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そのに
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それからの生活は、カインにとって天国でした。
最初の一週間は寝て過ごしました。
屋根や布団のある生活に安心した途端、熱を出したのです。
お医者様も呼んでもらえましたし、セバスチャンだけでなく他の使用人たちもカインに親切で、キチンと休養を取ることもできたのであっという間に体調も良くなりました。
フカフカのお布団と、暖かい部屋。
三食出てくる美味しいご飯に、午前と午後にあるお茶の時間。
支給された従業員の服も上等で、下着などの生活必需品は支度金替わりに提供されています。
雇い主であるお嬢様は、熱がある間は遠ざけられていたようですが、医者の許可が出たとたんにちょろちょろと顔を出すようになりました。
アレを食べろ、コレを食べろ、まだ病気が治ってないかもしれないから寝ていろと大変うるさく、痩せすぎの体形を骸骨のようだと評された上に、本当に年上なのかとか9歳は年齢詐称ではないのかと、失礼なことまで言ってきます。
雇ってもらえたのですぐに太るから大丈夫ですと言って、安心させようとしたらなぜでしょう。
看病やお世話をしたかったのに元気になるなんてひどい、太ったカインは嫌と言って、ベソベソお嬢様は泣き始めました。
なかなか泣き止まないので困ってしまって「そんなに暇なんですか?」と尋ねたら、ぷりぷり怒って出ていきました。
とりあえず泣き止んでよかったなぁとその背中を見送っていたら、ヒュッと風のように部屋の中に姿が現したセバスチャンに怒られました。
「自分より幼い子供だという事を忘れてはいけません。お嬢様の気持ちを考えなさい!」
勝手に泣いて怒って出ていったのはお嬢様なので、実に理不尽です。
ただ、初日に聞いた正しい使用人の心得を思い出して「はい」と返事をしてうなずきました。
健康でも病気でもいけないって我儘には応えられないや、と内心では思っていました。
不承不承な気持ちを見透かされたのでしょう。
セバスチャンがピクリと眉をすがめて、本当にわかっているんですか? と追撃の小言を繰り出してきたのですが、最後まで言い切ることはできませんでした。
「天誅!」
可愛らしい声とともに、スパコーンとセバスチャンの頭に飛んできた小さな靴がクリーンヒットしました。
「病人をいじめるなんて、たとえ相手がセバスチャンでも、このワタクシが許さなくってよ!」
プリプリと怒って元気を取り戻したお嬢様の姿に、お嬢様のおっしゃる通りです、などと変わり身の早さを見せたセバスチャンは、なぜだか嬉しそうにニヤニヤしています。
実は叱られて喜ぶMさんなのかもしれません。
「わかればよろしいのです」とふんぞり返った後で上目遣いに「痛かった?」などと尋ねてくるお嬢様に、痛いですなどと頭を示して「チチンプイ」となでなでを欲求する姿を見てしまいました。
これは確信犯で、避けようと思えば避けられたのにわざと靴に当たったのだろうな~などとカインは白い目で見てしまいました。
そんなこんなで始まった生活は、それまでのカインには想像もつかないものでした。
体調が戻ると、商会を案内されました。
何をする会社か言葉で説明するよりも、従業員に会えば理解が早いと言われたのです。
商会と説明された場所は、なんと、広いトレーニングルームでした。
鍛えるための運動器具を置いてある部屋が幾つもあります。
持ってみろと渡されたのはダンベルだと教えてもらいましたがズシリと重く、他にも名前も知らない不思議な器具がたくさんありました。
体を鍛えるために、有酸素運動から無酸素運動まで各種そろえてあるのです。
特に驚いたのは部屋の中に大きな貯水施設があったことです。
これは何かと尋ねると泳ぐためのプールだと教えられました。
実際にザブザブと水しぶきを上げながら泳いでいる人がいて驚きました。
思わず水に手を入れると冬なのに暖かくて、お風呂みたいなものですか? と聞いてしまい、セバスチャンにはたくさん笑われました。
体を鍛える施設の次は、膨大な本の並んだ図書室や、宝石などの細工物を扱う部屋、家具等を造る職人の部屋、地図を描いたり土木などの技師のいる部屋……他にもいろいろとありましたが、なんだか難しい専門知識を分野ごとに部屋を分けてあるようでした。
