これは私の物語

笹乃笹世

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2章 森からの脱出

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 ――いや、急にダリアになったといってもですね? こちとら向こうから知識や経験則なんかも全部まるっと持ってきてるわけなんですよ。
 旨みが出なかったらスープにベーコン入れる意味なんかほぼ無くなるし、チーズなんか、かかってるだけで野菜がご馳走に大変身しちゃう魔法の食べ物なんだから。
 カチカチのパンも我慢しろと言われれば我慢するし、食後のデザートがないのも我慢できる。
 ――でも! 旨味も味付けもうっすいスープを毎日なんて絶対にイヤだ! もう絶対に我慢なんかしない!
 チーズはちゃんと固形のまま口に入れるか、熱してトロッと伸びるからこそチーズなんであって、決して風味付けの調味料なんかじゃないんだっ!

 ――美味しい食事は正義です。
 そのためには妥協してはいけないラインが存在するんだ……!
 ――食べ物に加える調味料や食材は、美味しいと思う量が適量なんだと、私はそう主張したいっ!

 ――私は! 美味しいご飯が! 食べたいだけなのっ!

「マニョールカ、寄るかぁ……」

 村人に捕まる恐怖と美味しい料理、その二つを天秤にかけ、美味しい料理が買った瞬間だった――

 マニョールカとは、この辺りでは一番大きな村で、国の運営する各種ギルドも数多く支店を出している、活気のあるところだ。
 ――そんな場所だから、当然うちの村の人たちとも交流のある人はいる。
 うちの村が総勢100人程度に対して、マニョールカは8千人ぐらいだから、私たちのことを知ってる人に会ってしまう確率はそこまで高くはないと思うけど――問題は村人が張っていた時…… 村から逃げ出して今日で4日目……一周回って、他のところ探してる説あると思うんだけどなぁー。 馬車使えば半日もかからずに辿り着いちゃう村だし。
 ……とりあえずは、ご飯の後でみんなに相談してみるかー。


 木を組んで火をつけ、水の入った鍋を置く。 念のために魔物よけも一緒に燃やしておく。 ……この煙を魔物が嫌がるってのは知識として知ってるんだけど――どの程度の量をどの程度の時間焚いておくといいとかいう知識はどこで手に入ったんですかね……?
 くそぅ……自分のこと設定厨だとか自認してたくせに、こういうの決めておかないとか! 



 周りに充満し始めた独特の匂いに、魔物は野生動物くらい鼻が良いし、きっとこの匂いもずっと強烈に感じてるからきっと襲ってこないはず……! と自分に言い聞かせ食事の準備を始める。
 他の3人は「今日はお魚取ってくるからね!」という頼もしい言葉と共に、森へ食材を探し行った。
 私はここに残ってスープ作り、そして荷物番兼、縫い仕事だ。
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