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第43話 奴隷商、嫉妬する
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オーレック領の領都イドニースに滞在することになった。
ついに吹雪のように雪が降り始めたからだ。
「シェラ。今ある材料で薬草は作れそうか?」
「無理。採取の許可ほ欲しい」
薬草の収入は絶対に無視できないな。
「分かった。確認しよう。サヤサ、フェンリルの様子は?」
「怠け者共に鉄槌を下しているところです。出来れば、訓練用に広い土地が欲しいんですけど」
……すっかり調教人の顔になってしまったな。
僕の護衛と張り切っていたときが懐かしい。
まぁ、今ではヨル達十人の護衛が代わる代わる付いているから、問題ないと判断しているのかも。
ということはヨル達はサヤサが認めるほどの実力があるのか?
ダークエルフ……実戦が楽しみな人材だな。
「さて……」
「待つのじゃ。妾を無視するのは、わざとか?」
デリンズ領の工場で作ってもらった子供服が本当に似合っているな。
しかも、冬仕様もあったとは……
妹がいたら、こんな感じ……
「頭を撫でるでない! たわけが。それで、妾は何をしたら良いのじゃ?」
今……なんと?
僕は夢でも見ているのか?
マリーヌ様が率先して、何かをやるなんて……なにか、不幸の前触れか?
「なんじゃ、その目は。前にも言ったが、妾とて、お主らを少しは大切に思っておる。じゃから……のお? 分かるじゃろ?」
ついに一番厄介な存在が……心を寄せてこようとしてきたんだ。
ここは慎重に言葉を選ぶ必要がある。
「……かわいいマリーヌ様。僕は貴女の言葉でとても感動しています」
手を取り、半ば涙を浮かべながら……。
これでマリーヌ様の心を大きく引き寄せられるはず……
「たわけが!! かわいいとは、何事じゃ。美しいと言え!! 美しいと」
……行ってしまった。
どうやら、マリーヌ様にも背伸びをしたい時期がやってきたみたいだ。
「失礼します。イルス様。マーガレット様からの言伝を承っております」
そういえば、こっちに来てから、マギーの姿が見ていない。
マギーにもヨルの護衛が付いているから問題はないと思っていたけど……
「ありがとう」
受け取った紙にはマギーの字が書かれていた。
本当にキレイな字だな。
……?
「分かった。ヨル。済まないが案内を頼む」
「承知しました」
マギーからのメモには僕が一人でオーレックの屋敷に来るようにと書いてあった。
話がある、と。
それだけのメモだったが、場所が場所だけに少し不安がよぎる。
ここは少しでも情報を……
「ヨル。マギーに変わった様子はなかったか?」
「……? すこし落ち着きがなかったかもしれません」
落ち着きがない?
マギーにしては珍しい。
たしか、あの執事と顔を合わせてから、随分と様子が変わった。
普通、執事と再会であそこまで喜ぶだろうか?
僕にもたくさんのメイドがいたが、再会で喜ぶような相手はいなかった。
まさか……マギーの想い人とか?
そう考えると、胸が締め付けられる。
だが、早計に考えて、また彼女を疑うようなことはしてはならない。
こういう時は相談をして、客観的に状況を……
「マギーとあの執事は随分と親しそうだったな」
「そうですね。屋敷には腕を組んで、仲が良さそうにしてました」
……そうか。
そうだったのか。
!!!!
くそっ!! 一人で来いというのは……そういうことか。
だが、僕は負けるわけにはいかない。
マギーを愛する気持ちであれば、誰にも負けない。
しかし、あの男……相当な腕達者と見えたな。
勝てる、かな?
いやいやいや、ロッシュ!!
気持ちで負けてはダメだ。
マギーを守ると……一生、共に歩むと誓ったではないか。
これくらいの障害を乗り越えないで、何とする!!
「イルス様。ここです。あっちは近くで待機しています。ちょっとの悲鳴で駆けつけますから、ご安心を」
僕が悲鳴を上げる軟弱者だといいたいのか?
だが、今の僕は違う。
マギーのナイトになるのだ。
必ず、彼女を僕の手に取り戻すんだ!!
「行ってくる」
「御武運を」
こいつめ!
分かって、言っているのか?
「ああ。必ず、マギーと戻ってくるさ」
ヨルは姿を消した。
さて……。
流石はオーレック領のお膝元にある屋敷だ。
王都と比しても遜色ない大きさ。
だが、この程度で物怖じはしない。
元、王族を舐めるな!!
強めにドアを叩く。
本来であれば、案内役がすっとやってくるのだが……
ドアがゆっくりと開いた。
そこには……
冷たい目で見下すような視線を向けてくる男が……
「マギーを返してもらおう。彼女は我が伴侶となる女性だ。邪魔をするな!!」
僕はとっさに剣に手を伸ばし、臨戦態勢に入った。
だが、相手の様子は至って普通だった。
「どうぞ、中へ。マーガレット様がお待ちです」
……どういうことだ?
