【完結】回復魔法だけでも幸せになれますか?

笹乃笹世

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「ーーこちらの言い分を聞いてもらえるなら……べつに修道院に行かせなくても構いませんよ?」
「お嬢様⁉︎」

 私の後ろに控えるように立っていたジーノさんが、咎めるような声をあげ、目の前の使者はポカン……と口を開けたまま私の顔を見つめていた。
 ……ジーノさんがおっしゃりたいことは重々承知の上ですが、心配ご無用ですっ!
 私は私なりに復讐する気マンマンですからっ‼︎

「……ーー私だって、あの女は今でも大嫌いですし、二度と顔も見たくありませんけど……  ーーやっぱりエミリーちゃんの未来を潰すわけには……」
「しかし、それではっ!」

 ジーノさんがソファーに手をついて、縋り付くように言う。
 その声を聴きながら、壁際のモンティー夫妻が勢いよく顔を上げる所が見えた。 驚きすぎたのか、二人とも同じくらい大きく目を見開いる。

「もちろん色々と条件は付けさせて頂きますよ? ーー私の中ではいっそ、やらずに修道院に行った方がいいーーと思ってしまうのでは⁇ ってぐらい厳しい条件が……」
「……ーーその条件とは?」

 目の前の使者でもなく、ジーノさんでもなく、隣に座っていたエド様が少し心配そうな顔をしてたずねてきた。
 ーー……そっか、エド様はこれからも男爵家との関係が続くんだもんね。
 そりゃ気になるかぁー。

「一つ目は謝罪です」
「ーー妥当だな」

 私の言葉に、エド様は意外そうな顔つきで頷いた。

「……私にもですが、それだけではなく今回の被害者に謝り、全員からきちんとした許しを得てください。 そちらが謝ったかどうかは重要ではなく、皆さんが謝罪をされたかどうかが重要ですーーこの際、多少の金銭や品物の譲渡ぐらいならば認めます」

 つまり、ちゃんと許されるまで謝ってきてね。 ってことだ。
「私は謝りましたんでー」なんて言葉で済ませる気はないよってことでもある。

「ーーは?」

 先ほどの私の言葉で目を見開いていた使者は、今の言葉で口をあんぐりとさせていた。
 ーー……この人まだ聞こえているんだろうか……?まぁ、立会人はいるし……要望を続けよう。

「それと今回の件の原因となった化粧水や乳液に関してですが、その一切の使用を禁じます。 ーーあ、それと念のため……レベッカ嬢の侍女として絶対にエミリーちゃんを同行させることーーこれも条件に加えておいてください」

 お母様たちの注文具合から見ると、この化粧水たち、結構な流行になってるはずなんだよ。
 ベラルディ家を通したくない家は、教会や商会の方に直接お伺いの手紙を出しているらしいし……

 ーーこの状況下で発信元のバジーレ領のご近所、なおかつ侍女の実家が販売店……にも関わらず、自分は手に入れられないーー……そんなの嫌に決まってるよねえぇぇぇっ!
 お母様、お婆様、未来のお姉様お妹様! 期待していますよっ‼︎
 じゃんじゃん派閥争いして、ガンガンばら撒いてくださいねっ‼︎

「ーー本当にその条件で許していただけるので……?」
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