【完結】龍王陛下の里帰り

笹乃笹世

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 ――時はあっという間に過ぎ去り、お昼を過ぎた頃だった。
 用意した菓子や卵の売り上げは上々だったのだが、龍族がこの辺りに姿を現すことなかった。
 つまりーー組紐や髪飾りたちは、一つとして売れていなかった。
「1個も売れないねぇ……」
 春鈴は丸まって暖を取っているフェイロンたちの頬をつつきながら、つまらなそうにぼやく。
「金での支払いなら売れるんだろうが、金にすると菫家がうるさいからねぇ……」
「――借金、早く返せるといいね……?」
「――お前の孫が大きくなる頃かねぇ?」
(長すぎなんだよなぁ……どれだけ借りたのかと……ーーいや、相手が搾取する気マンマンなだけか……)
 二人がそんな話で、ぼやきあっている時だった――
 辺りがにわかに騒がしくなり、何事かと春鈴が身構えた瞬間、店のすぐ前に二人の龍族が降り立った。
(ーーどう見てもお客じゃなさそう……)
 春鈴は降り立った龍族たちの、決してご機嫌とは言えない雰囲気にゆっくりと首をすくめた。

 龍族の視線の先にあったのが、隣の店の男性でなく、自分だったならば、確実に祖母の後ろに実を隠していただろうな……と心の中で呟きながら。

「ちょーっと話いいかなぁ?」
「龍……族」
 急に降り立った龍族に驚いた男性は、そう呟くと、ギジリ……とその身を固くする。
 そして、なにかを言おうとしているのか、口をパクパクと動かしていた。
 
「おいあれ、近衛師団じゃねーか?」
「なんでそんな、お偉さんが……」
 
 そんな野次馬たちの会話が耳に入ったのか、目の前の龍族が龍族の中でも高い身分の者たちだと理解した男性は、ブルブルと震え出すと、真っ青な顔色でおかしな挙動を見せ始めた。
 しかし、龍族が次に発した言葉に再び体を固くし、顔色は青を通り越し白くなるまで血の気が引いていた。
「この店だろ? 龍のお宝売ってるって言いふらしてるてるって店? ――なに? もしかして俺ら龍族の中に、他人にお宝盗まれるようなマヌケがいるとでも言いてぇの?」
 ――どんな説明を受けてここにきたのかは不明だが、だいぶイライラとしていて、随分と高圧的な態度だった。
(……まぁ、龍族がそれだけ自分のコレクションを大切にするからだとは思うけど……いくらなんでも高圧的すぎない……? 機嫌悪過ぎじゃん……威圧でおっちゃん喋れなくなっちゃってるし……)
 
 やって来た龍族は二人。
 店主に向かい凄んで見せる青い色の髪を持つ、少し背が低めの少年のような龍族と、静かに店主を睨みつけている真っ赤な髪色を持つ体格の良い龍族だ。
 
