。
「クラウディオ……好きよ。大好き……」
愛している、という言葉では言い表すことができないほど、想っている。
「俺も、もう貴女なしでは生きていけない」
「ふふ……じゃあ、一緒ね」
ああ、とクラウディオが優しく微笑んだ。
「婚約指輪の宝石は貴女が生きるために使ってしまったから、今度こそ結婚指輪を貴女の指に嵌める」
ロゼリアは楽しみだと笑みを返した。
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隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
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