戦い?いいえ。真心こめたモンスターお手製商品で稼ぎます!~辺境ダンジョンすぎて冒険者が来ないので少女は交易で生き残りを目指す~

くずは

文字の大きさ
8 / 12

詰められた

しおりを挟む
 「約4400ポイント……でしゅ……ダンジョンも見せるから……襲わないで……」

 エリーが他のダンジョンコアと話すとかでどっかに行ってくれて本当に良かった。じゃっかん涙目。あまりに情けなすぎる。でも怖いんだもん……このウサギ大剣しょってるし……。

 「あら私と同じくらいじゃない。軟弱な人間だと思ってたら案外やるわね」

 ほ、褒められた? 分からないけど命の危機は脱出した予感。話してみると意外と話が合う。向こうも最初は私をなめ切っていたみたいだけど考えを改めてくれたみたい。
 
 ほっとしているとブォンという音とともに大広間の奥の壁いっぱいに何かの映像が映った。映像には暗い部屋とカーテン。そしてカーテンに隠れて見えないけど1人の男の人が大きな椅子に座っているのが見える。

 その人を見た瞬間に急に畏敬の念が湧き出てきた。知らない人のはずなのに、なぜかとても立派で昔から尊敬してた人物かのような……。
 気づくとさっきまで騒がしかった広間はシンと静まり、イエナちゃんも、いつの間にか横に戻ってきたエリーも尊敬のまなざしで見ている。

 いやいや私は洗脳に負けないぞ。これ以上私の脳をいじくられてたまるか。
 そう思うと意外と普通の感情に戻ってきた。だって知らないおじさんだしねぇ。1人そんな格闘をしてるうちに男の人が話し始める。

 「やぁみんな。今日はあまり時間が取れないから手短になっちゃうけどごめんね。とりあえず2か月前に入ってきたばかりの後輩を優しく迎えてあげてくれ。じゃあ時間が無いから失礼するよ。次はもっと話してあげるからさ。それじゃあね」

 映像がプチッと途切れる。え……これだけ? そもそもあの人だれ?

 「そういえばマスターには説明していませんでしたね。今の方は我々の創造主様です。この世のすべてのダンジョンをお作りになり、今マスターが使ってるマスター画面や生み出されるモンスター。そのすべてを創造したお方なのです」
 「アオバ。あの方素晴らしかったわね。私たちを生み出されたなんてどれほどの力をお持ちなんでしょう。あら? その子はあなたのダンジョンコア?」

 イエナとエリーがあのおじさんの話で盛り上がるなか、私は少し考え込んでいた。創造主といっても……うーんなんか実感ないなぁ。そもそもなんのためにダンジョンを作ったんだろう。
 しかしそんな考え事をしてる暇もなく次のやっかい事が迷い込んでくる。

 「おいおい人間のダンジョンマスターってお前かぁ? ずいぶん弱そうだな。だいたい女だし」

 うわっ。誰かと思ったらさっきのウルフ集団じゃん。話しかけてきたのはウルフ集団を引き連れている、見るからにゲスそうなリーダー格のような奴だった。頭の上には1の数字。1つ先輩か……。

 「しかも横にいるのはさっき俺の弟分を鼻で笑ったウサギ野郎じゃねぇか」
 「あら? 雑魚に雑魚と言って何が悪いのかしら。それに私はレディよ」

 イエナちゃんもお知り合いの方ですか。あまりいい関係じゃ無さそうだけど……。

 「あぁ? 新人風情が生意気な……。ふぅ。温厚な俺をここまで怒らせるとはな。決めた。貴様らは潰す。ダンジョンバトルだ」
 「あら? 1年先に生まれただけで随分と自信をお持ちのようで」
 
 イエナちゃんは気が強いのかあっという間に喧嘩をお買い上げ。そして巻き込まれる私。
 
 それにウルフは1度温厚の意味を辞書で調べてほしい。それは私のような人の事を言うの。な、なに。こっちをジーッと見ないでよエリー。
 でもさすがに初対面で見下してきたあげく、サル呼ばわりは私も少し我慢できなさそうかも。

 「エリー。ダンジョンバトルの準備をするよ」
 「了解ですマスター」

 「さっすがアオバ。もちろん売られたバトルは買うに決まってるわよね」
 「おいおい美しい友情ってやつか? 泣かせるねぇ。この俺様にたてついた事を後悔させてやる!」

 それから10分後。ダンジョンバトルは3週間後。使っていいのは今いる戦力と4千ポイント分まで。

 この4千ポイントも召喚に使うのは禁止。ダンジョンのランクによって召喚できるモンスターは違うからずるいって事らしい。こういう所で妙に公平なのは助かった。

 まぁそれでも今の戦力差も大きいから勝てるって思ったんだろうけど。
 そして敗者は勝者に1万ポイント支払うっていうルールが決まった。
 
 実害があるわけでも無いのに先輩マスターからのバトルで奴隷化や相手を殺す事はタブーになっているからね。とはいっても1万ポイントは私たちにとっては大金だ。
 
 バトルに使う4千もギリギリなのに追加で支払うなんて事になったら間違いなく足りない。今のダンジョンにあるモンスターも土地も全てを返還してポイントにしなきゃいけないことになりそう。0ポイントでダンジョンには何もなし。そうなると待ってるのは破滅だ。
 それに最初のダンジョンバトル。私が勝ってみせる。

 1人決意を固めたところでイエナちゃんが話しかけてきた。

 「忘れてたわ。今回は奴らと戦うからお預けだけど、そのうち私達もバトルで友情を深めましょうね」

 絶対歪んでるよその友情。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...