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*第2章*
新しい恋(2)
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*
「え、え!? いつの間に二人ってそんな関係になってたの!? すごく嬉しい! 本当におめでとう!」
月曜日の昼休み、健から私たちのことについて聞いた真理恵が、興奮気味に私の手を取った。
私は、悩みに悩んだ末、健と付き合うことにしたのだ。
「ありがとう」
健の真っ直ぐな想いを受けて、断りきれなかったわけではない。
もちろん、これ以上四人の関係を壊したくなかったっていう想いもあった。
だけど、いろいろ私なりに考えて、私のことを想ってくれる健と、新しい恋をしたいって思った。
そして健のことを、幼なじみとしてではなく一人の男の子として好きになりたいって思ったんだ。
「今度、みんなでダブルデートしようよ! 実は私、いつかできたらいいなって思ってたの! 健のどんなところに惚れたの?」
「そうだね。って、真理恵、テンション高すぎだから! そうだな~、何だかんだ言って、いつも私のことを気にかけてくれる優しいところとか、かな」
「いいねいいね~、ね、和人!」
「ああ、うん。よかったな、未夢」
「うん、ありがと」
和人の安心したような笑顔がつらくて、思わず視線をそらしてしまいそうになった。
そのとき、私は背後からぎゅっとたくましい腕に抱きしめられた。
「おう! そういうことだから、これからはまた新しい形で四人仲良くしていこうぜ!」
明るい口調とともに、私を抱きしめたのは健だ。
私ったら、健のことを好きになるって決めたのに、何考えてたんだろう?
すぐに気持ちを切り替えられないのはわかっていても、和人の言葉ひとつに過剰に反応して胸を痛める私自身が嫌になる。
「未夢」
健に甘い声で呼ばれて、慌てて思考を切り替えて笑顔を向ける。
「なぁに?」
「今度の日曜、デートするから空けとけよ?」
デートという言葉に、思わずドクンと胸が跳ねた。
「デートだって! いいなぁ、未夢、健にどこ連れていってもらうのよ」
私が何か返事を返すよりも先に、私の肩を興奮気味に揺さぶりながら真理恵が口を開く。
「それは俺と未夢の秘密だから、教えない!」
「え~! 健のケチ!」
「未夢、日曜日、楽しみにしてろよ?」
まだ私は何もこたえてないのに、“空けとけ”の次は“楽しみにしてろ”と来た。
「うん、ありがとう」
こんな私が、健に良くしてもらっていいのかな。
やっぱり申し訳ない気持ちは拭えないけれど、健を見てると、心があったかくなる。
きっと、大丈夫。
私は、健と恋愛していくんだ。
よく言うじゃん。
失恋の一番の薬は、時間と新しい恋。
健をそのために利用するみたいになってしまうのは、正直今も後ろめたいものがあるけれど、周りを変えることができないのなら、ゆっくりでも私が変わっていけばいい。
私の気持ちが私たち四人の関係を壊してしまうくらいなら、その方がずっといいって思ったんだ。
そうしてやって来た日曜日。
私は健に連れられて水族館に来ていた。
「健、ここって……」
「そう。昔、俺ら四人が連れてきてもらった水族館」
また四人で行こうねって約束した水族館。
和人と真理恵の初デートの場所だった。
以前、私が昔の写真を見て懐かしんでいたことを健は知っていたから、きっと健は私がまたこの水族館に来たいと思ってると思ったんだろうな……。
「では、行きましょうか、お姫さま」
突然、健に私の右手を取られたかと思えば、そんなことを言われて思わず笑いそうになる。
「お姫さま、って、何それ」
「別にいいだろ? 俺にとって未夢は、誰よりも可愛いお姫さまなんだからよ」
ブスッと拗ねたように言う健が可愛い。
健、耳まで赤くなってるし。
