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3話 「修正11/29」

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  やばいやばいやばいやばい、まさか............... 







  俺は倒れていたところを助けてくれたエマというエルフの女の子と一緒にパンデモの街のギルドを訪れていた。

「初めての方ですね。私はこのギルドの窓口受付嬢をしておりますエイミー=グランチェと申します」

  ダンジョンの運営管理をする「ギルド」の窓口受付嬢、エイミー=グランチェ。
  丸みを帯びたモフモフの耳に澄んだ黒色の瞳。セミロングのブラウンの髪。
ギルドの制服である黒いスーツとパンツを綺麗に着こなす大人びた感じの女性だ。
  仕事熱心でありながら親しみやすいと評判の彼女は、ケット・シーである。
  彼女目立てでギルドに来る者も後を絶たない。それだけ魅力のある女性なのだ。


「あの、冒険者になりたいんですけど」

「ではこの書類にサインをお願いします」

 そう言うとエイミーさんは書類を俺に手渡した。

  俺は言われた通り、書類にサインをする。
  ・・・オオノ・タケルっと。

「それでは登録料金として50ゴールドを貰いますね」

  ・・・ん!?50ゴールドだと!?!?
 
 何回かPRGをやったことがあるのでゴールドと聞くとお金のことだとすぐに分かった。

 俺は急いでポケットやらズボンの裾やらを探した。
 当然、異世界に放り込まれた俺はこの世界のお金などない。
 まぁ、元いた世界のならあるけど。
 でも、ここではそのお金は使えないだろう。
 それにそもそも円とゴールドの価値が違う。
 この世界では1円が15円の価値がある。
 例えるのなら、日本では160円を出せば飲み物が買える。
 だが、ここでは160円で宿に泊まれるということになる。

 なんて、安いんだ!

 俺はこの世界の素晴らしさに感銘を受けた。
 しかし、問題もある。 
 それは、この世界ではゴールドを稼ぐことは死と隣り合わせということなのだ。
 様々なモンスターと戦わなければならないし、もしくは他の冒険者にやられる・・・ということもあるそうだ。
 正しく言うと、冒険者ではなく盗賊かな?
 肩書きは冒険者だが、やってるとこは殺しや盗みといった卑劣な行為ばかりだ。


 それはともかく、俺は現在、金がない。
 んー、どうしようか。
 まぁ、この世界にもレストランとか色々な店がある。
 そこで働いて金を稼ぐのも一つの手だが、ここまで来て働くのは一切ゴメンだ!
 

やばいやばいやばい、まさかここでつまずくとはな.........。
だが、ここでつまずいている時間など俺にはない。
エマに借りるか・・・でも、俺のプライドが許さない。
しかし、お金がなくちゃ何も進まないし始まりもしない。

そして、俺は決心する。
-----------プライドを捨てお金を借りると..........!!!

「エマ。50ゴールドを貸してくれ」

 と俺はエマに言う。
 すると、

「随分と上から目線ですね。人に物を頼む時の礼儀があるでしょう」
 
 と返事が返って来た。

「・・・礼儀と言いますと」

「土下座ですよ」

  土下座か............ 前の俺なら抵抗しただろう。
 だが、今の俺は違う........!!プライドを捨てたからな!!!!!
  俺は綺麗かつ完璧なスライディング土下座を披露した。
 周りからは哀れみの視線が集まる。
 が、そんなもの知ったとこか!
 早くお金を借りなければならないのだから!

  (ふん、これなら何も文句ないだろう!)

 俺は心の中で自信ありげにそう思った。

  しかし、エマは胸を触った仕返しだろうか。無茶な事を言いだしてきた。

「いいでしょう。でも、あれを忘れたとは言わせませんよ。さあ!私の靴を舐めてください!」

  な、なにっ!?
  ・・・まあいいだろう。今の俺には容易(たやす)い事だ。
 
 俺は彼女の靴を舐めた。

「え?」

「ん?」

  2人の間に漂う不穏な空気...............
 エマはびっくりした顔でこちらを見ている。

 ・・・そして、                              

「じょ、冗談で言ったんですけどまさか本当にしてしまうとは・・・あっ、貴方にはプっ、プライドというものが無いんですか!」                                                                               

 と慌てた様子で言ってきた。

  (プライドとはなんぞや?)

「・・・もういいです....... 50ゴールドぐらい出してあげますよ........」

「ありがとぉぉぉぉおお!!!!!」

  こうして、俺は冒険者達の仲間入りをした。
 
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