「マッスルドラゴン商会は専門知識を持つ人材を派遣するだけでなく、独自の商品も取り扱っています。ここは研究を行い、試作品を開発する場所であると同時に、人材も育てる場でもあります」
誇らしげなセバスチャンの言葉を借りれば、専門知識や技術を磨くのも、知識を得るのも、一朝一夕にできはしないので、こうして日々鍛錬しているそうです。
出会う人のすべてが、驚くほど立派な筋肉を持っていました。
確かに、顔を突き合わせれば説明を受けるまでもなく、一瞬でわかりました
マッスルドラゴン商会は、専門技術のある知的なマッチョを求めているようです。
繊細な宝石細工を作り出す職人も、写本に彩色を施す技術者も、どう考えても肉体に頼らない刺繍に取り組む人も、すべからく筋骨隆々の男たちだったのです。
挨拶を交わすたびに鍛え上げられた巨躯がゾロゾロと集まってくるので、押しつぶされそうな威圧感がありました。
「賢さも器用さも胆力も、すべて、健全な肉体と筋肉に宿るのです! 良いですか? 筋肉は嘘をつきません。それをわきまえて、あなたも励みなさい」
誇らしげに微笑みながら、セバスチャンはカインの頭を撫でました。
お嬢様に向けるのと同じ、暖かな眼差しをしていました。
「貴方もまだ幼い。鍛え、学び、自分の適性をまずは知りなさい。貴方の持つ力がどの分野に突出しているかわかりませんが、未知数であるそれすらも楽しめばよいのです」
キラリと白い歯が輝き、カインにはその微笑みが素晴らしい大人の余裕に見えました。
お嬢様に靴をぶつけられて喜んでいた人物と、とても同じ人には見えません。
「僕、ここで精いっぱい努めて、自分にできることを探します」
それからのカインは、ひたむきに学びました。
言語、数学、歴史、地理といった学術的なものから、手に職をつけるような細工物から土木技術まで、ありとあらゆる分野を学びました。
今は隣国にいるとはいえお嬢様の実家は爵位も持つ貴族家なので、そちらに出向いても恥ずかしくないだけのマナーも身に着けねばなりません。
年齢の近いカインの動向が気になるのか、お嬢様も座学は並んで受けました。
文字も計算も簡単な物はすでに履修している6歳のお嬢様と、まったく勉学を知らなかった9歳のカインです。
最初のうちはお嬢様の知っている事も多く、ドヤ顔で「教えて差し上げますわ!」と先生ぶることも多かったのですが、一年もすればカインに追い抜かれて「他人に教える技が欲しいなら、ワタクシで練習しても良くってよ!」と涙目でよくわからないキレ方をしていました。
もちろんお嬢様の頭の出来が悪いわけではなく、カインがちょっぴり他人より優秀だっただけなのです。大きな声では言えませんが半べそのお嬢様はたいそう可愛らしかったので、絶対にお嬢様が追い付けない速度を維持して履修に励みました。
とにもかくにも。
生徒役になるお嬢様はそれなりに優秀で、カインはそれよりもちょっぴり優秀なので、二人そろってとても賢いのだとセバスチャンは嬉しそうでした。
さて。座学のほとんどはお嬢様と席を並べていたカインですが、お嬢様を捨て置いてセバスチャンと肩を並べて励む時間もあります。
そう、体を鍛えるのです。
他の何をおいても筋肉を鍛えなくてはなりません。
護身術も格闘も当たり前のように必須科目です。
なんたって、マッスルドラゴン商会の売りは、ムキムキマッチョの人材派遣なのですから。
痩せぎすで貧相な子供のカインは、商会の従業員らしくなるためにも筋トレに余念がありません。
セバスチャンの都合が悪い時は、他のムキムキマッチョの技術者たちがカインのトレーニングに付き合ってくれます。
鍛え上げた見事な巨躯を持つ男たちは、歌うように筋肉を賛美しながらトレーニングに励みます。
動かしたい大胸筋。鍛えたい上腕筋群。ニヒルな男の僧帽筋、頼りたくなる広背筋。
割ってみたい腹筋群。引き締めたい臀部筋群。忘れちゃいけない大腿四頭筋。
誰が口ずさみ出したのかはわかりませんが、えっほえっほとダンベルを使う男たちのまねをして、カインもせっせっせっせとダンベルを持ち上げながら気持ちよく鼻歌交じりに励みました。
怠惰は身を亡ぼすけれど、技能は身を助けます。
無知は罪を引き起こしますが、知識は生を豊かにします。
なにより、人は嘘をつくけれど、筋肉は嘘をつかないのです。
毎日休みなく体を鍛え、あっという間にカインは15歳になりました。
残念なことに、幼少期の貧しい暮らしの影響か、ムキムキマッチョになれませんでした。
よく食べ、よく眠り、良く学んで鍛えているのに、細身のままなのです。
