積極的野良猫とツンデレ家猫

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野良猫と家猫

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ある一軒家

「ただいまぁ」

茶髪のショートヘアの女子高生 真奈美まなみが部活帰りで18:00に帰宅した
玄関から靴下を脱ぎながらリビングに向かうとキッチンからエプロンをした母が顔を覗かせた

「おかえりなさい真奈美 今日のバドはどうだったかしら」

「まぁ普通かなぁ」

と言いながらキッチンの隣に位置する洗面所のドアを開けて靴下を洗濯機へ投げ入れた

「あらぁ?ほんとぉ?」

母がグイグイ問い詰める

「え、なに、、」

少し嫌がりながら聞き返すと母はキッチンに戻りながら話す

「いっつもなら顧問の愚痴が流れるように出てくるのに」

「別によくない?」

「良いことでもあったんじゃないの?」

「ないよ、、そんなの、、」

目を右下にそらして答える様子を見て母は確信した

吉良きらくんといい感じの雰囲気になったとか?」

図星突かれたように目を向き直して慌てて口を開く

「ち、ちがうし!!」

「ほんとにぃ?」

フライパンの上にある肉や野菜などを炒めながら娘をいじる

「それにあきらはただの幼なじみ!」

「はいはい」

「信じてないな!!」

真奈美の頬の色を見れば当然、信じられるわけがない

「てかミーちゃんとライちゃんどこ」

「ライちゃんは猫部屋で寝てるわよ ミーちゃんは真奈美の部屋に入りたそうだったから入れた」


この会話を真っ暗な部屋の中でベッドの上に伏せた状態で座っている白猫は聞いていた

スタイリッシュで目の色は水色、毛も長くはない 耳は綺麗立っている

真奈美が部屋の扉を開いて明かりをつけた

すぐにベッドの上にいる飼い猫に気づいて手を伸ばし、首元を揺する

「ミーちゃんただいまぁ」

この猫が ミント(♀) 家内では愛称でミーちゃんと呼ばれている

ミントは満更でもないように目を瞑って真奈美の手を受け入れていた

(まなみちゃんのカキカキは気持ちぃにゃー)

飼い主に構ってもらって嬉しくなっているところで真奈美は手を離してしまった

(なんで離しちゃうにゃ、、)

