富士鷹茄の大人の為のリアル志向童話劇場

富士 鷹茄

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煽り運転の代償

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俺の名は、雲天 矢場汚、三十五歳。

俺は車の運転が大好きだ。特に他の気の弱そうな奴が運転している車を煽る
のは特に興奮する。

俺はそんな奴等の怯えた顔見たさに今日も高速道路に狩に行くぜ。

雲天が高速道路を高級外車で運転していると、ルームミラーで後方に最初の
獲物を見つけた。

「いいねー、体の線が細い、いかにも気の弱そうな奴が乗ってるじゃんか、
狩りのはじまりだぜぇ。」

雲天は、気の弱そうな男が乗っている軽自動車の進路を蛇行運転しながら
塞ぐ。

そしてルームミラーで軽自動車の運転手の怯えた顔を見て笑う。

「おいおい、まだお楽しみの途中なんだ逃がすかよっ、くくくっ!!」

雲天は蛇行運転と急停止を組み合わせ、後方の軽自動車を威圧する。

「さて、そろそろ仕上げだっ!!」

雲天は車の窓を開け、怒号を軽自動車に浴びせる。

「ブチ殺すぞっ、コラっ!!舐めた運転してんじゃねぇぞっ!!」

いいぞっ、動揺して泣きそうなその表情、たまんねぇぜ。

怒号を浴びせながら進路妨害しながら急停止を繰り返していた雲天の
車に雲天の急停止に対応できずに軽自動車が軽く接触してしまった。

「あの糞車っ、俺の高級車を傷物にしやがってっ!!」

雲天は車を降り、停車した軽自動車の運転席のドアを蹴る。

「開けろコラっ、俺の車に何してくれとんじゃっ!!」

軽自動車の運転手が怯えながら車の窓を開ける。

「おい、貧乏人っ、てめぇ俺の高級車に傷つけた責任どうとるつもりだっ、
あぁっ!!」

「あっ、あなたが煽り運転してきたのが悪いんじゃないですかっ!!」

「お前、言いがかりつけてんじゃねぇぞっ、あぁっ!!」

雲天は開けられた軽自動車の窓から腕を突き入れ運転席の男を窓から
引きづりだし道路に叩きつけ、革靴の踵で鳩尾を踏みつけた。

男は苦悶の表情でのた打ち回る。

「くくっ、いいざまだ、実に貧乏人らしい惨めな転がり方だ、
 今回はこの程度で許してやるよ。」

雲天は満足した表情で車に乗り込みその場を走り去った。

そしてまた獲物を探し始めた。

「まったく、俺の車に貧乏人の軽が突っ込みやがって、憂さ晴らしに
 どこか手ごろな奴はいねぇかなー。」

すると、前方にワンボックスカーを見つけた。

「おっ、いいねあのタイプだとファミリー向けだからガキも乗ってる
 かもなぁー、ガキが恐怖で泣きわめくのもいいじゃん、獲物決定っ!!」

雲天はアクセルを踏み込み、標的のワンボックスカーの前に躍り出て
蛇行運転を始めた。

「おらおらっ、前には行かせねぇっ!!俺を楽しませろっ!!」

そして雲天は急停止をしてワンボックスカーを威圧した時だった、
ワンボックスカーは停止することなく雲天の高級外車を高速道路
の路肩に弾き飛ばし、他の車の邪魔にならないように路肩に停車した。

追突された雲天は困惑していた。

「っ、あの野郎…ためらわずに突っ込んできやがった…一体何のつもりだっ!!」

雲天は車を降り、ワンボックスカーに向けて怒鳴りつけた。

「てめぇぇぇーっ!何考えてやがるっ!!」

雲天の怒号に応えるようにワンボックスカーの運転席から男が降りてきた。

その姿を見た雲天は背筋に悪寒が走った。

ワンボックスカーから屈強な肉体にぴちぴちの黒革の衣装でコーディネートされた、
まさに真のゲイの兄貴と言った男が降りてきた。

(なっ、なんだこいつ…ヤバイ筋肉しやがって、ま、まあただの見掛け倒し…)

雲天が動揺している中、ゲイっぽい男が口が開いた。

「なんだよ、お前、あんなに車のケツ揺らせて誘ってきやがったから突っ
 込んだまでよ。」

(こっ、コイツ本物だ、本物のハードゲイだ、しかもノンケでも平然と襲い
 かかるビーストタイプっ!!…やべぇ、このままだと俺が狩られるっ!!)

「わ、悪かったよ、くっ、俺の車ぶつけたことはもう良いからっ!!」

雲天が車に戻ろうと駆け出そうとしたがハードゲイの兄貴か瞬時に進路を塞ぐ。

「おいおい、誘っておいてもうさよならか?つれないこと言うなよぉー、
 お前等もそうももうよなっ!!」

ハードゲイの兄貴がワンボックスカーに向って呼びかけると、ワンボックスカー
から三人の屈強な肉体のゲイの兄貴達が降りてきた。

「ああ、ちょっとつまみ食いしたい気分なんだよ。」

「コイツ、どんな声で泣くのか、楽しみだぜ。」

「大丈夫、優しく拡張してやるからよぉー。」

雲天は今まで味わったことの無い恐怖で全身が振るえた。

(おいっ、神様、俺が悪かった、もう二度と煽り運転なんてしねぇー…だからっ、
 だからっ、助けてぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

だがすべてが遅かった、雲天は屈強なゲイの兄貴達にワンボックスカーの中に
抵抗虚しく引きずり込まれ、扉の閉まったワンボックスカーが一時間以上、
激しく揺れ動いた。

そして、次にワンボックスカーの扉が開いた時、その扉からか感情の死んだ
雲天がケツを押さえながらふらつきながら出てきた。

「なかなか楽しめたぜ、じゃあな。」

ゲイの兄貴はそう言うとワンボックスカーは路肩から高速道路を走り去っていく。

心と括約筋を破壊された雲天は自分の車にたどり着く前にその場に倒れこむ
のだった。



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