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よし、今日はぽんちゃんたちと探検するぞ!
前から計画してた島のまわりの探検だ。なみ子さんとみな子さんは、
「うちに来て運動会の練習よ!」
なんて言うけれど、夏休みだぞ。運動会なんてずっとずっと先のことだ。
朝、ばあちゃんに
「今日は村上商店に行って、運動会のことを教えてもらうから、おそくなるよ」
ってウソをついた。
きょうはたっぷり時間がある。
「漁港の向こうの、お寺の前に集合だ。そこから、砂浜を通って岩を越えてとにかく海岸をずっとずっと歩いて、島を一周だ」
「うーん海岸かあ。ぼくはにがてだなあ」
「ウリ坊、いやなのか?じゃあいいよ。オレたち三人で行くから」
タケルがわざと冷たく言ったら、
「そんなふうに言っちゃあウリ坊がかわいそうだよ。最近タケルは言い方がひどいぞ」
「タケルと違ってオレたちはクツをはいてないんだから。暑い砂浜や岩場を歩くのは苦手なんだよ」
モンタやぽんちゃんからも文句言われた。
「いいよ、じゃあみんなついてくんな!オレ一人で探検するからさ。この探検は、オレ、ずっと前から計画してたんだぞ」
「分かったよ。行くよ行くよ。タケル一人じゃ心配だもんな」
ぽんちゃんがそう言って、みんなそろって行くことになった。
「タケルを一人にしちゃ、何をするかわかんないよ、本当に危ない子だもん」
さあ、モモタロウ探検隊、出発だ!
漁港の先のお寺の前に集合。ここから先は道がないんだ。家も建物も、なんにもない。海岸は砂浜や岩ばっかりだ。あんなに岩の上をいやがってたのに、三匹の速いこと速いこと。ウリ坊なんて、岩場をピョンピョンとび越えていく。タケルは足もとに気を付けながら、波打ちぎわの岩場をおそるおそる進んで行く。人間の子にはこわくてしょうがないんだよ。
タケルはどんどん置いて行かれた。
「おーいタケル、だいじょうぶか?」
「だいじょうぶだけど、おまえら速すぎだぞ。なんでモモタロウを置いていくんだ。オレについてこいって言っただろ!」
「だっておそいんだもん」
「ほんと。いせいのいいことを言ってたくせに、世話がやけるやつだ。モモタロウなんて置いたまんまで、先にいくぞ!」
「しょうがないよ、モンタ。タケルにケガをさせちゃいけないから、ゆっくりゆっくりいこうよ」
ウリ坊はやさしく言った。
いつもそうだ。モンタのやつ、モモタロウさまに従おうって気がないんだ。いじわるなんだ。ウリ坊はいつだってやさしい。タケルの心のいやしだ。見てるだけで心がほっとしてくる。
「ウリ坊、最近急に大きくなってないか?背中のたてじまも、なんかうすくなってきたみたいだぞ」
「イノシシって成長が早いからな。これからどんどん食べてどんどん大きくなっていくぞ。もう少しで、オレたちの中で一番大きくなるよ」
ぽんちゃんが言った。
「えへッ、最近何を食べてもおいしくておいしくて。山にも里にも食べるものがいっぱいあるんだ。キュウリにナスビにトウモロコシだって食べごろだもんな。今、じいちゃんがみかんの摘果をしてるだろ。あの下に落とした青い実。あれだって、小さいけど下に落ちて何日かすると、やわらかくなってこれがうまいんだ。いくらでもあるから、毎日おなかいっぱい。それで、秋になったら今度はみかんが甘くなるし、おいもがたくさん食べられるし、カキやクリだって食べごろになる。ああ、楽しみがいっぱいだな」
「食いしん坊だな。ウリ坊にはそのままのウリ坊でいてほしいよ。あんまり太ると、あのでっかい岩なんか越えられなくなっちゃうぞ」
「大きくなったぶん、足が強くなってくるんだ。あんな岩なんかへっちゃらだい。簡単に飛び越えられるさ。それにぼくだけじゃなくて、そういうぽんちゃんだってずい分おなかが出てきたぞ。タケルくんだってどんどん大きくなってるじゃないか」
「あんまり無茶して岩の上を飛びまわるなよ。海の中にドボンと落ちちゃうぞ」
「海なんか平気さ。ぼくのご先祖様はね、本土から泳いでこの島に渡ってきたんだ」
そういって、ウリ坊は先頭に立って岩場をどんどん進んでいった。