「あ、あの違……その、えっと……」
「言い訳は聞きたくねぇ。 事実をはっきり言ってくれねぇか?」
「ひっ……」
 ギンッと、鋭い視線で男性を睨みつける青髪の龍族。
 隣に佇む赤髪の龍族も、止めるでもなく、静かに不機嫌であることを体全身で主張していた。
(――これで説明しろとか……絶対ムリでしょ……)
 大きなため息をついた春鈴は、呆れていることを隠そうともせず龍族たちに話しかけた。
「――あのね?」
「……なんか用か、お嬢ちゃん」
 話しかけた瞬間、青髪にジロリと不機嫌そうな顔で見つめられるが、春鈴はその軽い威圧をフン! と鼻で笑い飛ばして説明を始めた。
(どう頑張ったってばっちゃが放つ威圧のほうが断然怖いんだよ! そんな子供だましの威圧、私には効かないんだから!)
「龍のお宝っていうのはこれのこと。 ただの綺麗なお菓子」
 春鈴はそう言いながら、隣の店の売り物を差し出す。
「――菓子ぃ?」
 春鈴の言葉に、青髪は声を裏がえしながら、差し出された菓子をまじまじと見つめ返すした。
 同時に感じていた威圧も消え去るが、元々そこまで気にしていなかった春鈴にとってはそこまでの違いは感じられなかったが。
が、隣の店のヤギ族の男性や近くの店の者たちは、ホッと大きく息をつくのだった。
「このおっちゃん、このお菓子を龍族に売りたかったんだって」
 龍族が話を聞いてくれそうになったところで、春鈴は男性を気づかうようにチラチラ見つめながら説明し始める。
「……美しくはあるが――日持ちはするのか?」
 赤髪も興味を示し、青髪の後ろから覗き込むように菓子をまじまじと見つめた。
 鼻をヒクヒク動かしながら男性にたずねていた。
「その……15日ほどかと……」
 男性はオドオドと汗をぬぐいながら小さな声で答えルイト。
「――それは短けぇな」
「その程度しか愛でられぬのか……」
 男性の言葉にシュン……と眉を下げる龍族たち。
「……だよね。そうなると思ったから、このおっちゃんにもそう言ったの。 龍族の人はあんまり買わないかも? って――綺麗だからもったいなくて食べられないだろうし、でもお菓子なら食べないと……って考えて買わないんじゃないかなって……」
「まぁ……確かに。砂糖菓子だろ?  二週間程度で溶けちまうってのは忍びねえよなぁ……」
「うむ。しかし……食すのももったいない……」
「――やっぱりそうなるでしょ? なら売るべき相手は龍族じゃなく他の人になるわけ。 例えば、私たちみたいに龍族を相手に商売したい人や、観光で来てる人たち。 『龍の里近くの牙爪市場に行って、龍のお宝って名前の菓子買ってきたぞー!』って、そんなこと言われながらお土産貰ったら面白いんじゃないかなって……だってこんなに綺麗だし……――名前は、これ宝石みたいだから、面白いかも? って私が付けたの」
「――君が?」
 赤髪は冷たい視線を春鈴に向ける。
 咎めるようなその視線に、春鈴はちょっとムッとしながら、自分の考え主張する。
「だって……これは誰がどう見たってお菓子でしょ。 しかも私のおこずかいでも買える値段だし……そんな龍のお宝、誰だって偽物だって分かるでしょ」
「ふむ……?」
 そんな説明に、納得できる部分もあったのか、龍族たちは視線を交わし合いながら軽くうなずき合う。
「そりゃ龍のお宝売ってたーって言われたらビックリしちゃうけど、これの中身見たら、みんな『あー……自分だって、こんなに大きな宝石持ってみてぇなぁー』って笑いながら食べちゃうでしょ。 誰も本気になんてしないよ」
 そう言って肩をすくめた春鈴。
「――まぁ、俺はこれよりももっとデカイ宝石を部屋いっぱいに持ってるがな」
 春鈴の言葉に、青髪は得意げに胸を張りながら答えた。
「――私の方が持っているだろう? しかも透明度の高いものばかりだ」
 それに張り合う様に、赤髪も胸を張りながら誇らしげに語る。
「……分かってねぇなぁ? デカさこそが正義だろうが」
「――勝手な事を言うな。 宝石なんだぞ? 透明度があってこそだろう!」
「デカけりゃいいんだよ!
「分からんことをっ!」
「なんだと⁉︎」
 ゴツリと音を立てて頭を突き合わせ、周囲に威圧をまき散らしながら大声で言い合う龍族たち。
「――うん。 お兄さんがた、その話題はよそでやってもらっても?」
「――……悪い」
「――……すまん」
 呆れたように声をかけた春鈴に、龍族たちはバツが悪そうに謝罪の言葉を口にした。
「――それで、話は終わったのかい?」
 静かに首を振りながら、呆れをにじませた口調で美羽蘭も龍族たちに話しかけた。
「あー……まぁ、そうだな。 この菓子に関しては……」
「――ああ。 間違えようもなければ値段も適切だ」
「じゃあ、このおっちゃんは、これからも龍のお宝って名前で売って構わない?」
「――ああ。 しかし! この菓子だから、そしてこの程度の値段だから、と言う事は忘れないで貰おう」
 春鈴の言葉に赤髪は静かに頷くが、その言葉の最後で、釘を刺すように厳しい口調をヤギ族の男性に向ける。
「あ……ありがとうございます、ありがとうございます!」
 しかし当の男性は、許しの言葉だけを素直に受け取り、龍族たちを拝み出しそうな勢いでぺこぺこと頭を何度も下げながら感謝した。
(――これ多分、安い石使って騙したり、お菓子なのに宝石のような値段つけて売るんじゃねぇぞ、って釘差しのような気もするけど……このおっちゃん、そんな気さらさら無いみたいだし、別に指摘しなくてもいっかな……ってか、この人たちが認めたってことはさ……⁉︎)
「――おっちゃん、やったじゃん! これで次から龍族公認! って言葉も付けられるよ⁉︎」
 春鈴は頭を下げ続ける男性の背中をペシペシと叩きながら、嬉しそうに声をかける。
「――なるほど⁉︎」
「――商魂たくましいお嬢さんだな……?」
 今の会話をすぐさま商売に反映させる春鈴に、赤髪は眉を下げながら肩をすくめる。
「自慢の孫さね。 ――どうだい? せっかくここいらまで来たんだ、見ておいきよ」
 そういいながら、美羽蘭は2人によく見えるように組紐や髪飾りを並べて見せる。
 春鈴の商魂逞しさは、確実にこの祖母の教育のたまものだった。
「――へぇ?」
「……これは見事な」
 二人は同時にそう呟いて、互いにチラリと相手の顔に視線を流した。
そして次の瞬間、これまた同時に美羽蘭に向かって言い放った。
「「この組紐を!」」
 再び同時に同じ言葉を発したことで、さらに鋭い視線でにらみ合い――更に同時に同じ言葉を口にする。
「「こちらの髪飾りもだ!」」
2人は、にらみ合いながらギリギリと牙をむき出しにして互いを威嚇し合う。
 
