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3話 別れは突然に
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君が家族に来た日から2年が経った。
僕は小学3年生でいじめっ子君ともクラスが離れ関わることがなくなった。
学校から帰れば君が待っててくれる。
そう思い始めてから学校に行くのも悪くは無いかなと思い始めていた。
君は2歳だけどもう立派な柴犬に育った。
僕はこんな平和が続くと思っていた。
「ママ!いってきまーす!」
「車には気をつけるのよ!」
「ワンワンッ!」
土曜日の朝。天気も良く風当たりも良いので君をつれてお散歩へ出かけた。
いつもは学校帰りに散歩に行くので暗くならないうちにと短いコースで散歩をしていた。
でも今日は違う。
朝ということもあり、明るいので長いコースでお散歩していた。
「○○ー!外気持ちいいねー!」
「ワンっ!」
君も尻尾を振って喜んでいたのでそのまま人通りが少ない道を歩いていた。
途中で小さな公園を発見した。
「見て!小さな公園だよ!遊んでいこうか!!」
僕は君を連れ公園にはいった。
新たな発見が嬉しくて浮かれていた。
君のリードを外し自由にさせた。
「よし!追いかけっこだー!」
僕が逃げるから追いかけてね!と無邪気に遊んでいた。
沢山走り回り、沢山笑い、沢山汗をかいた。
「休憩しようか~」
そう言って僕は水道水の水を犬専用のお皿に注ぎ君に渡した。
君も沢山遊んで水を飲んでいた。
その時だった。
僕は知らない男性に鼻と口を抑えられ車に乗せられた。
遊びに夢中で車が来てたことになんて気づきもしなかった。
お母さんに車には気をつけろと言われたというのに。
いつの間に意識がなくなっており目が覚めると僕は煙臭い汚い工場にいた。
縄で両足両腕を括りつけられていたので立ち上がることさえ出来なかった。
括りつけられてること以外痛みはなかった。
「よぉー起きたかぁ坊主」
声の低い男が1人だけ。
僕をさらった張本人。
「まぁ暴れんなって。暴れたって誰も来やしねぇ」
そう言って男はポケットから果物ナイフを取り出した。
「これから坊主は俺の遊び相手になってもらおうと思ってなぁ~」
「·····おじさん何言って·····」
僕が話した瞬間、男はナイフを振った。
外れたのか外したのかは分からない。
ただ、分かったのは、
あ、僕殺される
それだけだった。
男の目は本物。そこら辺のイキリじゃない。
狂ってた。
「なぁ坊主。なんで人間ってこんな多いと思う?」
「それは」
もう、だめだ。僕の人生のピリオドを打たれる。
「殺してもいいよってことなんじゃねぇーかな!!!!!???」
男は勢いよくナイフを振り下ろした
「··········は?」
男はあっけを取られていた。
つぶった目をゆっくりと開くと目の前には
「○○!!」
「グルルルルッ!!」
君がいた。
君の鼻からは先程男が振り下ろしたナイフが当たり血だらけとなっていた。
恐らく嗅覚がやられているだろう。
「逃げろ!!だめだ!僕なんか置いていけ!!」
このままだと君が死ぬ
僕のせいで君が死ぬ
そんなの嫌だ。
嫌なのに。
君はそんなこと聞く耳すら持ってくれない。
「グルルルルルッ!!ワンワンッ!!」
男は焦り強くナイフを握る
「ち、ちくしょー!この馬鹿犬がぁぁ!!」
男は君に対抗した。
止めてくれと神様に願う。
こんなにも無力な自分が悔しくて·····。
「ぐわぁぁ!!いってぇー!!」
君は男の腕をかみ喰らう。
男は痛みに耐えれず必死に抵抗。
「このやろぉぉ!!」
「やめろよぉぉぉぉぉ!!」
男は君の右目にナイフを振った。
背中にも足にも複数の切り傷を負う。
それでも君は離さない。
もうやめてくれ。
その時だった。
「そこの男直ちに武器を捨て手を上げろ!!」
パトカーだ。
警察も沢山来てくれた。
あぁ助かったこれでもう安心·····
「·····○○!!」
僕は手足の縄を解いてもらった後すぐに君の元へ走った。
君の意識は遠く僕の手の中で温かさが消えていく。
「まだ死ぬなぁぁ!!」
君には伝えたいことが沢山あるのに。
まだこれから楽しいことが沢山待っているのに。
君は尻尾を振り続ける。
「大丈夫·····すぐお医者さんの所に連れていくからぁ!!」
誰かお医者さんを呼んで。
早く。君が寝てしまう前に。
「だめだよ·····まだ待って·····!!」
君の嗅覚はもう機能せず
君の目は何も写さない。
ただ感じるのは僕の体温だけ。
その体温を微かに感じ
君は尻尾を振り続ける。
そして君は
尻尾を振るのやめた。
ねぇ、僕は後悔しているよ。
君は後悔していないのかい?
