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【異世界の平和編。君の幸が皆の幸福。】
〓神々の罪と贖罪・勇者と聖獣。
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海翔君による説明はかなり難しかった。それは魔力の器の遺伝に関係する。女性は子が胎内に宿ると、魔力の器の欠片と共に、魔力を胎児に譲渡する。この魔力の器の欠片は、母の魔力の器の遺伝情報の塊。やがて一緒に譲渡された魔力により、欠片の遺伝情報が胎児にコピーされる。コピーを無事に終了させた魔力の欠片は、再度母親に戻って行く。しかしこれは魔力が解放される世界での事。魔力の解放の無い世界では異なる。
魔力の無い地球の場合でも、魔力の器は人間の体内に存在する。但し使われて居ない。魔力の無い人の胎内に子が胎内に宿る。魔力が無くともやはり、魔力の器の譲渡は発生する。但し同時に譲渡される魔力が無い為、遺伝情報がコピーされる事が無い。よって再度欠片が母親に戻る事は無い。
これにより母親の魔力の器は欠片の分小さくなり、子の器は大きくなる。母親は大体3人生むと欠片が無くなる。しかし魔力を使用しない地球では、全く不便もなく関係もない。魔力の器は臓器とは違い、目に見える物では無いから気付きもしない。
『難しいかな?だから既に2人生んでるお母さんの魔力の器は小さいんだ。これが神に魔力線を解放されても、下界で解放したエティよりもスペックがダウンした原因だ。大体の異世界人がチートなのもこのせい。召喚されるのは若い子が多い。母親から欠片を譲渡されてるし、母体に返して居ない。更に殆んどが出産してないからね。』
成る程。本当に真面目な話だね。疑ってごめん。
*****
お茶を飲みながら一息つく。海翔君が残念そうに話し出す。まだ何か有るの?
『しかし地上にいる聖獣が少なすぎるね。これもこの世界を歪めてる。ラピス神は何を考えてたをだろう。人と聖獣は互いに補いあってるんだ。自然を愛する聖獣が人の欲を抑制し、地上の自然を保護する。聖獣は地上に居るだけで空気を浄化し、主から魔力を貰い過剰分を地上に還元する。下界では魔力を沢山欲する聖獣に人は魔力を供給し、契約を結び過ごし易い環境を与える。これにより体内の過剰な魔力を放出したりもする。まれに高魔力持ちでも、魔法を使えない人も居るからね。正にWin Winの関係だ。しかし心地好く貰える魔力が存在し無いなら、聖獣は無理して下界に居る必要は無い。聖獣界に引きこもればよい。聖獣界は、常に心地よい魔力で満たされてるからね。だから人間界とは隔離されてる。』
フロックス国の前国王がそうだったね。魔法が使えないから魔力が放出出来なかった。無理して下界で過ごす必要は無い…。確かにそうだよね。寂しいけど聖獣達だって、心地よい魔力を貰えないなら無理はしたくない筈。当たり前だよ。地上より聖獣界に居た方が良い。
《勇者の時代に聖獣達は居たの?》
『わらわら居たぞ?俺もかなりの数と契約してたからな。』
えー!びっくり。そんなに沢山居たの?それなら本当に共存だよね。勇者の旅にも協力したり同行したんだね。それは凄いな。モフモフも沢山…。
『アイツらもそろそろ気付いてるんじゃね?いや、思い出したと言うべきか?セリーは気付いた感じだったしな。アイツらは孤島の魔王城に乗り込む際の援軍だ。ちんまくなってるけど、多分タルバは元パーティーメンバーだ。銀狼は森の主で、魔の森の案内人。因みにセリーは孤島へ渡る際の海からの援軍だった。他の奴等は若そうだから無理だろう。他は皆聖獣界に隠ってるな。引きずり出すか?』
やはり魔王討伐に協力したりしてたんだね。昔の聖獣達は、本当に仲良く人間と共存してたんだね。
《それはビックリだよ。しかし良く顔を覚えてたね。》
『当たり前じゃん。聖獣達には何百年前でも、俺にとっては数ヵ月前だぞ。しかも帰還方法探すのに協力させたし、兎も角四苦八苦したんだ。忘れられる訳が無い。』
確かにそうだね。でも帰還方法って、海翔君は魔王討伐が終了して元の世界に戻ってたんだよね?そこに私が居なかったから、ラピス神様に抗議に来た。あれ?そう言えば、どうやって元の世界から神界にこれたの?不思議よね?それもだけど、勇者の召喚先が何百年前って、セリー達は何歳なの?私が死んだらどうなるの?次の主は直ぐにみつかるの?心配だし、怖くて聞けないよ。
『それは心配ナイナイ。先々すずの方が長生きになるから!因みに使徒天使になっても聖獣達との魔力線は切れないよ。契約も永遠だ。すずは人間として1度は死ぬけど、聖獣達は主を失う心配は無い。却って皆喜んでるんじゃないかな?主を失う恐怖を味あわずに済むからね。と言うか、俺の使徒天使になったら死なないから!すずっちとオレ。永遠にラブラブしようねー。』
口に出してない事に返事は要りません!重要な事をおちゃらけて言うな!契約は永遠って、私は皆を縛り付けたくないよ?
