Forbidden fruit

春蠶 市

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小話詰め合わせ

■お題:乳首責め

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▼ロキ×ナオ(弟×兄)
 お題:乳首責め(ワンドロ)旧作


 上着の裾をたくし上げる白い手が生理的な胴震いにつられて僅かに跳ねた。

「兄様。ちゃんと持ッてろよ」
「ン、ッごめんね……」

 ナオを膝の中におさめているロキが後ろから注意をすれば、ナオは痺れる指先に力を入れ直す。上擦る呼吸につられて溢れる唾液を何度かに分けて苦しげに飲み込んで、それから上着を掴む両手を持ち上げた。

「良い子良い子」
「――っ、んんッ……ぁ!」

 ロキは適当に褒めると体温の上がった白い肌にピンク色の小さな玩具を当てる。
 ローターで汗の滲む身を撫でれば小刻みな振動が与えてくるこそばゆくも神経に響く感覚にナオが肩を竦めた。
 きゅ、と脊髄反射で両脚を擦り合わせ身体に力を込めたナオを無視してロキはローターで肌をくすぐっていく。

「っ――はぁ、っ」
「兄様。もうちょい集中しねーとイケねーよ? 今日コッチは遊ばねーから」
「ふあ! ぁ、っ……ンッ!」

 遊ばないと言いつつロキはしまったナオの両脚の間に片手を滑り込ませる。
 ゆとりのある部屋着の上からモノを掴んで圧迫すればナオの足先が過敏に丸くなった。逃げ場のない熱に悶える足が清潔なベッドシーツに皺を生み出す。

「こーら。兄様。俺の手じゃなくてローターのほうに集中しな。コッチはオマケ」
「あっ、っ! んっ――!」
「今日は玩具で遊ぶんだろ?」
「っ、んん……ッ」

 胸部への過度の刺激で遠巻きに熱を燻らせられていたモノをロキは生地越しに強弱をつけて揉みしだく。
 与えられる衝撃にナオの膝が跳ねて仰け反る喉から散る嬌声が強まった。

「ンっ! はっ……あっ――!」
「兄様ッたらすーぐ気持ち良くなッちゃうのな。そういうとこが可愛いけど」
「ひぁっ! ――ッ、……っ!」

 下を弄びながらロキは右手に持つ小さな玩具を改めて兄の胸元に近付ける。膨らみを増した胸の性感帯に直接玩具を当てた。

「――――ぁあッ!」

 振動的には物足りないだろうが既に遊ばれて弱くなっている神経には十分な甘さを与えるようで、反応良く何度も細腰が跳ねる。
 ナオは意図的に逃げはしないが足先だけは逃げるようにもがいてベッドシーツをかき混ぜた。

「あっ、んっ、ッ……!」
「ローションつけてやればもッと滑り良かッたな。これだとイケねーか」
「――はっ、ぁ、ンッ、っ……」
「にーいさまァ。お顔上げて」
「っは……ふ、ッ――っ、どう、したの……?」

 陶酔するようにぼやけた黒眼が涙を溜めて、半開きの唇から扇情的に乱れた呼吸音が響く。肩で息をするナオはロキを見上げて疑問符を浮かべる。
 ロキは汗で前髪の張り付くナオの額に口付けた。

「痛い?」
「ん、だい、じょうぶ……っはあ」
「汗で逆に変に擦れそうだなコレ。やめるか」
「? はあっ、ん……や、めるの……?」

 首を捻るナオの額にもう一度唇を落として騒がしいローターを白い肌から離す。
 ふう……とナオが大きく息を吐いた。

「ッ――んぐっ!」
「にーいさま。コレちゃーんと濡らして」

 ロキは一息付いたナオの口腔に指ごとローターを突っ込んだ。
 小ぶりとはいえ振動を続ける玩具を喉奥に押し込められた衝撃でナオが四肢を強張らせてえずくが、気に留めずにロキはローターを口腔粘膜に擦り付ける。

「うッ! ――っぐ、ンン!」
「やッぱサボるのはよくねーな。ちゃんと濡らして滑りよくしてから再開しよッかにーさま」
「ァ! んっ、っ――!」
「ほら、舌使えよ兄様」
「――……ッ!」

