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二期 一章
船旅
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「おい、アリサどうしたんだよ。」
俺たちはサンに譲り受けた船を見に、港へ来ていた。
港に着く頃には、アリサの様子が変わりはてていた。
「い、いや、なんでもないわ…」
…なにかが、おかしい。いつもは強気とまでは行かないまでも、こんなにか弱くはないはずだ。
今のアリサは虫一匹すら殺せなさそうな、そんな風に見える。
「まさかお前…」
「違うわ。」
俺が言い終える前に遮られてしまった。もしかしてこいつ…
「船、弱いのか?」
「違うわ!!そんなかよわくないわよ!」
顔を赤くしてアリサが叫んだ。
…やっぱり船酔いか…
「…酔い止めとかないのか?」
「なにそれ…ていうか、違うし!!」
いやいや、バレバレですよ~?アリサさん。
「そういえばアリサ、船にめちゃくちゃ弱いの忘れてましたぁ…」
「セリス、なんかいい魔法ないのか?」
「う~ん、酔いをなくす魔法はないですう…」
「違うってばぁ!!」
もう負けを認めるべきでは…
アリサと酔う、酔わない論争を繰り広げつつ、港を歩いていた。
この海の町エノシガは、見るからに海の男の町。住宅街は煉瓦造りの家々だったが、港は一変して船のドックで溢れている。
市場も開かれており、とれたての新鮮な魚介類をたくさん売っている。
「しかし、あの海の上の家、本当にどうやって浮いてるんだ?」
「あれは確か、下の建材に浮遊の魔法がかかってるんですよぅ、海だから微量の魔力で浮くんですぅ。」
「なるほどなぁ、アリサ行ってみようぜ。」
「無理。ごめんなさい。酔います。」
あっさりと認めたな。少し申し訳なくなる。
「大丈夫か…この後の船…」
「まずいわ…」
「あれっぽいですよぅ!」
セリスが指をさした方を見たら、サンの説明通りの船があった。
船首は長く、赤目の木材で出来ており、帆には剣の紋章。
「おぉ…これは…カッコいい…」
他の船と比べて小さいサイズだが、幼い頃に封印した中二心がくすぐられる。いいデザインの船だ。
「さて、乗り込むか!」
「うう…不安…」
乗り込もうとした時、後ろからサンが走ってきた。
「おーい!にいちゃん達~、伝え忘れてたことがあるんだ!」
サンは全力で走ってこちらへ向かっている。あんなに急ぐってことは、重要な話なのだろう。
「どうしたんだ?」
「いや、大したことじゃないんだけど…」
次の瞬間サンが驚愕の一言を発した。
「誰が船操縦するの?」
「「「あ。」」」
完全に失念していた。ていうか誰かが操縦するもんだと勝手に…
「まじだわ、どうしようこれ…」
「僕が操縦しようか?」
「それは嬉しいけど、お母さんは?」
「薬を飲んで1時間。もうピンピンしてるさ。昔、男に負けないたくましさを持ってたママだよ。」
この世界の薬、効力がやばい。魔法の類いだろうか?
