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22 簡易的な橋
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異世界に来て以来、俺の行動範囲は限られていた。食料を確保し、住処を作り、畑を耕し、道具を作る。確かに充実している。だが、それはあくまでこの岸での話だ。
対岸がある。
向こう岸には、俺がまだ踏み入れていない未知の領域が広がっている。森があり、岩があり、見たことのない植物が茂っている。しかし、間に広がるのは川。渡る手段がない以上、対岸の探索は夢のまた夢だった。
「橋を作るしかないな」
渡れるなら、渡ればいい。それだけの話だ。俺は振動ノコギリを手に、川沿いの森で適当な木を切り倒し、丸太を作り始めた。
「こんなもんか」
十数本の丸太を削り、組み合わせる。綱代わりに異世界の強靭な蔓を巻きつけ、簡易的な橋を作る。もちろん、こんなものは仮設にすぎない。もっと頑丈な橋を作るためには、まず向こう岸に渡る必要があるのだ。
数日後、橋は完成した。
「よし、渡るぞ」
試しに足を踏み入れる。木材はしっかりと固定されており、問題なく歩けそうだった。慎重に進み、ついに俺は対岸へと到達する。
……が。
夜になって異変が起きた。
川の水面に、突如として光る模様が浮かび上がったのだ。
「なんだこれ……?」
川の流れに沿って、青白い光がちらちらと揺らめいている。まるで見えない何かがそこに存在するかのように──いや、実際に何かがあるのかもしれない。
さらに奇妙なことに、橋の上を歩くと、微妙な振動が足元に伝わってくる。いや、それどころか──
ギシギシギシ……バキッ!
「うおっ!?!?」
橋が突然、崩れた。
いや、崩れたというより、「何かに弾かれた」ように、一瞬でバラバラになったのだ。綱が千切れ、丸太が川に落ちて流されていく。
「……どういうことだ?」
俺は呆然としながら、残骸を眺めた。耐久性には問題なかったはずだ。強度も確認した。ではなぜ、橋が一瞬で崩壊したのか?
答えは、おそらく──川に働く「見えない力」にある。
この川には、何かしらの特殊な流れがある。それが夜になると活性化し、橋を弾くように作用したのではないか? ならば、材質を変えれば耐えられるのか? それとも、流れの影響を受けない方法を探すべきか?
試行錯誤が始まった。
俺は異世界のさまざまな木材を試した。硬い木、柔らかい木、蔓を巻いたもの、石と組み合わせたもの。しかし、結果はどれも同じだった。夜になると微振動が発生し、橋はことごとく崩壊する。
「くそ……何かヒントはないのか……」
俺は川の周囲を歩き回り、異常がないか調べた。すると、流木の中に妙な木材が混じっているのを見つけた。
「これは……?」
水に浮く木材。いや、それは普通のことだ。だが、こいつは明らかに違う。軽く持ち上げると、手を離しても宙に浮いたのだ。
「……浮遊する木材?」
そんな馬鹿な話があるか? しかし、目の前にあるのだから仕方ない。しかもよく見ると、この木材は微妙に光を帯びており、川の水面に浮かぶ模様と同じ色をしていた。
俺は直感した。
「こいつなら……耐えられるかもしれない」
さっそく、この浮遊する木材を回収し、試作品を作ることにした。だが、加工は簡単ではない。こいつは普通の木材よりも軽く、しかも削ると元の形に戻ろうとする厄介な性質を持っていた。
「やれやれ……またしても試行錯誤か」
俺は振動ノコギリを使い、慎重に加工を進めた。そして、なんとか橋の形に組み上げる。通常の木材と組み合わせ、川の「見えない力」に適応するよう調整を施した。
ついに、実験の時が来た。
夜。再び光る模様が浮かぶ川の上に、新たな橋を架ける。そして、ゆっくりと足を踏み出した。
──振動は、ない。
──軋む音も、ない。
崩れない。
「やった……!」
ついに、俺は成功した。
この世界の「見えない力」に適応する橋。浮遊する木材を組み合わせたことで、川の流れと共鳴し、負荷を分散できる構造になったのだろう。
これで、対岸へ自由に渡れる。探索の範囲が、一気に広がる。