 快楽を誘う手付きでは決してなく、暴力的に一方的な動きでロキはナオの口内を弄っていく。人差し指と中指を躊躇なく第二関節まで突っ込み、薬指の先も唇の端に引っ掛けた。

「ッ、ふっ――っんん、ぐぅ……」
「そうそう。超おじょーず」

 ロキの指に歯が当たらないよう必死に開かれた唇の端から鈍い振動音とそれにかき混ぜられた唾液が粘性高く溢れた。
 狭苦しさのせいでまともに動かせない舌を懸命に蠢かせて玩具をどうにかしようとするナオを眺めつつロキは左腕を持ち上げる。

「――ッン!?」
「こら。やめねーの」
「っ、う! んぅ――――っ!」

 改めて左手で胸元に触れればナオが身体に余分な力を入れた。
 強張るも高揚する身を柔く撫でて胸の突起を爪先で弾けば黒い焦点がブレる。

「あー……なるほど。玩具じゃなかッたのか兄様」
「ん! ッ――ゲホ! っ、はっ、っげほ、っ…………っ、はっ――はあ、ぅ……」

 唾液が濁るほど押し込んでいたローターを呆気なく口内から引きずり出し、粘性の強い糸を引きくそれをロキはベッドに放る。
 咳き込むナオが緩慢に涙目を捨てられた玩具に向け「っ、ろき……?」と疑問を向けてきた。

「な、んで……? っはあ、っ使わないの……?」
「玩具より俺のほうが超反応イイじゃん」
「あっ、っ!」
「気付かなくてごめんな兄様。俺で気持ち良くなりたかッたのに玩具で遊んじゃッて」
「ふぁッ、ッ――ん、ん」

 カリカリと爪で過敏な部分を引っ掻かれ、反射的に前屈みになったナオの頸をロキは舌で舐め上げる。

「っ――……ぅ、ンッ」

 奥歯を噛んでナオが上擦った息を殺す。
 それでもロキが舌の表面で唾液を白い肌に塗り潤いの増した肌に音を立てて吸い付けば、すぐにナオは歯の隙間から火照った声を零した。

「っは、ぁ――ん、っはあ……」
「兄様。気持ちいーい?」
「はあッは……っ、気持ちいい、よ……っ!」
「じゃあコッチだけでイケるように頑張ろうなー」
「そ、れは……っん」
「なーに?」
「はあ……、ん、できる、かな……」
「ダイジョーブ。練習すれば兄様は良い子だからできるだろ」
「ん――!」

 きゅ、ときつめに乳首を摘んでやれば痛苦すら甘美な刺激に変換してナオは腰をびくつかせる。震える足先が身を嬲る快楽に過剰反応をみせて幾度となく戦慄き、切なげに内腿の筋を突っ張らせた。

「可愛い可愛い。コッチだけでイケるようになッたら新しいランジェリー買ッてやるから」
「? ッ、あ、たらしいの……? それは、女の子のだから……っ、ん、僕は持ってないよ?」
「あ、兄様にはこういうこと言ッてもダメか」
「はぁ、っ……え、と……どういうこと?」
「なんでもない。兄様のこといじめたかッただーけ」
「ひあ! ッ! ――――っ!」
「兄様いじめんなら直接するほうがはえーな」

 ロキは一笑し、尖った性感帯を指の腹で直に擦り上げて興奮を煽る。

「ん、っ……っあぁッ!」

 強弱をつけて愛撫を続けてやれば高められる劣情にナオは指が白くなるほど力強く自分の上着を掴んだ。子供のように縮こまり、両脚を閉じて強制的に与えられる淫らな欲に堪える。

「にーいさまッ」
「ひ!」

 無駄に力がこもりすぎているナオの体躯を胸元に爪を立てて叱責すれば引っ付いている太腿が一等派手に飛び跳ねた。

「力抜きな。イケたらご褒美やるから頑張ッて」
「ん、っ……うん……」
「良い子。腕上げてろよ?」
「分かった……」

 頷いてナオはもぞりと姿勢を整え直す。
「これで良い?」と頭をもたげ上擦った声で問い掛けてきたナオに答えず、ロキは濡れた唇に噛み付いた。

【end】
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