真夏の太陽が照りつけて、真っ青な海と白い波が光りかがやいている。でも、景色にはあんまり目がいかない。だって、ちょっと目をはなしたら、落っこちてしまう。
ずいぶん歩いた。でも、島のうらっかわって、本当にごつごつした岩ばっかりだ。なんにもない。
「これじゃあ、人なんて来るわけないな」
「動物だってこんな食べるものがないところ、ぜったい来ないよ」
ウリ坊には食べるものがあるかどうかが大問題なんだ。
あれ、ぽんちゃんがちょっと変だ。
そういえばさっきからぜんぜんしゃべらなくなった。ウリ坊が先頭を行って、モンタがすぐそのあとを追っかけて、ちょっと遅れてタケルがついていく。三人で話してたから気がつかなかったが、ぽんちゃんはずっと遅れてゆっくりゆっくり歩きながらついてくる。
「おーい、ぽんちゃんだいじょうぶかァ?」
「うーん、さっきガラスをふんじゃったんだ。ちょっと足に血がにじんでる。こういう岩場って苦手なんだよな」
そりゃ大変だ。早く言えばいいのに
「おーい、ウリ坊、モンタ。ここらで休けいだ。ぽんちゃんを休ませてやろうよ。そこに洞くつみたいなのがある。その中で休もう。この間、村上商店で買ったスナック菓子があるんだ。それを分けて食べよう」
「わーい、やったあ!」
先を行ってたウリ坊は、お菓子と聞いてすぐにかけもどってきた。
大きな岩山に、波でくりぬかれたような洞くつがあった。海のすぐそばだから、満潮になったらすぐ水につかってしまうんだろう。海そうでぬるぬるしている。
ぽんちゃんが足を引きながらやっと到着した。
みんな洞くつに集合だ。
「よし、全員集合。ぽんちゃん、ちょっと見せてみろ。だいじょうぶか?」
ぽんちゃんは海そうでぬるぬるした岩の上に両足をのばした。
「うん。さっき刺さってたガラスは取ったんだけど、ほらここに血がにじんでる。ぬれたところを歩くと海水がしみて痛いんだ」
ホントだ。肉球から血がにじんでる。とがったガラスが刺さったんだ。
「何か、巻いておく布みたいなのはないかなあ」
「いいよ、少し休んだら、痛みはなくなるからさ」
タケルとモンタとウリ坊は、ホラ穴の中をいろいろ探してみたが、布なんかあるわけがない。
「あれ、奥にたき火の跡がある。まだ消したばかりみたいだ。それにカベにはなんか絵みたいなものが描いてある」
これは、ひょっとして古代人の洞くつか?
六年生が社会科の授業でやっていたぞ。そうだ、古代人のへき画だ!
「ここに古代人が暮らしていたんだ。ひょっとすると大発見だぞ!」
「この絵、動物を描いたんだな。ほら、こんな大きなしっぽがある」
「この絵も、この絵もみんなしっぽがついているぞ。これは動物が描いたんだ。人間なんかが描いた絵じゃない。ひょっとして伝説のサルの古代文明じゃないか?昔、サルは人間よりかしこかったんだ」
モンタが知ったかぶりをしてそういった。
「違うよ、人間が動物の種類を間違えないように、この形のしっぽはこの動物だなんて、説明のために描いたのさ」
「しっぽなんていちいち気にして生きてるかなあ。しっぽがあったってなくったって、しっぽが大きくたって小さくたって、みんないっしょに生きているんだぞ」
ウリ坊は自分の細くて小さいしっぽを、プルプル振りながら言った。
「そんな、しっぽの違いなんて気にする人間はいないさ。これは絶対サルだ。サルの古代文明だ」
サルに古代文明があった!これはモンタにとって大切なことなのだ。
「まあ、サルの文明があってもおかしくはないか。でも、モンタってしっぽが立派じゃないよな。ちょこんとしかないじゃないか。立派な文明があって、なんでそんなにしっぽが短いの?」