「異世界……やっぱり面白いな」
俺は川の向こうに広がる未踏の地を見つめながら、新たな冒険への期待に胸を膨らませた。
対岸がある。
向こう岸には、俺がまだ踏み入れていない未知の領域が広がっている。森があり、岩があり、見たことのない植物が茂っている。しかし、間に広がるのは川。渡る手段がない以上、対岸の探索は夢のまた夢だった。
「橋を作るしかないな」
渡れるなら、渡ればいい。それだけの話だ。俺は振動ノコギリを手に、川沿いの森で適当な木を切り倒し、丸太を作り始めた。
「こんなもんか」
十数本の丸太を削り、組み合わせる。綱代わりに異世界の強靭な蔓を巻きつけ、簡易的な橋を作る。もちろん、こんなものは仮設にすぎない。もっと頑丈な橋を作るためには、まず向こう岸に渡る必要があるのだ。
数日後、橋は完成した。
「よし、渡るぞ」
試しに足を踏み入れる。木材はしっかりと固定されており、問題なく歩けそうだった。慎重に進み、ついに俺は対岸へと到達する。
……が。
夜になって異変が起きた。
川の水面に、突如として光る模様が浮かび上がったのだ。
「なんだこれ……?」
川の流れに沿って、青白い光がちらちらと揺らめいている。まるで見えない何かがそこに存在するかのように──いや、実際に何かがあるのかもしれない。
さらに奇妙なことに、橋の上を歩くと、微妙な振動が足元に伝わってくる。いや、それどころか──
ギシギシギシ……バキッ!
「うおっ!?!?」
橋が突然、崩れた。
いや、崩れたというより、「何かに弾かれた」ように、一瞬でバラバラになったのだ。綱が千切れ、丸太が川に落ちて流されていく。
「……どういうことだ?」
俺は呆然としながら、残骸を眺めた。耐久性には問題なかったはずだ。強度も確認した。ではなぜ、橋が一瞬で崩壊したのか?
答えは、おそらく──川に働く「見えない力」にある。
この川には、何かしらの特殊な流れがある。それが夜になると活性化し、橋を弾くように作用したのではないか? ならば、材質を変えれば耐えられるのか? それとも、流れの影響を受けない方法を探すべきか?
試行錯誤が始まった。
俺は異世界のさまざまな木材を試した。硬い木、柔らかい木、蔓を巻いたもの、石と組み合わせたもの。しかし、結果はどれも同じだった。夜になると微振動が発生し、橋はことごとく崩壊する。
「くそ……何かヒントはないのか……」
俺は川の周囲を歩き回り、異常がないか調べた。すると、流木の中に妙な木材が混じっているのを見つけた。
「これは……?」
水に浮く木材。いや、それは普通のことだ。だが、こいつは明らかに違う。軽く持ち上げると、手を離しても宙に浮いたのだ。
「……浮遊する木材?」
そんな馬鹿な話があるか? しかし、目の前にあるのだから仕方ない。しかもよく見ると、この木材は微妙に光を帯びており、川の水面に浮かぶ模様と同じ色をしていた。
俺は直感した。
「こいつなら……耐えられるかもしれない」
さっそく、この浮遊する木材を回収し、試作品を作ることにした。だが、加工は簡単ではない。こいつは普通の木材よりも軽く、しかも削ると元の形に戻ろうとする厄介な性質を持っていた。
「やれやれ……またしても試行錯誤か」
俺は振動ノコギリを使い、慎重に加工を進めた。そして、なんとか橋の形に組み上げる。通常の木材と組み合わせ、川の「見えない力」に適応するよう調整を施した。
ついに、実験の時が来た。
夜。再び光る模様が浮かぶ川の上に、新たな橋を架ける。そして、ゆっくりと足を踏み出した。
──振動は、ない。
──軋む音も、ない。
崩れない。
「やった……!」
ついに、俺は成功した。
この世界の「見えない力」に適応する橋。浮遊する木材を組み合わせたことで、川の流れと共鳴し、負荷を分散できる構造になったのだろう。
これで、対岸へ自由に渡れる。探索の範囲が、一気に広がる。
「異世界……やっぱり面白いな」
俺は川の向こうに広がる未踏の地を見つめながら、新たな冒険への期待に胸を膨らませた。
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