転生女王蟻は生態系の頂点を目指す

イータウン冒険編

4話 初陣、ゴブリン討伐

初めまして。私は受付嬢してます、エリナと申します。冒険者登録、クエストの受注を担当しています。本日はどの様な要件でしたか？

私とこの2人を冒険者として登録して欲しい、登録が終わった後にすぐに受けられるクエストを選んで欲しい。

かしこまりました。まずは冒険者登録ですね。

冒険者にはランクがあります。最高ランクS S Sから最低のDランクがあります。

実力のある冒険者でもまずは必ずDランクから始まりますのでご了承願います。

ランクは
 S S S

 S S

 S

A A A

 A A

 A

B

C

D
の９つのランク付になります。

ちなみにこのギルドの冒険者の最高ランクは  A A Aランクです。できる事なら最高ランクの S S Sランクを目指して頑張ってくださいね。

ランクが高いほどクエスト報酬や、ギルドからの恩恵も良くなります。

まずは地道に努力して行く事を推奨します。冒険者登録は以上で完了いたしました。茶色のバッジがDランク冒険者の証です。早速クエストを受注したいとの事でしたので私からは「ゴブリン討伐」の依頼をお勧めします。

それじゃあゴブリン討伐でお願いする。

かしこまりました。それではクエストに行かれる前に武器や防具、アイテムなど揃えていかれる事を推奨します。ギルドでは冒険者初心者にそれぞれ500G支給します。それで初期の最低限の準備ができます。

このギルドの右隣には武器や防具、左隣にはアイテムが売られている店があります。
案内は以上となります。皆様どうかご武運を。

さて、レイ！ラン！私は2人の実力がわからない。まずはどんな戦い方をしていきたいか。教えてくれ。

私はランのように身体能力に恵まれてはいませんので距離を取りながら戦いたいですね。

なるほどなー。後方からの攻撃や支援となると、魔法使いや遠距離武器を使える職業だな。

ランはどうだ？

私は近距離で敵をズバーッと切り裂いたりバキバキ殴ったりしたいです！攻撃力と素早さには自信があるのです。

なるほどー。ならば剣士や、格闘家といった職業だな。

ちなみに私はランと同じく剣士か、格闘家。出来れば剣士になってかっこよく刀を振りたい！

それじゃあランは格闘家になるー！

では私は魔法使い志望でいきます。

よし、皆んなの戦闘スタイルが決まった所で、店で武器と防具を揃えよう。


そして3人は武器と防具を揃えて、アイテムも買い揃えた。

それじゃ早速、ゴブリンがいる森へと向かおうか。

3人は森へと向かっていく。すると早速1体のゴブリンが現れた。

杏里沙様、敵です。下がっていてください。
わかった。まずはお前らの力を見よう。

（ナレーション）レイは初めての敵との戦いでしかもまだ魔法使いとして何も習得していない。しかし、レイは蟻の中でも特に賢い個体で、その頭脳は天才的といえた。
ゴブリンが一度見せた低級魔法の「火球」を真似たのだ。

しかし、ゴブリンの見せた火球よりも遥かに強い火球を作り出し、胴体に風穴をあけて直線上の木々を薙ぎ倒して行くほどの威力だった。レイは一撃でゴブリンを倒してしまった。

これは驚いた。初めての戦いとは思えない戦闘センス。なあ、レイ。今の火球はもしかして真似したのか？

はい。魔法は一つも知りませんでしたので見て覚えました。

すげー。一度見ただけで覚えるとか天才か？

杏里沙様ー！もう1体現れたー！今度は私が狩る番だよー。

よし、ランお前の戦いを見せてくれ。


（ナレーション）レイと同じくランも戦闘経験はない。しかし、元々高い身体能力に恵まれていたランは、ゴブリン程度の攻撃ではかすりもしなかった。ランはゴブリンの攻撃を全て避けていた。
そしてランは素早さと攻撃力には自信があると言っていたが、自分の攻撃力がどの程度強いのかまではよく理解していなかった。ゴブリンと戯れるの飽きたからと言い、おもいっきりパンチを顔面に繰り出したところ、ゴブリンの頭部が吹き飛んだのだった。その拳の風圧は後方の木々を薙ぎ倒して行くほどだった。

