32 / 69
二期 二章
アルケイデス
しおりを挟む
「うう…気持ち悪い…」
「大丈夫か…アリサ…」
「ヒール、かけます?」
アルケイデスの港に着く頃には、すでにアリサはフラフラで動ける状態ではなかった。
「とりあえず近場の…宿屋に…ぐはっ」
「アリサ!死んじゃダメだ!まだ俺たち、志半ばじゃないか!!」
「死なないわよ!!…うっ…もうほんとに気持ち悪いんだからつっこませないで…」
「す、すまない…」
今にも倒れそうなアリサの肩を持ちながら、宿屋を探した。
セリスによると、アルケイデスはコレーに続く都市で12都市の中では2番目に大きいらしい。
俺はむやみに歩いても宿屋は見つからない気がしたのでサンに訪ねた。
「サン、この街に来たことあるんだろ?近くに宿屋ってあるか?」
「そうだね、一応心当たりがあるよ!」
「お!そこに案内してくれ!」
サンは任せて!と胸をドンと叩いた。
俺達はアリサを助けながら、サンについていった。
アルケイデスの街は港があり、海に面しているが、エノシガとは全く違った作りになっている。どちらかといえば、コレーに近い作りだ。闘技の街と呼ばれるだけあって、武具店が立ち並んでいる。…宿屋はなかなか見えないが。
そしてやはり闘技の街と呼ばれる所以であり、俺たちの目的のコロシアム。これは街の中心地に位置し、毎週闘技大会を開催している。アリサの体調が良くなり次第顔を出してみよう。
しかし、なかなか着かないなぁ。かなり中心部に近づいて来たけど…
流石に遠すぎるなと思い始めたころ、丁度いいタイミングでサンが立ち止まった。
「ここが宿屋だよ!」
そして彼はとんでもないものを指差しながらそういった。
「ここ…が、宿屋ぁ!?」
彼が指差していたもの、それはコロシアム。
「そう!ここしかこの街には宿屋はないの!」
「まじか…さすが闘技の街…。」
「さすがですねぇ、まさかここだけとは…」
俺とセリスが感心していると、アリサが死にそうな顔で「早くなんでもいいから部屋を借りて…」と呟いていたので、急いで部屋を借りた。
ーアルケイデス 宿屋 女子部屋ー
「ぷはぁ~死にかけたわ…吐くかと思った…」
部屋についたアリサは水を飲見ながら一息ついていた。
アリサには介抱役として、セリスも同じ部屋に泊まってもらうことになった。
「吐いた方が楽になるんですよぅ?」
「乙女が人の前で吐けるわけないでしょ!!」
「クラーケンを一人でボコボコにする女性は乙女とは…」
「うるさい!!うっ…まだ少し気分悪いわね…少し寝るわ…」
ーアルケイデス 宿屋 男子部屋ー
アレクはサンと共同の部屋を借りた。お金も無駄にできないので、2人2人で分けて借りたというような理由だ。アリサには介抱役も必要だしな。
「案内ありがとうな、サン。」
「いいってことよ!」
「ところで、本当に良かったのか?お母さん置いて来ちまって…」
「いいんだよ、俺も最初は心配したんだが、めちゃくちゃ元気になっててさ、昔のように『いってらっしゃい』って送り出してたよ。」
この世界の薬は効きすぎなのではないか、と思わざるを得ないアレクであった。
「明日は俺達はコロシアムに出場する方法を調べるけど、サンはどうする?」
サンは少し思いつめたように顔を伏せ、しばらくして吹っ切れたように顔を上げた。
「思ったんだけど、俺も少しくらい戦えないとついていけなくなっちゃうと思うんだ。」
そして思いがけないことを言った。
「僕も出場するよ。」
アレクは否定せずに、みんなで強くなれるならそれが一番だな。と答えた。
「大丈夫か…アリサ…」
「ヒール、かけます?」
アルケイデスの港に着く頃には、すでにアリサはフラフラで動ける状態ではなかった。
「とりあえず近場の…宿屋に…ぐはっ」
「アリサ!死んじゃダメだ!まだ俺たち、志半ばじゃないか!!」
「死なないわよ!!…うっ…もうほんとに気持ち悪いんだからつっこませないで…」
「す、すまない…」
今にも倒れそうなアリサの肩を持ちながら、宿屋を探した。
セリスによると、アルケイデスはコレーに続く都市で12都市の中では2番目に大きいらしい。
俺はむやみに歩いても宿屋は見つからない気がしたのでサンに訪ねた。
「サン、この街に来たことあるんだろ?近くに宿屋ってあるか?」
「そうだね、一応心当たりがあるよ!」
「お!そこに案内してくれ!」
サンは任せて!と胸をドンと叩いた。
俺達はアリサを助けながら、サンについていった。
