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二章
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七月二十三日
ちょうど日付が変わったとき、携帯電話がピロンと鳴った。メッセージアプリの受信音だ。
画面を確認するまでは女友達の遊びの誘いか、最近しつこく付きまとってくる隣のクラスの男子だと思っていた。けれど、表示されていた送信者名は……
榊葉桔梗。
見間違いだと思った。似た文字列を読み間違えたのだと。けれど、何度目をこすってみても「榊葉桔梗」に読めた。
少し手が震える。心臓が早鐘のように打っている。みるみるうちに自分が昂っていくのがわかる。
桔梗から連絡が来るなんて!
いったい何の用事だろう。遊びの誘いか、よもやま話か、たとえ事務連絡でも、いいえ、いっそ私への怨嗟の言葉でもいい。久しぶりに桔梗とコミュニケーションが取れる。それだけで嬉しかった。メッセージを開く。
――久しぶり。
何でもない挨拶なんかで、胸いっぱいが暖色の気持ちで満ちていく。
『久しぶり』
と私も返した。
――今日、メッセージをしたのは報告があるからなのだけれど。
『うん、どうしたの?』
――どこから話すべきか迷うけれど、結論から言うわね。
私は続くメッセージを待った。僅かな待ち時間が、やけに長く感じられた。
――私、死んじゃったわ。
一瞬間、私は静止した。
何か、比喩的な言い回しだろうか。どういう意味、と聞き返すより早く桔梗から続きのメッセージが送られた。まるで、私が戸惑っているのなんてお見通しみたいに。
――信じられないでしょうから、まずは死んでしまった証拠を送るわ。
メッセージからややあって、画像データが送られてきた。
小さく表示されているサムネイル画像。白地の背景に、人と思しきものが写っているのがわかる。けれど、サムネイル画像ではそこまでが限界だった。タッチして、画像を読み込む。画面いっぱいに写真が映し出される。
白の背景に見えたのは真っ白のベッドだった。天蓋からは豪奢なレースがさげられ、厚い毛布が置かれている。見るからに高そうな寝具の一揃え。周囲の調度品には見覚えがある。九年前に桔梗と訪れた田舎の屋敷、その一室だ。
そこに桔梗が眠っていた。
大の字と言いてしまっていいのだろうか。片方の手足はベッドから零れて、曲がってしまっている。
短いスカートからわずかに下着が見えていたが、隠そうというそぶりは見受けられない。彼女は眠ってしまっていたから。
首の肉が大きくえぐられていた。
それは、大砲の弾が掠めて奪っていったようにも、獅子に噛みつかれ引きちぎられたようにも見える、大きな赤黒い穴だった。なんであれ、その傷が致命であることは確かだ。首の肉のおよそ半分近くを彼女は失っていたのだから。
頭を殴られたような強い衝撃が走った。
どくん、どくん。
スカートと、ショーツの間から伸びる白い太腿。
細いくせに、とても肉付きがいい矛盾。
首の穴を彩る赤黒い樹液。
舌が触れればびりびりと痺れるだろう甘美の蜜。
――美味しそうでしょう?
見透かしたようなメッセージが届く。邪な欲望を振り払うように激しく頭を振った。強く振りすぎて少し頭痛がした。
一瞬で、いろんな考えが頭を過った。桔梗に担がれているんじゃないかとか、桔梗が誰かに殺されて、その犯人が私にメッセージをしてきているのだとか。そういう現実的な考え。
でも、どれもありえそうになかった。
私の食人欲求を知るのは桔梗だけだし、なにより、「美味しそうでしょう?」という問いの向こうに、私を嘲る桔梗の顔が見えてしまった。だから、ありうるのは、非現実的な可能性のみ。
……死んだ桔梗がメッセージをしてきている。
『なにこれ』
何と返事をしたら正解かわからず、そんな包括的な質問をする。
――鬼ごっこの敗者の姿。
『鬼ごっこ?』
――そう、鬼ごっこ。楽しい楽しい鬼ごっこ。ちょっとだけ特殊な鬼ごっこ。いいえ、これが本来の鬼ごっこかもしれないわね。この鬼ごっこは、鬼に捕まった子は食べられてしまうのよ。あなた、鬼って実在すると思う?
