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第三幕
羅刹
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空が白みきる前の薄い闇の中。草を踏みしめる足音に、洸清をはじめ本陣で休んでいた面々は皆目を覚ました。幻聴の類ではないことを確かめ合うように目配せをし、手元に置いた脇差へ手を伸ばす。しかし張り詰めた空気は、様子を伺いに向かった兵の「味方だ」という声でふっと弛緩した。
「出血が酷い。布か何か、縛るものを」
「他の者はどうした」
洸清が声のする方へ向かえば、そこには散々に斬りつけられ、今にも意識を失おうとしている男が介抱を受けていた。時折あらぬ方へ向く瞳と、白く震える指先。恐らく命は助からないだろう。
「上様……」
「その刀の鍔は、江藤の家の者だな。清高殿の隊と対峙する陣に置いたはずだが、奇襲か」
「江藤殿は……主上は、自刃なされ、我が陣は……壊滅、も、申し訳、ございません」
険しい顔で、そうか、と呟いた洸清だが、男の口元がまだ何か伝えているのに気づき、耳を寄せた。引き攣った呼吸に遮られながら、男は必死に訴える。
「……宵殿が、単身で。あの方はまさしく、戦神だ。皆……死にました、宵殿、ただ一人の手で」
静まった本陣が凍りつく。江藤の陣には五百の兵を置いていたはず。洸清がもう一度視線を落とした時には、男は事切れていた。
遡ること二刻。本陣を離れ、森林を月香に歩かせていた宵君は奥まった路で頭上の杉の木に声をかける。
「墮速、ここまでで良い。月香を見ておれ」
「……御意」
艶の良い黒い背中から飛び降り、宵君は月香の湿った鼻を撫でた。藍色の掛布を鞍に残し、宵君の身の丈で振るうにはやや長大な太刀を携え、山部隊の陣を横目に歩を進める。凍てつくような夜露が滴る葉を指で弾き、徐々に敵陣へ近づく。
――静かな夜だな。呑気なものよ。
半分が引き攣れた唇が、仮面の裏で弧を描いた。見張りの呼吸。複数の寝息。その数は五百程度だと、宵君は推測する。交代で警戒し、また浅くはあるものの、戦の最中に眠りこけるとは随分な慢心ではないか。夜風に香る花の香に、気づく者などない。
見張りの者の欠伸を聞いて、宵君は駆け出した。白刃の切っ先を月光に翳し、惚けたままの男の肩に振り下ろす。激しい衝撃に打たれた直後、襲い来る激痛に男はのた打った。
「今宵の月は朧だな」
――其方らの命運のようだ。
刃に絡む血液を払えば、びしゃりと岩肌に赤錆が散った。
「あぁ……もう呼びに行っても良いぞ」
最後の一人の背を斬りつけ、宵君は縺れる足取りを見送る。今ここに、宵君を除いて生ける者は誰一人居なくなった。ぐらりと傾いた身体を、樹木から飛び降りた影が支える。近寄ってきた月香が寄り添い、鼻を鳴らした。
「上様、あまり無茶をなさると……」
「何、この程度。肩慣らしには丁度良い」
墮速の頭を撫で、月香の背に乗った宵君は仮面の顎を持ち上げ、深く息を吸う。汗で湿る髪を払い、宵君はゆったりと本陣に月香を歩ませた。
東の空から昇る朝日に、歩兵どもの面の照らされる頃。両軍は自邸や居城へ戻った。一夜にして一個隊を失った西軍は、今後不利を強いられることとなる。
「まことに、宵殿お一人に江藤が滅ぼされたというのなら、我が軍の四万の兵はその実百も居らぬようなもの。俄には信じ難い」
胡座をかいた膝で拳を握り、洸清は苦い酒を飲み下した。いくらそうしても、不安と焦燥は喉につかえたまま。横に控える明頼も、暗い顔のまま首を振る。
「……『沖去の月詠の君、是人に非ず』」
病を持つ公家の男が、武士五百人をたった一人で滅ぼすなど、童の戯言よりも馬鹿な話である。しかし、この城に居る者のうち誰一人、滅ぼされた陣から落ち延びた男の最期の言葉を、強く否定出来なかった。それは、全員が宵君の傍で戦場に立った経験があり、その強さを目の当たりにしていたがゆえのこと。
遥か前方に居たはずの宵君が、洸清の背後から斬りかかる敵兵の首を撥ねたこともある。鯨一郎の馬を取り囲んでいたはずの雑兵どもが、宵君によって瞬く間に皆血溜りに伏したこともあった。
「あの方は、公家、病……否、最早人という枠にすら縛されることのない、現実では語ることの出来ない稀代の存在。味方とすれば涅槃のような、敵とすれば地獄のような御方だ」