『心の声は丸聞こえだから勘弁してね。神の世界ではテンプレでしょ?後色々知ってるのは神の知識だけじゃ無いよ。帰還する為に散々調べたからね。因みに召喚されるのに10代が多いのは何故だと思う?これもテンプレでしょ?』
若い子の方が順応性が有るから?
『ノンノン!若い子の方が騙し易いからだよ。聖女によっては処女性が必要何て場合も有るけど、処女性に年令関係ないよね?若い必要も無いでしょ。若い子は感情的になり易い。頼られ持ち上げられると、ホイホイ御輿に乗せられちゃう。元の世界に戻さない為にエロ特化するのもそのせい。ヤりたい盛りの男子にはハーレムを宛がう。夢見る女子にはキンキラ王子様を宛がう。これでOK。既成事実で子供出来て帰還しないパターンが大概だね。』
《ふーん。カイもハーレムしてたんだ。楽しそうだね。》
『俺はしてません!俺の童貞はすずの為に大事にしてます。しかし夜這い凄かったんだぞ。しまいにはこれでも堕ちない勇者は、男色だとか言われて美少年送り込まれるし。それでも無視してたら、ならば逆かとムキムキマッチョを送り込んでくる。まさか異世界でお尻の心配すると思わなかったよ。』
なにそれ美味しいかも。やはりカイは上より下の方が・・『すずっち止めてー!』
《カイ?私の為に有り難う。でも私はこの世界に来て流されてたよ?カイとの別れも仕方無いと思ってた。正直結婚まで考えて無かった。ライドとの事も有る。私はカイの気持ちにどう答えたら良いのか解らないよ。》
『すずっち!漸くカイって呼んでくれたね。俺の方が愛が重いのは付き合い始めた頃から解ってる。でも俺はすずっちが離せない。すずっちも俺が嫌いじゃ無いから、海辺のホテルも決心してくれたんだよね?なら流されちゃってよ。ライドの事もだよ。無理強いはしない。嫌なら嫌だと言って。嫌じゃ無いなら側に来てよ。俺は絶対に幸せにする。悔しいけど、ライドも多分同じ気持ちだと思う。俺と同じ分だけ返せなくて構わない。俺はすずの可能なだけの愛が欲しいんだ。少なくても大丈夫。俺の愛で絶対に増やしてみせるから!だから結婚して下さい!これプロポーズの予約ね。返事は天界に来てからで良いよ。難しく考えないで、今は異世界生活を満喫してよ。』
《カイ…。有り難う。そんな凄いプロポーズを予約されたら、好きになるなと言う方が難しいよ。待たせてゴメンね。》
『すずっち…。』
〈うーん。ゴホン。お2人の世界はこの辺で宜しいでしょうか?母の体が何故ここに有るのか等、お話の続きを始めませんか?〉
おっお姉ちゃん!やだ恥ずかしい。
『そうだね。脱線してゴメン。お姉さんの体は大丈夫?なら少し話すね。お母さんの体の件は聞くと本当に胸くそ悪くなると思う。すずが気にした俺の帰還方法の件も、話すと長くなるしWで胸くそ悪くなる。心の動揺はこの後の作業に支障をきたすから、2人には悪いけど先に帰還方法の件ね。1番知りたい事を後回しでゴメン。精神の動揺は肉体にも響くんだ。上手く融合しないと困るからね。話より先に魂を移すよ。』
《〈・・・・・。〉》
どうする?話して良い?
