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第3章 黒い鎧
28.旅立ち
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「とりあえず、待ち伏せしていたのは、2人だけみたいだな」
「そうですね」
辺りを見回してみるが、人影は無い。
小屋の横に赤いポリタンクがある。
ん、中身はガソリンか……バギー用だな。
村までの道はスライムが出る事を前提に行くので、今回は傘も持っていく。
さっきは、強制連行だったので、どうしようもなかったからな。
あと、道交法的にはまずいが、傘をさしたまま、自転車で駆け抜けよう。
リリィは、鉄壁の女にクラスチェンジしたので、傘もいらないか。
「はい、私はいつもの通り、走り抜けます」
「はい…このくらいなら余裕です」
女性に持たせるなんて……など、今は考えている場合では無い。
「よし、じゃあ、行くか」
もう何度目になるか階段を降り、階段の下に止めてあった自転車に乗り込む。
ひとえ達が乗ってきたバギーがあれば、もっと楽なんだが……
リリィが先頭を走り、その後ろを自転車で駆け抜ける。
たまに、小さめのスライムが落ちてくるが、傘で跳ね返し、今の所は無事だ。
リリィは自分に落ちてきたスライムを殴り倒している。
圧倒的な防御力で、溶かされる心配もなくなったみたいだ。
上からは襲われるが、幸いな事に道の上にスライムの姿は無い、途中、2つばかり鎧が落ちていたのは、忘れよう。
傘で体を保護しながら全速力で林の中を抜けた。
リリィの状態を見ている限り、俺以外は、この道はもう余裕だな。
----------
村に着いた。門は開いていた……
「リリィ、とりあえず先行してくれ」
「はい」
もし、奴らがいるなら、防御力頼りで、リリィに特攻してもらおう。
俺は自転車を止め、リリィのすぐ後ろの物陰から様子を伺いつつ、前へ進む。
「リリアナ殿!」
広場に近づくと、リリィの姿を見つけた村長が駆け寄ってくる。
広場にはさっきと同じように村人が集まっていた。
「よく無事で……」
「はい、私は大丈夫です」
そこで少し声を落とし……
「ファビオ様は?」
「ああ、ファビオ様は首都へ戻ると立ち去ったよ」
「そうですか……」
「追っ手が聖地に向かったはずだが、襲われなかったか?」
「それは排除しました」
それだけで何があったかわかったのか、村長はそれ以上は言わなかった。
そこまでの会話を影から聞いていて、俺も飛び出した。
「妻は、子供達は?」
「ひっ、タ、タナカ様、ご、ご無事で?」
「大丈夫だ、リリィのおかげで、無事回復した」
「そ、そうですか、それは…それは、本当に良かった」
幽霊でも見たかのように、顔が青ざめている。
そんなにさっきは酷い状態だったんだろうか。
「それで、妻と子供達は?」
「はい、奥様と二人のお子様はファビオ様と一緒に首都へ向かいました」
「みんなに怪我とかは?」
「奥様が背中を斬られた影響で痛みを堪えていた様ですが、出血などなかったので、大事には至っていないと思います。お子様については怪我は特になかったのですが、お嬢様があの後、気絶してしまって……」
「そうか」
「奥様も、タナカ様が斬られた事で激昂されており、ファビオ様達を全滅させるとおっしゃっていたのですが、ファビオ様が連れていた村の子供達を盾に取られてしまい…」
いくらなんでも村の子供達を巻き込むという判断は出来なかったのだろう……
「それと、ファビオ様が、自らの名を懸けて、身の安全は保障するとの事でした」
「そうか、俺を斬った奴はどうなった? 後、ユイカが攻撃したクベロは?」
「タナカ様を斬った方は、奥様が持っていた武器で、タナカ様が斬られた直後、倒されました。最初に倒された2人とともに、助かりませんでした。クベロ様も、全身、焼けており手の施しようがなかった様です。奥様に蹴り飛ばされた方だけ、重傷だった様ですが、ファビオ様の部下に連れられて、一緒に去って行きました」
「あいつらが出立してどのくらいになる?」
「2時間くらいになります」
「リリィ、あいつらの移動手段は?」
「ファビオ様は馬車で移動しています。あとは馬と徒歩の構成ですね」
「人数は?」
「100名弱です」
そうか。
100人なら2時間の差は、自転車でかっ飛ばせば、追いつくかもしれないが、追いついた後、どうするかを考えないと。
