ジュエリー戦士Shining Guardians

岩下穂乃香

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第23話 重なる4人の想い、シャイニングアロー誕生!

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 愛華はあきらめずに檻から出る方法を模索し続けた。しかし、希実や優美さんの言うとおり、脱出する手立ては見つけられずにいた。そのとき、優美さんがその場に倒れる。
「優美さん?」
愛華が優美さんの側に駆け寄る。優美さんはか細い声で、
「もう時間がないかもしれないわ」
と言う。どうすればいいのか愛華はますます悩み始めた。優美さんが倒れたということは、希実と夢ちゃんが倒れるのも時間の問題のように感じる。

 そのとき、檻の前にゴングルが姿を現した。
「大魔王様の命令で、早くとどめを刺せとのことだ」
ゴングルはそう言って、愛華たちに襲い掛かってくる。
(このまま倒されるなんて嫌! お願い、私たちに何か力を…)
愛華は立ち上がり、ただただ祈り始めた。そのとき、愛華の体がピンク色の光に包み込まれる。それに呼応するように希実の体が黄色の光に、優美さんの体が青色に、夢ちゃんの体が紫色の光に包み込まれる。
「こんなところであきらめたくない!」
希実がそう言って立ち上がる。
「まだやり残してきたことたくさんあるしね。こんなところで最期を迎えるなんて、情けないことにはしたくない!」
続けて、夢ちゃんが立ち上がる。
「こんなところで死にたくないわ。私は生きて、もっとやりたいことがたくさんあるの」
最後に優美さんがゆっくりと立ち上がった。
「まさか…」
ゴングルが立ち上がった愛華たち4人に唖然としている。そのとき、奪われたはずのコンパクトが愛華たちの目の前にあらわれた。そしてコンパクトの隣には弓のようなアイテムがある。
「それはジュエリー王国で真の力に目覚めた戦士たちが持っていたアイテム、シャイニング・アロークク。変身してシャイニング・アローを持ってシャイニング・フレアと言って攻撃するクク」
愛華たちはクォーツの言葉に頷き、
「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「サファイアパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「アメジストパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「炎と愛の戦士、シャイニールビー」
「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」
「水と誠実の戦士、シャイニーサファイア」
「癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト」
と変身する。ルビーたち4人それぞれシャイニング・アローを構え、
「シャイニング・フレア」
と言い、弓矢を引く。
「アアアアア…」
ゴングルが叫び声をあげて倒された。ゴングルが倒されると、檻が消えてルビーたちはいつの間にか元の学校に戻っていた。いつもと違い、心の輝きを奪われた人たちも既に目を覚ましている。
「それだけシャイニング・アローが強い力を持っているってことかもしれないクク」
ルビーたちもクォーツもまだシャイニング・アローの秘められた力を知らずにいた。でもルビーは、トパーズやサファイア、アメジスト、そしてクォーツと共にドンケル王国から無事生還できたこと、それだけで嬉しい気持ちでいっぱいだった。ルビーは変身を解除し、トパーズたちに抱きつく。トパーズたちはびっくりしたような表情を見せつつも変身を解除し、愛華のことを抱きしめ返す。
「私、みんなでこうしてここに戻ってこられたことがとても嬉しいの。これから誰も欠けることなくドンケル王国との戦いを終わらせたい。できるよね?」
愛華は希実たちに聞く。
「この危機を乗り越えられただから、きっと大丈夫だよ。そう信じよう」
希実が愛華を安心させるように言ってくる。優美さんと夢ちゃんも同意であるかのような表情で頷く。愛華も希実の言葉に安心し、笑顔を見せた。
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