アルケイデスの街は港があり、海に面しているが、エノシガとは全く違った作りになっている。どちらかといえば、コレーに近い作りだ。闘技の街と呼ばれるだけあって、武具店が立ち並んでいる。…宿屋はなかなか見えないが。
そしてやはり闘技の街と呼ばれる所以であり、俺たちの目的のコロシアム。これは街の中心地に位置し、毎週闘技大会を開催している。アリサの体調が良くなり次第顔を出してみよう。
しかし、なかなか着かないなぁ。かなり中心部に近づいて来たけど…
流石に遠すぎるなと思い始めたころ、丁度いいタイミングでサンが立ち止まった。
「ここが宿屋だよ!」
そして彼はとんでもないものを指差しながらそういった。
「ここ…が、宿屋ぁ!?」
彼が指差していたもの、それはコロシアム。
「そう!ここしかこの街には宿屋はないの!」
「まじか…さすが闘技の街…。」
「さすがですねぇ、まさかここだけとは…」
俺とセリスが感心していると、アリサが死にそうな顔で「早くなんでもいいから部屋を借りて…」と呟いていたので、急いで部屋を借りた。
ーアルケイデス 宿屋 女子部屋ー
「ぷはぁ~死にかけたわ…吐くかと思った…」
部屋についたアリサは水を飲見ながら一息ついていた。
アリサには介抱役として、セリスも同じ部屋に泊まってもらうことになった。
「吐いた方が楽になるんですよぅ?」
「乙女が人の前で吐けるわけないでしょ!!」
「クラーケンを一人でボコボコにする女性は乙女とは…」
「うるさい!!うっ…まだ少し気分悪いわね…少し寝るわ…」
ーアルケイデス 宿屋 男子部屋ー
アレクはサンと共同の部屋を借りた。お金も無駄にできないので、2人2人で分けて借りたというような理由だ。アリサには介抱役も必要だしな。
「案内ありがとうな、サン。」
「いいってことよ!」
「ところで、本当に良かったのか?お母さん置いて来ちまって…」
「いいんだよ、俺も最初は心配したんだが、めちゃくちゃ元気になっててさ、昔のように『いってらっしゃい』って送り出してたよ。」
この世界の薬は効きすぎなのではないか、と思わざるを得ないアレクであった。
「明日は俺達はコロシアムに出場する方法を調べるけど、サンはどうする?」
サンは少し思いつめたように顔を伏せ、しばらくして吹っ切れたように顔を上げた。
「思ったんだけど、俺も少しくらい戦えないとついていけなくなっちゃうと思うんだ。」
そして思いがけないことを言った。
「僕も出場するよ。」
アレクは否定せずに、みんなで強くなれるならそれが一番だな。と答えた。
0
あなたにおすすめの小説
R・P・G ~女神に不死の身体にされたけど、使命が最低最悪なので全力で拒否して俺が天下統一します~
イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の現地調査のために訪れた山の中で異世界の大地の女神と接触する。
半ば強制的に異世界へと転生させられた凛人。しかしその世界は、欲と争いにまみれた戦乱の世だった。
凛人はその惑星の化身となり、星の防人として、人間から不死の絶対的な存在へとクラスチェンジを果たす。
だが、不死となった代償として女神から与えられた使命はとんでもないものであった……
同じく地球から勇者として転生した異国の者たちも巻き込み、女神の使命を「絶対拒否」し続ける凛人の人生は、果たして!?
一見頼りない、ただのおっさんだった男が織りなす最強一味の異世界治世ドラマ、ここに開幕!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
DIYと異世界建築生活〜ギャル娘たちとパパの腰袋チート
みーくん
ファンタジー
気づいたら異世界に飛ばされていた、おっさん大工。
唯一の武器は、腰につけた工具袋——
…って、これ中身無限!?釘も木材もコンクリも出てくるんだけど!?
戸惑いながらも、拾った(?)ギャル魔法少女や謎の娘たちと家づくりを始めたおっさん。
土木工事からリゾート開発、果てはダンジョン探索まで!?
「異世界に家がないなら、建てればいいじゃない」
今日もおっさんはハンマー片手に、愛とユーモアと魔法で暮らしをDIY!
建築×育児×チート×ギャル
“腰袋チート”で異世界を住みよく変える、大人の冒険がここに始まる!
腰活(こしかつっ!)よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる