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契約書はしっかり読もう
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「やっと着いた……! あーもうこんなん報酬と釣り合わないよ!」
私はアオバ。16歳のピチピチ女子学生……ではなく超貧乏の底辺冒険者。
故郷の村を飛び出して冒険者になってはや4か月だけど全然お金がたまらない不思議な能力を持ってるだけのごく普通の女の子。
特徴といえば胸くらいまで伸びた黒髪くらい? この辺だと黒髪は懐かしいからね。
そんな私は1ヶ月もかけて誰も来ないような超絶田舎の湖のほとりに来ていた。
目当てはこの辺に生えてるよくわからない花。どこぞの貴族が好きな人に渡すために依頼を出したんだとか。
前払金合わせて報酬は25万コイン。この国の平均月収が20万コインと聞けば私がうっかりこんな依頼を受けちゃった理由も分かるでしょ?
でも1週間で着くと聞いてきてみれば実際は片道2週間と2日前にたまたま出会った商人に教えられた。遅いって。
まぁ旅費は別で出るからいいけど、山や谷を超えて往復4週間だと考えるとゴブリン狩りでもした方が良かったよ~。帰ったら絶対に文句言ってやる!
「おー生えてる生えてる! 私の25万コイン!」
やっと見つけた花を夢中でしゃがんだ私は気づかなかった。背後から近づいてくる影に。
「10本で確か十分だったよね! さぁかえ……ろ……」
気がつけば私の後ろにはニッコリ笑顔のイエローベアさんが。ちなみに彼は立派な魔物で身長4メートル。
ハチミツが好きかと思ったらガッツリ肉食の恐ろしい存在だ。
しかし私は冒険者。スクッと立ち上がると……逃げた。
「いやぁぁぁ! まだ死にたくなぁぁい!」
しかし村でのかけっこ選手権堂々の4位(参加者4人)の私の実力及ばすどんどんベアは近づいてくる。
「神さま、王様、この際なんでも良いから助けてー!」
そんな私のむなしい願いは……届いた。
「本当になんでも良いなら私が助けてあげましょうか? 代償はキッチリ払ってもらいますが」
「わかりましたわかりました! 払いますから助けて!」
「それではまずダンジョンマスター規約に同意を……」
「同意同意同意! 全部同意するから早く!」
「ご契約ありがとうございます。それじゃあ後は目をつむってジャンプ!」
ぴょんと飛び上がった私は……突然目の前に空いた穴に落ちていく事になっっちゃった。
「お目覚めですか? マスターアオバ」
「え? あ、うーん……ここは……どこ?」
辺りを見渡すと10メートル四方くらいの何もない部屋で私はベッドで横になったいた。
「必要な情報はマスターが気を失ってる間にあなたの脳に直接送り込んでおきましたよ」
へぇ~それは便利! 少し怖いけど……それによると、ここはマスタールーム。そしてあなたはダンジョンマスターに選ばれました?
他にも気になることはいくつかあるけど本当に基本的な情報はなぜか頭に入っていた。どうやってるんだろこれ。
あ、2つくらい気になる事が残ってた。
「まずさ。今話してるあなたは誰?」
「ようやく気付きましたか」
そういうと突然真っ白で光沢を放つたまご型の物体と同じ物質でできた紡錘形の物が上から落ちてきた。
たまご型が浮き上がると、2本の腕のように紡錘形も横に付き、たまご型上部に青い丸が2つ表示される。これは……目?
どうもこれが今話してる声の主っぽい。
「初めまして。私は第2705番ダンジョンコア兼ダンジョンマスター支援用AIです」
「第……なんて?」
「第2705番ダンジョンコア兼ダンジョンマスター支援用AIです」
「もう一度!」
「第27……。とりあえずマスターを手助けするための物ですよ。そして私がやられるとダンジョンマスターごとダンジョンが崩壊します」
諦められた……あきれた声してるけど、あんな事を早口で言われて聞き取れないのって私のせいじゃないよね!
「そういえばダンジョンに守り神みたいなのがいるって聞いた事があるかも。私がそれになったの? ……これからよろしくね。えっと……そうだ聞いてなかった。名前なんていうの?」
「私に名前はありません。ご自由に呼んでください」
「え~悲しいな~。じゃあ……エリーはどう? 輝く光って意味があるんだって。かわいいでしょ?」
「ダンジョンは真っ暗ですけどね……了解しました。私はエリーです」
「だからこそよ。よろしくエリー!」
「よろしくお願いします……マスターアオバ」
「……そういえば私なんでこんな落ち着いてるの? 街に帰りたいとかならないんだけど」
「殺人への忌避感とか人間として必要なその辺は洗脳しといたので」
え……? 私は今のですっごく帰りたくなったよ。
いろんな情報を整理したりして3時間。16歳の小さな脳はもうクラクラ。
「で、だいたい私がすればいいのは基本的に1つか」
それははポイントを貯めなきゃいけないって事!
やり方は人をダンジョン内で倒したり、ダンジョン外の魔物を倒すこと。まぁダンジョン内に居るだけでもポイントが少しもらえるみたいだけど。
後はお金を交換する事も出来るみたいだね。ダンジョンマスターって人類の敵なのにお金しか交換できないの……?