幻驢芭の名を仰ぐに相応しい。繁國の呟きとともに、柔らかな日に雲がかかる。その翳りはやがて雨を呼び、遠くで雷鳴が轟いだ。
幻驢芭邸の中庭に、鶯が羽搏く。ほころんだ梅の花を指で優しく撫で、宵君は己の名を呼ぶ不機嫌な声に振り返った。眉間に皺を寄せた堕們が、縁側で手招きをしている。素直に歩み寄り、草履から足を抜いた宵君は意地の悪い笑みを浮かべた。
「ふふ、この私を童でも呼ぶように手招くとは、其方は面白い男よ」
「童の方がまだいう事を聞くだけマシだね。また無茶をしただろう」
室の襖を開き、宵君は敷かれたままの褥に腰を下ろす。片付けようとした侍女を留めたのは堕們だ。匙からの今日は安静に、との無言の忠告に、宵君は苦笑いを零した。
「もうあのようなことはせぬ……と、いうより出来ぬ。手の力が失せ、太刀を鞘へ収めることすら墮速に頼んだほどよ。帰路の馬上で気をやらずに居っただけ幸いよの」
堕們は呆れ返る。いくら手を尽くしても、当人が死に急ぐような振る舞いをするのではかなわない。
「……申したろう、もう出来ぬと。あれは謂わば脅しよ。昨夜の件で西軍の士気は地に落ちたも同然。あとは私が静養して居っても暁光に任せて居れば勝てる戦」
「だからって、俺の腕に泥を塗るようなこと」
「愛おしいのだ」
苛立った堕們の声を遮り、宵君は唇を噛む。堪え切れず小さく咳き込んだ手のひらに、少量の紅が零れた。下唇を彩るそれを指で拭い、宵君は目を伏せる。
「私は皇家を憎み斯様な戦に応じたのではない。神聖なる血筋、現世で最も尊き御身を揺るがすことには断腸の思いである。ゆえに公主の為、京の為に斯様な怪物を相手に必死で刃を振るう姿が愛おしく、我慢がならなかった。許せ」
拭えど滴り落ちる血は、つんと鉄の臭いを帯びて心に燻った。堕們が差し出した白い手拭いに、季節を終えたはずの椿の花が咲くように、赤い血が染みる。
「嗚呼、しかし……皇家も、京も、民も、愛するがゆえに、悠久の涅槃を成さんとするには、ほんの一時、脅かさねばならぬのだ」
ぐ、と宵君の喉仏が下がり、手拭いごと堕們の手を押し退ける。覚束無い足取りで縁側に立ち、緩く両手を広げた。
「この葛藤に、私でなければ誰が耐えられる」
「出血が酷い。布か何か、縛るものを」
「他の者はどうした」
洸清が声のする方へ向かえば、そこには散々に斬りつけられ、今にも意識を失おうとしている男が介抱を受けていた。時折あらぬ方へ向く瞳と、白く震える指先。恐らく命は助からないだろう。
「上様……」
「その刀の鍔は、江藤の家の者だな。清高殿の隊と対峙する陣に置いたはずだが、奇襲か」
「江藤殿は……主上は、自刃なされ、我が陣は……壊滅、も、申し訳、ございません」
険しい顔で、そうか、と呟いた洸清だが、男の口元がまだ何か伝えているのに気づき、耳を寄せた。引き攣った呼吸に遮られながら、男は必死に訴える。
「……宵殿が、単身で。あの方はまさしく、戦神だ。皆……死にました、宵殿、ただ一人の手で」
静まった本陣が凍りつく。江藤の陣には五百の兵を置いていたはず。洸清がもう一度視線を落とした時には、男は事切れていた。
遡ること二刻。本陣を離れ、森林を月香に歩かせていた宵君は奥まった路で頭上の杉の木に声をかける。
「墮速、ここまでで良い。月香を見ておれ」
「……御意」
艶の良い黒い背中から飛び降り、宵君は月香の湿った鼻を撫でた。藍色の掛布を鞍に残し、宵君の身の丈で振るうにはやや長大な太刀を携え、山部隊の陣を横目に歩を進める。凍てつくような夜露が滴る葉を指で弾き、徐々に敵陣へ近づく。
――静かな夜だな。呑気なものよ。
半分が引き攣れた唇が、仮面の裏で弧を描いた。見張りの呼吸。複数の寝息。その数は五百程度だと、宵君は推測する。交代で警戒し、また浅くはあるものの、戦の最中に眠りこけるとは随分な慢心ではないか。夜風に香る花の香に、気づく者などない。
見張りの者の欠伸を聞いて、宵君は駆け出した。白刃の切っ先を月光に翳し、惚けたままの男の肩に振り下ろす。激しい衝撃に打たれた直後、襲い来る激痛に男はのた打った。
「今宵の月は朧だな」
――其方らの命運のようだ。
刃に絡む血液を払えば、びしゃりと岩肌に赤錆が散った。
「あぁ……もう呼びに行っても良いぞ」
