シニカルロマネスク

成宮まりい

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3・夜と昼

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「お早うございます!」

光に目を細めながら体を起こすと、水差しを新しい物に交換しながらリリーが言った。

「昨日、清拭に参ったらとても良く眠っていらしたので、起こさずに戻ってしまいました」


「それは。すまないことをした」

「いいえ、ゆっくり眠れたのなら良かったですわ」

「いや、申し訳ない」

 枕元に置いていた懐中時計を開くと、もうじき昼時を示そうとしている針がカチリと動く瞬間だった。

「……寝過ぎてしまった。すまない」

「何を仰ってるんですの? お怪我をなされて
大変お疲れのようでしたし、当然ですわ。たくさん寝て、たくさん召しあがって、お元気になってくださいませね?」

可愛らしく首を傾げた仕草にドキリと心臓がはねた。


「もうすぐお昼ですから、お食事はこちらにお持ちしますわね、うちの給仕係の特製サンドイッチですのお口にあえばよいのですが」

品のいいネックレスがキラリと光った。

「……それから昨日申し上げたかも知れませんが、今日は父は往診で晩まで帰ってきませんの、帰宅したら晩御飯なのでお夕食はご一緒いかがかしら? 召し上がれまして?」

「ああ、ご一緒させて頂こう。……昼はリリー殿はもう済まされたのか?」

そう問いかけた俺にベッドの中でサムが言った。

「いいね、積極的じゃないか。ジェイはやれば出来る子なんだからさ、グイグイ行かなきゃね」

俺はサムをチラッと見て、体を起こしながらリリーを見つめた。


「いいえ、これからです」

「……もし……リリー殿がご迷惑でなければ、昼食も、ご一緒願えないか? その後に散歩に出かけよう、いかがだろうか?」

「……よろしいんですの?」

「ああ」

「でしたら、テラスでいただきましょうよ。今日もいいお天気ですし」

「よかった」

俺が頷いてベッドを出ると、リリーは目を丸くして顔を赤く染めた。

「の、のちぼど!」

ベッドに横になって、掛け布団を胸の辺りまで引き上げたサムが俺の臀部を撫でながら「ほら、やっぱ処女だよ」と笑った。

「サム、だから、俺の尻を触るなよ」

「ふふふ。だってボクはジェイのお尻のこの窪みが好きなんだよね」

そう言いながらサムは臀部に触れる。

「背中の造りも、本当に無駄がない。ギリシャ彫刻みたいに完成度が高い。ところでジェイ、起きがけだから? それとも、あの子にドキドキしてるから? ジェイのここ、すごく素敵になってるけれど?」

サムは女のような唇を軽く尖らせて、体を引きずるように俺の膝に手を乗せるとそこを指さした。

「っ! やめろ!」

「つれないなぁ……身体は正直なのにね、あはは。ほら見て。 もっと素敵になったよ」

「サム」

「だって、こんなに立派で大きくて硬いんだよ。部隊の奴らのものを見たりするけどさ、ジェイのものは格別に素敵だよ! こんなものが目の前にあったら、なんとかしたくなるじゃないか?」

「はぁ……寝言は寝てるときに言うもんだぞ」


 サムに背を向けてローブを羽織って雪隠へ向かうと、ジワリと先端に僅かに滲んだ体液を見てため息をついた。

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