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【よん・Ⅳ】
乙女ゲーム・第二王子様が!転生者編⑬・【END・画像つき】
しおりを挟む宰相様が合図をすると、さっとお茶のお代わりを用意されます。お茶請けも焼き菓子だけでなく、フレッシュなフルーツを使用したタルトなども追加されています。
イチゴのタルトが美味しそうです。じっと見ていると、さっとお皿にサーブして下さる!なんて気が利いているのでしょう。……って王太子様がそんなことをしないでください。
もちろん食べますけど!イチゴウマー。
「ではそろそろ次はお礼の話をしよう。第二王子殿はどうした? 話に参加しないのか? そんなではトンビに油揚げをかっさらわれるぞ。二大ライバルが私に打診してきたぞ。まあ今回は君に花を持たせようと断ったがな。まあ単に君のが一番フローラ嬢の役に立ちそうだと思ったからだが……」
二大ライバル?私の役に立つもの?
宰相様が目前のテーブルの上に、白い箱を置いた。続けて蓋をはずすと中には……
「我が国の宝物庫の中の1つ。【テンカイ輪】といいます」
宰相様が広げた箱の中には真っ赤な布地が敷かれ、丸いリングが三つ入っています。【テンカイ】とは?輪はワッカの意味でしょうが、転回?展開?まさか天界でしょうか?
「これは古の賢者の家族の……確かに打診はしていましたが……本当に宜しいのですか?」
「良いから出したんだよ。是非フローラ嬢に役立てて欲しい。君のスキルを展開させれば最強だろう。旅に出たいという願いを叶えるには、君のスキルが一番フローラ嬢の役に立つと思っただけだからね! 君を応援しているわけでも、譲ったわけでもないから! さすがにその姿での巡回の旅は、王家の庇護や守りを固めていても心配すぎるからね」
王太子様ってば真っ赤になってる。もしかしてツンデレってヤツかしら?第二王子様は、この輪を知っているのね。
「ではありがたく……」
第二王子様が箱から輪を一つ出し、私の腕にパチリとはめる。もう一つを己の手首にはめる。
「もう一つは私が欲しいにゃん! フローラを背中に乗せて走れるようにもなるし、フローラに化けることもできるようになるにゃー」
「いいよ。モフ白ちゃんだっけ。でもたまに私にもご褒美をくれる? 王妃様から聞いてるよ」
王太子様が、モフ白ちゃんの首に輪をはめる。元の首輪の邪魔にならないようにか、紐のようになりからまってゆく。
「ありがとうにゃ! 手土産はこれにゃ。記録装置にゴニョゴニョ……だめにゃ! 第二王子は見るにゃ!お前にはあげないにゃん! 」
「それは私も欲しいぞ……」
「なら少しは頑張るのにゃー! 」
ちょっと!モフ白ちゃん!なにをあげたの?王太子様?さりげなくポケットに押し込まないでください。それはなに?見せてー!!
慌てて立ち上がろうとしたら、指先や足先などの先端から、中心に向けなにかが流れてゆく。体がポカポカしてくる。腕の輪がまばゆく光り、やがて手首に吸い込まれてしまう。手首にははめていたブレスがなくなり、手首にはブレスの透かし模様だけが残された。
聞いてビックリ。【テンカイ輪】のテンカイは、展開するのテンカイ。スキルや魔法を常時展開するための魔道具。同じ腕輪をした人間の魔力を、一定の量混ぜることにより、スキルや魔法を相手に常時展開させることが出来る。つまり私には常に、第二王子様のスキルが発動されている訳で……
「それは……でも第二王子様の体は大丈夫なの? 魔力不足にはねらないの? あ! ならもしかしたら、第二王子様にもミラクルマスターが出来るの? 」
相手のスキルを身体に纏わせるまでは相手の魔力が必要だが、常時展開させるのは己れの魔力を使うとのこと。また魔力不足にる前に、自動的に魔力の供給者停止が行われる。つまり私にも第二王子様にも負担はないという。
「残念ながら王子にはミラクルマスターは無理だよ。魔力量が足りないんだよ。ミラクルマスターは使用する魔力量が膨大だからね。でも訓練すれば、最低マスくらいなら開けられるかもしれない。しかしその度に倒れるより、今のサポートの方が大事だろうね」
そうね。なら私ばかり得して……
「それからこれは私から個人的にフローラ嬢に贈る品だ。どうせこれを使いこなせる人もいないからね。この星型の髪留めとネックレスは、裏に我が王家の印がある。通常はネックレスに繋げておき、使う時は髪留め部分を外して髪に留めて魔力をこめる。するとキミが成長した前くらいの姿になれる。これも君の魔力を糧に、常時展開する。ネックレス部分は魔力をこめると、伸びてムチ状になる。雷を纏わせ攻撃的できる。どちらも互いにつなぐと効果が切れるよ」
第二王子様? ムチが似合いすぎってどういういみでしょうか?なんなら試してみますか?私の魔力がたくさんあるから使える魔道具。だから使える人がいない。もったいないから遠慮は要らないという。本当にありがとうございます。
これらがあればまた旅に出られるね!王太子様!第二王子様!本当にありがとう。私はまた旅に出るね。この国の王家の印をみせれば、国境もフリーパスの上優遇も受けられる。もちろんお邪魔するよ!