僕は小学3年生でいじめっ子君ともクラスが離れ関わることがなくなった。
学校から帰れば君が待っててくれる。
そう思い始めてから学校に行くのも悪くは無いかなと思い始めていた。
君は2歳だけどもう立派な柴犬に育った。
僕はこんな平和が続くと思っていた。
「ママ!いってきまーす!」
「車には気をつけるのよ!」
「ワンワンッ!」
土曜日の朝。天気も良く風当たりも良いので君をつれてお散歩へ出かけた。
いつもは学校帰りに散歩に行くので暗くならないうちにと短いコースで散歩をしていた。
でも今日は違う。
朝ということもあり、明るいので長いコースでお散歩していた。
「○○ー!外気持ちいいねー!」
「ワンっ!」
君も尻尾を振って喜んでいたのでそのまま人通りが少ない道を歩いていた。
途中で小さな公園を発見した。
「見て!小さな公園だよ!遊んでいこうか!!」
僕は君を連れ公園にはいった。
新たな発見が嬉しくて浮かれていた。
君のリードを外し自由にさせた。
「よし!追いかけっこだー!」
僕が逃げるから追いかけてね!と無邪気に遊んでいた。
沢山走り回り、沢山笑い、沢山汗をかいた。
「休憩しようか~」
そう言って僕は水道水の水を犬専用のお皿に注ぎ君に渡した。
君も沢山遊んで水を飲んでいた。
その時だった。
僕は知らない男性に鼻と口を抑えられ車に乗せられた。
遊びに夢中で車が来てたことになんて気づきもしなかった。
お母さんに車には気をつけろと言われたというのに。
いつの間に意識がなくなっており目が覚めると僕は煙臭い汚い工場にいた。
縄で両足両腕を括りつけられていたので立ち上がることさえ出来なかった。
括りつけられてること以外痛みはなかった。
「よぉー起きたかぁ坊主」
声の低い男が1人だけ。
僕をさらった張本人。
「まぁ暴れんなって。暴れたって誰も来やしねぇ」
そう言って男はポケットから果物ナイフを取り出した。
「これから坊主は俺の遊び相手になってもらおうと思ってなぁ~」
「·····おじさん何言って·····」
僕が話した瞬間、男はナイフを振った。
外れたのか外したのかは分からない。
ただ、分かったのは、
あ、僕殺される
それだけだった。
男の目は本物。そこら辺のイキリじゃない。
狂ってた。
「なぁ坊主。なんで人間ってこんな多いと思う?」
「それは」
もう、だめだ。僕の人生のピリオドを打たれる。
「殺してもいいよってことなんじゃねぇーかな!!!!!???」
男は勢いよくナイフを振り下ろした
「··········は?」
男はあっけを取られていた。
つぶった目をゆっくりと開くと目の前には
「○○!!」
「グルルルルッ!!」
君がいた。
君の鼻からは先程男が振り下ろしたナイフが当たり血だらけとなっていた。
恐らく嗅覚がやられているだろう。
「逃げろ!!だめだ!僕なんか置いていけ!!」
このままだと君が死ぬ
僕のせいで君が死ぬ
そんなの嫌だ。
嫌なのに。
君はそんなこと聞く耳すら持ってくれない。
「グルルルルルッ!!ワンワンッ!!」
男は焦り強くナイフを握る
「ち、ちくしょー!この馬鹿犬がぁぁ!!」
男は君に対抗した。
止めてくれと神様に願う。
こんなにも無力な自分が悔しくて·····。
「ぐわぁぁ!!いってぇー!!」
君は男の腕をかみ喰らう。
男は痛みに耐えれず必死に抵抗。
「このやろぉぉ!!」
「やめろよぉぉぉぉぉ!!」
男は君の右目にナイフを振った。
背中にも足にも複数の切り傷を負う。
それでも君は離さない。
もうやめてくれ。
その時だった。
「そこの男直ちに武器を捨て手を上げろ!!」
パトカーだ。
警察も沢山来てくれた。
あぁ助かったこれでもう安心·····
「·····○○!!」
僕は手足の縄を解いてもらった後すぐに君の元へ走った。
君の意識は遠く僕の手の中で温かさが消えていく。
「まだ死ぬなぁぁ!!」
君には伝えたいことが沢山あるのに。
まだこれから楽しいことが沢山待っているのに。
君は尻尾を振り続ける。
「大丈夫·····すぐお医者さんの所に連れていくからぁ!!」
誰かお医者さんを呼んで。
早く。君が寝てしまう前に。
「だめだよ·····まだ待って·····!!」
君の嗅覚はもう機能せず
君の目は何も写さない。
ただ感じるのは僕の体温だけ。
その体温を微かに感じ
君は尻尾を振り続ける。
そして君は
尻尾を振るのやめた。
ねぇ、僕は後悔しているよ。
君は後悔していないのかい?
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