これは私の物語

笹乃笹世

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7章 大騒動の冬支度

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「鈴の実探す……?」

 私たちの話をジッと聞いていたプリムがソワソワしているのを必死に抑えながたずねてくる。
 ……私たちは基本大人たちとの会話にはあんまり口を挟まない。 ――タイミングが悪いと最悪殴られるからね……

「私たちが探したいなら、みんな協力してくれるって」
「良いの⁉︎」
「本当⁉︎」

 私の答えに顔を輝かせて兵士たちやおかみさんたちに確認する。

「……ま、見つかったらな?」

 ミケーレさんの言葉に私たち兄弟は両手を上げて歓声を上げた。

「やったー!」
「おっきな瓶持って来たからね! いっぱいにして帰ろうね!」
「うん!」

 私の言葉に弟たちが笑顔で頷き、そんな弟たちの奥にいた兵士たちの顔が引きつっているのが見える。

「いや、それは……」
「さすがにデカすぎ……」

 ――あくまで心意気の話だから!
 私だって雪も降ってない森でこんなに見つかるとは思ってないけど、大は小を兼ねるんですよ。
 ……半分くらいは見つかると嬉しいよねー……

 ◇

「みんな枝集めるの上手ねぇ……?」
「慣れっこなんで……」

 馬車を予定よりも少し奥まで入れ、男性陣が手頃な木を切り倒し、そこから少し離れた場所でおかみさんたちと一緒に落ちた枝を拾い集める。
 私たちは道具なんて持って無かったし、高価なナタやノコギリなんか貸してもらえなかったから、自分たちで折れるぐらいの枝しか薪として使えなかったので、私たちにとって薪といったら落ちている枝だ。

 ――ちなみに枝をまとめるコツは、まとめた枝の両端にツルやロープを巻きつけて2人同時にコロコロと左右に動かしながら締めていくと、枝同士が勝手に絡まってキツく締まり、持ち運びの時にツタやロープが緩んだりしないのだ。

「焚き付け集めるのも早いし……――ロランはなにを集めてるの?」

 ナタリーさんが少し離れたところで座り込んでいるロランを見つめながら聞いてくる。
 その視線を辿ってロランを見つめると、その辺の棒を使ってガリガリと地面を掘りかえしているロランが見えた。
 多分、植物だよね……? 根っこごと持ち帰りたいんだと思うから――

「多分ハーブですね。 香草やハーブを集めて庭で育ててるので……」

 ――正直今の季節のハーブとか、私には枯れ草にしか見えないけど、ロランは植物にすこぶる強いのであの状態でもあれがなんの草なのか分かるんだろう。

「……分かるもの?」
「――森に入ってるってのは聞いてたけど……一種の才能ね、凄いわよあんたたち」

 あ、風評被害です。 あれができるのはロランくらいです。

 そう思いながら訂正しようと口を開くが、その前にプリムたちが喋り始めた。
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