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月の舞
昔の男 ※無理やり描写あり
「お断りいたします」
雪也は毅然として言い放った。
「蔦吉に遠慮するのか。おれは蔦吉以外の女も抱くぞ」
左京大夫は、傍の芸者を引き寄せて、胸元から手を差し入れて乳房を揉んだ。
芸者はそうされて、うっとりと目を細めて男にしなだれる。
「うれしうございます、殿様・・・」
甘い吐息を漏らした。
左京大夫のお座敷に呼ばれるのを心待ちにする芸者は多いのだと噂されている。
だが、雪也には、嫌悪感しかなかった。
女はみんなこんなものだという態度が気に食わない。
「次のお座敷がありますので、失礼します」
雪也は冷たい視線を残して背を向けた。
「怒ったのか」
無視して行きかけた雪也の着物の裾が踏まれて進めない。
遊ばれている。
「おれたちに逆らうとは、いい度胸だ。どうしてくれようか」
笑いが起こった。
だが、怯まずにツンと顔をそむける。
「あなたさまに抱かれたい女子はたくさんいるのでしょうから、どうぞ、その方たちとお遊びなさいませ」
裾を引いて足を退けると、振り返らずに離れた。
視線を感じたが、それ以上追ってくることはなかった。
次のお座敷があるというのは本当で、一晩にいくつものお座敷を回って歩く。
雪也を呼ぶのは、ほとんど舞を見たい客なのだが、時には、短くてもいいからお酌をしてほしいという客もいる。
そういう時は、一人で相手をする。
渡り廊下を渡って、向こう側のお座敷へいく。
ふと見ると、先ほどの一団が、座敷に入っていくのが見えた。
左京大夫が振り返って、雪也を見ている。
が、女に引っ張られて、座敷の中に消えた。
「雪也でございます」
戸を開けて、頭を下げる。
「きたきた」
「早く来い。待ちかねたぞ」
という声がし、雪也が入るのが待ちきれずに立ってきた客が、手をとって引き入れた。
すぐに戸が閉められる。
「きゃっ」
その乱暴なやり方に、悲鳴をあげると、逃げられないように後ろからガッチリと肩を抱かれ、口が塞がれた。
「どうだ、成田」
その名を耳にして、体がぶるっと震えた。
成田と呼ばれた男が立ってきて、雪也の目の前に近づいた。
「ああ、間違いない。・・・久しぶりだな、ゆき」
「・・・若様・・・」
いつの間にか、塞がれた手が外されていた。
「やはり芸者になっておったのか。あんなに可愛がってやったのに・・・」
食い入るように雪也を見る目が細められ、獲物を狙う蛇のようだった。
睨まれた蛙のように動けず、震えが止まらなかった。
帯が解かれている。
若い武家が数人がかりで、抵抗することもできなかった。
「どうして・・・」
「江戸詰になったんだ。これからも、以前と同様に可愛がってやる。どうだ、嬉しいか。前よりも磨かれて綺麗になったな」
「お断りします」
声が無惨にも震えている。
「なんだと! 芸者の分際で・・・」
逃げようと体を捻ったが、着物の裾が踏まれてつんのめった。
畳に突っ伏した時には着物が脱げて裸になっている。
「声を出すなよ。人に見られたくなかったらな」
男が覆い被さってくる。
声を出すなよ、と声をかけられて、体がこわばる。
そう念を押されて、何度も犯された記憶が蘇る。
遊郭通いを咎められて謹慎していた若様の、格好の鬱憤晴らしだったのだ。
初めは優しく、いかにも好きだから抱くのだというふうに言いくるめられ、次第に、際限がなくなり、それをゆきの体のせいにされた。
「あっ・・・いやっ」
「あんなによがっていたじゃないか。すぐに気持ちよくなる」
後ろから胸を揉まれ、他の男が足を開き、秘所に指を入れ、かき回される。
声を上げようと開けた口に、男根が突っ込まれた。
「んっぐ・・・」
「どうだ、これで声も出せまい」
「待て、おれが先だ」
成田の声がして、指が抜かれたと思う間もなく、深く貫かれ、腰が打ちつけられる。
反動で口の中のものが喉の奥に入り、苦しくて涙が溢れた。
「つっ・・・噛みやがった」
「乱暴にするな。おれの女だぞ」
「お前が腰を入れるからだろ」
成田は、あっちへ行ってろ、と男たちを押し退けて、雪也を独り占めする。
上半身を抱きしめ、口づけて舌を絡め、久しぶりの体を堪能した。
「寂しかったぞ、ゆき」
名前を呼ばれると、あの頃に戻ったようだ。
いやでも刺激されて、十分に愛液があふれだし、卑猥な音を立てる。
見ている男たちをも刺激するのか、早く変われよ、と成田を催促する。
興奮して、荒い息で上り詰めようとする男に抱かれながら、雪也は逆に落ち着き、冷めていくのを感じていた。
「若さま・・・」
無意識に、そう呼んで自分の気持ちを確かめる。
