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【色々楽しんでみたよ】

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 お早うございます。私はすっかり学園にも慣れました。今日も1日無理なくのんびりマイペースにお勉強~。巷では天然鈍感娘と言われてるそうですが、そんな事私は全く気にしません!だって学園はお勉強をする為の場所なのですよ?イチャコラする場所では無いのです。そう私は怒って居たのです!学生は勉強が本分なのです。こんな事子供だって知ってるんです。学園は勉強する所なのですよ!大事な事なので2回言ってしまいました。

 平和な日常。のんびりマイペースにお勉強~。の生活に戻るまで、暫しドタバタが有ったのです…。

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 最近私の周りが慌ただしいのです。毎朝、大講堂のロッカーにはお手紙の山。これでは教科書が入らないでは無いですか!お手紙確認するのも大変です。勿論知らない人からのお呼びだしなんてスルーですよ。お付き合いもしません。知らない人に着いて行ってはいけないのです!お友達になりましょう?お友達は大歓迎です。皆でお友達になりましょう。2人だけでは寂しいですよね。でも何故2人だけになりたがるのでしょう?異性と2人きりは恥ずかしいので嫌です。好きな子とは2人になりたいって言うけど、私はいきなり知らない人を好きにはなりません。お友達は大好きだけど、異性のお友達と2人きりはやはりダメです。いけません。私がきらりちゃんやかれんちゃんとお喋りしてる邪魔をしないで下さい。お話するなら此処で一緒にお喋りしましょう。これらって、常識と言うか当たり前の事なのでは無いのでしょうか?

 何だか毎日監視されてる様で窮屈です。まるで動物園のぱんだちゃんになった気分です。ぱんだちゃん可愛いけど、やはり見られるのはストレス貯まるんだろうなぁ。ぱんだちん見てたらついそんな事思い付いちゃいます。ぱんだちんは、そんな私見て胡散臭そうな顔してるよ…。私今そんなに変顔してますか?そんなドタバタの中、生徒会の会議が有りました。議題は何と私の事。正直泣きたくなっちゃいましたよ。

 例のクッキーの件で私の人気が急上昇。一部生徒が暴走しそうとの事。暴走って何!?恐すぎです。でもクッキー1枚で、何でそんな大事になるんだろう。バレンタインみたいな特別じゃ無いんだよ。もしかして餌付け効果なの!?何て流石にそれ言ってはは失礼かもしれないんだけど、私が人気何て信じられないよ。女の子が少ないからかな。可愛い子いっぱい居るのにね。

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 生徒会には《生徒会ファン倶楽部》と言うのが有るそうだ。これは代々続いてるんだって。へえ~。何だか凄いね。ファン倶楽部は生徒会の皆さんを応援しよう!が基本らしい。そして更に個人的なファンクラブに別れる。現在は会長、副会長、るり先輩に個別ファンクラブが有る。ユーリ先輩とるり先輩は大納得だけど、そうや君にも有るんだね~。

 今回の対策にと、知らぬ間に私の個人ファンクラブが設立されたらしい。私は特に何もしなくて良いし気にしなくて良いそう。ファンクラブの会員はお互いに節度を守り暴走を防ぐ。そして私を見守ってくれるそうだ。別名《ゆうかちゃんを見守り隊》だって。でも正直何だか怖いよ。別に見守って貰いたく無いよ…。何て変顔で半泣きしてたら、ファンクラブは生徒会の下部組織みたいな感じだから安心して大丈夫だって。今まで風紀が無かったので、ファンクラブがその役目をしていたそう。ならば安心かな?皆にゆうかちゃんモテモテだね~。何て冷やかされちゃたけど、これは女子が少ないからですよ!餌付け怖い…。気を付けなきゃダメですね。

 その後、ファンクラブの会長さんと副会長さんが決まり挨拶に来たけど、全てお任せしちゃいました。月1で会合が有るので、それに参加する以外はスルーでOK。そうや君がそれで良いって言ったしね。

 しかしファンクラブ設立で、私の日常は正常化するの?何て心配は全く要りませんでしたよ。発足の翌日には、のんびりマイペースな学園生活がいきなり戻って来たのです。本当にビックリです。ファンクラブの皆さまに足向けては眠れません。大感謝なのですよ。

 しかし来月の会合が怖いです。定員30名、全て男子。直ぐに満員になり空き待ち待機まで居るそうです。その中に私1人参加なの?と思ったら、生徒会のメンバーも全員参加だって。なので私も皆さんの時は参加なのですね。生徒会の下部組織扱いは伊達ではないのですね。ひと安心です。

 そんな感じで今日もお勉強頑張ります!

 のんびりマイペースな学園生活最高です!