「あともう1つ注意点があります。ダンジョン同士にはダンジョンバトルというのがあります。
事前に勝者は何を得るなど決めてダンジョン同士で戦闘をするものですね。めったに無いですがたまに命がかかるので、そのような勝負だけはしないでくださいね」
「……これマスターになる契約を破棄とかって……お金払うんで……」
「無理ですよ。右下の方に小さな文字で違約金は命でもって支払えと書いてますよ。マスターアオバ。ようこそダンジョンへ」
それは……ダメでしょ……。
私はアオバ。16歳のピチピチ女子学生……ではなく超貧乏の底辺冒険者。
故郷の村を飛び出して冒険者になってはや4か月だけど全然お金がたまらない不思議な能力を持ってるだけのごく普通の女の子。
特徴といえば胸くらいまで伸びた黒髪くらい? この辺だと黒髪は懐かしいからね。
そんな私は1ヶ月もかけて誰も来ないような超絶田舎の湖のほとりに来ていた。
目当てはこの辺に生えてるよくわからない花。どこぞの貴族が好きな人に渡すために依頼を出したんだとか。
前払金合わせて報酬は25万コイン。この国の平均月収が20万コインと聞けば私がうっかりこんな依頼を受けちゃった理由も分かるでしょ?
でも1週間で着くと聞いてきてみれば実際は片道2週間と2日前にたまたま出会った商人に教えられた。遅いって。
まぁ旅費は別で出るからいいけど、山や谷を超えて往復4週間だと考えるとゴブリン狩りでもした方が良かったよ~。帰ったら絶対に文句言ってやる!
「おー生えてる生えてる! 私の25万コイン!」
やっと見つけた花を夢中でしゃがんだ私は気づかなかった。背後から近づいてくる影に。
「10本で確か十分だったよね! さぁかえ……ろ……」
気がつけば私の後ろにはニッコリ笑顔のイエローベアさんが。ちなみに彼は立派な魔物で身長4メートル。
ハチミツが好きかと思ったらガッツリ肉食の恐ろしい存在だ。
しかし私は冒険者。スクッと立ち上がると……逃げた。
「いやぁぁぁ! まだ死にたくなぁぁい!」
しかし村でのかけっこ選手権堂々の4位(参加者4人)の私の実力及ばすどんどんベアは近づいてくる。
「神さま、王様、この際なんでも良いから助けてー!」
そんな私のむなしい願いは……届いた。
「本当になんでも良いなら私が助けてあげましょうか? 代償はキッチリ払ってもらいますが」
「わかりましたわかりました! 払いますから助けて!」
「それではまずダンジョンマスター規約に同意を……」
「同意同意同意! 全部同意するから早く!」
「ご契約ありがとうございます。それじゃあ後は目をつむってジャンプ!」
ぴょんと飛び上がった私は……突然目の前に空いた穴に落ちていく事になっっちゃった。
「お目覚めですか? マスターアオバ」
「え? あ、うーん……ここは……どこ?」
辺りを見渡すと10メートル四方くらいの何もない部屋で私はベッドで横になったいた。
「必要な情報はマスターが気を失ってる間にあなたの脳に直接送り込んでおきましたよ」
へぇ~それは便利! 少し怖いけど……それによると、ここはマスタールーム。そしてあなたはダンジョンマスターに選ばれました?
他にも気になることはいくつかあるけど本当に基本的な情報はなぜか頭に入っていた。どうやってるんだろこれ。
あ、2つくらい気になる事が残ってた。
「まずさ。今話してるあなたは誰?」
「ようやく気付きましたか」
そういうと突然真っ白で光沢を放つたまご型の物体と同じ物質でできた紡錘形の物が上から落ちてきた。
たまご型が浮き上がると、2本の腕のように紡錘形も横に付き、たまご型上部に青い丸が2つ表示される。これは……目?
どうもこれが今話してる声の主っぽい。
「初めまして。私は第2705番ダンジョンコア兼ダンジョンマスター支援用AIです」
「第……なんて?」
「第2705番ダンジョンコア兼ダンジョンマスター支援用AIです」
「もう一度!」
「第27……。とりあえずマスターを手助けするための物ですよ。そして私がやられるとダンジョンマスターごとダンジョンが崩壊します」
諦められた……あきれた声してるけど、あんな事を早口で言われて聞き取れないのって私のせいじゃないよね!
「そういえばダンジョンに守り神みたいなのがいるって聞いた事があるかも。私がそれになったの? ……これからよろしくね。えっと……そうだ聞いてなかった。名前なんていうの?」
「私に名前はありません。ご自由に呼んでください」
「え~悲しいな~。じゃあ……エリーはどう? 輝く光って意味があるんだって。かわいいでしょ?」
「ダンジョンは真っ暗ですけどね……了解しました。私はエリーです」
「だからこそよ。よろしくエリー!」
「よろしくお願いします……マスターアオバ」
「……そういえば私なんでこんな落ち着いてるの? 街に帰りたいとかならないんだけど」
「殺人への忌避感とか人間として必要なその辺は洗脳しといたので」
え……? 私は今のですっごく帰りたくなったよ。
いろんな情報を整理したりして3時間。16歳の小さな脳はもうクラクラ。
「で、だいたい私がすればいいのは基本的に1つか」
それははポイントを貯めなきゃいけないって事!
やり方は人をダンジョン内で倒したり、ダンジョン外の魔物を倒すこと。まぁダンジョン内に居るだけでもポイントが少しもらえるみたいだけど。
後はお金を交換する事も出来るみたいだね。ダンジョンマスターって人類の敵なのにお金しか交換できないの……?
「あともう1つ注意点があります。ダンジョン同士にはダンジョンバトルというのがあります。
事前に勝者は何を得るなど決めてダンジョン同士で戦闘をするものですね。めったに無いですがたまに命がかかるので、そのような勝負だけはしないでくださいね」
「……これマスターになる契約を破棄とかって……お金払うんで……」
「無理ですよ。右下の方に小さな文字で違約金は命でもって支払えと書いてますよ。マスターアオバ。ようこそダンジョンへ」
それは……ダメでしょ……。
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