13番目の神様

きついマン

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二期 二章

アルケイデス

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「うう…気持ち悪い…」

「大丈夫か…アリサ…」

「ヒール、かけます?」

 アルケイデスの港に着く頃には、すでにアリサはフラフラで動ける状態ではなかった。
 
「とりあえず近場の…宿屋に…ぐはっ」

「アリサ!死んじゃダメだ!まだ俺たち、志半ばじゃないか!!」

「死なないわよ!!…うっ…もうほんとに気持ち悪いんだからつっこませないで…」

「す、すまない…」

 今にも倒れそうなアリサの肩を持ちながら、宿屋を探した。
 
 セリスによると、アルケイデスはコレーに続く都市で12都市の中では2番目に大きいらしい。

 俺はむやみに歩いても宿屋は見つからない気がしたのでサンに訪ねた。

「サン、この街に来たことあるんだろ?近くに宿屋ってあるか?」

「そうだね、一応心当たりがあるよ!」

「お!そこに案内してくれ!」

 サンは任せて!と胸をドンと叩いた。
 俺達はアリサを助けながら、サンについていった。

 アルケイデスの街は港があり、海に面しているが、エノシガとは全く違った作りになっている。どちらかといえば、コレーに近い作りだ。闘技の街と呼ばれるだけあって、武具店が立ち並んでいる。…宿屋はなかなか見えないが。
 そしてやはり闘技の街と呼ばれる所以であり、俺たちの目的のコロシアム。これは街の中心地に位置し、毎週闘技大会を開催している。アリサの体調が良くなり次第顔を出してみよう。

 しかし、なかなか着かないなぁ。かなり中心部に近づいて来たけど…
 
 流石に遠すぎるなと思い始めたころ、丁度いいタイミングでサンが立ち止まった。

「ここが宿屋だよ!」

 そして彼はとんでもないものを指差しながらそういった。

「ここ…が、宿屋ぁ!?」

 彼が指差していたもの、それはコロシアム。

「そう!ここしかこの街には宿屋はないの!」

「まじか…さすが闘技の街…。」

「さすがですねぇ、まさかここだけとは…」

 俺とセリスが感心していると、アリサが死にそうな顔で「早くなんでもいいから部屋を借りて…」と呟いていたので、急いで部屋を借りた。


ーアルケイデス 宿屋 女子部屋ー

「ぷはぁ~死にかけたわ…吐くかと思った…」

 部屋についたアリサは水を飲見ながら一息ついていた。
 アリサには介抱役として、セリスも同じ部屋に泊まってもらうことになった。

「吐いた方が楽になるんですよぅ?」

「乙女が人の前で吐けるわけないでしょ!!」

「クラーケンを一人でボコボコにする女性は乙女とは…」

「うるさい!!うっ…まだ少し気分悪いわね…少し寝るわ…」


ーアルケイデス 宿屋 男子部屋ー

 アレクはサンと共同の部屋を借りた。お金も無駄にできないので、2人2人で分けて借りたというような理由だ。アリサには介抱役も必要だしな。

「案内ありがとうな、サン。」

「いいってことよ!」

「ところで、本当に良かったのか?お母さん置いて来ちまって…」

「いいんだよ、俺も最初は心配したんだが、めちゃくちゃ元気になっててさ、昔のように『いってらっしゃい』って送り出してたよ。」

 この世界の薬は効きすぎなのではないか、と思わざるを得ないアレクであった。

「明日は俺達はコロシアムに出場する方法を調べるけど、サンはどうする?」

 サンは少し思いつめたように顔を伏せ、しばらくして吹っ切れたように顔を上げた。

「思ったんだけど、俺も少しくらい戦えないとついていけなくなっちゃうと思うんだ。」

 そして思いがけないことを言った。

「僕も出場するよ。」

 アレクは否定せずに、みんなで強くなれるならそれが一番だな。と答えた。
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