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【城下町編。アカンサス国への旅】
★城下町1日目・テンプレ三昧と赤い屋根のお家。
しおりを挟むう~ん。やはり町は活気の有るのが1番だね。おばちゃまパワー炸裂の市場でお買い物。私達が帰宅したのは、こじんまりした赤いお屋根のメンヘンチックな可愛いお家。赤ずきんちゃんとかが住んでそう。そんな可愛いお家の一室で、私ははむちゅとティータイム中。暫くしたら夕食を作ろう。
アラケル改めラスは只今床の雑巾がけ中。実はお掃除は既に魔法で終わらせた。なのにラスが暴れて床を汚したの。我が儘の汚れに魔法は使いません!
〈リョウ。このブラウニーと言うお菓子はショコラですか?甘さ抑え目で大人の味ですね。手作りとは恐れ入ります。〉
《ううん。面倒だけど、溶かして混ぜて焼くだけだから意外に簡単何だよ。でも砂糖もショコラも高いね。こんな所でも異世界テンプレ発動だよ。砂糖と塩がバカ高い!キャラメルも簡単だけど砂糖の塊だからね。手軽には作れないや。この袋の中なら減らないから良いけどね。》
〈その袋ですが、後から入れたお弁当も食べたら戻ったんですよね?ならお砂糖も可能なのでは?〉
《はむちゅそれナイス!気付かなかったよ。使ったら戻るかな?後で試してみるね!》
〈甘いものより魔力くれ・・。〉
《・・・・・。》
《はむちゅは平気なのに、ラスはどうしてダメなの?魔力線を繋いでれば共有出来るのよね?》
〈ふれ合いたいのだ。〉
*****
ラスは兎も角スキンシップを好む。この世界の聖獣は、人間と性的な関係を持つ事も可能だそう。しかしそれは快楽のみだ。種族の違う恋愛は不可能だ。聖獣は死なない。だから他人を愛さない。いや愛せない。主との信頼関係は築けども、愛と言う概念が薄い為愛情には至らない。それが聖獣界の常識だと言う。人は先に死ぬ。その後殆んどの聖獣は、魔力の波長の合う新たな主をさがす。しかし稀に聖獣界に戻り、聖獣同士で番になる者が居る。
はむちゅは模範的な聖獣で、学園でも優等生だったそうだ。しかしラスはかなり人間臭い。その為かスキンシップを好み嫌がられる落ちこぼれだった。
《ラス?ふれ合うなら幾らでもモフモフしてあげる。でもね。キスやそれ以上は無理だよ。私の住んでた所では、キスは挨拶じゃ無かったからね。》
〈モフモフでも構わんが、刺激が足らんのだ。〉
刺激って何よ!いやぁ~。
〈ラス。聖獣本来の姿でモフモフして貰ったらどうですか?タヌキでは小さいのでは?貴方の聖獣姿はかなりもふもふです、大きければ満足感が出そうな感じもしますよ。〉
《ふむ。はむちゅも中々良い事を言うな。確かにふれ合う面積が増えれば満足出来そうだ。》
えっ!もしかして私の考えすぎ?ラス疑ってごめん。大きいモフモフは嬉しいぞ。はよっ!はよ代われ!ビックもふもふウェルカム~。
《ウキャ~!ラス凄い~!可愛い~!トラさん?白銀のトラ!可愛いけど格好良いじゃない!も~最初から見せてよ!離れたくないわ!毎日一緒に寝ちゃうわよ!うわ~ふわふわ~。モフモフ~。》
私は全身でラスを愛でた。最後にはでろでろに惚けたラスの腹の上に、私は突っ伏して寝て居た。起きたらはむちゅと目が合った。毛布がかけられてる。はむちゅ有り難う。ラスはまだ転がってる。
醜態を晒してしまった。気不味い…。
*****
〈リョウはふわふわな毛並みが好きなのですね。ラスも満足でした様で何よりです。ラスは寂しがりやなのです。私もですが通常の聖獣には親は居ません。聖獣界の聖なる泉の畔で、神の導きにより自然発生します。聖獣界で番う場合も有りますが、殆んどは主につかえます。番っても子は殆んど産まれません。聖獣は不死です。出産は必要無いのです。しかしラスは聖獣同士の番から産まれました。しかも母親は出産で弱り数ヵ月で死亡。父親は後を追いました。聖獣は成長が速い。ラスは母の温もりを知ってしまった。私の様に初めから親が居なければ、知らずに苦しまなかったのでしょうね。〉