だって健って、そんなこと言うようなタイプに見えなかったんだもん。
思わず笑ってしまった。
「え、え!? いつの間に二人ってそんな関係になってたの!? すごく嬉しい! 本当におめでとう!」
月曜日の昼休み、健から私たちのことについて聞いた真理恵が、興奮気味に私の手を取った。
私は、悩みに悩んだ末、健と付き合うことにしたのだ。
「ありがとう」
健の真っ直ぐな想いを受けて、断りきれなかったわけではない。
もちろん、これ以上四人の関係を壊したくなかったっていう想いもあった。
だけど、いろいろ私なりに考えて、私のことを想ってくれる健と、新しい恋をしたいって思った。
そして健のことを、幼なじみとしてではなく一人の男の子として好きになりたいって思ったんだ。
「今度、みんなでダブルデートしようよ! 実は私、いつかできたらいいなって思ってたの! 健のどんなところに惚れたの?」
「そうだね。って、真理恵、テンション高すぎだから! そうだな~、何だかんだ言って、いつも私のことを気にかけてくれる優しいところとか、かな」
「いいねいいね~、ね、和人!」
「ああ、うん。よかったな、未夢」
「うん、ありがと」
和人の安心したような笑顔がつらくて、思わず視線をそらしてしまいそうになった。
そのとき、私は背後からぎゅっとたくましい腕に抱きしめられた。
「おう! そういうことだから、これからはまた新しい形で四人仲良くしていこうぜ!」
明るい口調とともに、私を抱きしめたのは健だ。
私ったら、健のことを好きになるって決めたのに、何考えてたんだろう?
すぐに気持ちを切り替えられないのはわかっていても、和人の言葉ひとつに過剰に反応して胸を痛める私自身が嫌になる。
「未夢」
健に甘い声で呼ばれて、慌てて思考を切り替えて笑顔を向ける。
「なぁに?」
「今度の日曜、デートするから空けとけよ?」
デートという言葉に、思わずドクンと胸が跳ねた。
「デートだって! いいなぁ、未夢、健にどこ連れていってもらうのよ」
私が何か返事を返すよりも先に、私の肩を興奮気味に揺さぶりながら真理恵が口を開く。
「それは俺と未夢の秘密だから、教えない!」
「え~! 健のケチ!」
「未夢、日曜日、楽しみにしてろよ?」
まだ私は何もこたえてないのに、“空けとけ”の次は“楽しみにしてろ”と来た。
「うん、ありがとう」
こんな私が、健に良くしてもらっていいのかな。
やっぱり申し訳ない気持ちは拭えないけれど、健を見てると、心があったかくなる。
きっと、大丈夫。
私は、健と恋愛していくんだ。
よく言うじゃん。
失恋の一番の薬は、時間と新しい恋。
健をそのために利用するみたいになってしまうのは、正直今も後ろめたいものがあるけれど、周りを変えることができないのなら、ゆっくりでも私が変わっていけばいい。
私の気持ちが私たち四人の関係を壊してしまうくらいなら、その方がずっといいって思ったんだ。
そうしてやって来た日曜日。
私は健に連れられて水族館に来ていた。
「健、ここって……」
「そう。昔、俺ら四人が連れてきてもらった水族館」
また四人で行こうねって約束した水族館。
和人と真理恵の初デートの場所だった。
以前、私が昔の写真を見て懐かしんでいたことを健は知っていたから、きっと健は私がまたこの水族館に来たいと思ってると思ったんだろうな……。
「では、行きましょうか、お姫さま」
突然、健に私の右手を取られたかと思えば、そんなことを言われて思わず笑いそうになる。
「お姫さま、って、何それ」
「別にいいだろ? 俺にとって未夢は、誰よりも可愛いお姫さまなんだからよ」
ブスッと拗ねたように言う健が可愛い。
健、耳まで赤くなってるし。
だって健って、そんなこと言うようなタイプに見えなかったんだもん。
思わず笑ってしまった。
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