「これにはね、ひどいわけがあるんだ。昔、まだしっぽが長かった時ね、ご先祖さまが、池の氷に穴を開けて釣りをしてる人間に出会ったんだ。そのころ、人間とは仲良かったんだよ。冬の寒い時でさ、食べ物が何にもない時だった。その人間が、次から次へとおもしろいくらいお魚を釣りあげるんだ。『オレも釣りたいよ』って言ったら、人間が『それじゃあ、その長いしっぽをこの氷の穴につけておいてごらん。すぐ魚がエサだと思って食いついてくるよ』と教えてくれて、自分は帰っていった。しめた!と思ったご先祖様は、長いしっぽを氷の穴につけてみた。すると、すぐにしっぽをコチョコチョくすぐるものがいる。かかったかな?と思ったけれど、いやいやもっとでかいやつがくいつくまで待っていようと思ったんだ。そのうち、しっぽが重く重くなって、穴に引っ張りこまれそうになった。こりゃあ大物だ!って引っ張ろうとしたんだ。でも全然抜けなくなった。それもそのはず、穴が凍ってしまって、しっぽがカチカチになって抜けなくなったんだ。大変だ!そう思って、思いっきり引っ張った。プツン!とうとうしっぽが切れちゃった。それ以来、おさるはしっぽが短くなったんだよ。おしりのまわりが真っ赤になってね。サルと人間はそれから仲が悪くなったんだよ」
「あはは、人間にだまされちゃったんだ。でもその話、むかしなんか絵本で見たことがある。相手は人間じゃなかったような・・・」
「だから、神様は、見分けやすいように、意地の悪い人間にはしっぽをつけなかったんだよ」
「じゃあ、いい人は尻尾がはえてるのかなあ?」
ウリ坊が真剣な顔をして聞いた。
「だから、タケルもいい子にしてたらしっぽがはえてくるって話だよ」
「そりゃ、オレいやだ。でも、ウリ坊のしっぽだって細くて短いのに、なんでぽんちゃんだけ、そんなでっかいしっぽをつけてるんだ?でっかくって、動き回るのにじゃまだし、目立ちやすいのにさ」
ぽんちゃんはさっきから何にもしゃべらない。ぐったりして、ガラスがささった足を伸ばしてふせったままだ。血はだいぶん止まってきたけど、やっぱり痛いんだ。
「いいところはいっぱいあるんだぞ。しっぽを抱いて寝るとやわらかくて温かいし、それに目印になるしさ」
力なくそれだけ言い返した。
ゴロゴロドッカン!
雷だ!稲光が光って、近くにドッカンと落ちたんだろうか。穴の外は突然の大雨になった。ちょうど、洞くつの中にいてよかった。
奥から人の声がした。洞くつの中にひびき渡るような大きな声だ。
「しっぽの大きさや、しっぽがあるかないかで動物の値打ちは変わらんぞ。みんな違ってみんないいんじゃ。そこのカベの絵はわたしが描いたのだ。どうだ、それぞれのしっぽの特徴がよくわかっていい絵じゃろう」
突然姿をあらわしたお年寄り。
「えっ、あなたはだれですか?ここの穴に住んでる方ですか?」
「そういえば、島のうらっかわに海神様が住んでるって話を聞いたことがあるぞ」
モンタが言った。
「じゃあ、あなたがその海神様なのか!」
「ウミガミ?おほん!まあそんなものかな」
「海神様!ぽんちゃんが足をケガしたんです。ガラスをふんじゃったんです。歩けないんです。お願いします。どうか助けてください」
「そうか、よっしゃ。みせてごらん」
そういって海神様は、持っていた赤い手拭いでぽんちゃんの肉球からにじんだ血をぬぐい取った。
「ガラスのかけらはもう入ってないようじゃな」
そう言うと、なんかねばっとしたものを口から出した。海神様、つばで薬を作るんだ。ワカメの干したみたいなのにそれをぬりたくって、ぽんちゃんの足にペタッとはった。
「これでほんの少し待てばすぐに歩けるようになるじゃろう」
「ありがとうございました。お礼にこのスナック菓子をどうぞ」
まだ開けたばかりの袋だったんだぞ。海神様はそれを受け取ると、あっという間に半分くらいバリバリボリボリ食べてしまった。ほら、ウリ坊の目がとてもうらめしそうだ。
「しかし、人間というやつは、いろんなものを海に捨てていくのう。ほら、この目の前の砂浜だって、打ち上げられた人間のゴミでいっぱいじゃ」
すっかり雨が上がって、目の前の小さな砂浜がよく見えた。
「本当だ。いろんなものが打ち上げられているぞ!浜じゅういっぱいゴミだらけだ」
「ホントだね。島のうらっかわはゴミばっかりだ」
「おい、モモタロウ少年。これから島のオニ退治じゃなくて、ゴミ退治をやらんか」
「よし、やろうやろう!みんな、これからこの浜のゴミ退治だ。モモタロウ探検隊はこれからモモタロウそうじ隊に変身だ」
「おおっ!」「オオッ!」
「まあ、岩場を歩くよりはその方がいいか」