ただ、お嬢様は「細マッチョは尊くってよ!」と嬉しそうに興奮していましたので、細身でもさほど気に病むことはありませんでした。
最初の一週間は寝て過ごしました。
屋根や布団のある生活に安心した途端、熱を出したのです。
お医者様も呼んでもらえましたし、セバスチャンだけでなく他の使用人たちもカインに親切で、キチンと休養を取ることもできたのであっという間に体調も良くなりました。
フカフカのお布団と、暖かい部屋。
三食出てくる美味しいご飯に、午前と午後にあるお茶の時間。
支給された従業員の服も上等で、下着などの生活必需品は支度金替わりに提供されています。
雇い主であるお嬢様は、熱がある間は遠ざけられていたようですが、医者の許可が出たとたんにちょろちょろと顔を出すようになりました。
アレを食べろ、コレを食べろ、まだ病気が治ってないかもしれないから寝ていろと大変うるさく、痩せすぎの体形を骸骨のようだと評された上に、本当に年上なのかとか9歳は年齢詐称ではないのかと、失礼なことまで言ってきます。
雇ってもらえたのですぐに太るから大丈夫ですと言って、安心させようとしたらなぜでしょう。
看病やお世話をしたかったのに元気になるなんてひどい、太ったカインは嫌と言って、ベソベソお嬢様は泣き始めました。
なかなか泣き止まないので困ってしまって「そんなに暇なんですか?」と尋ねたら、ぷりぷり怒って出ていきました。
とりあえず泣き止んでよかったなぁとその背中を見送っていたら、ヒュッと風のように部屋の中に姿が現したセバスチャンに怒られました。
「自分より幼い子供だという事を忘れてはいけません。お嬢様の気持ちを考えなさい!」
勝手に泣いて怒って出ていったのはお嬢様なので、実に理不尽です。
ただ、初日に聞いた正しい使用人の心得を思い出して「はい」と返事をしてうなずきました。
健康でも病気でもいけないって我儘には応えられないや、と内心では思っていました。
不承不承な気持ちを見透かされたのでしょう。
セバスチャンがピクリと眉をすがめて、本当にわかっているんですか? と追撃の小言を繰り出してきたのですが、最後まで言い切ることはできませんでした。
「天誅!」
可愛らしい声とともに、スパコーンとセバスチャンの頭に飛んできた小さな靴がクリーンヒットしました。
「病人をいじめるなんて、たとえ相手がセバスチャンでも、このワタクシが許さなくってよ!」
プリプリと怒って元気を取り戻したお嬢様の姿に、お嬢様のおっしゃる通りです、などと変わり身の早さを見せたセバスチャンは、なぜだか嬉しそうにニヤニヤしています。
実は叱られて喜ぶMさんなのかもしれません。
「わかればよろしいのです」とふんぞり返った後で上目遣いに「痛かった?」などと尋ねてくるお嬢様に、痛いですなどと頭を示して「チチンプイ」となでなでを欲求する姿を見てしまいました。
これは確信犯で、避けようと思えば避けられたのにわざと靴に当たったのだろうな~などとカインは白い目で見てしまいました。
そんなこんなで始まった生活は、それまでのカインには想像もつかないものでした。
体調が戻ると、商会を案内されました。
何をする会社か言葉で説明するよりも、従業員に会えば理解が早いと言われたのです。
商会と説明された場所は、なんと、広いトレーニングルームでした。
鍛えるための運動器具を置いてある部屋が幾つもあります。
持ってみろと渡されたのはダンベルだと教えてもらいましたがズシリと重く、他にも名前も知らない不思議な器具がたくさんありました。
体を鍛えるために、有酸素運動から無酸素運動まで各種そろえてあるのです。
特に驚いたのは部屋の中に大きな貯水施設があったことです。
これは何かと尋ねると泳ぐためのプールだと教えられました。
実際にザブザブと水しぶきを上げながら泳いでいる人がいて驚きました。
思わず水に手を入れると冬なのに暖かくて、お風呂みたいなものですか? と聞いてしまい、セバスチャンにはたくさん笑われました。
体を鍛える施設の次は、膨大な本の並んだ図書室や、宝石などの細工物を扱う部屋、家具等を造る職人の部屋、地図を描いたり土木などの技師のいる部屋……他にもいろいろとありましたが、なんだか難しい専門知識を分野ごとに部屋を分けてあるようでした。
「マッスルドラゴン商会は専門知識を持つ人材を派遣するだけでなく、独自の商品も取り扱っています。ここは研究を行い、試作品を開発する場所であると同時に、人材も育てる場でもあります」
誇らしげなセバスチャンの言葉を借りれば、専門知識や技術を磨くのも、知識を得るのも、一朝一夕にできはしないので、こうして日々鍛錬しているそうです。