「お仕事の依頼も承ります。また各地を回れるのね。本当に嬉しい。ありがとう……」
「今のはナイスショットだにゃ~ん!!」
はて?モフ白ちゃんの声に驚いて、うつむいていた顔を上げると……目前に肉球が!モミモミして良いのかしら?
「はにかみながら涙を堪えるフローラと、真っ赤な顔で笑う笑顔を戴いたにゃん! これは今回の影の功労者にあげるにゃん!」
「「そ……それは!! 私たちにも!!」」
「だめだにゃーん。二大ライバルにもまだなんだにゃ。先に出力装置を作ってくれたスポンサーに進呈なんだにゃん。君たちでは絶対に敵わないにゃ」
出力装置ってまさか!
「モフ白ちゃん! もしなしなくてもそれって王妃様でしょ!鑑定記録や映像を壁に写すように、絵のように紙に写せないかと研究してるって! 」
「そうか! 確かにそれは写真だな! まだ画像が荒いから、絵画かと思ったよ。母上はたしか前世持ちと、映像の研究をしていたな! 」
えーー。王妃様ってばとらぬ狸の皮算用をしないでください。私の子供の記録を撮りまくりたくて研究してるの? それより王太子様のお世継ぎの方が先では?なんだかみな様方向性が違います!こっ恐い……
私はお城に戻り、慌てて旅支度をしました。
「せっかくあの部屋にもなれたのに、もう旅回りにでてしまうのか? 」
「うん。やっぱり私には、閉じ籠りは似合わないからね。ミラクルマスターは適職です。王子様ズのサポートを期待しています!」
「私のスキルでは、中々会えないからな……」
「大丈夫! 第二王子様のスキルは私を包んで守ってくれですから! 即死しなければ助けてくれるでしょ?」
「即死する直前は止めてくれ。私の心臓が持たないからね。本当はこの手で守りたいんだけどな。フローラ? 私との婚約は解消しなかったんだね。私は少しは期待しても良いのかな?」
「……王妃様がそのままの方が安全だと言うから……あ! 迷惑なの? 邪魔になったらいつでも破棄して大丈夫だから! 王妃様にも……」
「このニブチンめ! 」
「いっ痛い……」
突如抱き寄せられ、鼻をつままれビックリ。驚く私の顔を見て、第二王子様はニンマリ。
「仕方ないな。帰ってくるまで返事は待つ。なんども言っているはずだけど、たぶん冗談としか思ってないだろ? 嫌なら殴って良いからな」
つままれた鼻の頭が痛い……思わず恨めしげに顔を上げると……
「フローラ……愛してる……君は私のすべてだ……」
視界が暗くなり……口をなにかで塞がれてしまう。くっ苦しい……逃れようと隙間から息を吸うとなにかが中に……
「んー!ん!うー!んうぅー!!ぶっぶはぁっ! ハーハァーヒーハァー……これって! 私のファーストキスを返せ! 息が出来ないじゃない。しかもなんでなめるの? しかも! セリフがはずかしすぎるわ! 」
「愛してるからね。私の愛はしつこいよ。二次元のフローラからだからね。どちらもツンデレで可愛いんだ。フローラは悪役令嬢なんかじゃない。私のヒロインだ。私も攻略者なんかじゃない。フローラのヒーローになりたい。愛はなんども伝えているつもりだけど、真面目に聞いてくれてないよね? だから態度で示すよ。では早速……」
お姫様抱っこは止めてー。下ろしてー。えー駄目なの?しかもいきなりどこへ行く気なの?
「嫌なら殴って良いと言ったのに殴らなかった。脱走しようと思えばいつでもできるでしょ? 明日は休みを貰ったんだ。だから湖畔の避暑地へ行こう。乗馬も狩りも出来るし、街もあるから食べ歩きも出来る。私を忘れないようにデートしてね。お泊まりデートだよ」
有無を言う間もなく、まるで荷物のように運ばれてしまった。でも楽しかったのよ。嫌じゃなかったの。だから困るの!はしゃぎすぎて疲れすぎて……いつの間にか翌朝でした。なぜかとなりには第二王子様が寝てました。私の背中にしっかりしがみつき……
「おはようフローラ。昨日ははしゃぎすぎたね。朝風呂に入る?愛してる……フローラ……チュッ」
いーやー。第二王子様がキングみたいになってるー。キザすぎて寒いー!チューも要らないから普通にしてー。……ちょっと!
「揉むな! 」
「はい……」
「フローラ! おはようにゃ! あんまり怒らないにゃ。王子は無理強いはしてないにゃ。昨晩だって隣の部屋で寝ようとしてたのに、フローラが寂しいからと引き止めたにゃ。さらにはいつもの抱き枕代わりにか、しっかりと抱え込んで離さなかったにゃ。谷間に顔を埋めて真っ白になった王子が楽しかったにゃ。あのままでは苦しいだろうと、位置を入れ換えたにゃ。王子もよく耐えたにゃ。モミモミくらいはサービスするにゃ! フローラも嫌ではないにゃ?」
「…………」
なんだかんだで……
お泊まりデート、楽しかったです。
このときの映像を出力したものが、城下町で絵姿として販売さられるとは……
キングやエースたちのは、もとから大人気なので、既に販売されているのです。
私のなんて売れないってば!!
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