《〈お願いします。〉》
『どちらも前ラピス神と地球神のせいなんだ。因みにラピス神より地球神の方が神格が上なんだよ。地球神は神が通る為の、全ての世界へ飛べるゲートを管理してる。神個人が異世界人を自分の世界に送る際は、転移先に帰還用の魔方陣が無ければ一方通行だ。しかしゲートは一方通行じゃ無い。召喚等とも別物だ。俺は地球神と、ゲートで帰還する約束をしてた。魔王討伐の説明をしたのは前ラピス神だが、俺をゲートを介し此方の世界に送ったのは地球神だからね。なのに約束を反古にされた。討伐後に出現させると約束したゲートの入口を何故か隠されてしまった。漸く見付けて帰ればすずが居ない。すずはどこへ行ったんだ?』
散々探したが埒があかないと判断した。
『そこで俺は地球神に文句を言いに言った。しかし何度試してもラピス神の神界に飛ばされる。ラピス神の曰く、地球神は俺を人材派遣したのみ。後の事は自分の管理下だから地球神とは会えないだと。確かに魔王討伐の説明をしたのはラピス神だ。ゲートを隠されはしたが一応帰還は出来たし、確かに地球神は約束を反古にした訳では無い。ならばすずが居ないのは何故か?何が原因なんだ?ゲートを隠したのは何故だ?そもそも誰なんだ?』
カイが拳を握り締め、怒りを顕にしながら一気に捲し立てた。私は何も出来なくてゴメン。今日はゴメンばかりだね。
《カイ・・・・・。》
『ゴメン。また辛気臭くなった。この続きが、前ラピス神断罪の際にすずに見せた映像だよ。全てラピス神の企みだった。アイツはすずに惚れてしまった。死んだ後に魂を絡めとるつもりだったそうだ。無害そうに見せ掛けてとんだ腹黒だよ。すずをストーカーしてる内に、俺との事に気付いたんだろう。慌てて俺の邪魔を始めた。地球神はゲートが隠されたのも知らなかった。すずの召喚には関わってて罰を受けたけど、俺への邪魔は本当に知らなかったそうだ。しかしあの前ラピス神だけは許せねぇ。俺が最後の願いを残して保険掛けとかなきゃ、神界へも行けず泣き寝入りだったわ!』
前ラピス神が私に懸想してた?確かにエッチを教えてやるとか、嫁に来て良いみたいな事言われたけど、この世界の常識を教える為じゃ無かったの?魂を絡めとるって!