「首都までは、どのくらいかかる?」
「15日ほどです」
「距離でわかるか?」
「600Kmくらい……ですね」
距離の単位は一緒なんだ。
判り易いのか、神が手を抜いたのか…
「道は1本?」
「いえ、経路は複数あります」
「村長」
「はい!」
「妻が乗ってきたバギーは残っていますか?」
「あちらに」
指を指す方向にバギーが残っていた。
キーも付いているので、動かせる。ガソリンを確認するが、ほぼ満タンだ。バギーの荷台に袋が括り付けられていた。中には双眼鏡にスタンガンと催涙スプレー。
そういえば…小屋の外にポリタンクが残っていた。あれも使えそうだ。
「リリィ、どこかで先回り出来る様なポイントは無い?」
「ええ、あります。ここから南下して、沿岸沿いを行かずに内陸を抜けます。遠回りになりますが休まずに抜ければ、オーレンセのあたりで先回り出来ると思います」
「そこまでの距離は?」
「かなり回りますので200kmくらいあると思います」
道の状態にもよるが、200Kmなら、ガソリンが保てば今日中に着くな。
「あいつらがそこに着くのは?」
「早くて明日の昼以降です」
「リリアナ殿」
村長が心配そうに言う。
「内陸の道は、沿岸沿いに比べ、魔物が出没する可能性が高い。無理をして行っても、追付けるどころか、命を失う事になるぞ…」
「それは覚悟の上です。それに、私に関しては、もう魔物は心配しておりません。タナカ様さえ守り通せれば、追いつくだけであれば、勝算があります。問題は、追いついた後なんですが…」
「リリィ、それは後で考える。一つ、頼まれてくれないか。小屋の外に赤い入れ物があったんだが、それをここまで持ってきてくれないか。あと、危険な液体なので、注意して持ってきてくれ……」
「分かりました。急いで行ってきます!」
それを聞いて、リリィが飛び出していった。
----------
「村長」
「はい」
「チコはどうしました?」
「はい、チコは浩太様がファビオ様達に引き渡す事を頑なに拒んだため、そのまま連れて行かれました」
「それは、申し訳ない事をした」
「いえ、この村では矢傷を満足に治療できませんので、結果的に良かったのかもしれません」
「あと、この村から連れて行かれたという12歳以上の子供達は?」
「戻ってきていません。奥様方への盾とする気でしょう」
その時、村人の中から一人の男が飛び出してきた。
「救世主様、うちの息子を連れて帰ってください!」
その動きに引きずられ、10人ほどの村人が口々に叫び出した。
「うちの娘が帰ってきていません。ファビオ様が連れて行ってしまいました」
「うちは、息子と娘の兄妹、2人が連れて行かれてます」
「うちの子もお願いします!」
ちょっと待ってくれ、こっちも妻と子供達を助けに行かないといけないのに……
「私らでは山を越えて首都まで行く事は出来ません。ファビオ様を追いかけるなら、ついでで構いませんので、どうか村の子供達を連れ戻してくれませんか」
村長まで頭を下げる。
「正直な所、お約束は出来ません。ファビオとやらが、どういう意図で皆様のお子さんを連れて行ったのかも知りませんし、うちも、妻と子供達を連れ去られており、現段階で、それを取り戻す算段が立っている訳では無いのです」
「はい」
「ただ、私の家族の安全確保が大前提にはなりますが、その後であれば、皆様のお子様方も連れ帰れるよう、努力させていただきます」
「少しでも希望があるなら、それだけでも……」
「わかりました。ただ、助けに向かうのに、少し皆様のご協力を仰ぎたいのですが……」
こっちも自分の生存率を上げるために、最大限の事をする。
「いくつかご用意いただきたいものがあります」
俺からの要求は次の通りだ。
・俺の体にあった、動きを妨げない範囲の防具
・俺でも扱えそうな武器、できれば剣か刀
・路銀
これは、うちのキャンプ道具になかったものだ。
あと、金は日本の金は使えないだろうし……
クレジットカードや電子マネーが使えればいいんだけどなぁ
「わかりました。装備は、古いものもありますが、揃えさせていただきます。路銀は、こんな貧乏な村ですので、用意できるのも限界がありますが……」
「私とリリィが宿で数日宿泊して食事ができるくらいあれば、大丈夫です」
「わかりました、そのくらいであれば、すぐ用意できます」
----------
用意してくれている間にリリィが戻ってきた。
村長が持ってきた装備は、皮の鎧の上下だった。それと、日本刀?