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 生徒会の会議が終了し解散となりました。ぱんだちんとローズちゃんは、授業が終わり次第神さまの所に修行に行っちゃってます。ローズちゃんは、やはりパートナーさんが決まったそうです。なので一緒に居られる時間が減りました。少し寂しいね。でもローズちゃんは嬉しそう。そんな幸せそうな笑顔に、私もほんわかしちゃいます。それを横目でチラリと見ていたぱんだちん。

『ゆうかちゃんにはボクが居るでしょ?』

 だって!お~ぱんだちんがデレてる!可愛いよ~。萌えだよ~。ムギュ~。もふもふ。すりすり。久々に抱っこしてもふりまくり~。

 くるくるすっぽんっ!とうっ!

 またにげられちゃったよ。久々なのに…。このテレ屋さんめ。超稀少なデレご馳走さま。

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 お部屋に戻ろうとしたら、顧問の先生に声をかけられました。先日のクッキーのお礼です。何だかめちゃ感動されてます。せいき君にあげちゃって足りず残りを詰めた事は絶対に内緒です。

 先生は薔薇の花が大好きだそうで、バラのクッキーがとても気に入ったそうです。ローズちゃんもバラの聖霊だと知り興味津々の様です。今日は会えず残念がって居ます。

『ゆうかさんはバラの聖霊さんの誕生に立ち会ったそうですね。温室ですよね?』

『はい温室です。でも誕生の瞬間に立ち会ったのでは無いんですよ。ローズちゃんに私が出会った時は、虹色の蝶々さんでした。』

『生まれたての聖霊に出会えるなんて本当に稀有な事なんです。しかもバラの聖霊だなんて素晴らしいです。どのバラの聖霊か解りますか?お名前はローズちゃんと仰るんですね。とても素敵なお名前です。』

『ピンクと白の大輪のバラでした。その群生の辺りから、虹色の綺麗な蝶が飛んで来たんです。でも私ではその時はまだローズちゃんとお話が出来なくて、ぱんだちんに神さまの所へ連れて行って貰ったんです。修行して小鳥さんになったそうですよ。パートナーさんも決まったそうです。』

『ピンクと白のバラでしたか。それは嬉しいですね。実はあのバラは、古のお姫さまのバラなのです。私はあのバラが好きでずっと探して居ました。学園の温室で見つけて以来、丁寧に育て増やして来ました。もしかしたら、私の想いもローズちゃんにお力添え出来たのかもしれませんね。感慨深いです。』

 古のお姫さまのバラ?バラの国のお姫さまの薔薇も、確かピンクと白のバラだったよね?

『そんな思い入れの有るバラだったんですね。ローズちゃん喜びますね。伝えて置きます。あっローズちゃんもバラのクッキーが一番だって言ってました。お揃いですね。』

 ゆうかさんはパートナーで無い聖霊の声も聞こえてる様ですね。アクセでしょうか?

『私は今先日見付けたばかりの、ピンクパール色の大輪のバラを育成し増やしています。このバラに真っ白なミニバラを添え、花束を作る予定なのです。お姫さまのバラも入れますね。クッキーと聖霊さんの貴重なお話を聞かせて戴いたお礼に貰って戴けませんか?』

 えっ先生に花束なんて貰えないよ…。

『先生からお礼なんて戴けないです。クッキーは皆にあげたし、更に騒ぎおこしちゃったし。本当に私大した事してないです。』

『あの騒動はゆうかさんのせいでは有りませんよ。私が育てている温室のバラは有機栽培です。花びらは食用にもつかえますよ。是非お菓子作り等に役立て下さい。』

 う~ん。そう言われちゃうと断りにくいなぁ。でも先生だし貰っても大丈夫かな?

『そんなに深く考えず貰って下さいね。近い内にお届けします。う~ん?まだ何か考えてるのかな?大丈夫ですよ?』

 うわっ!先生顔近いよ・何で顔覗き込むの?少しは~な~れ~て~。壁近いし狭いよ~!キツいよ!ぐいぐい押しちゃえ~。

『解りました。お言葉に甘えます。そのバラの花びらでお菓子作って、生徒会に差し入れさせて貰いますね。ローズちゃんも喜ぶと思います。』

 のんびりそうな見た目と違い、意外にガードが硬いお嬢さんですね。中々手強そうです。まあそれも楽しめそうですが…。

『今日は会議お疲れさまでした。突然で驚いたでしょうが、もう大丈夫だと思いますよ。後ゆうかさん、私の事はつかさ先生と呼んで下さいね。それでは聖霊さん居ないので、気を付けて戻って下さいね。』

 別にわざと呼ばない訳じゃ無いし、先生で済むと思うんだけど、意外にしつこいな…。

『此方こそ有り難うございました。先生もお気をつけて下さい。それではお先に失礼致します。』

 …。…。…。

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 何だか先生とお話すると疲れちゃうよ…。

 本当に強情ですね…。…。…。

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