こいつはマギーの恋仲ではないのか?
それとも僕に臆した?
いや、そんな様子は微塵もなかった。
これは一体……
「ロッシュ。ようこそ。オーレックへ」
そこには華麗なドレスに見を包んだマギーの姿があった。
「どうして……その格好は一体?」
「ふふふ……似合っているかしら? これはフィリムが私のために用意してくれたものなの」
こいつが……。
嬉しそうなマギーの表情をいつもように幸せな気持ちで見れない。
どす黒い何かが流れるような……
だが、フッと笑ってしまった。
これが嫉妬というやつか。
僕はこんな気持ちの悪い感情をマギーにも与えていたのだったな……。
「ああ、よく似合っているよ。フェリムと言ったか? 君のセンスは素晴らしいな」
「……ありがとうございます」
僕はどうかしていた。
この男より勝る必要はない。
マギーを信じ、僕自身が彼女を愛していればいい。
それだけなんだ……。
今は彼女の美しい姿だけを目に焼き付けよう。
「それでね、少し話があるの」
「なんだい?」
なぜ、そこで訝しそうな顔をするんだ?
「つまんない。フィリムとの関係をちょっとは疑わないの?」
「ああ。僕はマギーを信じているよ」
「うれしい……」
やっぱりマギーは僕を大切に思っていてくれた。
これでいいんだ。
同じ過ちは繰り返さない。
良かった……変な暴走をしなくて。
「マーガレット様。実は……」
玄関での出来事を話していた。
この野郎……。
このままで話を終わらせようとしていたのに。
「そんなに心配だったのね。でも、ありがとう。ロッシュ。私も貴方の伴侶でありたいわ」
「マギー……」
見つめ合い、そのまま顔を近づけ……
「失礼!! そのようなことは私のいないところで……」
いいところだったのに……
執事のくせに邪魔とは……
「そうね」
意外と簡単に引くんだな。
「じゃあ、話を始めるわね」
あまり聞きたい気分ではなくなったが……
「まずはロッシュの疑いをちょっと晴らしておこうと思って……」
僕は何も疑いを持っていないんだけど……
「フィリムはね……私の兄なの」
ん?
何を言って……
マギーはオーレック家の一人娘だったはず……。
でも……安心したよ。
ついに吹雪のように雪が降り始めたからだ。
「シェラ。今ある材料で薬草は作れそうか?」
「無理。採取の許可ほ欲しい」
薬草の収入は絶対に無視できないな。
「分かった。確認しよう。サヤサ、フェンリルの様子は?」
「怠け者共に鉄槌を下しているところです。出来れば、訓練用に広い土地が欲しいんですけど」
……すっかり調教人の顔になってしまったな。
僕の護衛と張り切っていたときが懐かしい。
まぁ、今ではヨル達十人の護衛が代わる代わる付いているから、問題ないと判断しているのかも。
ということはヨル達はサヤサが認めるほどの実力があるのか?
ダークエルフ……実戦が楽しみな人材だな。
「さて……」
「待つのじゃ。妾を無視するのは、わざとか?」
デリンズ領の工場で作ってもらった子供服が本当に似合っているな。
しかも、冬仕様もあったとは……
妹がいたら、こんな感じ……
「頭を撫でるでない! たわけが。それで、妾は何をしたら良いのじゃ?」
今……なんと?
僕は夢でも見ているのか?
マリーヌ様が率先して、何かをやるなんて……なにか、不幸の前触れか?
「なんじゃ、その目は。前にも言ったが、妾とて、お主らを少しは大切に思っておる。じゃから……のお? 分かるじゃろ?」
ついに一番厄介な存在が……心を寄せてこようとしてきたんだ。
ここは慎重に言葉を選ぶ必要がある。
「……かわいいマリーヌ様。僕は貴女の言葉でとても感動しています」
手を取り、半ば涙を浮かべながら……。
これでマリーヌ様の心を大きく引き寄せられるはず……
「たわけが!! かわいいとは、何事じゃ。美しいと言え!! 美しいと」
……行ってしまった。
どうやら、マリーヌ様にも背伸びをしたい時期がやってきたみたいだ。
「失礼します。イルス様。マーガレット様からの言伝を承っております」
そういえば、こっちに来てから、マギーの姿が見ていない。
マギーにもヨルの護衛が付いているから問題はないと思っていたけど……
「ありがとう」
受け取った紙にはマギーの字が書かれていた。
本当にキレイな字だな。
……?