「日本刀ですか? いえ、これは神の社にあったものをお持ちしました」
「そうですか、そんな重要なものを……助かります」
「どの程度、強度があるかわかりませんが、道中の無事をお祈りいたします」
お互い頭を下げる。
「鎧はうちの息子のものをお持ちしました」
鎧は村長の家のものの様だ。
準備してもらった路銀もありがたく頂戴する。
「お金については、いつか返します」
「いえ、子供たちを連れ戻していただければ…」
お互い頭を下げ合う。
「リリアナ殿、甲冑の修理は間に合いませんでしたが…」
「いや、甲冑はいらない……身体になってしまったんだ……」
よし、この世界の3日目にして、俺は初めて、フェロル村の外へ踏み出す。
ゲームだったら、ここでチュートリアル終了、オープニングムービーって所か。
「今行くぞ、ひとえ! ユイカ! 浩太!」
「そうですね」
辺りを見回してみるが、人影は無い。
小屋の横に赤いポリタンクがある。
ん、中身はガソリンか……バギー用だな。
村までの道はスライムが出る事を前提に行くので、今回は傘も持っていく。
さっきは、強制連行だったので、どうしようもなかったからな。
あと、道交法的にはまずいが、傘をさしたまま、自転車で駆け抜けよう。
リリィは、鉄壁の女にクラスチェンジしたので、傘もいらないか。
「はい、私はいつもの通り、走り抜けます」
「はい…このくらいなら余裕です」
女性に持たせるなんて……など、今は考えている場合では無い。
「よし、じゃあ、行くか」
もう何度目になるか階段を降り、階段の下に止めてあった自転車に乗り込む。
ひとえ達が乗ってきたバギーがあれば、もっと楽なんだが……
リリィが先頭を走り、その後ろを自転車で駆け抜ける。
たまに、小さめのスライムが落ちてくるが、傘で跳ね返し、今の所は無事だ。
リリィは自分に落ちてきたスライムを殴り倒している。
圧倒的な防御力で、溶かされる心配もなくなったみたいだ。
上からは襲われるが、幸いな事に道の上にスライムの姿は無い、途中、2つばかり鎧が落ちていたのは、忘れよう。
傘で体を保護しながら全速力で林の中を抜けた。
リリィの状態を見ている限り、俺以外は、この道はもう余裕だな。
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村に着いた。門は開いていた……
「リリィ、とりあえず先行してくれ」
「はい」
もし、奴らがいるなら、防御力頼りで、リリィに特攻してもらおう。
俺は自転車を止め、リリィのすぐ後ろの物陰から様子を伺いつつ、前へ進む。
「リリアナ殿!」
広場に近づくと、リリィの姿を見つけた村長が駆け寄ってくる。
広場にはさっきと同じように村人が集まっていた。
「よく無事で……」
「はい、私は大丈夫です」
そこで少し声を落とし……
「ファビオ様は?」
「ああ、ファビオ様は首都へ戻ると立ち去ったよ」
「そうですか……」
「追っ手が聖地に向かったはずだが、襲われなかったか?」
「それは排除しました」
それだけで何があったかわかったのか、村長はそれ以上は言わなかった。
そこまでの会話を影から聞いていて、俺も飛び出した。
「妻は、子供達は?」
「ひっ、タ、タナカ様、ご、ご無事で?」
「大丈夫だ、リリィのおかげで、無事回復した」
「そ、そうですか、それは…それは、本当に良かった」
幽霊でも見たかのように、顔が青ざめている。
そんなにさっきは酷い状態だったんだろうか。
「それで、妻と子供達は?」