《もしかしてそれでお母さんの体なの?私の体は老いて無くなるから、絡め取った魂を入れる為に…。》
〈神様がそんな…。ならお母さんの肉体は無理矢理用意されたの?何か両親に酷い事をして入手したの?なら私は…。〉
『すず正解だよ。お姉さん?お母さんの肉体の入手方法は更にエグいよ。ご両親の事故にも関係してくる。でも事故で亡くなったのは間違いないんだ。この若いお母さんの肉体は関係ないよ。確かに無理矢理では有るけど、本来存在しなかったもの。嫌、本来存在出来なかったものだ。だから2人の母親とは別人みたいなものなんだ。お姉さんには出来るならこの肉体を拒否して欲しく無い。』
本来存在出来なかったもの…。
『現在異世界でお墓に眠って居るご両親のお骨は、紛れもなく2人のご両親だよ。魂は既に浄化され輪廻の輪に戻ってる。肉体も消失した。でも死してお骨は何時までも1つのお墓に眠ってる。2人は離れないよ。死者を冒涜するとか思って欲しく無いんだ。神の傲慢により世界の理をねじ曲げ存在させられた、魂の抜け殻にも存在した意味を与えて欲しい。ただ無に返すのは悲しすぎる。勿論ご両親に酷い事はしていないし、死者を冒涜もしていない。だから大切にしてあげられないかな?ご両親からの贈り物だと思えないかな?』
カイ・・・・・。
私達は暫し沈黙した…。
*****
魔力の無い地球の場合でも、魔力の器は人間の体内に存在する。但し使われて居ない。魔力の無い人の胎内に子が胎内に宿る。魔力が無くともやはり、魔力の器の譲渡は発生する。但し同時に譲渡される魔力が無い為、遺伝情報がコピーされる事が無い。よって再度欠片が母親に戻る事は無い。
これにより母親の魔力の器は欠片の分小さくなり、子の器は大きくなる。母親は大体3人生むと欠片が無くなる。しかし魔力を使用しない地球では、全く不便もなく関係もない。魔力の器は臓器とは違い、目に見える物では無いから気付きもしない。
『難しいかな?だから既に2人生んでるお母さんの魔力の器は小さいんだ。これが神に魔力線を解放されても、下界で解放したエティよりもスペックがダウンした原因だ。大体の異世界人がチートなのもこのせい。召喚されるのは若い子が多い。母親から欠片を譲渡されてるし、母体に返して居ない。更に殆んどが出産してないからね。』
成る程。本当に真面目な話だね。疑ってごめん。
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お茶を飲みながら一息つく。海翔君が残念そうに話し出す。まだ何か有るの?
『しかし地上にいる聖獣が少なすぎるね。これもこの世界を歪めてる。ラピス神は何を考えてたをだろう。人と聖獣は互いに補いあってるんだ。自然を愛する聖獣が人の欲を抑制し、地上の自然を保護する。聖獣は地上に居るだけで空気を浄化し、主から魔力を貰い過剰分を地上に還元する。下界では魔力を沢山欲する聖獣に人は魔力を供給し、契約を結び過ごし易い環境を与える。これにより体内の過剰な魔力を放出したりもする。まれに高魔力持ちでも、魔法を使えない人も居るからね。正にWin Winの関係だ。しかし心地好く貰える魔力が存在し無いなら、聖獣は無理して下界に居る必要は無い。聖獣界に引きこもればよい。聖獣界は、常に心地よい魔力で満たされてるからね。だから人間界とは隔離されてる。』
フロックス国の前国王がそうだったね。魔法が使えないから魔力が放出出来なかった。無理して下界で過ごす必要は無い…。確かにそうだよね。寂しいけど聖獣達だって、心地よい魔力を貰えないなら無理はしたくない筈。当たり前だよ。地上より聖獣界に居た方が良い。
《勇者の時代に聖獣達は居たの?》
『わらわら居たぞ?俺もかなりの数と契約してたからな。』
えー!びっくり。そんなに沢山居たの?それなら本当に共存だよね。勇者の旅にも協力したり同行したんだね。それは凄いな。モフモフも沢山…。
『アイツらもそろそろ気付いてるんじゃね?いや、思い出したと言うべきか?セリーは気付いた感じだったしな。アイツらは孤島の魔王城に乗り込む際の援軍だ。ちんまくなってるけど、多分タルバは元パーティーメンバーだ。銀狼は森の主で、魔の森の案内人。因みにセリーは孤島へ渡る際の海からの援軍だった。他の奴等は若そうだから無理だろう。他は皆聖獣界に隠ってるな。引きずり出すか?』
やはり魔王討伐に協力したりしてたんだね。昔の聖獣達は、本当に仲良く人間と共存してたんだね。
《それはビックリだよ。しかし良く顔を覚えてたね。》
『当たり前じゃん。聖獣達には何百年前でも、俺にとっては数ヵ月前だぞ。しかも帰還方法探すのに協力させたし、兎も角四苦八苦したんだ。忘れられる訳が無い。』
確かにそうだね。でも帰還方法って、海翔君は魔王討伐が終了して元の世界に戻ってたんだよね?そこに私が居なかったから、ラピス神様に抗議に来た。あれ?そう言えば、どうやって元の世界から神界にこれたの?不思議よね?それもだけど、勇者の召喚先が何百年前って、セリー達は何歳なの?私が死んだらどうなるの?次の主は直ぐにみつかるの?心配だし、怖くて聞けないよ。
『それは心配ナイナイ。先々すずの方が長生きになるから!因みに使徒天使になっても聖獣達との魔力線は切れないよ。契約も永遠だ。すずは人間として1度は死ぬけど、聖獣達は主を失う心配は無い。却って皆喜んでるんじゃないかな?主を失う恐怖を味あわずに済むからね。と言うか、俺の使徒天使になったら死なないから!すずっちとオレ。永遠にラブラブしようねー。』
口に出してない事に返事は要りません!重要な事をおちゃらけて言うな!契約は永遠って、私は皆を縛り付けたくないよ?