そのころ、村上商店は大騒動だった。
お昼前のころだ。おばあちゃんがタケルを心配して村上商店までむかえにきた。ちょうど店先にいたなみ子さんとみな子さんに向かって
「今日は朝からタケルがお世話になって、ありがとうね」と言ったんだ。
「えッ!今日タケちゃん、うちに来てないよ」
二人が同時に答えた。
「朝からお姉ちゃんたちに応援練習を教えてもらうって言ってたけどねえ。どこに行ったんだろう。雨もふるし、もうお昼になるのに」
「そういえば、なんとか探検隊の夏旅行だって、今度島一周を計画してるとか、この間言ってたよ」
「カミナリも鳴ってるっていうのに、本当に心配ねえ」
村上商店のおばさんも心配して話に入ってきた。
そこに和尚さんがバイクでやってきた。
「そういやあ、タケルくん、今朝はやく、うちの寺の前で見かけたぞ。声をかけたら、『この辺を散歩するんだ』って。『この先の岩場の方は危ないから行くんじゃないよ』って言ったら、『行かないよ』って笑ってたんだが、もっと強く言っとけばよかったかなあ」
「そこだ!島のうらっかわに行ったんだ。このあいだから、オレにも島のうらっかわはどうなってるのか、しきりに聞いたもの」
PTA会長のおじさんも心配しだした。
「えっ、そりゃ大変。父さん大変でしょ!みんなに知らせなきゃ」
みんなが急にあわてだした。だって島のうらっかわって、岩がごつごつしていて、波が荒くて、人なんてほとんど行かない。子ども一人で、とても行けるような所じゃないのだ。
そのうちタケルのじいちゃんも来て、中原先生と校長先生も来て、漁協の組合長さんも来て、
「タケルくんを知りませんか?」
って島じゅうに有線放送が流れた。島の人みんながそうさく隊になったんだ。
ぽんちゃんはすっかり元気になった。休んだせいか、海神様の薬がきいたせいかわからないけど、先頭にたってゴミひろいを始めた。モンタとウリ坊もしかたなくぽんちゃんに従った。タケルは砂浜の真ん中ででみんなを指図している。だって、モモタロウにはゴミの分別という大切な仕事があるのだ。
プラごみはこっち、金属はあっちなんて、人間にしか指図できないぞ。
「モモタロウって楽だよな。オレたちばっかり動き回ってさ!」
モンタは文句ばっかり言いながら、でも、いろんなものを拾ってくる。ウリ坊はスナック菓子を一つも分けてもらえず、ちょっとごきげんななめだ。
「アーアッ。真夏の海の太陽は暑くてしようがないよ。ちょっと太りすぎたかな。動きにくくてしょうがない」
そう言いながら、それでもいろんなものを鼻先で転がして持ってくる。
「へえ、サッカーボールだ。でも、空気が抜けているよ。なんだ、これ?首なし人形じゃないか。わあ気持ち悪い。あっ、頭はこっちにあるぞ。でも、大きさが全然違ってるよな」
「ほら見てみろ。いろんなものが流れて来てるじゃろうが。海じゅうゴミだらけじゃ。これだけ海を汚してしもうて、人間は一体なにを考えておるんだ」
海神様はそばの岩に座って、タケルにいろいろ言ってくる。人間界の悪口ばっかりだ。
口の悪い神様だ。でも、カミサマ・・・?
洞くつから出てきて初めて気が付いた。黒いTシャツに白いハーフパンツだ。それに、後ろに付いてる赤いひもみたいな手ぬぐい。しっぽなのか?変な神様だ。
ふと、ポンポンポンと音を立てながら浜に近寄ってくる漁船に気が付いた。
すると、今まで動き回っていたぽんちゃんとモンタとウリ坊が、みんな木かげの奥に消えていった。おや、海神様もいなくなった。
「おーい、タケル!みんなが探したんだぞ!」
漁協の組合長さんと村上商店のおじさんだ。
「ほんとに世話をやかせるやつだな。こんなところで何をしてたんだ」
「おや、このゴミ、すごいじゃないか。これみんなタケルくんが拾ったのか?」
「みんなで一緒に拾った。海神様が喜んでくれたよ」
「だって、きみ一人しかいないじゃないか。一人でこんなに大変だったろう」
「すごいなあ、タケルくん一人で島のうらっかわをきれいにしてくれたなんて!この浜には時々ウミガメが上がってくるけど、人間はまず来ないところだぞ」
ウミガミさまじゃなくてウミガメさまか?
「すごいすごい、いや、よくやってくれた。でもな、だまって一人でこんなところまで来ちゃいけないよ。帰ってから、まずお説教だ!」
なんか、ほめられたんだか、しかられたんだか・・・
前から計画してた島のまわりの探検だ。なみ子さんとみな子さんは、
「うちに来て運動会の練習よ!」
なんて言うけれど、夏休みだぞ。運動会なんてずっとずっと先のことだ。
朝、ばあちゃんに
「今日は村上商店に行って、運動会のことを教えてもらうから、おそくなるよ」
ってウソをついた。
きょうはたっぷり時間がある。
「漁港の向こうの、お寺の前に集合だ。そこから、砂浜を通って岩を越えてとにかく海岸をずっとずっと歩いて、島を一周だ」
「うーん海岸かあ。ぼくはにがてだなあ」
「ウリ坊、いやなのか?じゃあいいよ。オレたち三人で行くから」
タケルがわざと冷たく言ったら、
「そんなふうに言っちゃあウリ坊がかわいそうだよ。最近タケルは言い方がひどいぞ」
「タケルと違ってオレたちはクツをはいてないんだから。暑い砂浜や岩場を歩くのは苦手なんだよ」
モンタやぽんちゃんからも文句言われた。
「いいよ、じゃあみんなついてくんな!オレ一人で探検するからさ。この探検は、オレ、ずっと前から計画してたんだぞ」
「分かったよ。行くよ行くよ。タケル一人じゃ心配だもんな」
ぽんちゃんがそう言って、みんなそろって行くことになった。
「タケルを一人にしちゃ、何をするかわかんないよ、本当に危ない子だもん」
さあ、モモタロウ探検隊、出発だ!
漁港の先のお寺の前に集合。ここから先は道がないんだ。家も建物も、なんにもない。海岸は砂浜や岩ばっかりだ。あんなに岩の上をいやがってたのに、三匹の速いこと速いこと。ウリ坊なんて、岩場をピョンピョンとび越えていく。タケルは足もとに気を付けながら、波打ちぎわの岩場をおそるおそる進んで行く。人間の子にはこわくてしょうがないんだよ。
タケルはどんどん置いて行かれた。
「おーいタケル、だいじょうぶか?」
「だいじょうぶだけど、おまえら速すぎだぞ。なんでモモタロウを置いていくんだ。オレについてこいって言っただろ!」
「だっておそいんだもん」
「ほんと。いせいのいいことを言ってたくせに、世話がやけるやつだ。モモタロウなんて置いたまんまで、先にいくぞ!」
「しょうがないよ、モンタ。タケルにケガをさせちゃいけないから、ゆっくりゆっくりいこうよ」
ウリ坊はやさしく言った。
いつもそうだ。モンタのやつ、モモタロウさまに従おうって気がないんだ。いじわるなんだ。ウリ坊はいつだってやさしい。タケルの心のいやしだ。見てるだけで心がほっとしてくる。
「ウリ坊、最近急に大きくなってないか?背中のたてじまも、なんかうすくなってきたみたいだぞ」
「イノシシって成長が早いからな。これからどんどん食べてどんどん大きくなっていくぞ。もう少しで、オレたちの中で一番大きくなるよ」
ぽんちゃんが言った。
「えへッ、最近何を食べてもおいしくておいしくて。山にも里にも食べるものがいっぱいあるんだ。キュウリにナスビにトウモロコシだって食べごろだもんな。今、じいちゃんがみかんの摘果をしてるだろ。あの下に落とした青い実。あれだって、小さいけど下に落ちて何日かすると、やわらかくなってこれがうまいんだ。いくらでもあるから、毎日おなかいっぱい。それで、秋になったら今度はみかんが甘くなるし、おいもがたくさん食べられるし、カキやクリだって食べごろになる。ああ、楽しみがいっぱいだな」
「食いしん坊だな。ウリ坊にはそのままのウリ坊でいてほしいよ。あんまり太ると、あのでっかい岩なんか越えられなくなっちゃうぞ」
「大きくなったぶん、足が強くなってくるんだ。あんな岩なんかへっちゃらだい。簡単に飛び越えられるさ。それにぼくだけじゃなくて、そういうぽんちゃんだってずい分おなかが出てきたぞ。タケルくんだってどんどん大きくなってるじゃないか」
「あんまり無茶して岩の上を飛びまわるなよ。海の中にドボンと落ちちゃうぞ」
「海なんか平気さ。ぼくのご先祖様はね、本土から泳いでこの島に渡ってきたんだ」
そういって、ウリ坊は先頭に立って岩場をどんどん進んでいった。
