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第4章
ひとつの命(1)
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日がだいぶ傾いて空は薄暗くなってきていた。
まだまだ日は短い。
拓人は病院に着くと、集中治療室の前の長椅子に桃華が座っているのを見つけた。
桃華は震えているようだったので、拓人は着ていた上着をそっと桃華の肩に羽織らせ、無言のまま隣に腰を下ろした。
病院内の様々な医療機器の発する音が、不安を一層かき立てる。
時間は刻々と過ぎていく──。
どのくらい時間が経ってからだろうか。
桃華が震えた冷たい手で拓人のシャツを掴んだ。
拓人が桃華に視線を落とすと、桃華は声を押し殺して泣いているようだった。
拓人はそっとその小さな手を掴み、両手で優しく包み込んだ。
小さな震えた声で桃華が呟く。
「私のせいで……ジュンくんが……死んじゃったら……どうしよう……」
拓人は桃華が少し落ち着くのを待ってから口を開いた。
「縁起でもねぇこと言うな。ジュンを信じろよ」
桃華はそのまま何も言わなかった。
外が暗くなった頃だっただろうか。
ジュンの両親が青い顔をして病院に駆け付けた。
「ジュンが喧嘩に巻き込まれて発作を起こしたって聞いたけど、ジュンは大丈夫なんですか!?」
ジュンの母親の悲鳴に近い声が廊下に響いた。
ジュンの母親が知っている限りの内容を話す声が聞こえてくる。
どうやら救急車の隊員が、ジュンの様子を見て警察に通報していたそうだ。
ミカの弟のヨシヒトは警察に捕まったらしい。
ヨシヒトは昔からお姉ちゃんっ子だったから、ミカは関係ないとでも言ったのだろうか──。
捕まったのはヨシヒト1人だそうだ。
他にもいろいろとヨシヒトは問題を起こしているとミカから聞いたことがあった拓人は、当分ヨシヒトは出てこられないだろうなと思った。
「君たちは、ジュンのお友達かい?」
優しい声とともに、ジュンの父親が2人の隣に腰を下ろした。
友達……?
果たしてジュンとの関係を友達と言っていいのか、拓人が疑問に感じて言葉に詰まっていると、桃華が先に答えてくれた。
「はい。私もジュンくんと同じ心臓の病気で、昔入院してた時、よく病室が近くになって仲良くなりました。隣に座っている彼は、喧嘩に巻き込まれたジュンくんを助けてくれて、救急車を呼んでくれたんです」
「そうだったのか、ありがとう」
ジュンの父親は拓人に頭を下げた。
「もしかして君は、白石桃華ちゃんじゃないかな?」
今度は桃華に向かってジュンの父親は言う。
「え? あ、はい」
「ジュンからよく聞いたよ。すごく君のことを気に入ってたみたいで、また会えるかもしれないからって親の反対を振り切って、遠くの高校を受験して……」
ジュンの父親はやや涙声になっていた。
「ジュンと仲良くしてくれてありがとう」
ジュンの父親がここまで言い終えた時、集中治療室の扉が開き、ジュンの両親は中へと入って行った。
まだまだ日は短い。
拓人は病院に着くと、集中治療室の前の長椅子に桃華が座っているのを見つけた。
桃華は震えているようだったので、拓人は着ていた上着をそっと桃華の肩に羽織らせ、無言のまま隣に腰を下ろした。
病院内の様々な医療機器の発する音が、不安を一層かき立てる。
時間は刻々と過ぎていく──。
どのくらい時間が経ってからだろうか。
桃華が震えた冷たい手で拓人のシャツを掴んだ。
拓人が桃華に視線を落とすと、桃華は声を押し殺して泣いているようだった。
拓人はそっとその小さな手を掴み、両手で優しく包み込んだ。
小さな震えた声で桃華が呟く。
「私のせいで……ジュンくんが……死んじゃったら……どうしよう……」
拓人は桃華が少し落ち着くのを待ってから口を開いた。
「縁起でもねぇこと言うな。ジュンを信じろよ」
桃華はそのまま何も言わなかった。
外が暗くなった頃だっただろうか。
ジュンの両親が青い顔をして病院に駆け付けた。
「ジュンが喧嘩に巻き込まれて発作を起こしたって聞いたけど、ジュンは大丈夫なんですか!?」
ジュンの母親の悲鳴に近い声が廊下に響いた。
ジュンの母親が知っている限りの内容を話す声が聞こえてくる。
どうやら救急車の隊員が、ジュンの様子を見て警察に通報していたそうだ。
ミカの弟のヨシヒトは警察に捕まったらしい。
ヨシヒトは昔からお姉ちゃんっ子だったから、ミカは関係ないとでも言ったのだろうか──。
捕まったのはヨシヒト1人だそうだ。
他にもいろいろとヨシヒトは問題を起こしているとミカから聞いたことがあった拓人は、当分ヨシヒトは出てこられないだろうなと思った。
「君たちは、ジュンのお友達かい?」
優しい声とともに、ジュンの父親が2人の隣に腰を下ろした。
友達……?
果たしてジュンとの関係を友達と言っていいのか、拓人が疑問に感じて言葉に詰まっていると、桃華が先に答えてくれた。
「はい。私もジュンくんと同じ心臓の病気で、昔入院してた時、よく病室が近くになって仲良くなりました。隣に座っている彼は、喧嘩に巻き込まれたジュンくんを助けてくれて、救急車を呼んでくれたんです」
「そうだったのか、ありがとう」
ジュンの父親は拓人に頭を下げた。
「もしかして君は、白石桃華ちゃんじゃないかな?」
今度は桃華に向かってジュンの父親は言う。
「え? あ、はい」
「ジュンからよく聞いたよ。すごく君のことを気に入ってたみたいで、また会えるかもしれないからって親の反対を振り切って、遠くの高校を受験して……」
ジュンの父親はやや涙声になっていた。
「ジュンと仲良くしてくれてありがとう」
ジュンの父親がここまで言い終えた時、集中治療室の扉が開き、ジュンの両親は中へと入って行った。
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