『心の声は丸聞こえだから勘弁してね。神の世界ではテンプレでしょ?後色々知ってるのは神の知識だけじゃ無いよ。帰還する為に散々調べたからね。因みに召喚されるのに10代が多いのは何故だと思う?これもテンプレでしょ?』
若い子の方が順応性が有るから?
『ノンノン!若い子の方が騙し易いからだよ。聖女によっては処女性が必要何て場合も有るけど、処女性に年令関係ないよね?若い必要も無いでしょ。若い子は感情的になり易い。頼られ持ち上げられると、ホイホイ御輿に乗せられちゃう。元の世界に戻さない為にエロ特化するのもそのせい。ヤりたい盛りの男子にはハーレムを宛がう。夢見る女子にはキンキラ王子様を宛がう。これでOK。既成事実で子供出来て帰還しないパターンが大概だね。』
《ふーん。カイもハーレムしてたんだ。楽しそうだね。》
『俺はしてません!俺の童貞はすずの為に大事にしてます。しかし夜這い凄かったんだぞ。しまいにはこれでも堕ちない勇者は、男色だとか言われて美少年送り込まれるし。それでも無視してたら、ならば逆かとムキムキマッチョを送り込んでくる。まさか異世界でお尻の心配すると思わなかったよ。』
なにそれ美味しいかも。やはりカイは上より下の方が・・『すずっち止めてー!』
《カイ?私の為に有り難う。でも私はこの世界に来て流されてたよ?カイとの別れも仕方無いと思ってた。正直結婚まで考えて無かった。ライドとの事も有る。私はカイの気持ちにどう答えたら良いのか解らないよ。》
『すずっち!漸くカイって呼んでくれたね。俺の方が愛が重いのは付き合い始めた頃から解ってる。でも俺はすずっちが離せない。すずっちも俺が嫌いじゃ無いから、海辺のホテルも決心してくれたんだよね?なら流されちゃってよ。ライドの事もだよ。無理強いはしない。嫌なら嫌だと言って。嫌じゃ無いなら側に来てよ。俺は絶対に幸せにする。悔しいけど、ライドも多分同じ気持ちだと思う。俺と同じ分だけ返せなくて構わない。俺はすずの可能なだけの愛が欲しいんだ。少なくても大丈夫。俺の愛で絶対に増やしてみせるから!だから結婚して下さい!これプロポーズの予約ね。返事は天界に来てからで良いよ。難しく考えないで、今は異世界生活を満喫してよ。』
《カイ…。有り難う。そんな凄いプロポーズを予約されたら、好きになるなと言う方が難しいよ。待たせてゴメンね。》
『すずっち…。』
〈うーん。ゴホン。お2人の世界はこの辺で宜しいでしょうか?母の体が何故ここに有るのか等、お話の続きを始めませんか?〉
おっお姉ちゃん!やだ恥ずかしい。
『そうだね。脱線してゴメン。お姉さんの体は大丈夫?なら少し話すね。お母さんの体の件は聞くと本当に胸くそ悪くなると思う。すずが気にした俺の帰還方法の件も、話すと長くなるしWで胸くそ悪くなる。心の動揺はこの後の作業に支障をきたすから、2人には悪いけど先に帰還方法の件ね。1番知りたい事を後回しでゴメン。精神の動揺は肉体にも響くんだ。上手く融合しないと困るからね。話より先に魂を移すよ。』
《〈・・・・・。〉》
どうする?話して良い?
