【旧版】桃色恋華

美和優希

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第2章

秋のライブツアー前に(1)

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 季節は10月末。

 NEVERの秋のライブツアー開催が迫っていた。


「あれからあの子と会ってるんだろ? 桃華ちゃん!」

 ヒロは朝からテンションが高い。

「ああ、時々な」

 拓人は横目でヒロを見た。


 明日ライブツアーに向けて出発なので、今日はその準備をしている。


「やっぱり! 最近なんか拓人コソコソしてるもん!」


「誰もコソコソなんてしてねぇだろ?」


「そう怒るなって! でも、意外と続いてるじゃねぇか!」


「自分でも驚いてる」


「今日の夜、気合い入れにBAR行こうぜ! 俺、みんなに声かけておくからさ! で、話聞かせて?」


「おまえなぁ……」


 トントン拍子に話を進めるヒロに呆れていると


「ヒロ! 拓人の邪魔せんと自分のことせぇや!」


 カイトが向こうの方で叫んでるのが聞こえた。


「いっけね! 怒られたわ! じゃあ決定な!」


 そう言い残すとヒロは走って自分の持ち場へ帰った。





 夜になり、いつものBARへNEVERのメンバーは向かった。


「あ! みんないらっしゃいっ!」


 ミカが元気な声で出迎えてくれた。


「最近なかなか来てくれなかったけど、忙しかったの?」


「それなりに忙しかってんけど、たまに仕事はよ終わったかと思えば、いつも拓人そそくさと帰ってんねん」

 カイトが横目で拓人を見ながら言う。


「俺なんでか知ってる! 拓人、桃華ちゃんとこ会いに行ってるんだって!」


「っヒロ!!」
 余計なことを……と拓人は内心思った。


「マジで? そういや最近の拓人、仕事の合間も何や時間気にしてコソコソ忙しくしとったもんな! そんなに会いに行っとったんか!?」

 カイトが拓人を怪しむような目つきで見る。


「カイトまでそんな風に言うなよ……コソコソなんてしてねぇだろ?」


「否定せんあたりやと、図星のようやな」


 カイトに返す言葉がなく、口を閉じる拓人にミカが顔をしかめて口を開く。


「桃華……?」


「以前、来た時言わなかったかな? 俺がボランティアで行った心臓病の子」


「そう」


 ミカは愛想無く返事をすると、各々注文を聞き、奥へ入って行った。


「で、拓人! 桃華ちゃんとはどうなの~? 結構頻繁に会いに行ってるじゃねぇか!」


 早速ヒロはその話題を切り出した。


「ああ、それなりに仲良くしてるよ。そういえばこの前、心臓病の人向けのレシピでプリンを作って行ったらすごく喜んでくれて、今心臓病食について勉強してる、軽くだけどな」

 拓人はヒロの質問に素直に答えた。


「うっわ、拓人マジだな……」


「何が?」


「桃華ちゃんにだよ! おまえが女にそんなに尽くすだなんて、なんか気味悪ぃ……」


「何だよ、悪いか?」

 拓人は顔を赤くした。


 拓人とヒロが言い合っていると、頭上から高い声が降ってきた。


「はいっ、おまちどうさま!」

 ミカは5人にそれぞれ酒の入ったグラスを出し、空いている席に腰を下ろす。


「ミカも混ぜてっ!」


 そう言うミカに、ヒロは今拓人から聞いた内容を話した。
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