「だ、大丈夫なんだな?」
「うん!ママがにいちゃん達について行けって、迷惑かけたんならちゃんと返しなさいと。」
先程のサンの母親のイメージに当てはまらないほどたくましい女性だ。病気でふさぎ込んでいたのか…
「だからついていく!」
「…危険な旅だぞ?」
「にいちゃん達がいたら怖いものなんてないし、それに僕はそれなりに強いんだ!にいちゃん達が強すぎるだけさ!」
「私達も評価されてるみたいね…」(プレッシャー)
「何もしてないんですけどねぇ…」(プレッシャー)
「それじゃ、お願いするぜ、サン!」
任せてください!とサンは息巻いて船に乗り込んだ。続いて俺たちも乗り込み、サンの指示通り動いた。
帆を張り、荷物を確認し…
全ての準備が終わったところでサンが聞いてきた。
「どこに行きますか!」
「闘技の町、アルケイデスへ!!」
「了解しました!!碇をあげて!!」
「「「出発!!」」」
こうして、俺たちは来るべき戦闘に備えるため、闘技の町へと向かった。
「いや私船無理なんだってばぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺たちはサンに譲り受けた船を見に、港へ来ていた。
港に着く頃には、アリサの様子が変わりはてていた。
「い、いや、なんでもないわ…」
…なにかが、おかしい。いつもは強気とまでは行かないまでも、こんなにか弱くはないはずだ。
今のアリサは虫一匹すら殺せなさそうな、そんな風に見える。
「まさかお前…」
「違うわ。」
俺が言い終える前に遮られてしまった。もしかしてこいつ…
「船、弱いのか?」
「違うわ!!そんなかよわくないわよ!」
顔を赤くしてアリサが叫んだ。
…やっぱり船酔いか…
「…酔い止めとかないのか?」
「なにそれ…ていうか、違うし!!」
いやいや、バレバレですよ~?アリサさん。
「そういえばアリサ、船にめちゃくちゃ弱いの忘れてましたぁ…」
「セリス、なんかいい魔法ないのか?」
「う~ん、酔いをなくす魔法はないですう…」
「違うってばぁ!!」
もう負けを認めるべきでは…
アリサと酔う、酔わない論争を繰り広げつつ、港を歩いていた。
この海の町エノシガは、見るからに海の男の町。住宅街は煉瓦造りの家々だったが、港は一変して船のドックで溢れている。
市場も開かれており、とれたての新鮮な魚介類をたくさん売っている。
「しかし、あの海の上の家、本当にどうやって浮いてるんだ?」
「あれは確か、下の建材に浮遊の魔法がかかってるんですよぅ、海だから微量の魔力で浮くんですぅ。」
「なるほどなぁ、アリサ行ってみようぜ。」
「無理。ごめんなさい。酔います。」
あっさりと認めたな。少し申し訳なくなる。
「大丈夫か…この後の船…」
「まずいわ…」
「あれっぽいですよぅ!」
セリスが指をさした方を見たら、サンの説明通りの船があった。
船首は長く、赤目の木材で出来ており、帆には剣の紋章。
「おぉ…これは…カッコいい…」
他の船と比べて小さいサイズだが、幼い頃に封印した中二心がくすぐられる。いいデザインの船だ。
「さて、乗り込むか!」
「うう…不安…」
乗り込もうとした時、後ろからサンが走ってきた。
「おーい!にいちゃん達~、伝え忘れてたことがあるんだ!」
サンは全力で走ってこちらへ向かっている。あんなに急ぐってことは、重要な話なのだろう。
「どうしたんだ?」
「いや、大したことじゃないんだけど…」
次の瞬間サンが驚愕の一言を発した。
「誰が船操縦するの?」
「「「あ。」」」
完全に失念していた。ていうか誰かが操縦するもんだと勝手に…
「まじだわ、どうしようこれ…」
「僕が操縦しようか?」
「それは嬉しいけど、お母さんは?」
「薬を飲んで1時間。もうピンピンしてるさ。昔、男に負けないたくましさを持ってたママだよ。」
この世界の薬、効力がやばい。魔法の類いだろうか?
「だ、大丈夫なんだな?」
「うん!ママがにいちゃん達について行けって、迷惑かけたんならちゃんと返しなさいと。」
先程のサンの母親のイメージに当てはまらないほどたくましい女性だ。病気でふさぎ込んでいたのか…
「だからついていく!」
「…危険な旅だぞ?」
「にいちゃん達がいたら怖いものなんてないし、それに僕はそれなりに強いんだ!にいちゃん達が強すぎるだけさ!」
「私達も評価されてるみたいね…」(プレッシャー)
「何もしてないんですけどねぇ…」(プレッシャー)
「それじゃ、お願いするぜ、サン!」
任せてください!とサンは息巻いて船に乗り込んだ。続いて俺たちも乗り込み、サンの指示通り動いた。
帆を張り、荷物を確認し…
全ての準備が終わったところでサンが聞いてきた。
「どこに行きますか!」
「闘技の町、アルケイデスへ!!」
「了解しました!!碇をあげて!!」
「「「出発!!」」」
こうして、俺たちは来るべき戦闘に備えるため、闘技の町へと向かった。
「いや私船無理なんだってばぁぁぁぁぁぁぁ!!」
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