最後の一人の背を斬りつけ、宵君は縺れる足取りを見送る。今ここに、宵君を除いて生ける者は誰一人居なくなった。ぐらりと傾いた身体を、樹木から飛び降りた影が支える。近寄ってきた月香が寄り添い、鼻を鳴らした。
「上様、あまり無茶をなさると……」
「何、この程度。肩慣らしには丁度良い」
墮速の頭を撫で、月香の背に乗った宵君は仮面の顎を持ち上げ、深く息を吸う。汗で湿る髪を払い、宵君はゆったりと本陣に月香を歩ませた。
東の空から昇る朝日に、歩兵どもの面の照らされる頃。両軍は自邸や居城へ戻った。一夜にして一個隊を失った西軍は、今後不利を強いられることとなる。
「まことに、宵殿お一人に江藤が滅ぼされたというのなら、我が軍の四万の兵はその実百も居らぬようなもの。俄には信じ難い」
胡座をかいた膝で拳を握り、洸清は苦い酒を飲み下した。いくらそうしても、不安と焦燥は喉につかえたまま。横に控える明頼も、暗い顔のまま首を振る。
「……『沖去の月詠の君、是人に非ず』」
病を持つ公家の男が、武士五百人をたった一人で滅ぼすなど、童の戯言よりも馬鹿な話である。しかし、この城に居る者のうち誰一人、滅ぼされた陣から落ち延びた男の最期の言葉を、強く否定出来なかった。それは、全員が宵君の傍で戦場に立った経験があり、その強さを目の当たりにしていたがゆえのこと。
遥か前方に居たはずの宵君が、洸清の背後から斬りかかる敵兵の首を撥ねたこともある。鯨一郎の馬を取り囲んでいたはずの雑兵どもが、宵君によって瞬く間に皆血溜りに伏したこともあった。
「あの方は、公家、病……否、最早人という枠にすら縛されることのない、現実では語ることの出来ない稀代の存在。味方とすれば涅槃のような、敵とすれば地獄のような御方だ」
幻驢芭の名を仰ぐに相応しい。繁國の呟きとともに、柔らかな日に雲がかかる。その翳りはやがて雨を呼び、遠くで雷鳴が轟いだ。
幻驢芭邸の中庭に、鶯が羽搏く。ほころんだ梅の花を指で優しく撫で、宵君は己の名を呼ぶ不機嫌な声に振り返った。眉間に皺を寄せた堕們が、縁側で手招きをしている。素直に歩み寄り、草履から足を抜いた宵君は意地の悪い笑みを浮かべた。
「ふふ、この私を童でも呼ぶように手招くとは、其方は面白い男よ」
「童の方がまだいう事を聞くだけマシだね。また無茶をしただろう」
室の襖を開き、宵君は敷かれたままの褥に腰を下ろす。片付けようとした侍女を留めたのは堕們だ。匙からの今日は安静に、との無言の忠告に、宵君は苦笑いを零した。
「もうあのようなことはせぬ……と、いうより出来ぬ。手の力が失せ、太刀を鞘へ収めることすら墮速に頼んだほどよ。帰路の馬上で気をやらずに居っただけ幸いよの」
堕們は呆れ返る。いくら手を尽くしても、当人が死に急ぐような振る舞いをするのではかなわない。
「……申したろう、もう出来ぬと。あれは謂わば脅しよ。昨夜の件で西軍の士気は地に落ちたも同然。あとは私が静養して居っても暁光に任せて居れば勝てる戦」
「だからって、俺の腕に泥を塗るようなこと」
「愛おしいのだ」
苛立った堕們の声を遮り、宵君は唇を噛む。堪え切れず小さく咳き込んだ手のひらに、少量の紅が零れた。下唇を彩るそれを指で拭い、宵君は目を伏せる。
「私は皇家を憎み斯様な戦に応じたのではない。神聖なる血筋、現世で最も尊き御身を揺るがすことには断腸の思いである。ゆえに公主の為、京の為に斯様な怪物を相手に必死で刃を振るう姿が愛おしく、我慢がならなかった。許せ」
拭えど滴り落ちる血は、つんと鉄の臭いを帯びて心に燻った。堕們が差し出した白い手拭いに、季節を終えたはずの椿の花が咲くように、赤い血が染みる。
「嗚呼、しかし……皇家も、京も、民も、愛するがゆえに、悠久の涅槃を成さんとするには、ほんの一時、脅かさねばならぬのだ」
ぐ、と宵君の喉仏が下がり、手拭いごと堕們の手を押し退ける。覚束無い足取りで縁側に立ち、緩く両手を広げた。
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この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
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