もうこの男は、昔の男でしかなかった。
雪也は毅然として言い放った。
「蔦吉に遠慮するのか。おれは蔦吉以外の女も抱くぞ」
左京大夫は、傍の芸者を引き寄せて、胸元から手を差し入れて乳房を揉んだ。
芸者はそうされて、うっとりと目を細めて男にしなだれる。
「うれしうございます、殿様・・・」
甘い吐息を漏らした。
左京大夫のお座敷に呼ばれるのを心待ちにする芸者は多いのだと噂されている。
だが、雪也には、嫌悪感しかなかった。
女はみんなこんなものだという態度が気に食わない。
「次のお座敷がありますので、失礼します」
雪也は冷たい視線を残して背を向けた。
「怒ったのか」
無視して行きかけた雪也の着物の裾が踏まれて進めない。
遊ばれている。
「おれたちに逆らうとは、いい度胸だ。どうしてくれようか」
笑いが起こった。
だが、怯まずにツンと顔をそむける。
「あなたさまに抱かれたい女子はたくさんいるのでしょうから、どうぞ、その方たちとお遊びなさいませ」
裾を引いて足を退けると、振り返らずに離れた。
視線を感じたが、それ以上追ってくることはなかった。
次のお座敷があるというのは本当で、一晩にいくつものお座敷を回って歩く。
雪也を呼ぶのは、ほとんど舞を見たい客なのだが、時には、短くてもいいからお酌をしてほしいという客もいる。
そういう時は、一人で相手をする。
渡り廊下を渡って、向こう側のお座敷へいく。
ふと見ると、先ほどの一団が、座敷に入っていくのが見えた。
左京大夫が振り返って、雪也を見ている。
が、女に引っ張られて、座敷の中に消えた。
「雪也でございます」
戸を開けて、頭を下げる。
「きたきた」
「早く来い。待ちかねたぞ」
という声がし、雪也が入るのが待ちきれずに立ってきた客が、手をとって引き入れた。
すぐに戸が閉められる。
「きゃっ」
その乱暴なやり方に、悲鳴をあげると、逃げられないように後ろからガッチリと肩を抱かれ、口が塞がれた。
「どうだ、成田」
その名を耳にして、体がぶるっと震えた。
成田と呼ばれた男が立ってきて、雪也の目の前に近づいた。
「ああ、間違いない。・・・久しぶりだな、ゆき」
「・・・若様・・・」
いつの間にか、塞がれた手が外されていた。
「やはり芸者になっておったのか。あんなに可愛がってやったのに・・・」
食い入るように雪也を見る目が細められ、獲物を狙う蛇のようだった。
睨まれた蛙のように動けず、震えが止まらなかった。
帯が解かれている。
若い武家が数人がかりで、抵抗することもできなかった。
「どうして・・・」
「江戸詰になったんだ。これからも、以前と同様に可愛がってやる。どうだ、嬉しいか。前よりも磨かれて綺麗になったな」
「お断りします」
声が無惨にも震えている。
「なんだと! 芸者の分際で・・・」
逃げようと体を捻ったが、着物の裾が踏まれてつんのめった。
畳に突っ伏した時には着物が脱げて裸になっている。
「声を出すなよ。人に見られたくなかったらな」
男が覆い被さってくる。
声を出すなよ、と声をかけられて、体がこわばる。
そう念を押されて、何度も犯された記憶が蘇る。
遊郭通いを咎められて謹慎していた若様の、格好の鬱憤晴らしだったのだ。
初めは優しく、いかにも好きだから抱くのだというふうに言いくるめられ、次第に、際限がなくなり、それをゆきの体のせいにされた。
「あっ・・・いやっ」
「あんなによがっていたじゃないか。すぐに気持ちよくなる」
後ろから胸を揉まれ、他の男が足を開き、秘所に指を入れ、かき回される。
声を上げようと開けた口に、男根が突っ込まれた。
「んっぐ・・・」
「どうだ、これで声も出せまい」
「待て、おれが先だ」
成田の声がして、指が抜かれたと思う間もなく、深く貫かれ、腰が打ちつけられる。
反動で口の中のものが喉の奥に入り、苦しくて涙が溢れた。
「つっ・・・噛みやがった」
「乱暴にするな。おれの女だぞ」
「お前が腰を入れるからだろ」
成田は、あっちへ行ってろ、と男たちを押し退けて、雪也を独り占めする。
上半身を抱きしめ、口づけて舌を絡め、久しぶりの体を堪能した。
「寂しかったぞ、ゆき」
名前を呼ばれると、あの頃に戻ったようだ。
いやでも刺激されて、十分に愛液があふれだし、卑猥な音を立てる。
見ている男たちをも刺激するのか、早く変われよ、と成田を催促する。
興奮して、荒い息で上り詰めようとする男に抱かれながら、雪也は逆に落ち着き、冷めていくのを感じていた。
「若さま・・・」
無意識に、そう呼んで自分の気持ちを確かめる。
もうこの男は、昔の男でしかなかった。
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