真夏の太陽が照りつけて、真っ青な海と白い波が光りかがやいている。でも、景色にはあんまり目がいかない。だって、ちょっと目をはなしたら、落っこちてしまう。
ずいぶん歩いた。でも、島のうらっかわって、本当にごつごつした岩ばっかりだ。なんにもない。
「これじゃあ、人なんて来るわけないな」
「動物だってこんな食べるものがないところ、ぜったい来ないよ」
ウリ坊には食べるものがあるかどうかが大問題なんだ。
あれ、ぽんちゃんがちょっと変だ。
そういえばさっきからぜんぜんしゃべらなくなった。ウリ坊が先頭を行って、モンタがすぐそのあとを追っかけて、ちょっと遅れてタケルがついていく。三人で話してたから気がつかなかったが、ぽんちゃんはずっと遅れてゆっくりゆっくり歩きながらついてくる。
「おーい、ぽんちゃんだいじょうぶかァ?」
「うーん、さっきガラスをふんじゃったんだ。ちょっと足に血がにじんでる。こういう岩場って苦手なんだよな」
そりゃ大変だ。早く言えばいいのに
「おーい、ウリ坊、モンタ。ここらで休けいだ。ぽんちゃんを休ませてやろうよ。そこに洞くつみたいなのがある。その中で休もう。この間、村上商店で買ったスナック菓子があるんだ。それを分けて食べよう」
「わーい、やったあ!」
先を行ってたウリ坊は、お菓子と聞いてすぐにかけもどってきた。
大きな岩山に、波でくりぬかれたような洞くつがあった。海のすぐそばだから、満潮になったらすぐ水につかってしまうんだろう。海そうでぬるぬるしている。
ぽんちゃんが足を引きながらやっと到着した。
みんな洞くつに集合だ。
「よし、全員集合。ぽんちゃん、ちょっと見せてみろ。だいじょうぶか?」
ぽんちゃんは海そうでぬるぬるした岩の上に両足をのばした。
「うん。さっき刺さってたガラスは取ったんだけど、ほらここに血がにじんでる。ぬれたところを歩くと海水がしみて痛いんだ」
ホントだ。肉球から血がにじんでる。とがったガラスが刺さったんだ。
「何か、巻いておく布みたいなのはないかなあ」
「いいよ、少し休んだら、痛みはなくなるからさ」
タケルとモンタとウリ坊は、ホラ穴の中をいろいろ探してみたが、布なんかあるわけがない。
「あれ、奥にたき火の跡がある。まだ消したばかりみたいだ。それにカベにはなんか絵みたいなものが描いてある」
これは、ひょっとして古代人の洞くつか?
六年生が社会科の授業でやっていたぞ。そうだ、古代人のへき画だ!
「ここに古代人が暮らしていたんだ。ひょっとすると大発見だぞ!」
「この絵、動物を描いたんだな。ほら、こんな大きなしっぽがある」
「この絵も、この絵もみんなしっぽがついているぞ。これは動物が描いたんだ。人間なんかが描いた絵じゃない。ひょっとして伝説のサルの古代文明じゃないか?昔、サルは人間よりかしこかったんだ」
モンタが知ったかぶりをしてそういった。
「違うよ、人間が動物の種類を間違えないように、この形のしっぽはこの動物だなんて、説明のために描いたのさ」
「しっぽなんていちいち気にして生きてるかなあ。しっぽがあったってなくったって、しっぽが大きくたって小さくたって、みんないっしょに生きているんだぞ」
ウリ坊は自分の細くて小さいしっぽを、プルプル振りながら言った。
「そんな、しっぽの違いなんて気にする人間はいないさ。これは絶対サルだ。サルの古代文明だ」
サルに古代文明があった!これはモンタにとって大切なことなのだ。
「まあ、サルの文明があってもおかしくはないか。でも、モンタってしっぽが立派じゃないよな。ちょこんとしかないじゃないか。立派な文明があって、なんでそんなにしっぽが短いの?」
「これにはね、ひどいわけがあるんだ。昔、まだしっぽが長かった時ね、ご先祖さまが、池の氷に穴を開けて釣りをしてる人間に出会ったんだ。そのころ、人間とは仲良かったんだよ。冬の寒い時でさ、食べ物が何にもない時だった。その人間が、次から次へとおもしろいくらいお魚を釣りあげるんだ。『オレも釣りたいよ』って言ったら、人間が『それじゃあ、その長いしっぽをこの氷の穴につけておいてごらん。すぐ魚がエサだと思って食いついてくるよ』と教えてくれて、自分は帰っていった。しめた!と思ったご先祖様は、長いしっぽを氷の穴につけてみた。