「はい、奥様と二人のお子様はファビオ様と一緒に首都へ向かいました」
「みんなに怪我とかは?」
「奥様が背中を斬られた影響で痛みを堪えていた様ですが、出血などなかったので、大事には至っていないと思います。お子様については怪我は特になかったのですが、お嬢様があの後、気絶してしまって……」
「そうか」
「奥様も、タナカ様が斬られた事で激昂されており、ファビオ様達を全滅させるとおっしゃっていたのですが、ファビオ様が連れていた村の子供達を盾に取られてしまい…」
いくらなんでも村の子供達を巻き込むという判断は出来なかったのだろう……
「それと、ファビオ様が、自らの名を懸けて、身の安全は保障するとの事でした」
「そうか、俺を斬った奴はどうなった? 後、ユイカが攻撃したクベロは?」
「タナカ様を斬った方は、奥様が持っていた武器で、タナカ様が斬られた直後、倒されました。最初に倒された2人とともに、助かりませんでした。クベロ様も、全身、焼けており手の施しようがなかった様です。奥様に蹴り飛ばされた方だけ、重傷だった様ですが、ファビオ様の部下に連れられて、一緒に去って行きました」
「あいつらが出立してどのくらいになる?」
「2時間くらいになります」
「リリィ、あいつらの移動手段は?」
「ファビオ様は馬車で移動しています。あとは馬と徒歩の構成ですね」
「人数は?」
「100名弱です」
そうか。
100人なら2時間の差は、自転車でかっ飛ばせば、追いつくかもしれないが、追いついた後、どうするかを考えないと。
「首都までは、どのくらいかかる?」
「15日ほどです」
「距離でわかるか?」
「600Kmくらい……ですね」
距離の単位は一緒なんだ。
判り易いのか、神が手を抜いたのか…
「道は1本?」
「いえ、経路は複数あります」
「村長」
「はい!」
「妻が乗ってきたバギーは残っていますか?」
「あちらに」
指を指す方向にバギーが残っていた。
キーも付いているので、動かせる。ガソリンを確認するが、ほぼ満タンだ。バギーの荷台に袋が括り付けられていた。中には双眼鏡にスタンガンと催涙スプレー。
そういえば…小屋の外にポリタンクが残っていた。あれも使えそうだ。
「リリィ、どこかで先回り出来る様なポイントは無い?」
「ええ、あります。ここから南下して、沿岸沿いを行かずに内陸を抜けます。遠回りになりますが休まずに抜ければ、オーレンセのあたりで先回り出来ると思います」
「そこまでの距離は?」
「かなり回りますので200kmくらいあると思います」
道の状態にもよるが、200Kmなら、ガソリンが保てば今日中に着くな。
「あいつらがそこに着くのは?」
「早くて明日の昼以降です」
「リリアナ殿」
村長が心配そうに言う。
「内陸の道は、沿岸沿いに比べ、魔物が出没する可能性が高い。無理をして行っても、追付けるどころか、命を失う事になるぞ…」
「それは覚悟の上です。それに、私に関しては、もう魔物は心配しておりません。タナカ様さえ守り通せれば、追いつくだけであれば、勝算があります。問題は、追いついた後なんですが…」
「リリィ、それは後で考える。一つ、頼まれてくれないか。小屋の外に赤い入れ物があったんだが、それをここまで持ってきてくれないか。あと、危険な液体なので、注意して持ってきてくれ……」
「分かりました。急いで行ってきます!」
それを聞いて、リリィが飛び出していった。
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「村長」
