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メリクリ【ルイス&エドワード・画像付き】

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 【メリークリスマス・男同士の対談中】

 王宮にエドワード皇太子様と、婚約者であるエリザベートが到着。夜の晩餐会とパーティーへの参加のため、一泊二日で親善として来訪しました。お二人は初めての来訪ですが、アリーとエリーは既に顔見知りです。個人で外交名誉特使としてエリーの国に何度か訪問し、ギルドからの依頼としてのお付き合いも有ります。アリーはエリザベートに、エリーと呼んで欲しいと言われるくらい仲良しになっています。そして互いに隙をみては、色々と仕出かしているそうで……


 なっなぜなのですか?私の衣装は去年の着まわしでは有りませんか!今年こそはサンタをしたかったのです。え……アリーも今回は間に合わずに昨年の着まわしなのですか?はぁ。なら仕方がありませんね。確かアリーの衣装は、セパレートタイプのミニスカサンタです。今日は可愛らしいサンタさんを堪能させて戴きましょう。


 はて?これがサンタとやらの衣装なのか?クリスマスとは赤と緑と白が基本と聞いたが……ほう?ブラックサンタ?サンタをアレンジしたのか?ならなにも黒で無くても良さそうに。まぁ、エリザベートには似合っているが……出来ればアリー嬢の着ているような衣装の方が……
 それよりなぜ今晩は別の部屋なのだ!婚約者なのだから、少しは気を使えないのか?


 皇太子様は相変わらずですね。煩悩がバレバレです。婚約者様がお好きなのは解りますが……しかしどうしましょう。あちらの王様から、息子の性癖をなんとか出来ないかと相談されたのですが……溺愛加減は私にはどうも出来ません。私もいい加減にしろと、周囲に呆れられているのを自覚していますので……。
 一番の大きな問題は、やはり等身大の人形でしょうね。収集癖の方は、結婚して触れあえば多少は収まるでしょう。婚約者様に嫌がられて逃げられているそうですから、本物が手に入れば偽物はいらなくなるのでは?とにかく普通の恋愛です。アリーを悩ませ泣かせてしまった私が言うのもなんですが、何事も順序が大切なのです。恋愛ベタなアリーには、直球でいかなくては気づいて貰えませんでした。エリザベート様はどうなのでしょう?性癖さえ何とかしてくれたら、政略結婚の相手としては寄り添え支えてゆけると言っているそうです。さすがに女王にと言わしめる女傑ですね。皇太子様はそんな婚約者様に、ついつい甘えてしまっているのでしょう。外交の場では、それは立派な皇太子様なのですから。
 しかしですね!甘えて良いのは心が通じあってからこそなのです!ラブラブになるまでは妙な性癖は隠しなさい!好きにさせてしまえばこちらのものです。なにも知らない彼女なら、バレぬように徐々に教え込むのです。痘痕もエクボというでは有りませんか。嫌よ駄目よは好きの内なのですよ。アリーはバッチリ私色に染めましたからね。もう絶対に逃がしませんよ……


 
 ほうほうなるほど。乙女心をくすぐれと。邪な気持ちは結婚までは隠し、先ずは己を惚れさせるのだな。しかしついつい未だにクリスと呼んでしまうのだ。エリザベートはクリスではない。私もユウではない。前世の記憶と今の人格の折り合いを付けたつもりだ。しかしエリザベートに拒否をされると、ユウの記憶が呼び起こされてしまう。ユウが犯した罪を後悔しているからなのだろう。しかし後悔は先に立たずだ。しかもユウは今の私とは違う。私はユウと同じ過ちを犯してはならない。
 エリザベート。否、エリーに私は愛されたい。愛した分だけなんていえない。それ以上に愛されたい。しかしそれは私のエゴだ。愛の押し付けにしかならない。世の中には悲恋などごまんとある。愛する者が婚約者。それだけでも私は恵まれているのだ。しかも彼女は私に寄り添い支えてくれるという。王になる私と並んで歩いてくれるという。そんな素晴らしい彼女に無理を強いている私が情けない。
 エリザベートの人形は封印しよう。婚約者としてのいろはから始めよう。そして再び愛を乞おう。愛を得たら育てよう。
 好きにさせてしまえばこちらのものなのか?アリー嬢のようにエリーも恋愛には疎いようだ。たぶんなにも知らぬだろう。痘痕もエクボに嫌よ駄目よは好きの内とは!私もエリーを私色に染めたい!
 ルイス殿!是非婚約者としてのいろはを教えてくれ!
 私は頑張るぞ!

 *****

 「なるほどな。やりすぎ厳禁だと。さりげなく続けることが大切なのだな。試してはいけないと……これは既にしてしまったな。婚約破棄の件は大反省している」
 「ではデートなどはしていますか? 」
 「公務が多忙で中々……」
 「今回も公務ですよね?失礼ですが宿泊の部屋が別々で、がっかりしていませんか? 」
 「そっそれは…………」
 「男として気持ちは良く解ります。しかしそれを口に出しては駄目ですよ。一緒の部屋で惚れた女性と二人きり。我慢できますか? 」
 「確かに無理だな。最後までは無理だが、先に眠らせて触れ合ってしまいそうだ。同室はそれが目的でもある! 」
 「絶対にそれだけは駄目です! お相手の許可なしですよね? 私もさすがにアリーに意識が無ければ無体はしません。同意なき接触は犯罪ですよ! 婚約者様は嫌がっていませんか? それとも気づいていないのですか? 」
 「たぶん薄々は気づいてると思う。眠らせた後は極端に避けられるからな……」
 「ならまずそれを止めましょう。そしてその時間に散歩にでも誘うのです。花を愛でながら女性をほめる。さりげなく手を繋ぎ、スキンシップを増やす。焦って鼻息を荒くしたり、厭らしく迫っては駄目ですよ。あくまでも自然にです。そして回数を重ね、徐々にステップアップして行くのです 」
 「ほう。ちなみにルイス殿は結婚までどこまで進んだのだ? 」
 「……内緒ですよ?ゴニョゴニョゴニョ…………」
 「なるほど…………アリー嬢は中々手強いのだな。しかしやはり色事を知らぬのは良いな。そこまでしてくれるのか?否、しても怒らないのか! エリーにしたら殺されそうだ…………」
 「だからそれは己の手腕です。しかし先ずは愛を乞いなさい。公務の間にも時間はあるはずです。ささやかでも私のために! というサプライズが、女心を擽るのです 」
 「ささやかなサプライズか……」
 「そういえば……先ほど婚約者様が、食べ歩きに行きたいと護衛に話し、危ないからと却下されていましたね。ならばアリーのいる、メインガーデンの東谷はどうでしょう?まだ開店前ですから警備はしやすいですし、異国の珍しい品が有りますから、サプライズなプレゼントにどうでしょうか? 」
 「それはよい考えだな! その後少し散歩をして、そのプレゼントを手渡そう。では早速メインガーデンへ行くぞ! ルイス殿頼む! 」

 はいはい。ではエリザベート様を呼んできましょう。

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