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5章
呪いの歌
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ロビンは、ノア、アンジェラといっしょに宮殿にたどりついた。衛兵が宮殿の扉を開くと、ジャック先生が待ってましたとばかりに出迎えた。
「ロビン様、よいお知らせがございます。王様が目をさましました」
「よかった!それで、父さんに会えるのですか?」
ロビンに、父親の記憶はない。会いたいけれど、心のでこかで会うのがこわいような気もした。
厳しい人かもしれない。
僕を気に入ってくれるだろうか?
ジャック先生は、明るい声で答えた。
「はい。おふたりの顔を見たいと、お待ちかねでございます」
「先生の魔法のおかげです」と、ロビン。
「私は、魔法は使えないので研究するしかありませんでした。
アンジェラや、キャロットが色々な薬草を集め、私が薬を調合し、脳を回復させる薬をやっとみつけたのです。けれど、身体は、呪をかけられたままで、身動き出来ません。夜中になると、ルビーが忍び込み、呪いの歌を歌っているのです」
ジャク先生は、ロビンとノアを病室に導いた。
「おそばに行ってお話下さい」
ロビンは、ノアに目くばせし、ノアもロビンに目くばせを返した。ふたりで、天蓋のついたベッドにゆっくりと近づき「「おとうさん」」と呼びかける。
王は、目を開けまぶしそうにふたりを見つめた。
「大きくなったーーー」
王は石のように動かず、目だけがロビンとノアをかわるがわる見つめた。ひとすじの涙がこぼれ落ちた。
「”親がなくても子は育つーーー”と言うが立派になったものだ。ロビンはよちよち歩き、ノアは生まれたばかりの赤ン坊だったのになぁーーー。ノアの目は、アネモネの目に生き写しだ」
「お父さんは兄ちゃんによく似ているよ。たれ目がそっくり」
「ぼくが、お父さんに似ているんだろ?」と、ロビン。
「ははは。お前達、仲が良さそうじゃないか。
母さんは、兄弟が仲良く育つように、小さい頃から、ずいぶんと心を砕いておったからな。親がいなくて苦労をかけた。だが、その辛さをふたりで乗り越えてきたようだな」
ロビンは、なんだか照れくさい。けれど今まで感じたことのない誇らしい気持ちになった。
「おとうさん、気分はどお?」
「ずいぶんと長い間眠っておったなぁーーー遠のく意識の中で、あの世がちらほら見え隠れした。そんな時、決まってルビーの歌声が聞こえた。わしは呪われておるのだ。ルビーは、わしと結婚するつもりだったからな」
「あいつは、悪魔だよ」と、ロビンが冷たく言い放つ。
「悪魔じゃない!」
恐ろしい声が響いて、ふいにルビーが現れた。
「あたしは悪魔じゃないよ。本当は聖女なんだ。悪魔はアンジェラだ。召使いのくせに。女王のあたしを出し抜いた。ずうずうしいったら、ありゃしない」
「ロビン様、よいお知らせがございます。王様が目をさましました」
「よかった!それで、父さんに会えるのですか?」
ロビンに、父親の記憶はない。会いたいけれど、心のでこかで会うのがこわいような気もした。
厳しい人かもしれない。
僕を気に入ってくれるだろうか?
ジャック先生は、明るい声で答えた。
「はい。おふたりの顔を見たいと、お待ちかねでございます」
「先生の魔法のおかげです」と、ロビン。
「私は、魔法は使えないので研究するしかありませんでした。
アンジェラや、キャロットが色々な薬草を集め、私が薬を調合し、脳を回復させる薬をやっとみつけたのです。けれど、身体は、呪をかけられたままで、身動き出来ません。夜中になると、ルビーが忍び込み、呪いの歌を歌っているのです」
ジャク先生は、ロビンとノアを病室に導いた。
「おそばに行ってお話下さい」
ロビンは、ノアに目くばせし、ノアもロビンに目くばせを返した。ふたりで、天蓋のついたベッドにゆっくりと近づき「「おとうさん」」と呼びかける。
王は、目を開けまぶしそうにふたりを見つめた。
「大きくなったーーー」
王は石のように動かず、目だけがロビンとノアをかわるがわる見つめた。ひとすじの涙がこぼれ落ちた。
「”親がなくても子は育つーーー”と言うが立派になったものだ。ロビンはよちよち歩き、ノアは生まれたばかりの赤ン坊だったのになぁーーー。ノアの目は、アネモネの目に生き写しだ」
「お父さんは兄ちゃんによく似ているよ。たれ目がそっくり」
「ぼくが、お父さんに似ているんだろ?」と、ロビン。
「ははは。お前達、仲が良さそうじゃないか。
母さんは、兄弟が仲良く育つように、小さい頃から、ずいぶんと心を砕いておったからな。親がいなくて苦労をかけた。だが、その辛さをふたりで乗り越えてきたようだな」
ロビンは、なんだか照れくさい。けれど今まで感じたことのない誇らしい気持ちになった。
「おとうさん、気分はどお?」
「ずいぶんと長い間眠っておったなぁーーー遠のく意識の中で、あの世がちらほら見え隠れした。そんな時、決まってルビーの歌声が聞こえた。わしは呪われておるのだ。ルビーは、わしと結婚するつもりだったからな」
「あいつは、悪魔だよ」と、ロビンが冷たく言い放つ。
「悪魔じゃない!」
恐ろしい声が響いて、ふいにルビーが現れた。
「あたしは悪魔じゃないよ。本当は聖女なんだ。悪魔はアンジェラだ。召使いのくせに。女王のあたしを出し抜いた。ずうずうしいったら、ありゃしない」
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