 龍族、そして近衛師団がこの通りに現れたというだけで周囲の注目を集めていたのだが、さらに声を荒げて喧嘩寸前という事態に、その通りにいるすべての者たちがこの騒動に注目していた。

 ――しかし、当の本人たちは、
「私が先だが?」
「は? 俺ですけどぉー?」
と、額に青筋を立ててお互いをめねつけあっていたのだが……
「…………じゃんけんでもして決めたらどうだい?」
 大きなため息をついた美羽蘭がそう提案するまで、二人の戦いは続けられた――……いや、正確には、龍族の凄まじい動体視力を使い、無限にじゃんけんを続ける2人に対し、呆れた春鈴が「注文してくれれば、いくらでも作るのに……」と呟き、2人同時に「それは本当か⁉︎」と同時に詰め寄るまで、その戦いは続けられていた。
 
「――しかし、随分と力の強い先祖返りだな?」
 ようやくにらみ合いをやめた赤髪は、その時初めて目の前の少女が人間であるにもかかわらず、自分たちを恐れていないという事実を認識した。
 龍族の者でも、自分たちの威圧を間近に受ければ、平常心ではいられない者もいることを踏まえると、その事実は赤髪に決して少なくはない驚きをもたらすものだった。
「――え?」
(先祖返りに、力の強い、弱いなんてあるの……?)
「……蓮歌山の家のもんさね」
「蓮歌山……!」
 美羽蘭の答えにギョッと目をむいた赤髪、そして会話を聞いていた青髪も驚いたように目を丸くしていた。
(――なんだこの空気……?)
「――注文したいもんがあれば、式でも飛ばしとくれ」
 キョトリと目を瞬かせた春鈴がその疑問を口にする前に、少々固い顔つきになった美羽蘭がそう言い放っていた。
 そんな美羽蘭の態度をどう捉えたのか、龍族たちは神妙な顔つきで頷くと、翼を広げ、少しの砂ぼこりと共に帰っていったのだった――
 