制服を脱ぎ出した瞬間、理由は理解できたがやはり構って貰えないのは悲しいようだ

「にゃー」

すると部屋にもう1匹の飼い猫が入ってきた

「あ、ライちゃん来たの~」

薄茶色の白色の全身の毛が頭からしっぽの先端までモフモフの猫

ライム(♂) 愛称はライちゃん

ライムはベッドに飛び乗ってミントの隣に座る

【猫視点】

「何しに来たのアンタ」

ミント冷たい

「起きたらまなみちゃんが帰ってきてたから来ただけ」

「まなみちゃん着替えてるんだけど出て行ってくんない?」

「まなみちゃんの裸なんて何回も見たことあるし、気にならない」

「私が生理的に無理だから」

「はぁ?ならミントが出てけよ」

「は?最初にここに来たの私なんですけど!」

ミントが膝を伸ばしてライムを見つめる

「ほうそうか そっちがその気ならノってやる!」

ライムも四足で立ち上がってミントを睨む


【真奈美視点】

「シャーーー!!」

着替え終わった真奈美がミントの威嚇の声で振り向くと2匹が睨み合っていることに気づく

「え?」

ミントがライムを右前足で何連続も殴った

「グニャアオ!!」

ライムが鳴き声をあげて仕返しするように首に飛びつく

「ちょ!!なにしてんの!!」

その声でライムはミントから離れた

2匹の間に手を挟むと2匹は誤って真奈美の手を殴ることを恐れて睨み合いのみになる


【猫視点】

「まなみちゃん!こいつはまなみちゃんの恥ずかしいところを目に焼き付けようとしてるんだ!」

「メスだからって調子乗ってんじゃねぇ!一日中、まなみちゃんのベッドの上で匂いつけまくってるお前も大概だ!!」

「なんだとぉ!!」

2匹が真奈美の手を飛び越えて取っ組み合いが始まろうとした時、真奈美が声を上げた

「いい子にしないと!お引っ越し連れて行かないよ!!」

「「え!!!」」

その瞬間、2匹の全身の毛は逆立って喧嘩を忘れたのかのように真奈美の方を向く

「まなみちゃんお引っ越しなんて私聞いてない!」

「僕も聞いてないよ!なにそれ!!」


【真奈美視点】

2匹がこちらを向いて「にゃーにゃー」と話しかけてくる

「私、高校生になったら離れて暮らしてるお兄ちゃんのところに引っ越すの お兄ちゃんにはミーちゃんたちを連れていくこと教えてるからいい子にしてくれたら嬉しいな」

2匹を撫でる両手から優しさが伝わっている

2匹はのほほんとした顔でその手から伝わるものを噛み締めていた


【猫視点】

「置いてかれるのは嫌だからいい子にするにゃ~」

「僕もにゃ~」


その後、2匹は喧嘩を忘れて仲良く猫部屋の同じクッションの上で眠った


一方、ミント達が寝た頃に活発に動き出すまた違う猫たちがいた

22:00

真奈美たちが住んでいる場所からかなり離れた街で紺色のネクタイをしたスーツの男性が真っ暗な商店街道を歩いていた

「残業しんどー」

この社会人3年目の若い男性は真斗まなとで真奈美の兄である

そんな疲れ切っている真斗の前を一閃の光が横切った

「え、、」

商店の路地から街道を挟んでまた商店の路地へ消えていった光を確認するため光が消えた路地に頭を覗かせるとそこには誰もいなかった

「ふぅー」と息を着いた瞬間、、

「にゃーお」

「うわぁぁぁあ!」

足元に黄色い目をしたスタイリッシュな黒猫が四足でしっぽを立てていた

「あ~なんだ黒助くろすけか…ビビらせんなよ」

正体を確認してから黒猫を撫でようと手を伸ばすと猫は全身を後ろに引いた

「はぁ…まだ俺はお前を撫でられないのか」

真斗が立ち上がると黒猫も姿勢を元に戻した

「じゃあ俺は帰るから じゃあな」

手をかざすのを見ても何も返さず、黒猫はただ左前足を舐めた

「ほんと呑気だな」

背中を向けて去っていく真斗をその黄色い目は見つめていた


【猫視点】

「なんだよ黒助って」

あまり気に入ってはいない様子

「てかまず、僕は食いもんがもらえると思って近づいてんだよ 気軽く触ろうとしてくんじゃねぇよ汚ねぇ人間が高貴な野良様に」

ある程度、語って後ろを振り向く

「なぁ茶トラ!!」

「ふぇ?」

アホっぽい返事をしたのは茶トラ猫で首をかいている

「ぼくはのんびりやってけばいいと思うからぁ」

「そんな話してねぇよ」

「へ?なんの話してるの?」

「はぁ…人間なんかに触られたくないよなって話」

「そうかなぁ 人間に触らせれば食べ物貰えたことあるけど」

「貰えずとも盗ればいいだろ」

「僕鈍臭いから無理かもぉ」

「よくそれで野良やっていけてるな」

2匹は並んで夜の街道の真ん中を歩いた

「ていうかぁ思い出したんだけどぉ」

茶トラ猫が話題を転換する

「さっきの人間がぁ店の人間に話してたことがあってぇ」

「なんだぁ?僕たちを飼いたいって話なら断固拒否させてもらうけど」

「違くてぇ~」


茶トラ猫がその時を思い出す

茶トラ猫が建物の屋根の上で夢うつつになっている時にちょうど視線の先にある商店で店主と真斗が話しているのが見えた

「おい坊主!これ差し入れ」

魚屋の店主はアジを3匹袋に詰めて真斗に渡した

「え、いいんですか!」

「おうおう!疲れてんだろ!食え食え!」

「ありがとうございます!」

真斗が中身を確認して店主の方を向き直すとお願いを申し立てた

「店主さん 魚の調理の仕方教えてくれません?」

「ん?どして」

「来年になると妹が越して来るんですけど猫も連れてくるみたいで緊急用に猫にあげる何かしらを準備できないとなと思って」

「はぁ~坊主いい兄貴やな!わかった!いつでもこいや!」

「ありがとうございます!」


この話を黒猫に伝えた

「へぇ~猫来るんだ」

「ちょっと気になるよねぇ」

「どんな猫が来ても!僕の方が強いんだって知らしめてやる」

「強気だねぇ~」

「僕の庭を取られる訳にはいかないからね!」

瞬間、目の前に現れたネズミを視界に捕らえた

「今晩の飯だ!!」

黒猫はネズミに飛びつくがくぐり抜けられる
しかし、諦めることはなくそのネズミを素早く追いかけるのだった


黒猫と白猫が出会うのはもう少し後の話

体を動かしながら寝言を呟く

「お引っ越し楽しみだにゃん…」

ネズミを追いかけながら決意する

(どんな猫だろうと!!僕には勝てない!)
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