【完結】誰に抱かれてもあなたへの愛は揺らがない

かじや みの

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月の舞

月夜 ※

 深く差し入れられた舌が、誘うように歯をなぞっていく。

 そして、噛んでいいぞ、というように、動きを止める。

 目を開けてみると、左京大夫の目も、雪也の目を静かに見つめていた。

 静かだが、奥に激しさを隠している。

 その広く、深い海に吸い込まれそうだ。

 苦しくなり、左京大夫の舌を押し戻そうとした。
 が、その舌を逆に絡め取られて、吸われた。

「んっ・・・」

 力強い腕に抱きしめられて、抗う力が抜けていく。

 ようやく雪也の舌を解放し、軽く喘ぎながら、息をつぐ。

「いいんだな」

「・・・」
 首を振った。

「強情なやつだ。嫌なら、噛めと言ったが・・・噛まないのなら、それはいいと認めたことになるのだぞ」

 悪戯っぽく笑った。

「そんな・・・」

 舌を噛むなどできるわけがない。
 できないとわかっていて、からかっているのだ。

 無茶な要求に、怒りがわき、力一杯その胸を突き放した。

 不安定な船の中で、不意をつかれた左京大夫が体勢を崩して手をついた隙に、背を向けて、閉められている戸を開けた。

「逃げられはせぬ」

 左京大夫の言う通り、そこは、水の上だ。

 冷たい風が吹き抜けたが、目の前に現れた景色に目を奪われた。

 遮るもののない丸い月が輝き、水面に一筋の光の道を作っている。

「きれい・・・」

 艪の音が高く響く。

 船は進んでいるはずなのに、光の道はどこまでもまっすぐにこちらに向かって射している。

「美しいな」

 いつの間に裸になったのか、背中に直接肌が触れ、温もりに包まれた。

 首筋に唇が這い、大きな手が、乳房を揉みしだく。

「は、あ・・・ん・・・」

 快感が走り、喘ぎ声が漏れてしまう。

「殿様あ、端によると落ちちまいやすよ」
 船頭の声がした。
 慣れているのか、のんびりした声だ。

「すまんすまん」
 左京大夫がそう言って、雪也を抱えて真ん中に移動する。

 移動すると言っても、尻でいざっただけだったが、そうしている間にも、腰がひきつけられ、かりくびが秘裂を割って、入ってくる。

「ああっ」

 深い口づけですでに濡れていたが、大きく膨らんだ男根は、体を刺し抜くような激しさで貫いた。

 思わず仰け反ったが、船の揺れが、結合部をも揺らして、腰を動かしていないのに、えもいわれぬ快感が生まれ、愛液が溢れ出した。

「おれは、なかなか落ちないやつを落とすのが趣味なのだ。落ちてみるか」
 耳元で囁く。

「蔦吉姐さんの旦那さまに、落ちるわけがありません。私を落としたければ、蔦吉姐さんと別れてくださいまし」

 左京大夫のものが中に入れられているのに、言うことではないが、そこはうやむやにしたくなかった。

 それが、遊びでは嫌だと言う意味だ。

「こんなに感じているのに、落ちぬと言うのか」

 雪也のお尻を掴んで、もっと深く、穿つように密着させた。

「あ・・・ん」
 甘い吐息が漏れてしまう。
「いい体だ。安心しろ。一夜で飽きるかもしれん。そうやって捨てた女は数え切れん。媚びるだけの女はつまらん」
「私は、つまらない、女、です・・・」
 喘ぎながら言った。

「今夜・・・だけ・・・」
「よかろう。月見の交わりもいいものだな」

 熱い口付けが繰り返される。

 腰を振り出し、船が揺れる。

「おれを忘れられなくしてやる。・・・おれに、堕ちろ」


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