すると、すぐにしっぽをコチョコチョくすぐるものがいる。かかったかな?と思ったけれど、いやいやもっとでかいやつがくいつくまで待っていようと思ったんだ。そのうち、しっぽが重く重くなって、穴に引っ張りこまれそうになった。こりゃあ大物だ!って引っ張ろうとしたんだ。でも全然抜けなくなった。それもそのはず、穴が凍ってしまって、しっぽがカチカチになって抜けなくなったんだ。大変だ!そう思って、思いっきり引っ張った。プツン!とうとうしっぽが切れちゃった。それ以来、おさるはしっぽが短くなったんだよ。おしりのまわりが真っ赤になってね。サルと人間はそれから仲が悪くなったんだよ」
「あはは、人間にだまされちゃったんだ。でもその話、むかしなんか絵本で見たことがある。相手は人間じゃなかったような・・・」
「だから、神様は、見分けやすいように、意地の悪い人間にはしっぽをつけなかったんだよ」
「じゃあ、いい人は尻尾がはえてるのかなあ?」
ウリ坊が真剣な顔をして聞いた。
「だから、タケルもいい子にしてたらしっぽがはえてくるって話だよ」
「そりゃ、オレいやだ。でも、ウリ坊のしっぽだって細くて短いのに、なんでぽんちゃんだけ、そんなでっかいしっぽをつけてるんだ?でっかくって、動き回るのにじゃまだし、目立ちやすいのにさ」
ぽんちゃんはさっきから何にもしゃべらない。ぐったりして、ガラスがささった足を伸ばしてふせったままだ。血はだいぶん止まってきたけど、やっぱり痛いんだ。
「いいところはいっぱいあるんだぞ。しっぽを抱いて寝るとやわらかくて温かいし、それに目印になるしさ」
力なくそれだけ言い返した。
ゴロゴロドッカン!
雷だ!稲光が光って、近くにドッカンと落ちたんだろうか。穴の外は突然の大雨になった。ちょうど、洞くつの中にいてよかった。
奥から人の声がした。洞くつの中にひびき渡るような大きな声だ。
「しっぽの大きさや、しっぽがあるかないかで動物の値打ちは変わらんぞ。みんな違ってみんないいんじゃ。そこのカベの絵はわたしが描いたのだ。どうだ、それぞれのしっぽの特徴がよくわかっていい絵じゃろう」
突然姿をあらわしたお年寄り。
「えっ、あなたはだれですか?ここの穴に住んでる方ですか?」
「そういえば、島のうらっかわに海神様が住んでるって話を聞いたことがあるぞ」
モンタが言った。
「じゃあ、あなたがその海神様なのか!」
「ウミガミ?おほん!まあそんなものかな」
「海神様!ぽんちゃんが足をケガしたんです。ガラスをふんじゃったんです。歩けないんです。お願いします。どうか助けてください」
「そうか、よっしゃ。みせてごらん」
そういって海神様は、持っていた赤い手拭いでぽんちゃんの肉球からにじんだ血をぬぐい取った。
「ガラスのかけらはもう入ってないようじゃな」
そう言うと、なんかねばっとしたものを口から出した。海神様、つばで薬を作るんだ。ワカメの干したみたいなのにそれをぬりたくって、ぽんちゃんの足にペタッとはった。
「これでほんの少し待てばすぐに歩けるようになるじゃろう」
「ありがとうございました。お礼にこのスナック菓子をどうぞ」
まだ開けたばかりの袋だったんだぞ。海神様はそれを受け取ると、あっという間に半分くらいバリバリボリボリ食べてしまった。ほら、ウリ坊の目がとてもうらめしそうだ。
「しかし、人間というやつは、いろんなものを海に捨てていくのう。ほら、この目の前の砂浜だって、打ち上げられた人間のゴミでいっぱいじゃ」
すっかり雨が上がって、目の前の小さな砂浜がよく見えた。
「本当だ。いろんなものが打ち上げられているぞ!浜じゅういっぱいゴミだらけだ」
「ホントだね。島のうらっかわはゴミばっかりだ」
「おい、モモタロウ少年。これから島のオニ退治じゃなくて、ゴミ退治をやらんか」
「よし、やろうやろう!みんな、これからこの浜のゴミ退治だ。モモタロウ探検隊はこれからモモタロウそうじ隊に変身だ」
「おおっ!」「オオッ!」
「まあ、岩場を歩くよりはその方がいいか」
そのころ、村上商店は大騒動だった。
お昼前のころだ。おばあちゃんがタケルを心配して村上商店までむかえにきた。ちょうど店先にいたなみ子さんとみな子さんに向かって
「今日は朝からタケルがお世話になって、ありがとうね」と言ったんだ。
「えッ!今日タケちゃん、うちに来てないよ」
二人が同時に答えた。
「朝からお姉ちゃんたちに応援練習を教えてもらうって言ってたけどねえ。どこに行ったんだろう。雨もふるし、もうお昼になるのに」
「そういえば、なんとか探検隊の夏旅行だって、今度島一周を計画してるとか、この間言ってたよ」
「カミナリも鳴ってるっていうのに、本当に心配ねえ」
村上商店のおばさんも心配して話に入ってきた。
そこに和尚さんがバイクでやってきた。
「そういやあ、タケルくん、今朝はやく、うちの寺の前で見かけたぞ。声をかけたら、『この辺を散歩するんだ』って。『この先の岩場の方は危ないから行くんじゃないよ』って言ったら、『行かないよ』って笑ってたんだが、もっと強く言っとけばよかったかなあ」
「そこだ!島のうらっかわに行ったんだ。このあいだから、オレにも島のうらっかわはどうなってるのか、しきりに聞いたもの」
PTA会長のおじさんも心配しだした。
「えっ、そりゃ大変。父さん大変でしょ!みんなに知らせなきゃ」
みんなが急にあわてだした。だって島のうらっかわって、岩がごつごつしていて、波が荒くて、人なんてほとんど行かない。子ども一人で、とても行けるような所じゃないのだ。
そのうちタケルのじいちゃんも来て、中原先生と校長先生も来て、漁協の組合長さんも来て、
「タケルくんを知りませんか?」
って島じゅうに有線放送が流れた。島の人みんながそうさく隊になったんだ。
ぽんちゃんはすっかり元気になった。休んだせいか、海神様の薬がきいたせいかわからないけど、先頭にたってゴミひろいを始めた。モンタとウリ坊もしかたなくぽんちゃんに従った。タケルは砂浜の真ん中ででみんなを指図している。だって、モモタロウにはゴミの分別という大切な仕事があるのだ。
プラごみはこっち、金属はあっちなんて、人間にしか指図できないぞ。
「モモタロウって楽だよな。オレたちばっかり動き回ってさ!」
モンタは文句ばっかり言いながら、でも、いろんなものを拾ってくる。ウリ坊はスナック菓子を一つも分けてもらえず、ちょっとごきげんななめだ。
「アーアッ。真夏の海の太陽は暑くてしようがないよ。ちょっと太りすぎたかな。動きにくくてしょうがない」
そう言いながら、それでもいろんなものを鼻先で転がして持ってくる。
「へえ、サッカーボールだ。でも、空気が抜けているよ。なんだ、これ?首なし人形じゃないか。わあ気持ち悪い。あっ、頭はこっちにあるぞ。でも、大きさが全然違ってるよな」
「ほら見てみろ。いろんなものが流れて来てるじゃろうが。海じゅうゴミだらけじゃ。これだけ海を汚してしもうて、人間は一体なにを考えておるんだ」
海神様はそばの岩に座って、タケルにいろいろ言ってくる。人間界の悪口ばっかりだ。
口の悪い神様だ。でも、カミサマ・・・?
洞くつから出てきて初めて気が付いた。黒いTシャツに白いハーフパンツだ。それに、後ろに付いてる赤いひもみたいな手ぬぐい。しっぽなのか?変な神様だ。
ふと、ポンポンポンと音を立てながら浜に近寄ってくる漁船に気が付いた。
すると、今まで動き回っていたぽんちゃんとモンタとウリ坊が、みんな木かげの奥に消えていった。おや、海神様もいなくなった。
「おーい、タケル!みんなが探したんだぞ!」
漁協の組合長さんと村上商店のおじさんだ。
「ほんとに世話をやかせるやつだな。こんなところで何をしてたんだ」
「おや、このゴミ、すごいじゃないか。これみんなタケルくんが拾ったのか?」
「みんなで一緒に拾った。海神様が喜んでくれたよ」
「だって、きみ一人しかいないじゃないか。一人でこんなに大変だったろう」
「すごいなあ、タケルくん一人で島のうらっかわをきれいにしてくれたなんて!この浜には時々ウミガメが上がってくるけど、人間はまず来ないところだぞ」
ウミガミさまじゃなくてウミガメさまか?
「すごいすごい、いや、よくやってくれた。でもな、だまって一人でこんなところまで来ちゃいけないよ。帰ってから、まずお説教だ!」
なんか、ほめられたんだか、しかられたんだか・・・
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