えー？ランもとんでもない力を秘めてるなーなんて頼もしい。これがメジャーワーカーなのか！メジャーワーカーがこんなに逞しいならコロニー内も安心だな。

2人とも凄いな！実力は見させてもらったよ。私のお供として申し分無い。
これからも頼りにしてるよ。

さて、またゴブリンが現れたな。次は私も試したいからな。お前らは手を出さないでくれよ。

（ナレーション）杏里沙も実は戦闘経験はない。しかし、蟻といえども女王だ。自身が思うよりも杏里沙は強かった。パワー、スピード共に兼ね備えていた。
杏里沙は人間時代の記憶を頼りに、「居合斬り」を試した。
すると、ゴブリンの首は一瞬でとび、杏里沙の斬撃はこれまた後方の木々を切り倒してしまう程だった。

杏里沙様！さすがでございます。

杏里沙様つよーい。カッコいい！


2人ともありがとう。けど2人とも、これからは弱い相手には手加減して戦う事を覚えよう。私も気をつけなければならないが、随分と森を荒らしてしまったからな。

私達は想像以上に強いらしい。レベル30超えは伊達じゃないな。

今の私達はどうやらゴブリン程度は容易い様だ。他の魔物とも戦ってみよう。

ラン賛成！沢山戦いたいー！

杏里沙様。ゴブリン達が何かを落としている様です。

お？これはゲームとかでよくあるパターンだな。敵を倒すとアイテムドロップするシステム。これは嬉しい。

これらを持ち帰ってギルドに見せれば良いんだな。倒したという証になる。

よーし。お前ら、他の魔物もどんどん倒していこう！

はい！と、レイとランが力強く返事をして3人で森の魔物達を狩まくった。

そして3人はギルドに戻って報告をする。

（受付嬢のエリナ）3人ともお疲れ様です。クエスト無事完了を確認しました。今後もよろしくお願いしますね。

報酬額は1000ゴールドになります。さらにフリーで取得した魔物素材の換金分が4000ゴールド。随分と頑張って倒しましたね。ルーキーとは思えない成果です。これだけのお金があれば宿屋で1週間は生活出来ますよ。
最近はこの地方のギルドのハンターは減ってしまい、魔物が増え続けるばかりです。ですから杏里沙さん達の様な方々がいてくれるると本当に助かります。

魔物が増え続けているのか。それは大変だな。よし、私達がこの地方の魔物達を狩まくるよ。クエスト沢山受けて報酬稼いで美味しいもの沢山食べてもっと強くなるよ。

はい！とても頼もしいです。

じゃ、エリナさんまた来るよー！

はい！お待ちしております。

3人はギルドを後にした。

さて、


さあてそれじゃあ、お金も集まった事だし当分の間は宿屋を拠点にしてクエスト受けて稼ぎながら生活をしていこう。とにかく私達の最初の目標はAランク冒険者だ。


Aランク以上の冒険者はそれ以下のランクとは比較にならないほど高難易度で高額報酬を得られるそうだ。

しかし、それまではDランクでクエストを受けて地道に稼ぐしかない。

人間の世界でしか手に入らないような高級食材はコロニー内にも暇を見て届けておいて欲しい。長い間留守を頼んでるから差し入れくらいないと女王としての威厳を保てないしな。食材は甘いもの中心にね。間違ってもゲテモノ料理のような類は買ってこない様にな。

はい！かしこまりました杏里沙様！

（ナレーション）杏里沙達は計画通り、魔物達を狩まくり、人々からの評価も得るようになった。今までは虫を食べていたが、人間の作る美味しいものを食べる様になりレベルの上がり方も一段と早くなっていた。杏里沙達のレベルはいつの間にかレベル50を超えていて、もはやDランク冒険者の域を軽々と超えていた。身長は155cmとなり大人の女性として見られても良い体になり、周りの男達を魅了していた。さすがは女王である。

そんな杏里沙達の強さが森の魔物達の脅威となり、魔物達の動きに変化が起こっていることは誰も気づかなかった。

ギルド1の実力者で大ベテラン。Aランク冒険者の「バット」の特殊任務による遠征中に我らが東の地「イータウン」は魔物の大軍勢により攻められた。

次回　魔物軍vs冒険者