佐渡島のあやかし(第3話)など 短編集

あさのりんご

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1章

夏休み

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 学校のチャイムがった。ロビン、いぶき、ゆうじの三人組は校門を走り出る。

「やっと、夏休みだぁー」
 いぶきは、うわばき入れを、ぐるぐるまわしながらさけんだ。
 ゆうじも、うれしそうだ。
「あしたから、ゆっくり朝寝あさねしよう~。小学校で、さいごの夏休みだもん」

「おまえ、学校があっても、寝坊ねぼうしてるだろ。いっつも遅刻ちこくじゃないか」
 いぶきが、ツッコミを入れる。
「はは。そうかも。とにかく、勉強がなくてラッキー!」

「ぼくは、夏休みが、きらい……」ロビンは、空色そらいろの目をくもらせ、ぼそりとつぶやいた。
「どうして?」とゆうじ。
「給食がないから……ばあちゃんが作るごはんは最悪なんだ」
いぶきが、大声でわりこんできた。
「でもさ、ばあちゃん、すげぇ力持ちだな。この間、ロビンちに遊びに行ったら、庭で逆立ちしてたぞ。おれが感心していると、とくいそうに側転そくてんもした」

 ロビンは、お調子者のばあちゃんがずかしくなって、話をそらした。
「あのさ、昼メシ食ったら秘密基地ひみつきちであそばないか?」
「うん、いいよ。ロビンちに迎えに行く」
「あ、いぶきが行くなら、ぼくも」
「じゃぁーー待ってる」

 ロビンは、二人と別れて朱色の太鼓橋たいこばし(※↓)を渡り始めた。千年もの昔から、佐渡島にはきんが取れて、にぎわっていた。でも金が掘りつくされると、多くの人達が去ってしまった。

 残った人々は、土地をたがやし島を美しく変えた。近ごろでは、世界遺産になり、歴史れきしある金山きんざんを見物に来る人も増えている。ばあちゃんは、そんなお客さんを、大きなタライの舟に乗せて、美しい海を案内していた。

※朱色の太鼓橋

(『にいがた観光ナビ』様より
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