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Prologue
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物心つく前から、私たち四人は一緒だった。
「ミユちゃん、だーい好き!」
一面芝生で覆われた庭で遊んでいた私に、そう叫んで抱きついて来てくれるのはタケルくん。
「あ、ずるいぞ! ミユは俺の花嫁になるって決まってんだから!」
タケルくんを私から引きはがすのは、カズトくん。
「何言ってるの、二人とも! 私だってミユと一緒にいたいのに! ミユのこと、独り占めさせないんだから!」
そんな二人から守るように私を抱きしめてくれるのは、マリエちゃん。
「ミユはどうしたいんだよ」
「私は、ずっとみんなと一緒にいたいな。だから、みんな仲良くしよ?」
カズトくんに聞かれた言葉にそう返すと、私はみんなまとめて抱きついた。
「そうだね」
「ミユが言うなら仕方ないか」
「うん、ずっと一緒だからね!」
タケルくんも、カズトくんも、マリエちゃんも、みんな笑ってうなずいてくれたんだ。
あれから何年の月日が経っただろう?
もう十年以上前の、大切な思い出。
小学生になっても、中学生になっても、高校に入学したあとも、私たちはずっと四人一緒だった。
これから先も、大人になってもずっとずっと、私たちは変わらずに一緒にいられるんだって。
私はそう信じて、疑わなかった。
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物心つく前から、私たち四人は一緒だった。
「ミユちゃん、だーい好き!」
一面芝生で覆われた庭で遊んでいた私に、そう叫んで抱きついて来てくれるのはタケルくん。
「あ、ずるいぞ! ミユは俺の花嫁になるって決まってんだから!」
タケルくんを私から引きはがすのは、カズトくん。
「何言ってるの、二人とも! 私だってミユと一緒にいたいのに! ミユのこと、独り占めさせないんだから!」
そんな二人から守るように私を抱きしめてくれるのは、マリエちゃん。
「ミユはどうしたいんだよ」
「私は、ずっとみんなと一緒にいたいな。だから、みんな仲良くしよ?」
カズトくんに聞かれた言葉にそう返すと、私はみんなまとめて抱きついた。
「そうだね」
「ミユが言うなら仕方ないか」
「うん、ずっと一緒だからね!」
タケルくんも、カズトくんも、マリエちゃんも、みんな笑ってうなずいてくれたんだ。
あれから何年の月日が経っただろう?
もう十年以上前の、大切な思い出。
小学生になっても、中学生になっても、高校に入学したあとも、私たちはずっと四人一緒だった。
これから先も、大人になってもずっとずっと、私たちは変わらずに一緒にいられるんだって。
私はそう信じて、疑わなかった。
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