「分かった。ヨル。済まないが案内を頼む」
「承知しました」
マギーからのメモには僕が一人でオーレックの屋敷に来るようにと書いてあった。
話がある、と。
それだけのメモだったが、場所が場所だけに少し不安がよぎる。
ここは少しでも情報を……
「ヨル。マギーに変わった様子はなかったか?」
「……? すこし落ち着きがなかったかもしれません」
落ち着きがない?
マギーにしては珍しい。
たしか、あの執事と顔を合わせてから、随分と様子が変わった。
普通、執事と再会であそこまで喜ぶだろうか?
僕にもたくさんのメイドがいたが、再会で喜ぶような相手はいなかった。
まさか……マギーの想い人とか?
そう考えると、胸が締め付けられる。
だが、早計に考えて、また彼女を疑うようなことはしてはならない。
こういう時は相談をして、客観的に状況を……
「マギーとあの執事は随分と親しそうだったな」
「そうですね。屋敷には腕を組んで、仲が良さそうにしてました」
……そうか。
そうだったのか。
!!!!
くそっ!! 一人で来いというのは……そういうことか。
だが、僕は負けるわけにはいかない。
マギーを愛する気持ちであれば、誰にも負けない。
しかし、あの男……相当な腕達者と見えたな。
勝てる、かな?
いやいやいや、ロッシュ!!
気持ちで負けてはダメだ。
マギーを守ると……一生、共に歩むと誓ったではないか。
これくらいの障害を乗り越えないで、何とする!!
「イルス様。ここです。あっちは近くで待機しています。ちょっとの悲鳴で駆けつけますから、ご安心を」
僕が悲鳴を上げる軟弱者だといいたいのか?
だが、今の僕は違う。
マギーのナイトになるのだ。
必ず、彼女を僕の手に取り戻すんだ!!
「行ってくる」
「御武運を」
こいつめ!
分かって、言っているのか?
「ああ。必ず、マギーと戻ってくるさ」
ヨルは姿を消した。
さて……。
流石はオーレック領のお膝元にある屋敷だ。
王都と比しても遜色ない大きさ。
だが、この程度で物怖じはしない。
元、王族を舐めるな!!
強めにドアを叩く。
本来であれば、案内役がすっとやってくるのだが……
ドアがゆっくりと開いた。
そこには……
冷たい目で見下すような視線を向けてくる男が……
「マギーを返してもらおう。彼女は我が伴侶となる女性だ。邪魔をするな!!」
僕はとっさに剣に手を伸ばし、臨戦態勢に入った。
だが、相手の様子は至って普通だった。
「どうぞ、中へ。マーガレット様がお待ちです」
……どういうことだ?
こいつはマギーの恋仲ではないのか?
それとも僕に臆した?
いや、そんな様子は微塵もなかった。
これは一体……
「ロッシュ。ようこそ。オーレックへ」
そこには華麗なドレスに見を包んだマギーの姿があった。
「どうして……その格好は一体?」
「ふふふ……似合っているかしら? これはフィリムが私のために用意してくれたものなの」
こいつが……。
嬉しそうなマギーの表情をいつもように幸せな気持ちで見れない。
どす黒い何かが流れるような……
だが、フッと笑ってしまった。
これが嫉妬というやつか。
僕はこんな気持ちの悪い感情をマギーにも与えていたのだったな……。
「ああ、よく似合っているよ。フェリムと言ったか? 君のセンスは素晴らしいな」
「……ありがとうございます」
僕はどうかしていた。
この男より勝る必要はない。
マギーを信じ、僕自身が彼女を愛していればいい。
それだけなんだ……。
今は彼女の美しい姿だけを目に焼き付けよう。
「それでね、少し話があるの」
「なんだい?」
なぜ、そこで訝しそうな顔をするんだ?
「つまんない。フィリムとの関係をちょっとは疑わないの?」
「ああ。僕はマギーを信じているよ」
「うれしい……」
やっぱりマギーは僕を大切に思っていてくれた。
これでいいんだ。
同じ過ちは繰り返さない。
良かった……変な暴走をしなくて。
「マーガレット様。実は……」
玄関での出来事を話していた。
この野郎……。
このままで話を終わらせようとしていたのに。
「そんなに心配だったのね。でも、ありがとう。ロッシュ。私も貴方の伴侶でありたいわ」
「マギー……」
見つめ合い、そのまま顔を近づけ……
「失礼!! そのようなことは私のいないところで……」
いいところだったのに……
執事のくせに邪魔とは……
「そうね」
意外と簡単に引くんだな。
「じゃあ、話を始めるわね」
あまり聞きたい気分ではなくなったが……
「まずはロッシュの疑いをちょっと晴らしておこうと思って……」
僕は何も疑いを持っていないんだけど……
「フィリムはね……私の兄なの」
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何を言って……
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