出会う人のすべてが、驚くほど立派な筋肉を持っていました。
確かに、顔を突き合わせれば説明を受けるまでもなく、一瞬でわかりました
マッスルドラゴン商会は、専門技術のある知的なマッチョを求めているようです。
繊細な宝石細工を作り出す職人も、写本に彩色を施す技術者も、どう考えても肉体に頼らない刺繍に取り組む人も、すべからく筋骨隆々の男たちだったのです。
挨拶を交わすたびに鍛え上げられた巨躯がゾロゾロと集まってくるので、押しつぶされそうな威圧感がありました。
「賢さも器用さも胆力も、すべて、健全な肉体と筋肉に宿るのです! 良いですか? 筋肉は嘘をつきません。それをわきまえて、あなたも励みなさい」
誇らしげに微笑みながら、セバスチャンはカインの頭を撫でました。
お嬢様に向けるのと同じ、暖かな眼差しをしていました。
「貴方もまだ幼い。鍛え、学び、自分の適性をまずは知りなさい。貴方の持つ力がどの分野に突出しているかわかりませんが、未知数であるそれすらも楽しめばよいのです」
キラリと白い歯が輝き、カインにはその微笑みが素晴らしい大人の余裕に見えました。
お嬢様に靴をぶつけられて喜んでいた人物と、とても同じ人には見えません。
「僕、ここで精いっぱい努めて、自分にできることを探します」
それからのカインは、ひたむきに学びました。
言語、数学、歴史、地理といった学術的なものから、手に職をつけるような細工物から土木技術まで、ありとあらゆる分野を学びました。
今は隣国にいるとはいえお嬢様の実家は爵位も持つ貴族家なので、そちらに出向いても恥ずかしくないだけのマナーも身に着けねばなりません。
年齢の近いカインの動向が気になるのか、お嬢様も座学は並んで受けました。
文字も計算も簡単な物はすでに履修している6歳のお嬢様と、まったく勉学を知らなかった9歳のカインです。
最初のうちはお嬢様の知っている事も多く、ドヤ顔で「教えて差し上げますわ!」と先生ぶることも多かったのですが、一年もすればカインに追い抜かれて「他人に教える技が欲しいなら、ワタクシで練習しても良くってよ!」と涙目でよくわからないキレ方をしていました。
もちろんお嬢様の頭の出来が悪いわけではなく、カインがちょっぴり他人より優秀だっただけなのです。大きな声では言えませんが半べそのお嬢様はたいそう可愛らしかったので、絶対にお嬢様が追い付けない速度を維持して履修に励みました。
とにもかくにも。
生徒役になるお嬢様はそれなりに優秀で、カインはそれよりもちょっぴり優秀なので、二人そろってとても賢いのだとセバスチャンは嬉しそうでした。
さて。座学のほとんどはお嬢様と席を並べていたカインですが、お嬢様を捨て置いてセバスチャンと肩を並べて励む時間もあります。
そう、体を鍛えるのです。
他の何をおいても筋肉を鍛えなくてはなりません。
護身術も格闘も当たり前のように必須科目です。
なんたって、マッスルドラゴン商会の売りは、ムキムキマッチョの人材派遣なのですから。
痩せぎすで貧相な子供のカインは、商会の従業員らしくなるためにも筋トレに余念がありません。
セバスチャンの都合が悪い時は、他のムキムキマッチョの技術者たちがカインのトレーニングに付き合ってくれます。
鍛え上げた見事な巨躯を持つ男たちは、歌うように筋肉を賛美しながらトレーニングに励みます。
動かしたい大胸筋。鍛えたい上腕筋群。ニヒルな男の僧帽筋、頼りたくなる広背筋。
割ってみたい腹筋群。引き締めたい臀部筋群。忘れちゃいけない大腿四頭筋。
誰が口ずさみ出したのかはわかりませんが、えっほえっほとダンベルを使う男たちのまねをして、カインもせっせっせっせとダンベルを持ち上げながら気持ちよく鼻歌交じりに励みました。
怠惰は身を亡ぼすけれど、技能は身を助けます。
無知は罪を引き起こしますが、知識は生を豊かにします。
なにより、人は嘘をつくけれど、筋肉は嘘をつかないのです。
毎日休みなく体を鍛え、あっという間にカインは15歳になりました。
残念なことに、幼少期の貧しい暮らしの影響か、ムキムキマッチョになれませんでした。
よく食べ、よく眠り、良く学んで鍛えているのに、細身のままなのです。
ただ、お嬢様は「細マッチョは尊くってよ!」と嬉しそうに興奮していましたので、細身でもさほど気に病むことはありませんでした。
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