《〈お願いします。〉》
『どちらも前ラピス神と地球神のせいなんだ。因みにラピス神より地球神の方が神格が上なんだよ。地球神は神が通る為の、全ての世界へ飛べるゲートを管理してる。神個人が異世界人を自分の世界に送る際は、転移先に帰還用の魔方陣が無ければ一方通行だ。しかしゲートは一方通行じゃ無い。召喚等とも別物だ。俺は地球神と、ゲートで帰還する約束をしてた。魔王討伐の説明をしたのは前ラピス神だが、俺をゲートを介し此方の世界に送ったのは地球神だからね。なのに約束を反古にされた。討伐後に出現させると約束したゲートの入口を何故か隠されてしまった。漸く見付けて帰ればすずが居ない。すずはどこへ行ったんだ?』
散々探したが埒があかないと判断した。
『そこで俺は地球神に文句を言いに言った。しかし何度試してもラピス神の神界に飛ばされる。ラピス神の曰く、地球神は俺を人材派遣したのみ。後の事は自分の管理下だから地球神とは会えないだと。確かに魔王討伐の説明をしたのはラピス神だ。ゲートを隠されはしたが一応帰還は出来たし、確かに地球神は約束を反古にした訳では無い。ならばすずが居ないのは何故か?何が原因なんだ?ゲートを隠したのは何故だ?そもそも誰なんだ?』
カイが拳を握り締め、怒りを顕にしながら一気に捲し立てた。私は何も出来なくてゴメン。今日はゴメンばかりだね。
《カイ・・・・・。》
『ゴメン。また辛気臭くなった。この続きが、前ラピス神断罪の際にすずに見せた映像だよ。全てラピス神の企みだった。アイツはすずに惚れてしまった。死んだ後に魂を絡めとるつもりだったそうだ。無害そうに見せ掛けてとんだ腹黒だよ。すずをストーカーしてる内に、俺との事に気付いたんだろう。慌てて俺の邪魔を始めた。地球神はゲートが隠されたのも知らなかった。すずの召喚には関わってて罰を受けたけど、俺への邪魔は本当に知らなかったそうだ。しかしあの前ラピス神だけは許せねぇ。俺が最後の願いを残して保険掛けとかなきゃ、神界へも行けず泣き寝入りだったわ!』
前ラピス神が私に懸想してた?確かにエッチを教えてやるとか、嫁に来て良いみたいな事言われたけど、この世界の常識を教える為じゃ無かったの?魂を絡めとるって!
《もしかしてそれでお母さんの体なの?私の体は老いて無くなるから、絡め取った魂を入れる為に…。》
〈神様がそんな…。ならお母さんの肉体は無理矢理用意されたの?何か両親に酷い事をして入手したの?なら私は…。〉
『すず正解だよ。お姉さん?お母さんの肉体の入手方法は更にエグいよ。ご両親の事故にも関係してくる。でも事故で亡くなったのは間違いないんだ。この若いお母さんの肉体は関係ないよ。確かに無理矢理では有るけど、本来存在しなかったもの。嫌、本来存在出来なかったものだ。だから2人の母親とは別人みたいなものなんだ。お姉さんには出来るならこの肉体を拒否して欲しく無い。』
本来存在出来なかったもの…。
『現在異世界でお墓に眠って居るご両親のお骨は、紛れもなく2人のご両親だよ。魂は既に浄化され輪廻の輪に戻ってる。肉体も消失した。でも死してお骨は何時までも1つのお墓に眠ってる。2人は離れないよ。死者を冒涜するとか思って欲しく無いんだ。神の傲慢により世界の理をねじ曲げ存在させられた、魂の抜け殻にも存在した意味を与えて欲しい。ただ無に返すのは悲しすぎる。勿論ご両親に酷い事はしていないし、死者を冒涜もしていない。だから大切にしてあげられないかな?ご両親からの贈り物だと思えないかな?』
カイ・・・・・。
私達は暫し沈黙した…。
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