(……結局、組紐も髪飾りも一つも売れなかったなー……)
春鈴がそんなことを思いながら龍族たちの飛び去る後ろ姿を眺めていると、ヤギ族の男性が恐々と話しかけてきた。
「嬢ちゃんら……大丈夫なのかい……?」
「――なんだい、礼がしたいって? こっちはその菓子をもう一袋でもいいんだけどねぇ?」
 美羽蘭はニヤニヤと笑いながらそう答え、男性からの質問に答えることを回避した。
 
 先ほどの龍族が言っていたように、美羽蘭も春鈴も力の強い――並みの龍族とならば、遜色が無いほどの妖力を持つ先祖返りだった。
 
 ――その事実を面白く思わない龍族がいることを、美羽蘭はその経験から知っていた。
 そして、人間の身でありながら龍族に匹敵するほどの妖力を持っていることでいらぬトラブルに巻き込まれる危険があることも。
 それを重々承知していた美羽蘭は、この話題をさっさと終わらせたのだった。
 
「こんなもんでよければ、いくらでも貰ってくれ!」
「いいの⁉︎ やったー! あっこのピンクのがいっぱいのがいい! ばっちゃは?」
「……そこのデカいのが入ってるのがいいかね?」
 さりげなく2人分のお菓子を要求して見せた春鈴を誇らしく思いながら、美羽蘭も自分好みの菓子を要求する。
「おっちゃん、これとこれねー」
「ほいきた。 いやー、助かったよ。 龍族たちに睨まれたら商売上がったりだからなぁ……」
 そう言いつつ、のほほんと胸を撫で下ろしている男性に、春鈴はキッと目を吊り上げる。
「……なにのんき気なこと言ってんの? むしろここからが勝負だよ⁉︎」
 そして男性に向かい、発破をかけるように言い放った。
 この程度の商売のノウハウはしっかりと仕込まれているようだった。
「勝負……?」
「そうだよ! このお菓子はたった今、龍族の公認を受けた正真正銘の『龍のお宝』なったんだよ?」
「お、おう……」
 男性は春鈴の勢いに押されるように、少し首をかしげながらもコクコクと首を振る。
「……ちゃんと分ってる? 次からは誰にマネされてもいいように、元祖! とか龍族公認!とか書いたのぼりとか作ってきた方がいいと思うよ?」
「マネ⁉︎ ――のぼりだな……! 分かった!」
 商売敵しょうばいがたきの存在が出てくる可能性を指摘され、男性はようやく商人の顔つきを取り戻した。
「――春鈴、売り歩く用意しときな」
 通りの様子を観察していた美羽蘭が静かに言い放つ。
 龍族たちが完全に立ち去ったことを確認した者たちが、話題の店、そして話題の菓子を見ようと、サワサワと近付いて来た気配を敏感に察知していた。
「――まっかせて!」
 祖母の短い言葉だけで自分のやるべきことを把握した春鈴は、売上金の中から少しの金をひっつかんで、売り物を補充するために買い出しに走るのだった。
 
「ちまきー! あったかいちまきはいかがですかー? 肉入りのしょっぱいのも、小豆入りも甘いのもそろってまーす!」
 隣の店から伸びている列に並ぶ客相手に、フェイロたちと愛想を振りまきながら、茶卵やちまきを売り歩いていく。
(即席の蒸し器、割とうまくいったなー。 ちまき美味しいよねぇ、お腹にも溜るし!)
 
 ちまきなどの即席の食べ物を思った以上に売りさばいた春鈴たちは、想定以上の収入を得て、ホクホク顔で帰路につくのだった。
 
「今夜は豪勢にいこうかねぇ?」
「買って帰る⁉︎」
「たまには良いだろうさ」
「――そろそろカニの時期じゃない⁉︎」
「……母さんたちには内緒だよ?」
「うん! やったー!」
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