13番目の神様

きついマン

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二期 二章

アリサの苦悩

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 ここは海。12神が一柱、ポセイドン様が司る領域。昔から伝わる言い伝えの中に必ずでてくる。生命の誕生場所とも言われ、とても神秘的なそんな場所。

 その海を走る船が1つ。サン曰く、父親がエスト号とつけたその船に乗り込む私。

 神秘的な海を、偶然の出会いで乗ることになった船。

 そんな神秘的な場所に私は今立って「おえええええ!!」

「わぁ!!大丈夫かアリサ!」

 ダメだわ、他のこと考えても気持ち悪いもんは悪いわ。

「え、えぇ…だいじょおえええっ…吐きそう…」

「吐いた方が楽に…ならないか…」

 船に乗ってすでに1時間…アルケイデスは地図で見れば近いけど…

「サン…後何時間くらいかかりそうなの?」

「そうですね…あと、3時間くらいですかね…」

 終わるわ。私の人生ここまでよ。

「うわあ!アリサがほぼ死んだような顔してる!!」

「アリサ死んじゃダメですぅ!!」

ズシン…

「何?!この揺れ!酔う!!!」

「どうしたんだサン!」

「わかりません、急に止まりました…」

「ちょっと見てみますぅ!」

 海の上。揺れる中。急な停止。私無理よ。

「早くしてね…」

 甲板から船の底を覗き込むセリス、みるみるうちに顔が真っ青になって行く。

「し、下に大きな影がぁ…」

「なにっ!」

 アレクがセリスの元へ向かう。ちょっと待って、もしかして戦闘くる?

 そう不安になったのもつかの間。海中から触手が伸びてきた。

「クククラーケン!!」

 触手を見たサンが叫んだ。

「みんな、戦闘準び…え?」

 アレクが指揮をとるとき、私はもう限界だった。触手が視界の恥に映った瞬間、すでに剣を握り飛び出していた。

「あんたのせいで気持ち悪いのが長引くのよ!!」

 上がってきている触手を次々に切り飛ばしていく。
 まずは正面。次は右上。後ろ、真上!
 周りを触手の切れ端まみれにしながら全ての触手をさばいていく。

「セリスさん!後ろ!頭が!」

「きゃあっ!」

 セリスの後ろから本体である頭が顔を出した。残った触手でセリスを攻撃するつもりだろう。

「させないわ!」

 思い切り踏み込み、クラーケンの頭めがけてジャンプした。その揺れで少し吐きそうになった…我慢。
 
 アリサを確認したクラーケンが標的を変え、触手でアリサを刺そうとする。アリサは空中で、飛んでいるかのように身をひねりそれを全てかわし、クラーケンの頭の上に立った。

「邪魔しないで。気持ち悪いから。」

 アリサはそう呟くと、頭から飛び降り、全ての触手を一瞬で根元から切り取った。

「これで終わりよ。」

 最後に落ちた触手をクラーケンにぶん投げて、もろとも吹っ飛ばした。

「アリサ姉さん…怖え…」

 サンが少し怯えているが、今の私はそれどころではない。

「は、早くアルケイデスへ…」

「わ、わかった!!」

「アリサは怒らせちゃいけないな。」

「あんなに強いんですねぇ…アリサって…」

 吐きけが治ったらとりあえず皆んなのイメージを変えるとこから始めましょう…
 

 このままじゃただの暴力女だわ…
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