『鬼なんて、いるはずない』
深く考えずに、いや、考えるまでもなくそう返した。
――いいえ、鬼は実在するわ。私は鬼に出逢ったもの。そこから、長い永い鬼ごっこが始まったわ。途中の出来事は話しても無意味だから省くけれどね、最終的に捕まった。そして、殺された。……痛かったわ。鬼の汚れた牙が私の首の中にゆっくり入ってくるのよ。ねばつく唾液で体の中から汚されていると感じたわ。皮膚を裂いて、肉を押しのけて、血管を突き破って、私の中に入ってきた。その暴力の前に、私は抵抗すらできなかった。許されたのは、身体を無様に痙攣させることだけ。やがて、鬼は私から肉を切り取って、自分の中に収めたわ。それが、私の最期の光景。
生唾を飲む。気付けば口の中が唾液でいっぱいになっていた。桔梗からのメッセージは凄惨な内容だったが、私の中に潜む者には煽情的だった。けれど、なぜこんなにも露骨に煽り立てるのか。
――これから私は、鬼に私の全部を食べてもらうわ。敗者だからそのことに不服はない。けれどね、死んだあと、一つ思い出したの。そういえば、私のこと食べたがってる女がいたなって。
――そう、東雲あんず、あなたよ。
――今一度はっきりさせておくわね。私はあんずが大嫌い。嫌いというのもおこがましいかしら。あの日以来、殺したいほど憎んでいる。だからね、最後にとびっきりの贈り物をしてあげる。
再び画像が送られてくる。拡大表示する。またしても桔梗の死体だった。けれど、一つだけ違う点がある。
桔梗は知らない女と居た。
着物の女だ。ぐったりとした桔梗を後ろから抱きとめている。顔は死体に隠れて見えない。
これが、桔梗の言う「鬼」であろうことは容易に推測できた。
鬼は桔梗の顎を掴み、少し上向きにしていた。花の茎のような桔梗の喉笛が、惜しげもなくさらけ出されている。鬼の牙は、桔梗の首筋に今にも噛みつかんとばかりに接近している。
桔梗からメッセージが届く。
――私が食べられるところ、たっぷり見せてあげる。
鬼に抱かれて眠る桔梗は、僅かに微笑んで見えた。上向きにされた顔が、私を見下して嗤っている。
――獣のように単純なあんずが何を考えているかは想像がつくわ。安心なさい、チャンスは用意してある。鬼にお願いしたの、三日に分けて私を食べてくださいって。さあ、食いつくされる前に私を見つけてごらんなさい。間に合えば文字通りおこぼれに預かれるかもしれないわ。……ただ、ごめんなさいね。あんずがここに辿り着けないのはわかっているの。でも、あえてチャンスのようなものを設けてあげた。何故かわかるかしら。
「う……うぅ……ぐっ……」
読みながら、私は声を押し殺して泣いた。本当は声を上げて泣きたかったけど、隣の部屋にいるお母さんを起こしたくなかった。
――初めから暗闇に放り出すより、微かに見えていた光を掻き消された方が悔しいでしょう。私はこの文章を打ちながら想像するのよ。涙と唾液を地面に垂らして這いつくばるあんずを。行き場を失った歯で、自分の舌を噛み千切るあんずを。それでほんの少しだけ、私は雪辱を晴らすことができる。
私は悲しかった。桔梗の死はもちろんだが、それ以上にここまで嫌われているのが辛かったのだ。桔梗は死んでしまったのに……死してなお、私を虐めようとメッセージをしてきている。そんなにも私は気持ち悪かったのだろうか。私は、本当は桔梗を食べたくなんてないのに。食べたいと思っても我慢できるのに。私は……。
「…………」
桔梗が濡れている。メッセージを表示していたはずの画面が、いつの間にか桔梗の死体の画像に変わっていて、そこに透明な粘液が滴り落ちていた。私は慌てて画面と口元をぬぐった。私の中のモノに意識を奪われていたらしい。まだ脳裏に赤いノイズがチラついている。
「はは……」
自嘲する。
そんなに気持ち悪いのだろうか、だって?
気持ち悪いに決まってる。
こんな有様でよくも桔梗に反発しようと思えたものだ。
開いていた桔梗の画像を閉じる。そして、目を瞑り、胸に手を当てる。ゆっくりと深呼吸すると、脳内の赤いノイズは引いていく。劣情に負けてしまいそうになるときは、こうやって自分を落ち着かせるのだ。
私を取り戻してから考える。
私に何ができるか。
奥底の欲望は桔梗を探しにいけと喚いている。食われきる前に肉を見つけだせと言っている。その意見に、実は私も賛成だった。けれど、最終的な目的は違う。食うために桔梗を探し出すんじゃない。私は、私の恋が純粋であることを証明するために桔梗を探したい。
桔梗の墓前に花を供えることができたら、私のあなたへの気持ちは、あなたが思ってるほどよこしまじゃないんだよと伝えられる気がした。
そのためには。
桔梗とともに映る着物の女。
鬼に、桔梗を喰わせるわけにはいかない。
ちょうど日付が変わったとき、携帯電話がピロンと鳴った。メッセージアプリの受信音だ。
画面を確認するまでは女友達の遊びの誘いか、最近しつこく付きまとってくる隣のクラスの男子だと思っていた。けれど、表示されていた送信者名は……
榊葉桔梗。
見間違いだと思った。似た文字列を読み間違えたのだと。けれど、何度目をこすってみても「榊葉桔梗」に読めた。
少し手が震える。心臓が早鐘のように打っている。みるみるうちに自分が昂っていくのがわかる。
桔梗から連絡が来るなんて!
いったい何の用事だろう。遊びの誘いか、よもやま話か、たとえ事務連絡でも、いいえ、いっそ私への怨嗟の言葉でもいい。久しぶりに桔梗とコミュニケーションが取れる。それだけで嬉しかった。メッセージを開く。
――久しぶり。
何でもない挨拶なんかで、胸いっぱいが暖色の気持ちで満ちていく。
『久しぶり』
と私も返した。
――今日、メッセージをしたのは報告があるからなのだけれど。
『うん、どうしたの?』
――どこから話すべきか迷うけれど、結論から言うわね。
私は続くメッセージを待った。僅かな待ち時間が、やけに長く感じられた。
――私、死んじゃったわ。
一瞬間、私は静止した。
何か、比喩的な言い回しだろうか。どういう意味、と聞き返すより早く桔梗から続きのメッセージが送られた。まるで、私が戸惑っているのなんてお見通しみたいに。
――信じられないでしょうから、まずは死んでしまった証拠を送るわ。
メッセージからややあって、画像データが送られてきた。
小さく表示されているサムネイル画像。白地の背景に、人と思しきものが写っているのがわかる。けれど、サムネイル画像ではそこまでが限界だった。タッチして、画像を読み込む。画面いっぱいに写真が映し出される。
白の背景に見えたのは真っ白のベッドだった。天蓋からは豪奢なレースがさげられ、厚い毛布が置かれている。見るからに高そうな寝具の一揃え。周囲の調度品には見覚えがある。九年前に桔梗と訪れた田舎の屋敷、その一室だ。
そこに桔梗が眠っていた。
大の字と言いてしまっていいのだろうか。片方の手足はベッドから零れて、曲がってしまっている。
短いスカートからわずかに下着が見えていたが、隠そうというそぶりは見受けられない。彼女は眠ってしまっていたから。
首の肉が大きくえぐられていた。
それは、大砲の弾が掠めて奪っていったようにも、獅子に噛みつかれ引きちぎられたようにも見える、大きな赤黒い穴だった。なんであれ、その傷が致命であることは確かだ。首の肉のおよそ半分近くを彼女は失っていたのだから。
頭を殴られたような強い衝撃が走った。
どくん、どくん。
スカートと、ショーツの間から伸びる白い太腿。
細いくせに、とても肉付きがいい矛盾。
首の穴を彩る赤黒い樹液。
舌が触れればびりびりと痺れるだろう甘美の蜜。
――美味しそうでしょう?
見透かしたようなメッセージが届く。邪な欲望を振り払うように激しく頭を振った。強く振りすぎて少し頭痛がした。
一瞬で、いろんな考えが頭を過った。桔梗に担がれているんじゃないかとか、桔梗が誰かに殺されて、その犯人が私にメッセージをしてきているのだとか。そういう現実的な考え。
でも、どれもありえそうになかった。
私の食人欲求を知るのは桔梗だけだし、なにより、「美味しそうでしょう?」という問いの向こうに、私を嘲る桔梗の顔が見えてしまった。だから、ありうるのは、非現実的な可能性のみ。
……死んだ桔梗がメッセージをしてきている。
『なにこれ』
何と返事をしたら正解かわからず、そんな包括的な質問をする。
――鬼ごっこの敗者の姿。
『鬼ごっこ?』
――そう、鬼ごっこ。楽しい楽しい鬼ごっこ。ちょっとだけ特殊な鬼ごっこ。いいえ、これが本来の鬼ごっこかもしれないわね。この鬼ごっこは、鬼に捕まった子は食べられてしまうのよ。あなた、鬼って実在すると思う?
『鬼なんて、いるはずない』
深く考えずに、いや、考えるまでもなくそう返した。
――いいえ、鬼は実在するわ。私は鬼に出逢ったもの。そこから、長い永い鬼ごっこが始まったわ。途中の出来事は話しても無意味だから省くけれどね、最終的に捕まった。そして、殺された。……痛かったわ。鬼の汚れた牙が私の首の中にゆっくり入ってくるのよ。ねばつく唾液で体の中から汚されていると感じたわ。皮膚を裂いて、肉を押しのけて、血管を突き破って、私の中に入ってきた。その暴力の前に、私は抵抗すらできなかった。許されたのは、身体を無様に痙攣させることだけ。やがて、鬼は私から肉を切り取って、自分の中に収めたわ。それが、私の最期の光景。
生唾を飲む。気付けば口の中が唾液でいっぱいになっていた。桔梗からのメッセージは凄惨な内容だったが、私の中に潜む者には煽情的だった。けれど、なぜこんなにも露骨に煽り立てるのか。
――これから私は、鬼に私の全部を食べてもらうわ。敗者だからそのことに不服はない。けれどね、死んだあと、一つ思い出したの。そういえば、私のこと食べたがってる女がいたなって。
――そう、東雲あんず、あなたよ。
――今一度はっきりさせておくわね。私はあんずが大嫌い。嫌いというのもおこがましいかしら。あの日以来、殺したいほど憎んでいる。だからね、最後にとびっきりの贈り物をしてあげる。
再び画像が送られてくる。拡大表示する。またしても桔梗の死体だった。けれど、一つだけ違う点がある。
桔梗は知らない女と居た。
着物の女だ。ぐったりとした桔梗を後ろから抱きとめている。顔は死体に隠れて見えない。
これが、桔梗の言う「鬼」であろうことは容易に推測できた。
鬼は桔梗の顎を掴み、少し上向きにしていた。花の茎のような桔梗の喉笛が、惜しげもなくさらけ出されている。鬼の牙は、桔梗の首筋に今にも噛みつかんとばかりに接近している。
桔梗からメッセージが届く。
――私が食べられるところ、たっぷり見せてあげる。
鬼に抱かれて眠る桔梗は、僅かに微笑んで見えた。上向きにされた顔が、私を見下して嗤っている。
――獣のように単純なあんずが何を考えているかは想像がつくわ。安心なさい、チャンスは用意してある。鬼にお願いしたの、三日に分けて私を食べてくださいって。さあ、食いつくされる前に私を見つけてごらんなさい。間に合えば文字通りおこぼれに預かれるかもしれないわ。……ただ、ごめんなさいね。あんずがここに辿り着けないのはわかっているの。でも、あえてチャンスのようなものを設けてあげた。何故かわかるかしら。
「う……うぅ……ぐっ……」
読みながら、私は声を押し殺して泣いた。本当は声を上げて泣きたかったけど、隣の部屋にいるお母さんを起こしたくなかった。
――初めから暗闇に放り出すより、微かに見えていた光を掻き消された方が悔しいでしょう。私はこの文章を打ちながら想像するのよ。涙と唾液を地面に垂らして這いつくばるあんずを。行き場を失った歯で、自分の舌を噛み千切るあんずを。それでほんの少しだけ、私は雪辱を晴らすことができる。
私は悲しかった。桔梗の死はもちろんだが、それ以上にここまで嫌われているのが辛かったのだ。桔梗は死んでしまったのに……死してなお、私を虐めようとメッセージをしてきている。そんなにも私は気持ち悪かったのだろうか。私は、本当は桔梗を食べたくなんてないのに。食べたいと思っても我慢できるのに。私は……。
「…………」
桔梗が濡れている。メッセージを表示していたはずの画面が、いつの間にか桔梗の死体の画像に変わっていて、そこに透明な粘液が滴り落ちていた。私は慌てて画面と口元をぬぐった。私の中のモノに意識を奪われていたらしい。まだ脳裏に赤いノイズがチラついている。
「はは……」
自嘲する。
そんなに気持ち悪いのだろうか、だって?
気持ち悪いに決まってる。
こんな有様でよくも桔梗に反発しようと思えたものだ。
開いていた桔梗の画像を閉じる。そして、目を瞑り、胸に手を当てる。ゆっくりと深呼吸すると、脳内の赤いノイズは引いていく。劣情に負けてしまいそうになるときは、こうやって自分を落ち着かせるのだ。
私を取り戻してから考える。
私に何ができるか。
奥底の欲望は桔梗を探しにいけと喚いている。食われきる前に肉を見つけだせと言っている。その意見に、実は私も賛成だった。けれど、最終的な目的は違う。食うために桔梗を探し出すんじゃない。私は、私の恋が純粋であることを証明するために桔梗を探したい。
桔梗の墓前に花を供えることができたら、私のあなたへの気持ちは、あなたが思ってるほどよこしまじゃないんだよと伝えられる気がした。
そのためには。
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