魔王と呼ばれた勇者、或いは勇者と呼ばれた魔王 〜最強の魔剣で自由に生きる! 金も女も、国さえも思いのまま!! …でも何かが違うみたいです

ちありや

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第36話 新体験

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「お、お前、男だったのか?!」

 まさかの『男の娘』だったモンモンに、俺達は全員が凍った様に固まってしまった。
 
「あれ? ボク『女の子』だなんで1度も言ってないよ? それにずっと『ボク』って言ってるじゃん」
 
 いやまぁそう言えばそうなんだけどさぁ、普通は『ボクっ娘なのかな?』とか思うじゃん。もう何と言うか頭が状況についてこない。
 モンモンはミニスカートをたくし上げたまま後ろを向き、俺の方に尻を向け含み笑いで顔を振り向かせる。その蠱惑的な笑顔と柔らかそうな腰の丸みはどこから見ても女の子の様に見える。

「ゆ、勇者さま!」

 いつも冷静なティリティアが珍しく上ずった声を上げる。見るとティリティアはかつて見た事が無いほどに顔を紅潮させており、その横のクロニアも真っ赤な顔で恥ずかしそうに下を向いている。

「せ、せっかくモンモンさんも仲間になった事ですし、親交を深める事はとても大事だと思いますわ!」

 は? 急に何を言い出すの? 俺はノンケで男と肉体関係だなんて… いやでもモンモンは下腹部以外は完璧に女の子に見えるし……。
 そもそも何でティリティアがそんなに鼻息を荒くしてそんな事を言い出すのかさっぱり……。

 はっ!!

 これはもしかして腐女子的な行動なのか? 女って無駄に男を化粧させたり男同士でカップリングさせたりするのが好きだからな。
 この世界にそういった頽廃的な嗜好や文化があるのかどうかは把握していないが、ティリティアやクロニアの態度を見るに『無い訳ではなさそう』だ……。

 ☆

 結果から言おう、俺はモンモンと『やった』。男同士で、しかも尻を使ってだ。
 尻は女神とのチュートリアルを始め、その後のクロニアら4人を相手にした時も使った事が無かった。だってシャワーや浴槽でしっかり体を洗えないこの世界だと、俺としても抵抗があったんだよなぁ。
 でも決して興味が無かった訳では無いんだ……。

 ワセリンの様なローション状の液体を塗って準備を整えたモンモンの、丸くてキレイな尻を後ろからす。女の様な嬌声を上げるモンモン。
 男同士の痴態を横目に、その横でティリティアとクロニアは女同士で濃厚なキスをしていた。
 男女2人ずついるのに男同士、女同士で絡み合っているのは何なのだろう? その辺で俺ももう考えるのを止めた。

 ☆
 
「すっごい気持ちよかったよ。ボクこんなに感じたの初めてかも…」

 一戦終えてベッドに突っ伏して荒い息をつくモンモン。俺も男相手に絶頂したのは初めてだったよ。

「感動ですわ! わたくしかねてより『殿方同士の睦み合い』というのを一度この目で見てみたかったのです!」
「あ、あの、私も…」

 あぁやっぱりこの世界にもBL的な文化はあるのね。そんで2人とも実はそういうの好きなのね……。

 そしてモンモンとの行為が終わった俺に向けて、「次は自分の番」とでも言いたそうな女達の手が、俺の股間に伸びてきたのだった……。
 
 ☆

 夜が明けて昨夜の饗宴の興奮も冷めやらぬまま、俺達は今後の方針を立てる事にした。
 
 まずはモンモンの処遇だが、女達は揃ってモンモンの『一物イチモツ』を受け入れる事は拒否した。2人とも俺に操を立てている風な事を言っていたが、これも聖剣の効果なのかな…?
 モンモン自身も特に気にする事もなく、「ボクも女の人のアソコって、ちょっとグロくて苦手なんだよね」等と言っていた。虚勢か本心かは分からないが。
 ただ昨夜の段階でモンモンに対しても手淫や口淫は普通に行われていたので、あくまで『本番』をしないだけという話なのだろう。
 都合俺が担当する『穴』が1つ増えただけに落ち着きそうだ。
 
 ☆
 
「お疲れ様でした。それでは翼竜ワイバーン討伐の報酬500カイ、並びに素材買い取り分の80カイ。そこから匠合ギルドの手数料を差し引いた522カイです。ご確認を」

 朝イチで受付嬢から金を受け取る。財布の中は朝飯代すら覚束なかった俺達だが、ようやくまともに金を稼げて人心地付いた気がする。それにしても手数料って聞いてないぞ? しかも10%って地味に高くないか? これが普通なのか…?
 
 そしてワイバーンという、それなりに『強敵』を討伐した事により俺達は認識票に打刻点が1つ増えランクアップ、晴れて『2点冒険者』となった。
 このランクアップの仕組みは、受けた任務の難易度がそのままポイントとして加算され、そのポイントが『現在のランクの2倍』になると、次のランクに昇格できる。

 俺達の受けた『ワイバーン退治』は3点の任務だった。つまりポイントを3点貰い、ランク1の2倍、2点を消費してランクアップした、という訳だ。
 残りの1点は繰り越され、現ランク2の2倍、4点から繰越しの1を引いた3点が次に目指す目標となる。単純にもう1回ワイバーンクラスの敵を退治すれば『3点冒険者』に上がれる計算だ。

 掲示板に依頼用紙が貼り出されるのはお昼前という事らしいので、俺達はそれまでの時間潰しを兼ねて買い物に出る事にした。

 近くにあるらしい匠合ギルドと専売契約を結んでいるという鍛冶屋と革細工屋の元へ向かう。
 昨日の段階でクロニアが装備の見積もりを上げてくれていたので、それを参考に新装備の発注をしに行くのだ。

「いらっしゃい…」

 いかにも『ファンタジー世界の鍛冶屋』といった面持ちの、ドワーフを思わせる強面こわもてで背の低い、それでいて筋肉ダルマでハゲ頭の無愛想な親父さんが迎えてくれた。

「昨日装備品の見積もりをさせてもらった者だが、正式に依頼しようと思いお邪魔した」

 クロニアがすでに話をつけてくれている為に、商談は非常にスムーズに進んだ。
 俺やモンモンを含む全員分の装備更新は総額800カイ。そこからティリティアが値切って680まで下げさせた。意外と世慣れしていて逞しい女なんだよな。

 俺も追加で防具を買い足した。ワイバーンの吐く酸で多少なりともダメージを受けたのだ。聖剣のバリアで防げない攻撃が他にもあるかも知れない。ちょっと用心しないとな……。
  
 それぞれに上記の装備品を依頼し、俺とモンモンは出来合いの装甲を増やしただけだが、鎧をオーダーメイドするクロニアとティリティアの装備(クロニアは更に岩鎧虫ロックワームの甲殻を盾に仕立て直す作業がある)は全て仕立てるのに急いでも4日必要だと聞かされた。しかも全額前金払いでだ。

「またお金が無くなっちゃったね」

 モンモンがにこやかに言い放つ。確かにワイバーン退治で500余りの金を貰ったが、元の所持金と合わせても鍛冶屋に金を払ったら手持ちの総額は100を割る。

「また稼げば良い事ですわ。頑張りましょう!」

 ティリティアの檄に皆が頷く。生活するだけでも金は減る。とにかくどんどん任務をクリアして、金を稼いで成り上がらなくちゃな!
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