ラス・・・。
《良し!ならば私が存分に愛でましょう!白銀のトラ!モフモフ加減が素晴らしい!またまたテンプレ発動モフラーよ!因みにはむちゅもトラなの?》
〈いえ。私はモフモフでは・・・。〉
はむちゅは空色のペガサスになった。背中に純白の大きな翼。翼が有るからユニコーンでは無いわよね?角も無いしね。でも凄く綺麗。
はむちゅは気にもしない様に、聖獣には親が居ないって言った。知ら無いなら苦しまないって。私にはアラケルの様に、死んでしまったけど親が居た。元来親が居ないと言う気持ちは多分一生解らない。
でもね。知ってしまい苦しいと感じるなら、知らないから苦しく感じるる事も有ると思う。はむちゅがそうかは解らないよ?でも今は寂しくないよね。私は2人と今を楽しく過ごしたいな。
《素敵すぎね。はむちゅらしい。是非ブラッシングさせて欲しいわ。でも神々しくて、はむちゅとか呼んだらバチが当たりそう。人型の時もはむちゅは変よね?う~ん。あ!レインじゃダメ?空色にも合いそう。ねぇ。レインと呼ばせて。》
はむちゅは人型に戻り、ニッコリと微笑んだ。
〈レイン。良い名ですね。是非レインと呼んで下さい。でも私は雨の日でも、リョウを乗せて空を飛べます。聖獣時は雨とは無縁なのです。ペガサスは晴れ間を呼びます。是非乗って下さいね。〉
《凄く楽しみ。レイン有り難う。》
ん?ラスも起きたね。では晩御飯の用意をしよう。2人はゆっくりしててね!
*****
何て感じて私達、到着初日から住みかをゲットし寛いでます。何としっかりキッチンにお風呂も付いてるんです!何と平屋ながらも3LDKなんだよ。お風呂は王侯貴族だけ!何ておきまりすぎの異世界テンプレが発動しなくて良かった。タライで体拭くだけは絶対に嫌だよ。
夕食はオムライスにポテトサラダにオニオンスープだよ。マヨネーズもケチャップも有ったよ。皆品名は違うけど鑑定すれば、~と同じ品。又は、~の代替え品。と鑑定される。マヨネーズで一儲け!みたいな調味料チートは無かった。私的に内政チートも無理だろう。普通の女子高生にはムリゲーだ。
市場はおばちゃまパワーでめちゃ楽しかった。お城に出店してるお店も沢山有るんだ。表通りにお世話になった洋品店のおばちゃまのお店と、息子さんの雑貨やさんと言うか何でもやさんが並んでた。
実はこんなにまったり出来てるのは…。
城下町の入り口で、門番さん達に歓待をうける。どうぞこちらへとばかりに手を引かれ、ギルドに行くとまたまた歓待を受けギルマスと意気投合した。初ギルド入り口での、テンプレな初心者虐めも発生せず。ビックリして目を真ん丸にしてたら納得。あれもこれも全てお城の厨房でのおばちゃま達の紹介状のおかげだったの。おばちゃま達が色々手配してくれてた。私には肝っ玉母ちゃんが沢山居るね。何てギルマスと話てたら!
そのギルドにおばちゃま達が雪崩れ込んで来た!そこでハプニングが有り、可愛い住みかもゲットてしたの。でもね?1番の驚きは、おばちゃま達がギルドの諜報員だった事。お城にはかなり潜り込んでるそう。出奔した王太子が産まれた辺りからきな臭いんだって。
《王族はそんなんで大丈夫なの?》
〈平気さ!ライドも漸く本来の姿に戻ったし、クリス王子も更正中だ。アンタのおかげさ!〉
《私ライドさん知りませんし、何もしてませんよ?》
〈そっくりさんは知ってるだろ!後はヤツの甲斐性だよ。本人に聞きな!〉
?????
おばちゃま達は、直ぐに解るから大丈夫だと言う。気にはなるけどまあ良いや。さあ買い物してお家に行こう。夕食はゆっくりお家で食べようね。
*****
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