「はい」
「チコはどうしました?」
「はい、チコは浩太様がファビオ様達に引き渡す事を頑なに拒んだため、そのまま連れて行かれました」
「それは、申し訳ない事をした」
「いえ、この村では矢傷を満足に治療できませんので、結果的に良かったのかもしれません」
「あと、この村から連れて行かれたという12歳以上の子供達は?」
「戻ってきていません。奥様方への盾とする気でしょう」
その時、村人の中から一人の男が飛び出してきた。
「救世主様、うちの息子を連れて帰ってください!」
その動きに引きずられ、10人ほどの村人が口々に叫び出した。
「うちの娘が帰ってきていません。ファビオ様が連れて行ってしまいました」
「うちは、息子と娘の兄妹、2人が連れて行かれてます」
「うちの子もお願いします!」
ちょっと待ってくれ、こっちも妻と子供達を助けに行かないといけないのに……
「私らでは山を越えて首都まで行く事は出来ません。ファビオ様を追いかけるなら、ついでで構いませんので、どうか村の子供達を連れ戻してくれませんか」
村長まで頭を下げる。
「正直な所、お約束は出来ません。ファビオとやらが、どういう意図で皆様のお子さんを連れて行ったのかも知りませんし、うちも、妻と子供達を連れ去られており、現段階で、それを取り戻す算段が立っている訳では無いのです」
「はい」
「ただ、私の家族の安全確保が大前提にはなりますが、その後であれば、皆様のお子様方も連れ帰れるよう、努力させていただきます」
「少しでも希望があるなら、それだけでも……」
「わかりました。ただ、助けに向かうのに、少し皆様のご協力を仰ぎたいのですが……」
こっちも自分の生存率を上げるために、最大限の事をする。
「いくつかご用意いただきたいものがあります」
俺からの要求は次の通りだ。
・俺の体にあった、動きを妨げない範囲の防具
・俺でも扱えそうな武器、できれば剣か刀
・路銀
これは、うちのキャンプ道具になかったものだ。
あと、金は日本の金は使えないだろうし……
クレジットカードや電子マネーが使えればいいんだけどなぁ
「わかりました。装備は、古いものもありますが、揃えさせていただきます。路銀は、こんな貧乏な村ですので、用意できるのも限界がありますが……」
「私とリリィが宿で数日宿泊して食事ができるくらいあれば、大丈夫です」
「わかりました、そのくらいであれば、すぐ用意できます」
----------
用意してくれている間にリリィが戻ってきた。
村長が持ってきた装備は、皮の鎧の上下だった。それと、日本刀?
「日本刀ですか? いえ、これは神の社にあったものをお持ちしました」
「そうですか、そんな重要なものを……助かります」
「どの程度、強度があるかわかりませんが、道中の無事をお祈りいたします」
お互い頭を下げる。
「鎧はうちの息子のものをお持ちしました」
鎧は村長の家のものの様だ。
準備してもらった路銀もありがたく頂戴する。
「お金については、いつか返します」
「いえ、子供たちを連れ戻していただければ…」
お互い頭を下げ合う。
「リリアナ殿、甲冑の修理は間に合いませんでしたが…」
「いや、甲冑はいらない……身体になってしまったんだ……」
よし、この世界の3日目にして、俺は初めて、フェロル村の外へ踏み出す。
ゲームだったら、ここでチュートリアル終了、オープニングムービーって所か。
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